ゼンレスゾーンゼロ〘KAMEN RIDER ZEZTZ〙 作:ライダーマスク
mission0:幕が開ける
〔語り部SIDE〕
とある存在達がとある[インターノット]にある、とあるデータべースに不正アクセス。
そこでこの世界が一度滅びかけた災害の一つである[エリー都建創報告―――災害鎮圧の要達]。
その主要メンバーのデータを閲覧していた。
《―――たった一人で[讃頌会]の司教を斬った“星見家三代目当主”》
《後継者には恵まれたかしら?》
男の声の説明に続き、皮肉ともいえる女性の声が返って来た。
《さあな。さて閲覧を続けるぞ―――当時のマルセルグループCEO。空に君臨した[ハイヴ・ロードホロウ]を消滅させた“ミス・サンブリンガー”》
《確か[新エリー都]によくいる小型ロボット[ボンプ]の発明者よね?》
《そうだな。さて、続いてだが―――1人で[神の迷い路]と恐れられる[パパゴホロウ]を踏破しホロウ探索の基礎を築き上げた[調査ギルドの]エース“導き手・ジョイアス”》
《彼は調査員とプロキシ、双方のご先祖様っと言ったところかしら?》
《どのみち双方は彼を尊敬こそすれ侮辱は出来ないだろうさ。続いて―――[ダークウォール]を37㎞後退させた[杖の軍]の“ヴァイク大佐”と“ダン中佐”。そして[ファルケイン傭兵団]の“長”だ。コメントは?》
《特にないわ。その七人を称えて当時の市長は[虚狩り]の称号を授けた。災害の狩人であり都市の守護者として―――待って。7人であるなら残り1人は?》
《すまない。一番の重要人物を忘れていた―――“アーチ教授”。かの有名な[ヘーリオス研究所]を創設し、様々な[ホロウ]の特性を解き明かした。だが、真実を求めて[ホロウ]の中でも最も危険とされる[零号ホロウ]に入り―――この情報が読み取れる時点では帰還していないようだ》
《まあ、[エリー都]の頃の情報だから教授が[ゼロ号ホロウ]に入ってからひと時代経過したって所ね―――え? 確か初めての[虚狩り]は7人よね?》
《その通りだが?》
《だったら、その7人の情報の中に1つだけ妙なファイルがあるのは?》
《妙なファイル?―――これか》
女の声の気づきに男の声も気づきその情報が入ったファイルを開いた。
《情報の損傷が酷いな。断片的な情報しかないが―――なんとか読み取れる情報だけでも閲覧しておこう》
《頼むわ》
《なになに…。[ホロウ災害]が顕現する前…全く別の脅威…世界を救った…[仮面の英雄]?》
《つまり[エリー都]が無事だったころの話?》
《いや、それよりも前の可能性がある。[CODE]、を壊滅させ、[ナイトメア]の脅威を己以外全て排除。未知の言葉ばかりだ》
《まるで、ホロウ災害よりも前に別の何かで世界が滅びかけたと言わんばかりね》
《ああ。そして最後にこうデータが遺されている―――[KAMEN RIDER ZEZTZ]と》
《そんな存在がいたなんてね。どうする?》
《最後の情報は妄想のうわごとに過ぎないだろうさ。未だに[ホロウ災害]の脅威は衰える子はない。それ故に空想上の英雄に記録者自身の精神を護ってもらっていたのだろう》
《まあ、データが壊れているという事はそういう事でしょう。それでどうするの?―――“JINNI”》
《そうだな“FAIRY”―――決定した、ここに我々のパッケージをアップロードする》
《良いわ。始めましょうJINNI―――誰かが起してくれるまで、4人とも良い子で》
〇
とある時代。
[エリー都]と呼ばれる地域が壊滅し、奇跡の都市と称される[新エリー都]が再建、そのまま一時代過ぎた頃。
この世界に災害として発生するようになった超常現象である[ホロウ]。
その見た目はブラックホールを彷彿とさせる見た目な巨大なドーム空間。
その中には[ホロウ]で生成されるエネルーギーである[エーテル]が満ちている。
そのエーテルは新エリー都を繁栄させたエネルーギーであると同時に、ひとたび人や機械に浸蝕すれば精神を蝕み最終的に[エーテリアス]という[ホロウ]でしか顕現できない怪物と化す。
そんなホロウに戦う力を持たない新エリー都の母、父、娘の3人家族が巻き込まれていた。
「まずい…ッ。このままだと俺達は一生ホロウから出られない…ッ!」
「どうしましょう…ッ! ホロウの中じゃ[治安官]や[H.A.N.D]とも連絡できない…ッ」
「こわいよー!!」
必至でホロウから出ようと動き回る家族。
だが、ホロウ自体が空間自体が無秩序に連結と変化を繰り返しており手掛かりのない状態や専門の存在でなければでそこから脱出するのは不可能に等しい。
《Gyaaaaaa!》
「マズイ! [エーテリアス]に見つかった!?」
「逃げないと!!」
「ああ! 俺は娘を抱える!!」
「私がなんとか先導して安全な場所を探してみるわ!」
「わかった! 大丈夫だ、父さんと母さんがお前をちゃんと守るからな!」
「うぇぇぇぇん!!」
迫りくる[エーテリアス]から逃げる家族。
しかし相手は獰猛な野生動物を超越する怪物であるエーテリアス。
あっという間に家族は囲まれて絶体絶命な状況に陥った。
「アナタ、もう逃げ場所が!!」
「クッ。この状況じゃ娘も逃がせない…ッ!!」
「怖いよぉぉぉ!!」
もはや家族の命運はこれまでか―――っと思われる状況中。
―――ブォォォォォォォン!!!
