宇宙は空にある。   作:線の糸

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邂逅

何かめっちゃ視界が澄んだな...。

まあ、何はともあれ魔王一味には感謝だ、まさかあそこまでの無茶をやってくれるとは。

 

頭に瞳を埋め込むとかいう意味不明な行為を了承されるとは思ってなかった。しかもちゃんと見えるんだぜコレ。

 

あとこっちの瞳だと魔力がより細かく見えたりする。何なら魂が魔法使わなくとも見える。あと多分見えちゃいけない者も見える。

 

個人的に気になるからオレオール行ってみよう。

 

─────めっちゃ人いるやん。コレ全部魂か?小ちゃな町ぐらいには人居るな。ん、何かあるな...

...何かでっかい扉があるな。...こんなの無かったよな...ちょっと開けてみるか?

 

ん、なんすか魂の方...あっエーヴィヒさん昨日ぶり。

昨日は何してたんです?

 

古い友人に挨拶しに行ってた?へー、誰なんです?

ゼーリエっていうエルフですか、ほーん。

 

....んー、えっと、えー...

 

ま、ままあ大丈夫だろ、こ、こっちまで来ねえって。

だから安心しろ俺、大丈夫だ...。

 

えオレオールから来たって言っちゃった?何なら招待した?

エーヴィヒさん、俺は今から引き篭もります探さないでください。

....俺の事は恩人として報告済み...?だから流石に大丈夫だろ...とね。

 

...くたばれオラァ!!

...死んだかな?いやもう死んでるか...あ起きた。

 

...何で殴ったか?

.,..お前さんふざけるなよ。エルフと魔族の確執舐めんな。

 

...あと俺はお前さんの恩人として紹介された訳だろ。

 

情報を整理してみろ、あっちからしたら死者の復活とかいう女神クラスの魔法を扱えるクラスの魔族が魂の集う地オレオールにいるという激ヤバ状況を報告されたようなもんなんだぞ。

 

...そしてその情報を過去の偉人であるお前から伝えられる...どう考えても死者からの警告じゃねぇか。

 

つまりだな、お前さんは俺の存在を恩人として紹介したつもりだろう。があっちは警告と捉えてる可能性が高い。

よって近いうちにゼーリエやら高位の魔法使いか何かが確認としてこっち来るかもしれねえ。

 

一応魔王城が近くにあるから奴らが来ても派手なことはしないだろうが

、目はつけられたくねぇ。

いいか、絶対この場所を教えるんじゃねぇぞタコ。

 

え、もう教えた?

......死ぃに晒せぇ!!

 

何やってんだお前ぇ!殺すぞマジで!

...テメェが被害者面は出来ねぇからな!?

殴られるどころか金的されても文句は言えねえぞ?ああ?

何だ...どうした、何がおかしい?!

 

何、実験は成功だぁ?何言ってんだ?

ん...ああ、確かにお前のことを殴れたが...あれ今お前って魂だよな?

あ、まさかコレか?昨日貰った瞳か。え、コレは何の目玉だと思うか?

 

どうせ碌でもないもんなんだろ、暗黒竜とか?

......件の魔導書を活用して現世に顕現させた死者の眼球を一塊にし、再生魔法で機能を復活させた物?

わかる訳無えだろ。というか劇物じゃねーか。

しかも何、つまり今俺は魂に直接触れられる訳か?意味がわからんな。

 

───まあコレは実用性あるから感謝してるよ。

でも頭に入れるとは思わなかった?...まあそりゃそうか。

 

──とりあえずお前は俺がオレオール行く時にもっとボコされることは確定したからな。

 

...オレオールに魔族は居ない?関係ねぇ、行ってやるよ。

じゃあな。オレオールでまた会おう。

 

──あの扉天国の入り口だったんか。女神の魔力感じたからあそこに居るんかな女神様。...いやそんなことよりもまず身を隠さねば。

 

あの小屋以外でいいとこは...逆に魔王城で身を隠すか。ゼーリエさんは魔王に勝てないとか言ってた気がする。

 

ならば早速...

.....いや、あのさぁ

 

「───お前が件の魔族か。」

速ない?エルフは時間にルーズじゃなかったのかよぉ!

 

「───何の用だ小娘。」

...俺多分ゼーリエより長生きしてるし小娘呼びは大丈夫だよな?

まあそんなこと気にしてる場合じゃないんですけどね。

 

なるべく威圧感を醸し出して雰囲気に呑まれないようにせねば...

うわなんか構えてるし。

 

...どうせ逃げても追われるんだ、やってやろうじゃねぇかよこの野郎!

───────────────────────

 

 

「古い友人の頼みでな、消えてもら─」

そう言いながら発動された魔法よりも速く、魔族は彼女の懐に突撃した。エドモンド本田スタイルで。

 

その魔族の表情はかなり鬼気迫っていたが、紙一重で防御魔法を展開した彼女には気づくことが無かった。

 

防御魔法は一瞬で破られたが、代わりに魔族のスピードを落とした。

これにより彼女は致命的な一打は避けられたものの、しかし衰えることのない勢いがそのまま二人を共々彼方へとぶっ飛ばしていく。

 

───かと思われたがすぐに魔法によって魔族は吹き飛ばされ、再度距離が空いた。

──────────────────────

...今ので倒せないなら無理だわコレ。

なんで防御魔法を間に合わせてるんですかね?

 

「今のを防ぐか...?」

「.....。」

無言で魔法ぱなすのやめてよぉ。こわいよー。せめて返事してくれうおっあぶね。...何か随分興奮していらっしゃらない?戦闘狂なのかな?

