宇宙は空にある。 作:ペペロンチーノ大好き
さーて、別に要らんけどなんか魔王城の外れに小屋建ててもらったし、
こっから飛ぶか。いざ宇宙へ!
────あの無駄に大気が濃いゾーンを突破した。...いてっ、なんだよ...流れ星か?じゃあそろそろか。
────呼吸なんとかなってるわ、いよいよ行けるなコレ。勝ったな、俺は後少しでこの世界のガガーリンになれる。
──なった。呼吸は問題なし、このまま上昇しよう。
地球が...綺麗だ、それ以上の言葉を添えたくないぐらいには綺麗だ。やっぱり青いな...月は...青ざめてんな。月...月かアレ?なんか輝いてね?気のせいかな...。
にしても前世の地球と見た目あんまり変わらんな、いや大陸の形がだいぶ違うか。あと海の面積が広い。
...このまま月行こうかな。...やめとくか、何か変な魔力感じるし。もうちょっと地球の周りふよふよしてよ。
やっぱ綺麗な景色だなぁ。...裏側どうなってんだ?
...はえーこっちにも大陸あるやん。後で地図書くか。
────もうそろそろ、戻るか。3時間ぐらい地球見回ったが、中々面白かった。ちゃんと雲動いてるし地球は回ってる。
素晴らしい体験だった。脳が澄んだような気がする。帰ろう。
──呼吸をするのは久々だ。
さて、次宇宙へ行く時の課題を考えよう。
一つ目、上昇時の視界の確保。どういうことかというと、まず空を飛ぶ時、空気抵抗の都合上気をつけの姿勢、つまりエドモンド本田スタイルで飛ぶ事になる。そしてこの姿勢、一つ問題がある。前方の視界が全く確保できない。
そのせいで流星にぶつかったりする。地味に鬱陶しいので何とかしたい。
次、記録用紙の確保。宇宙に行くことは達成したのだからもういいやではなく、ちゃんと調べたいし、記録したい。行くには問題ないので後は記録用にレポート用紙か何かが欲しい。
用紙に文字を書く方法が無いように思えるがそこは魔力がある。
こう...血文字書くみたいなイメージでいけるだろう。魔法はイメージってどっかの葬送の人も言ってたからいけるいける。
逆に一つ目の方は解決策が思いつかない。
今までのように深刻な問題ではないにしろ問題は無いに越したことはないが...
まあいつか何とかなるだろう。脳天に瞳生やしたりとかでもするかな。
さて、早速次の宇宙飛行に向けての準備に取り掛かろう。
次の目標は月面着陸だ。
まず月と地球の距離は前世とそう変わらんだろう。だいたい38万km、今の俺の速度は、測ってないから分からんがシュティレよりはだいぶ速いからマッハ3程度だと仮定しよう。
すると単純計算では約4日かかる。ただ軌道投入やルートによっては変動するだろう。往復は約8日、一週間ぐらい。集中力が続くか否かだな。
待てよ...約一週間はやっぱキツくね?ちょっと鍛え直して飛行速度上げるか。
ひっさびさだなぁ、特訓目的で飛ぶの。ここのところずっと魔法の研究してたからな、しゃあない。とりあえず大陸一周するか。
結構時間かかった、丸一日か。まあ海岸線を辿ったから思ったより長かったのはある。50年でどれくらいタイム縮むかな。
次の飛行はいつにしようかな。...確か3日前にエーラ流星流れてたような気がするから次にエーラ流星が見えた時に飛ぼう。
さて...紙はどうするか。
...ヴァルヌンクさんにもらいに行こうかな。でももう魔族は人類の敵だろうし行ったら攻撃されるかも...手紙書くか。文通なら何とかなるやろ。
とりま手紙かいた。あとは...ヴァルヌンクさん今どこにいるんだ?それが分からんとどうしようもないな...一回ヴァルム行こうそうしよう。
さて...今回は事前に言語を勉強してきたから問題ないぜ。早速ヴァルヌンクさんどこにいるか街の人に聞き込みしよう。
にしてもなんか───この街デカくね?超発展しとるな、時の流れを感じる。
聞き込みの結果、ヴァルヌンクさんはこの街の商会の長という事が判明した。住んでる場所も教えてもらったので早速行く。
───ここか。さっさと手紙を入れてと...ん?扉が開いて、あっ
「...随分お久しぶりですね?何用で?」
...タイミング悪ぅ!まあいいや、手間省けた。
「助けて欲しくてですね...紙が欲しいんですが。」
「紙ですか?...何の?」
「記録用紙です。」
なんか困惑していらっしゃる,..まあ意味不明だろうししゃーない。
「久々に尋ねてきたから何事かと思ったら...まあ聞きたいこともありますし、入ってください。」
呆れられてしまった...。
「───なるほど、宇宙飛行の記録のためにね...話は分かりました、いいでしょう。」
よかったわかってくれたらしい。
「ただし条件があります。」
おっと?流れ変わったな。
「記憶の映像化をさせてください。」
「...というと?」
「地図を作りたいのです。」
なるほど。確かに商人なら正確な地図は欲しくなるか。
「あと出来れば魔導書をください。魔法は何でもいいので。」
へ?