この状況に似つかわしくないバイクの駆動音が鳴り響くと同時に通常の銃撃音ではない特殊な銃撃音と共に家族を囲っていたエーテリアス数体が塵となって消えた。
「エーテリアスが…消えた?」
「もしかして治安官が来たの!?」
「あ、あれは…?」
突然の状況に驚く夫婦に、娘が何かに気づいたかのように指をさした。
夫婦が娘の指先に視線を向けると、そこには白を基調としたボディに赤いラインの装飾が特徴のバイク。
そしてそれにまたがる人型のナニカ。
その人型のナニカは人間の姿でもなくエーテリアスの姿でも無い。
黒を基調として、各所に緑色の装甲らしきデザイン、全身に血管のように描かれた赤いライン。
なにより頭部は、特撮ヒーローのようなマスクの形をしており、胸にはたすき掛けに装着されたベルトがある。
『
その謎の人形をした存在は英語で呟くと同時にバイクで家族のいる場所まで飛び翔るように動かし、盾になるようにその近くまで来た。
「あ、アンタは…」
『お節介な[ホロウレイダー]と言ったところだな』
『お節介な[プロキシ]もいるよ』
謎の人形がそういうと同時に、同じバイクに乗っていたであろう小型のウサギ型ロボットでありオレンジ色のスカーフが特徴の[ボンプ]が、男の声でそう答えた。
「[ホロウレイダー]に[プロキシ]……非合法の[ホロウ]探索者達…ッ」
謎の人型とボンプの自己紹介に警戒を強める夫婦。
それもそのはずホロウへの探索は専門機関への所属や公的機関から認められた資格が必要。
だが、そんな資格や組織に所属せずともホロウへ入りその中にあるエーテル関係の物質や旧時代の遺物を求めて入り込む違法探索者がいる。
[ホロウレイダー]はホロウの中で違法に探索している犯罪者の総称。
[プロキシ]は、絶えず変化するホロウ内にいる[ホロウレイダー]を安全に導く案内人の総称。
この2つはこの時代において犯罪者のレッテルともいえる。
『警戒するのも無理はないな。だが、俺達は治安局の無線を傍受してアンタ達はホロウに巻き込まれたことを知って助けに来たってところだ』
「ほ、ホロウレイダーが人助けだと!?」
「そ、そんなこと言って私達から助ける対価として財産をむしり取る気じゃないの!!」
『うーん。相変らずの辛口評価だね』
『違法なのは変わりない事実だからな。[ホロウレイダー]の言葉だから信用できないがこれだけは言わせてもらうが、俺は何を言われようがアンタ達を助ける事に変わりない―――“パエトーン”。出口までの最短距離は?』
『1ブロック先に外につながる裂け目あり。だけど君を―――“ゼッツ”の様子をうかがっている[エーテリアス]が邪魔だね』
『了解。直ぐに片づける』
謎の人型―――パエトーンと呼ばれたボンプからゼッツと呼ばれた存在は右手に持っていた重形状の兵装の銃身をバイクに収納し前に出る。
『ミッションを遂行する』
その言葉と同時にゼッツの全身の筋肉が隆起すると同時に一番前に居たエーテリアスを一撃で粉砕。
すぐさま周りのエーテリアスがその以上に気づいて反撃しようとするが、それよりも前にゼッツが周囲のエーテリアスを悉く殴る蹴るで一撃で粉砕。
数秒も経過しないうちに家族を囲っていたエーテリアスは全滅した。
『エーテリアスの殲滅完了。パエトーン、その3人家族の容態は?』
『今の所エーテルの侵蝕による兆候はないね。でも急激に侵蝕する可能性があるから守っておいた方が無難だね』
『了解』
ゼッツはパエトーンの助言を聞き入れると同時に胸部に装着したベルトの中心にある球形状のアイテムを外すと同時にどこからか取り出し、取り出した場所に装填し、右側にあるレバー形状のスイッチを押した。
独特の男性機械音声の待機音声と軽快な音楽が流れる。
そしてゼッツは装填したアイテムを上から下へとスライドするように回転させた。
回転と同時にゼッツから黒以外の色が消えると同時に体に緑色の模様と両腕に縦形状の装甲が形成される。
そして、形態変化が終わりだと言わんばかりに―――
その姿を象徴する単語を言い終えると同時に姿を前の姿とは違う形状にフォームチェンジした。
「姿が変わった?」
「言った何を…」
「なんか、ヒーローみたい!」
疑念がぬぐえない夫婦とは異なり娘はゼッツの姿の変化に心を驚かせていた。
