カンナちゃんは私の自慢の幼馴染です! 作:匿名
それでも良い方はどうぞ。
◇月◯日
何とかヴァルキューレ警察学校に入学!
入学通知を受け取った時に十分喜んだつもりでいたけれど、実際に着いてみるとやっぱり興奮が冷めない
それに寮の同室の子はなんと、カンナちゃんだった!幼馴染同士が同じ部屋になるなんて、なんて奇跡だろう!
◇月◯日
日記を書いているとカンナちゃんに何をしてるのか聞かれた。「日記書いてるの!ドラマの警官みたいで良いでしょ!」って言ったら「良く失踪するタイプのやつじゃないか」って返ってきた
確かにそうだけど、幼馴染にそんなことを言うの酷くない!?
◇月◯日
研修も終わって、そろそろ局への配属が決まる頃。私とカンナちゃんは生活安全局へ配属願を出したけれど、カンナちゃんは持ち前の顔の怖さで公安局に、私は射撃訓練の成績で警備局へと配属が決まった
……訓練の評価で決まるのはわかるけど、顔の怖さなんてもので配属を決めてしまっていいのだろうか
◇月◯日
初めての出勤は不良グループの抗争、その鎮圧だった
私は支給されたライフルで遠くから狙撃してただけで、先輩たちはすごかった
だって、前で盾とショットガンで戦ってるんだよ!?
危ないし、周りも見づらいし、そして何より痛いだろうに、よく出来るなぁ
ちなみに私は狙撃こそ上手くいったが、遮蔽から出過ぎたのか頭を撃たれた
たんこぶが痛い
◇月◯日
前のことについてカンナちゃんに話したら、心配されちゃった。怪我は大丈夫か〜とか相手は誰だ〜とか
昔助けてくれたのを思い出すなぁ〜なんて上の空で聞いてたら「ちゃんと聞いているのか!」って怒られたけど、それも昔そっくりで
思わずふふって笑っちゃったら呆れたみたい
すぐに自分の机に戻っちゃった
◇月◯日
最近、あんまりお仕事が出来てない
警察が暇なのは良いこととは言うけれど、犯人と出会えずに逃げられるのは話が違う
カンナちゃんたち公安局が行方を追っているみたいだけれど、そもそも私たちが出動までにかかる時間をどうにかした方がいいと思う
◇月◯日
今度は急に忙しくなってきた。街中の不良を扇動して破壊工作をするテロリストが現れたそうで、出動要請も戦闘も一気に増えた。
最初からヴァルキューレとも戦うつもりでいるから全く逃げないし、主犯格だけはすぐに逃げてしまうからいつになっても捕まえられない。
一度だけ狐面を撃ち抜くことには成功したものの、気絶させることは出来なかった
…………撃った時こっちに気づいてそうだったのは勘違いだよね?500mは離れてたんだよ?
◇月◯日
こわいこわいこわいこわいこわい
◇月◯日
前は動転しすぎて日記すら書けなかった
何なのあのワカモってヤツは!?なんで一回狙撃しただけの私を追い回してくるの!?
近くにいた先輩と同級生が吹っ飛んだと思ったら、狐面が、銃剣が目の前に!!!
なんとか無我夢中に銃を乱射して逃げ回ってたら生き残れたけど、あれは"殺る気"だった。間違いない
数日経ったのにまだ時々フラッシュバックしては呼吸が浅くなる
カンナちゃんに慰めてもらおうにも、何だか最近部屋に帰ってこないし……。
◯◯◯◯◯
「はぁ…………」
最近、ツイてないことばかりだ。
ワカモとかいうおかしなヤツには目をつけられるし、親友のカンナちゃんは帰ってこないし。
日記を書こうにも、書く気力が湧かない。
私って、幼馴染と一週間くらい会えてないくらいでここまで弱くなるんだな〜と強く実感する。
(カンナちゃんもそうだし……出動する度にほとんどワカモと出会うのも勘弁して欲しいよ)
毎回逃げ切っているものの、逃げることしか出来ない私に執着なんてしないで欲しい。
明日こそ逃げれないかも知れないと思うと、どうしようもない不安に駆られる。いっそ仮病を使いたい。
(だけど、そしたら市民の人が被害を受けちゃうんだもんね)
幼馴染に追従するようになった警察官でも、最低限市民を守ることくらい考えている。
だから明日もなんとかしよう、そう覚悟したいが……
「やっぱり怖いよ〜!」
枕に体を埋め、ジタバタする。
クッションの柔らかさは現実を逃避するには適している。
適してはいるが……やっぱり、幼馴染に抱きつく方が好きだった。
(カンナちゃん、いつ帰ってくるんだろう)
ここ一週間音沙汰の無い彼女のことを気にしつつ、明日も生き残るため。布団の柔らかさに身を任せた。