「...その心は?」
「...実は2000年ほど前から魔導書収集にハマってしまいまして...。フリーレンさんという同じ趣味の子に出会って、その子に送る用に魔導書が欲しいのです。後単純に私が欲しい。」
...うんまあ趣味があることはいい事だからな。というかフリーレンって聞こえたな。マジ?もうそんな?早ァ...。
「...分かりました、いつか用意しましょう。後記憶の映像化というのは?」
たしかフリーレンが似たようなことしてた気がする。
「ああ、魔法を使います。ちょっと失礼。」
うおっなんか頭から出ていく。不思議な感覚だ、脳みそ吸われてるみたい。
「なるほど、なるほど。......こんな感じですね。...こう見ると北と南にハッキリ分かれてますね。」
仕事早。もう書いたん?絶対魔法やん、どんな魔法だよ。
「では紙をお渡しますね。」
お、来た。ひい、ふう、みい...50枚。十分か。
「ありがとうございます、ではこれで。」
「次会う時は魔導書を持ってきてくださいね?」
了解っす先輩。マジ感謝。
...魔導書どうしよ。...後でいいか、今日も大陸一周しよ。
なんか海岸に居た人に見られような気がする。...まあ正体は多分わからんやろ。
さて...魔導書どうしよ。誰かからもらおうかな。...明日魔王城尋ねるか。日記書こ。
...ん?誰だこんな夜更けに?
...え、エーヴィヒさん?こんな夜中に何してんすか...。
なんか色々持ってますね、魔導具ですか?へーなんすかこれ目玉?
欲しいならあげる?じゃもらっときますわ。
それで何用...何、体を触ってみて欲しい?はあ...?
.....温かみを感じますね、当たり前...温かみ?え?
肉体がある?...????
魂だったはずじゃ...?何がどうなって...
...ん、それは...あの時の魔導書?
それ改造した...何ちゅうもん作ってるんですアンタ。
効果は一日だけだが肉体ごと復活できる?...いや効果聞いてるんじゃないんですよ。
...感謝を聞きたい訳でもないんです。
それをしまってください。
だからぁ!その!魔導書を!しまいなさい!
いや、だって...地獄から引っ張ってきた禁書みたいなオーラ出してるじゃないですか。
え、返す?要らないですかね...いや遠慮じゃなくてほんとに要らないんですがあのちょっと行かないで──
とんでもない厄ネタ押し付けられたぞどうすんのコレ。
...家には置きたくないし...明らかに開いたら死ぬタイプのオーラ放ってるもん。
魔王くんに横流ししたろ。
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「...しかし、アレで良かったのかのう?のう、シュラハト。」
「...良かったも何も、アレしか方法は無かったのだ。」
魔王城の最上階、二人の魔族が会話をしていた。
「...だがのう...まさか儂が同族の頭に瞳を埋め込む経験をするとは思わなかったぞ。」
「..そのような体験をする者など過去にも未来にも存在しない...そして二度とは現れないだろう。逆に二度目があったら困る。」
「では唯一無二の経験ということか。コレはいい経験をしたのう。」
魔物か魔族かわからない者はニヤリと笑った。
「...何のために儂とリヴァーレを呼んだのかと思うたら、この為であったか。いやはや長く生きていれば様々な体験をするのう。」
「...奴が魔王軍に入る条件として脳天に瞳を生やせという訳のわからんものを提示してきたのを未来視で見た時は耳を疑った。しかし奴を仲間にしないと後々困る。...ただ仕方がないとはいえな。」
溜息が聞こえた。
「儂は彼の者のことは気に入っておるぞ。」
「...正気か。」
「彼の者に瞳を入れる時、直近1000年の記憶を抜き取ったんきたんじゃがな、面白い物がある。見えるか?」
「...見えた。...何だこの空間は?」
その光景を見たもう一人の魔族は困惑した。
「...周りには星が漂っており、正面には巨大な青の球体、背面には月、か...?何なのだ...?」
「記憶を読み解く限りだとのぅ...遥か空の上の空間、ということらしい。つまりは星がある場所じゃな。」
「そこに行ったと...?」
一人は困惑を深め、一人は愉快極まりない様子である。
「彼の者は次は月を目指しているらしいのう...ん、如何したかシュラハト。」
「...奴の未来が見えん。」
「彼の者のか?どこから見えなくなったんじゃ。」
「奴の3回目の空への遠征、そこで月に入って行ったところからだ。そこから先が一切見えん。」
老練な魔族はしばらく考え込んだ。もう一人は未来視を続けている。
「...他の者の未来に影響はあるかのう?」
「...ある。他の者の未来にまれに黒い影のような者が写り込んでいる。」
「それがおそらく彼の者じゃな。となると彼の者は存在ごと変わっているのかのう...?」
しばらく沈黙が流れる。
「...未来の大筋は変わっていない。が、この影の挙動が分からん。不確定要素があるとまずいんだが...。」
「ふぅむ...やはり脳に瞳を入れたのが不味かったかのう。」
沈黙。
「...まあ、ありえるかもしれんな。あの劇物を仕込まなければここまでのイレギュラーは起こらなかった...いや、過ぎ去ったことを考えてもしょうがないだろう。」
「明らかに神話の時代の代物じゃったからな。しかし彼の者は純粋に視力増強用のパーツとしか見ていなかったようじゃ。」
静寂。
「そろそろ戻るとするかの。ではなシュラハト。」
「ああ、ではなクヴァール。」
物静かに魔族は去って行った。
「........また会おう。...いややってみなければわからんからな。また会うかもしれないだろう。」
漢リヴァーレ、魔王様の命によりヒルンの脳カチ割りを決行。
魔法など使わなくとも異常に硬いヒルンの頭皮に苦戦するも狂戦士の本能が騒いで奮戦、2時間格闘した末開くことに成功した。
実質今回のMVP。
ちなみにヴァルヌンクネキはしれっと500年分の記憶を抜き取っていたが宇宙飛行以外全部修行してたので飽きて見るのをやめた。