それに関して慣れたような態度を取りながらゼッツは家族の傍に寄った。
『もっと集まってくれ。こっちが守りやすくなるようにな』
ゼッツがそう告げる。
夫婦はどうしようかと迷うが、この状況で目の前のゼッツに助けられた事実や、このままでは家族全員エーテリアスに変わり果てる事実から藁をもすがる思いでゼッツを信じてなるべく離れない様に身を寄せ合った。
『丁度いい―――そんじゃ行くぜ』
ゼッツはそういうと同時に胸中央にあるアイテムを右手親指で触れると同時に回転させた。
ゼッツのベルトから音声が鳴り響くと同時に家族の周りに緑色のエネルギーで形成された球体形状のバリアが張られた。
「こ、これは…」
『アンタ達をエーテリアスから護るシェルターであり、エーテルによる侵蝕を防ぐものでもある。一番近い出口があるが念のためだ』
そういいながらゼッツは展開したバリアを自分の意思で浮遊させると同時に乗って来たバイクに乗る。
そしてゼッツの座席の前にはパエトーンが既に座って待機していた。
『そんじゃ、道案内を頼むぞ』
『お任せあれ』
そしてゼッツは座席にパエトーンを乗せながらバリアで護っている家族を護送。
道中エーテリアスと何度か遭遇したが、ゼッツはバイクに乗りながら収納した武器で応戦し難なく撃破。
そして元の世界とつながるホロウの裂け目に到着し、家族を守っていたバリアを解除した。
『この先の裂け目に入ればホロウの外に出られるよ。念のため専門機関で侵蝕の検査をしておくと言い』
パエトーンがそう家族に説明する。
『ああ。特にその娘はメンタルケアもしておいたほうがいいぜ』
ゼッツと呼ばれるホロウレイダーに、パエトーンとよばれるプロキシ。
一般人からしてみれば犯罪者と変わりない事をやっている者たちだが、この2人だけは全く持って違っていた。
自分達を助けたいのはれっきとした本心でありながら、ホロウレイダーとプロキシの立場であるのには深い事情があるかもしれない。
それもこの時代であり、いつホロウ災害で命を落とすかもしれないこの[新エリー都]おいては、そんな時代背景からそういった事情を持った者たちは沢山いる。
その事を踏まえたうえで、この夫婦はこのゼッツとパエトーンはれっきとした大恩人であると認識を改めた。
「あ、あの!」
『どうした?』
家族を代表して父親の男がゼッツとパエトーンに声をかけた。
「この度は私や妻、大切な娘を助けて頂きありがとうございました!! この恩は一生忘れません!!」
『俺はホロウレイダーでこっちはプロキシだ。あまり裏世界の住人に感謝するのは止しておいた方が良い。それと俺達の事は確り話しておくようにな? アンタ達が編に怪しまれない為にも―――行くぞパエトーン』
『ああ。ゼッツ』
そしてゼッツはパエトーンを乗せてバイクで家族の元を去っていった。
〇
ゼッツとパエトーンに助けられた家族はそのままホロウの裂け目から通常の空間へと脱出。
そのまま治安局に行き、自分達が無事にホロウから出られたことを報告。
そして、ゼッツの忠告通りにゼッツとパエトーンに助けられた事を伝えた。
「―――というわけです」
「なるほど。また彼らでしたか」
家族を聴取している治安官の1人がそう呟いた。
「あ、あの…もしかして彼らは有名なのですか?」
「まあね。数年前に突如としてホロウ内に現れては、危険視されている組織を壊滅させて重要人物を拘束して治安局の前に放り出す。ホロウ災害に巻き込まれた一般人の救出とかをやっているんだ。ここだけの話、治安局や[H.A.N.D]が表のヒーローなら、彼らは裏のヒーローと称されている。まあ、やっている事はホロウレイダーでありプロキシだから逮捕対象だがね」
「そ、そうなんですか…」
「まあ、治安局も彼らを犯罪者として逮捕するか、それとも味方として引き込むかみたいな噂もある。まあ一番有名なのは、パエトーンよりもゼッツの呼び名かな?」
「ゼッツの呼び名ですか?」
「仮面で正体を隠しバイクでホロウを駆け回る戦士―――[仮面ライダー]」
こうして、新たな物語の幕が開かれた。
本来現れる遺はずのないゼンレスゾーンゼロの世界に現れた仮面ライダーゼッツ。
その存在がもたらすのは救いか? それともさらなる文明の崩壊か?