—あれから数十分後
「ん〜...何もないのが1番なのはそうだけど本当に何もないってなるとそれはそれで退屈なのよね〜。」
「ヒリング、その考えを否定するわけじゃないけど今の僕たちの状態はあまり良いとは言えない。僕たちは今普通の人間より上と言うだけであって不服ながら人外どもには勝てないことは早苗の話からわかっているだろう。そう言う鬱憤はどこかで奇跡的にモビルスーツを見つけるか、それとも自分自身が進化しさらに上のステージへと登った後に晴らすといい。」
あれから僕たち二人はこれからの予定を確認しながら人里へ来た。来る途中で何にも襲われなかったのは確かに拍子抜けだが...そもそも人の目がつきやすいようなところではああ言う獣も活動しにくいのかもしれないね。なら基本的には道は整備されているところを通った方が良さそうだ。銃弾ももうヒリングのと合わせてせいぜい10発前後、1発でやれるとも限らないこの武器でこの弾丸数は流石に心もとがなさすぎる。
「ね〜、リボンズ。ここまで来たのはいいけどこれからどうするの?」
と僕がどうしたものかと悩んでいるとヒリングがそのようなことを聞いてくる。とりあえずは情報を二手に別れてやるのが1番かな...ヒリングを一人にするって言うのは少し心配だが仕方ないだろう。
「そうだね、とりあえず僕は本屋のような物を探して幻想郷についての理解を深めるよ。今の僕たちは力がほとんどない状態だから僕たちでも扱えそうな力を見つけるためにね。その間ヒリングはこの里の中にいる男を狙い情報を聞き出すのと、資金も集めて欲しい。」
とそう考えた後僕はヒリングにそのように指示を出す。別に僕が小娘を口説いて適当に資金を集めてもいいんだがヒリングに本や紙で情報を集める役割を与えたくはないからね...しばらくは拠点となる場所を見つけるために宿を使うことになるだろう。こんなことなら早苗のところで居候にでもなるべきだったか...いや、それは少しリスクが大きいな。僕はまだこの世界について無知すぎる、そんな状態でこの世界に順応した人間と会話するのは危険だ。
「わかった、人間の男どもからむしり取るついでに情報を集めて来たらいいのね。そんな簡単なことならアタシにまかせて!」
とそのようなことを考えているとヒリングはそう僕に言った後人里内に入っていく。...僕も早急に動くとするか。さて早く見つけることができたらいいんだが....ここが人里か。一目見たところいわゆる江戸時代だったか?そのあたりの文明発展度に見えるね。となると機械類があるのも望み薄か...と、さっきの店では古いタイプだがテレビらしきものが見えたな。あれは早苗が言っていた外から流れ着いた物と言うことか...?ただ売ってあると言うことはコンセントなどもあると言うことか。一部の機械類はあると言ったおころか...そうなればモビルスーツの部品もどこかに流れ着いている可能性がある。早苗の話では確か河童と言う種族と言う種族が色々発明していると言う話だったか。テレビがあるのなら河童のところに行けば部品を入手できる可能性も...と、本屋らしき場所はここか...「鈴奈庵」か。とりあえず入ってから確かめてみようかな。
「あ、いらっしゃいませ。」
と僕がそのような思考をしながらその店に入ると小さな小娘がそのように挨拶をしてくる。...店番にしては幼いな。だが我が物顔でカウンターらしきところに居座っているところを見るに人手不足だから配置してある、というわけではなさそうだ。そうなるともしやこの小娘も人間ではない可能性もあるな...
「すみません、少し本を読みたいのですがこのお店は立ち読みなどは許可されているのでしょうか?」
とそうその店員らしき小娘に聞く。ダメだったのなら一度ヒリングと合流してお金を持ってから出直さなければならないが...
「大丈夫ですよ、どうぞご自由にお使いください。あ、ただ乱暴には扱わないでくださいね。」
とそのようなことを考えているとその小娘はそう答えてくる。それならいい。しかし本の種類はさほど多くないな...とりあえずは幻想郷と題名についてある本を読んでいくとするか....