 

...あっちの方がダメージ負ってるとはいえ俺突撃以外碌に攻撃手段ないからなぁ...。次は対処されるだろうし。..うおっあぶねっ。魔法は...避けられんこともないな。

 

ん、なんか胸を抱えてらっしゃる...回復魔法じゃねぇか!なんで魔法で弾幕張るのと並行して使ってるんですかね?...無理だわこれ、勝てっこない。

 

「しつこいぞ小娘。俺から離れろ。」

「黙れ。」

こわいよ...。何か弾幕濃くなってるし...。

 

いやこれ逃げた方がいいやろ。はい逃げ逃げ、さいなら〜。

何か壁が......結界?...まさか弾幕はこれを隠す為に?

 

「小娘ェ、一回落ち着かない?」

「黙れと言っている。」

 

ちょま...ゼーリエさんやめてくださいよマジでうおぁ!死ぬ死ぬ死ぬ!

 

!?あかん拘束されたちょたんま痛い痛い痛い、痛いつってんだろうが

オラァ!!頭突きィ!びっくりしてるなぁ小娘ェ!

よし拘束外れた結界を破るんだ俺!

 

割れたァ!......石頭で良かったぁ!

 

しゃあとっとと逃げ...また拘束かよ!!しつこい!もうこれ使うか...。

まず拘束を...術式が変わってるな。だが関係ねぇ!筋肉万歳!

...解けたァ!

「...いい加減にしろや小娘ェ!」

「ッ!?」

 

オラッ禁忌の書ガン見せ!...(意識は)落ちたか?...落ちたな。

大魔法使いと言えど流石にSAN値チェックの耐性はなかったようだな。

奴の意識が戻る前に逃走じゃあ!

─────────────────────

 

とりあえず南側諸国に逃げて来たぞ。どうしよっかな。

 

もうゼーリエさんに追われること確定してるし...。

とてもじゃないが次は勝てない。絶対無理。

 

初見殺し2回重ねないと倒せないってどういうことやねん。

 

というかやっぱエーヴィヒの発言曲解されてたな。

許せねぇよあの野郎、マジで覚えとけよ。

...でもエーヴィヒの本に助けられたからちょっと許す。

 

しかし本当にどうしよう。

もうどこに隠れても見つかりそうで気が気ではない。

 

一応魔力擬装は全力でするけど不安で仕方ない。

 

...気分晴らす為に空飛ぼう。

 

 

 

さて...一週間経ったし一回小屋に戻ってみるか。

────居ないな?...よし居ない。流石にな。

 

物資はこれぐらいでいいか。 

 

よし、魔王城行くぞ。

───────────────────────────────

 

「やあ久しぶりシュラハトくん、突然で悪いが助けてくれない?」

「...話は分かっている、ここから出て右の部屋が空き部屋だ。使うといい。」

 

紫色の魔族はその瞳に希望を宿した。

 

「本当にっ...ありがとうございます...。」

「...にしてもゼーリエ相手に良く生き残ったな。」

「普通に死ぬかと思ったよね。...ここに居たらアイツは来ないよね?」

「安心しろ。」

 

紫の魔族はただただ胸を撫で下ろした。

 

「やっぱ持つべきは友だね。」

「友になった覚えは無いが?」

「じゃあ今から友ね。」

 

デカめの溜息が聞こえた。

 

「あ、めちゃくちゃ関係ないこと聞くけど次のエーラ彗星っていつ?」

「脈絡がないな...今日だ。」

 

しばらくの沈黙。

 

「マジ?」

 

魔族は静かに頷いた。

 

「ごめん俺もう行くわ。」

 

足早に去った。

 

「...何なのだ。」

────────────────────

 

小娘騒動でエーラ彗星の周期完全に忘れてたわ。

よし、紙は持ったな。服に入れて、と。出発!

 

 

───さーて問題なく宇宙には到達したぞ。あとは月だが...やっぱ青ざめてんな。

 

今俺はマッハ10ぐらいなら継続的に出せるから...まあだいたい1日か。

よっしゃ行くで───

 

 

 

思ったより早く着いたな...どれ、着陸を...え、何この...結界。

...あと何かやばい雰囲気を感じる、女神様とあの禁書と呪い混ぜたみたいな...あとは...同胞?いや気のせいだろう。きっと。

 

...記録しとこう、そうしよう。

 

どれ紙は...書けるな、よーし。

────────

 

なるほど、どうやら月が青ざめてる原因はこの結界らしい。

ちょっと割ってみるか。

 

んー、結界が思ったより硬いな。

でもあと何日か頭突きすれば割れそう。

 

というかこの結界女神様の魔法っぽくね?

あのお方は何してんのこんなところで。

 

いや、これは...何かを封じ込めてる?どうなんだろう。

記録に書いとこ。

────────

...結界は割れなさそうだ。

裏にも回ったけどしっかり結界あるから無理だわ。

 

非常に悔しい、悔しいが...。

うーむ、帰りの時間も考慮すると一回戻った方が良さそうだ。

────────

2度目の空への遠征は失敗に終わってしまった。

次はあの結界を破壊しなければ。

 

個人的に...あと魔族として、真実の月とそこに潜む者を見たい。

知るべきと強迫されているような気さえする。

 

 

いや、知るべきなのだろうか。

もしかしたら俺の手に負えない物かもしれない。

 

...それでもだ、やはり未知というのは唆るのだ。

この愚かな好奇はいずれ身を滅ぼすだろうが、本懐だ。

どうせなら...満足した愚か者として死ぬ方が良い。

 

...一人言が弾んだな。やはり移動中は暇になるからな、しゃーない。

そろそろ着くな。

 

...ゼーリエから隠れながら結界破りの方法探しかぁ...まあ楽しそうでいいじゃないか。

じゃあ、行くか。




なおゼーリエさんは戦いの後1分で復帰したのであのまま油断してたらヒルンは死んでいたものとする。
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