放課後 1-A教室
放課後になり、生徒会へ向かう準備をしている中突然放送用スピーカから大音声が飛び出す。
『全校生徒の皆さん!』
「え?何この放送?」「うるさい」など周りから声が飛び交う中、真司は深雪と顔を見合わせる。
真司「これって不味いやつだよね?」
深雪「不味いやつだと思います」
ため息を吐きながら
真司「急いで放送室に向かおう。生徒会役員も招集がかかるだろう」
そう言い終わるや否や通信端末にメールが入る。真司は深雪と急いで教室を出て、放送室に向かう。
途中で達也とも合流し、ブランシュの強いて言えばエガリテの仕業だろうという話をしながら放送室へと向かう。
真司「深雪、達也、気が乗らないのは分かるが急いだほうがいい」
放送室に到着すると既に摩利、十文字克人、鈴音、風紀委員と部活連の実行部隊が揃っていた。
摩利「来たな」
各々が相談したり達也が質問している中、真司は不穏な気配を漂わせていた。その様子にただ一人深雪だけが気付いて声をかける。
深雪「真司さん、何しようとしてますか?」
真司「いや、めんどくさいから電子錠ごと斬った方が早い気がして…」
深雪「皆さんそう思ってるけど、それをしない方法を模索していらっしゃいますから」
真司「そうなのか?でもあらゆるトビラのカギを開けるスキルとかあるし電子的な鍵にも使えるのか気になったし試してみたい」
そう言って右手を翳そうとする真司を深雪は止めようとする。
深雪「真司さんダメです」
真司「何かしないように深雪が手を押さえ込んでおいてくれ。それとも深雪の手を握っておいて何もしないようにしておくか」
そんなこと言いながら深雪の左手を握る。こんな状況でも変わらない態度を示す真司に黙って顔を赤くする。
そんな夫婦漫才してる二人をよそ目に達也が通信端末を開いて壬生先輩に通信を開く。その様子を見て、真司は手をつないだまま深雪と話し合う。
真司「おっ達也も手が早い。言葉責めした相手の連絡先持ってるなんてな」
深雪「真司さん、不謹慎ですよ」
真司「でも気になるだろ?深雪も」
深雪「気になりますけど、お兄様がお決めになることですから」
真司「重度のブラコンだったらここで『なぜプライベートナンバーをお知りだったのか説明お願いします』とか言いそう」
深雪「私は……」
真司「俺が壬生先輩のプライベートナンバー知ってたらそう言うだろ?」
深雪「……言いますね」
真司「ヤキモチ焼いてくれるのは可愛いけど、不安にさせたくはないからちゃんと深雪に報告するけどな」
そんな会話している最中も、放送室のトビラが開いて壬生先輩含めた実行犯が出てきて拘束されていく。
達也と壬生先輩と十文字先輩のやり取りを眺めてると真由美がやってくる。どうやら学校側と相談して今回の問題生徒の措置を生徒会で受け持つようであった。
この後話し合いがされるようで真司たちは先に帰って良いとのことになった。
真司としては、学校や生徒会へ話し合いを求めることもなく、いきなり強硬手段に出た生徒たちに何の罰もないのは甘いのではないかと思った。
だが一方で、今回の騒動の遠因には、魔法科高校が二科生制度によって生じた問題を長らく放置してきたこともある。
そう考えれば、学校側が今回の件を話し合いで収めようとするのも、落としどころとしては妥当なのかもしれない。
どちらにせよ、生徒会に所属しているとはいえ真司も一人の学生に過ぎない。学校側の決定や生徒会長である真由美の判断にまで口を挟むことではないだろう。
そう考えた真司は特に何も言わず、真由美に挨拶だけして深雪たちとそのまま帰ることにした。
真司「随分と甘い対応だった気がするが、こんなものなのだろうか」
真司の独り言とも取れる発言に深雪が反応する。
深雪「真司さんどういうことですか?」
真司「話し合いすることには反対はないが、学校や生徒会を通して訴えを起こすこともなく強硬手段に出た学生に対して放送室を不法占拠したことの処分が甘かった気がするだけだ」
深雪「確かにそうですね。でもそれでいいのではないですか。更生の余地があると判断したのかもしれませんし、もしくは何か裏の事情があるのかもしれません」
真司「あの場にいた学生の全員が精神誘導されてる反応だったし、真由美先輩も何か掴んでるのかもな」
達也「前に話した精神を見抜くスキルとやらか」
真司「そうだ。直談判もせず強硬手段に出る辺り不自然な感じがするからその辺りを見抜いてるのかもしれない」
達也「明日会長に今日の話し合いのことを聞こうか」
真司「それがいいだろうな。リッチャーズの方にブランシュの情報集めるように指示だしとく」
達也たちと相談して、明日早くに学校に来て真由美から今日の話し合いの結果を聞くことにした。
本当は22日とまとめる予定だったけど、次が少し長いオリジナル話が入ったから短いけど分割した