—幻想郷について
ここ幻想郷は遥か昔八雲紫などの賢者たちが作った楽園である。外の居場所がなくなった者は幻想郷が受け入れる。幻想郷は弱者を守るための世界でもあるのだ。成り立ち当初から幻想郷にいる者は現在確認されている限りでは八雲紫くらいのものである....その立場のおかげか八雲紫は幻想郷外から人を連れてくることができる。その大半の目的は幻想郷を維持するためのものであるがごく稀に八雲紫が興味を持った人物を入れることもある...この八雲紫と言うやつがこの幻想郷の実質的なトップと考えていいのか?それと妖怪などの人間でない者は元いた世界で死に、そして忘れ去られた者達だったと言うことか。人間よりはるかに優れているだろうに人間に退治された話が大半と言うのは化け物を退治するのはいつの時代も人間だと言うことか?人間ごとにやられるなど上位種を名乗れることはなさそうだね。しかし...この博麗大結界と言うものがある限り僕たちはこの幻想郷と言う世界に閉じ込められたままなのか。元の世界に戻るつもりはないとは言え外の世界から物資を確保するのはどう頑張ったとしても不定期になりそうかだね。となるとやはり幻想郷内でなんとか物資の調達などを安定させるしかないか...モビルスーツを作るのは絶望的かな...GNドライブもないモビルスーツなんて作っても僕たちの操縦についてこれないだろうしからね。と、これは....友好度?妖怪などについても書いてあるのか...博麗霊夢、あの赤い巫女服の女か。ん?空を飛ぶ程度の能力...?次に書いてある人物の欄にも魔法を使う程度の能力と書いてあるな....この〇〇する程度の能力と言うのがいわゆる特殊な能力の内容だと言うことか...?まぁいい、頭の片隅に入れておくとしよう。気になる能力があるのならそれも...と、この吸血鬼姉妹の能力はかなり物騒だな。運命を操る程度の能力とありとあらゆるものを破壊する程度の能力だと?流石にある程度は誇張して書いているとは思うが...仮にほんの少しだけだとしてもこの二つはかなり恐ろしい能力だね。...と、早苗についても載っているのか。ちっここにも書かれていると言うことは本当に現人神なんだな...認めたくはないがまぁいいさ。それより...奇跡を起こす程度の能力か。実際に見たわけではないからなんとも言えなくはあるが...自分の都合のいいような結果が出せたりすると言うことか?それならもしかしたら奇跡とやらでモビルスーツを確保するのも可能かもしれないね...ん?早苗の横に載っているのは...神奈子と諏訪子と言う神...早苗の隣に書いてあると言うことは関係者...関係神なのか?早苗自身の話はロクに聞いていないからなんとも言えないな...次会った時に聞いてみようか。それがいつになるかはわからないけどね。さて他に警戒するべき人物は...古明地こいし、心を読む程度の能力か。これは厄介な能力だな。噛み砕いて言えば僕がヒリング達にやっていることを目の前の相手に無差別にできるのだとしたら僕の思考を読まれた時点でアウトだ。警戒されてしまえば僕たちにできるのとはなくなってしまう...そうなれば詰みだ。もしかしたら最も警戒するべき人物なのかもしれないね。さてこの辺りでいいか。他にも危険度とやらが極端に高い者もいたが純粋なスペックでゴリ押されて終わるのであれば警戒しても無意味だからね。となれば後は地図を...よし、それらしいものもあった。出来れば借りたいところだが...無一文だし一度見てなんとか覚えるしかないか。はぁ、やれやれこれからどうしたものかな....
—リボンズが本で情報収集していた頃ヒリングは...
「ふ〜ん、お兄さんいつもは警備の仕事をしてるんだ。今は非番ってこと?」
「ああ、そうだな。だが君のように可愛い子に声をかけられるなんて俺はついているらしい。」
「あはは、口がうまいね。でも純粋に褒め言葉として受け取っておくよ。」
とアタシは適当に引っ掛けた男からそれなりの額をもらう代わりに話し相手になってやっていた。アタシは人間には興味ないんだけどな〜。まあでもリボンズの役に立つためなら仕方ないよね。こいつの目つきが私をそういう目で見てるのはわかるのも気持ち悪いと思う原因だけど。こいつもアラウズにいた男と女じでアタシに話しかけられて舞い上がってるわね。男って単純。単純な方が扱いやすいからいいけど。
「それにしても君、見ない顔だがどこから来たんだ?」
とアタシがそう考えているとその男はそうアタシに聞いてくる。どこから来たのか...えっと確かリボンズがこう言えって言ってたのがあったような...あ、そうそう!
「いつもは人里からちょっと離れた小屋に兄と一緒に住んでるの。買い出しとかもいつもお兄ちゃんがいくからアタシを見ないのも当然の話ね。」
と来ている途中でリボンズが伝えた言い訳を思い出して言う。塩基配列的にもアタシはリボンズと同じ、広い括りで言えば僕たちは兄弟だと言えるだろう。髪の色も一緒だしね、ってリボンズが言ってたわね。こんなところで塩基配列が同じなことがメリットに働くなんて思ってもみなかったけど...ま、役に立ったのならそれでいいわよね!
「そういうことか。それなら俺が見かけなかったのも無理はいない。じゃあ人里はあまりわからないだろう?俺が案内してやるから一緒に行こうよ。」
とアタシの腰あたりを手で触れながら言う。....警備員失格だね、こんなやつが警備員なんて人里の管理が不完全である証拠、人里もリボンズに任せればいい方向へ持っていってくれるのに...まぁいいや。それはさておき、この気持ち悪いやつさっさと別れちゃお。とそう考えた後アタシはその男の手を掴みそのまま背負い投げでその男を投げ飛ばすのであった...