ゼンレスゾーンゼロ〘KAMEN RIDER ZEZTZ〙 作:ライダーマスク
〔主人公SIDE〕
「よし、これで3人分の朝食が出来たな」
俺―――“セブン・ヴァイザード”*1は[六分街]にある自宅で弟妹分である同居人と自分の朝食を作って食卓に並べていた。
「ンナ!」
準備していると見た目がキュートで愛くるしいウサギ型ロボットの[ボンプ]の1人である“イアス”が挨拶してきた。
「おはようイアス。充電はばっちりか?」
「ンナ!(ばっちりだよ!セブン!)」
「そうか。レム、トア、ハツは?」
「ンナンナ。(トワとハツは店の準備で、レムはアキラとリンを起しに行っているよ)」
「そうか。あの2人が素直に起きると良いけどな」
「ンナ?(どうしてそう思うの?)」
「アキラとリンのやつ、依頼が無いからって昨日遅くまで新作映画を2本ほど見ていたからな。多分今でも眠いってレムの前でごねている可能性が高い」
「ンナ(また夜更かししたの…。セブンは?)」
「俺は必要な時以外は眠らないのは知っているだろう? いつも通り色んなホロウを巡回して、ヤバいホロウレイダーやホロウ災害に巻き込まれた一般人がいなかとかな」
「ンナナ(セブンは本当に眠らなくていいの? 疲れたりしないの?)」
「まあな。普通に休めば大丈夫だし、初めて出会った時に知っているが俺は人間じゃないしな。何より2人が寝ている時にも重要な情報とか来たりするからな。皆が求めている[零号ホロウ]の変化とか[讃頌会]の動きとかな」
「ンナンナナ(いつも僕達の為にありがとう。セブンは本当に優しいよね)」
「ありがとな。イアス」
俺はその場でしゃがんでイアスの頭をなでて、嬉しそうにするイアス。
やぱっりボンプは可愛いな~。
今日も暇さえあれば1ディニーボンプを撫でに行こうか。
そう考えていると―――
「ンナナナ…(セブン、助けて…)」
「レムか」
イアスと同じタイプのボンプであるレムがしょんぼりした表情で2階から降りて来た。
「その様子だと2人は起床拒否といったところか?」
「ンナンナ…(そうなんだよ…。だからセブンが起して欲しんだ。あとボクも眠い…)」
「そうか。レム充電して休んできな。2人は俺が叩き起こしておくから」
「ンナ(ありがとう。セブン)」
そう言いながらレムはボンプ専用の部屋に入っていった。
さて―――
「イアス。悪いが人数分のフォークとスプーン、ナイフを用意して配膳しておいてくれ。俺はあの兄妹を叩き起こしてくる」
「ンナ!(わかったよ!)」
イアスに最後の配膳を任せて俺は同居人であり、自宅兼個人経営店の店長たる兄妹を起こす為に寝室の2階に進み、まずは割と起きやすいアキラの部屋に入った。
「………」
綺麗に二度寝をかましているアキラ。
これが20代後半の姿か…。
俺はアキラの布団をひっぺはがし無理やりその場で立たせた。
「起きろ、アキラ」
「う、うーん。せ、セブンさんかい? もう少し寝たいんだけど……」
「店をやる日に7時間近まで寝る個人経営の転調がどこに居るんだ。朝食作ってあるから顔洗って一階のリビングいけ」
「眠いんだけど…」
「夜中まで新作映画二本見ていた罰だ。さっさと行く」
「わ、わかったよ…眠い…」
そう言いながら眠そうに洗面台がある場所に向かうアキラ。
さて、次はリンだな。
俺はリンの部屋に入る。
普通に成人した男が女性の部屋に入るのはマナー違反とか言われるが、俺はアキラとリンの一応元保護者。
2人にも部屋に入る許可を得ているから問題ない。
そんでもって、部屋にいるリンは―――
「うへへへ…もう、食べられないよ~zzz」
テンプレみたいな寝言を言いながら夢の世界で飯を食べていた。
俺はため息を吐きつつ、リンがかぶっていた布団をはぎ取りそのまま両脇を抱えて無理やり立たせた。
「……ハッ!? セブンさん!?」
「GOOD MORNING リン。もう朝飯の時間だぞ」
「そうだった…。昨日はお兄ちゃんと一緒に新作映画を夜遅くまで見ていたんだった…」
「夜更かしは程ほどにな。毎回言っているがアキラとお前は自営業の店長なんだからよ」
「はーい。着替えたら下いくねー。ふわぁぁぁぁ」
「二度寝するなよ?」
俺はリンの眠そうな様子で答える姿をみて、部屋から出て行った。
〇
「「「いただきます」」」
俺、アキラ、リンは家の一階部分にあるリビングで朝食を食べはじめる。
「う~ん。いつもセブンさんのご飯は美味しいね!」
「うん。チェーン店に勝る素晴らしい味だよ。こんな美味しい朝食を食べれる僕達は幸せ者だね」
「そうだね。他の家事もできて、機械整備とか私達ほどじゃないけどソフトウェア関係、プログラムもできて、資産運用で私達の数十倍は稼いでいるスパダリだもんねー」
「褒めたって何も出ないぞ。というか、2人とも星人しているから、いい加減に自分自身で自炊したらどうだ?」
「「無理」」
2人が息ぴったりにそう返事をした。
「お前等なぁ…」
「だって、セブンさんに拾われて一緒に暮らし始めてから家事とか全部やってくれたし…」
「まあ、甘ている自覚はあるけどセブンさんのスバダリを経験したら家事をする気が無くなるからね」
「そうだよ! セブンさんはある意味自宅限定でダメ人間を作っちゃうんだから!」
「酷い言い訳だな…」
まあ、2人が裏家業に集中できるように生活面をサポートしすぎたって後悔はあるんだよな。
ぶっちゃけ、恋人とか恋愛とか保護者をろくに経験しないである日を境に一人で色々と出来ないといけない状況になった事があるのも原因かもな。
そんな後悔をしつつ俺はアキラとリンと束の間の朝食を楽しんだ。
〇
時間は変わって朝の9時。
同居人であるアキラとリンが営んでいるレンタルビデオ屋[Random Play]の開店時間だ。
「いらっしゃいませー」
開店するや否や、色んな客たちが入店して店に飾られているビデオタイトルを吟味している。
さて、暇だしいつも通りこの世界かどうなっているかを振り返るか。
俺が居た文明が亡くなった後に生まれた現代文明が[ホロウ]と呼ばれる超自然災害で壊滅した後の世界。
人類や身体に人間以外の動物の特徴を備えた種族である[シリオン]の人口が激減しつつも。ホロウ由来のエネルギーである[エーテル]やそれに類ずる技術で復興。
それから様々な事件が起きつつも今を生きる者たちは、ホロウという絶望に抗いながらも今を強く生きている。
そんな世界だ。
そして俺と[旧都陥落]と呼ばれる事件の際に保護した兄妹であるアキラとリンが住んでいるのはそんな世界にある都市の1つである[新エリー都]の[ヤヌス区]にある街の1つである[六分街]にあるレンタルビデオ屋であるRandom Playに暮らしている。
Random playはランク式の会員制であり、主業務であるビデオのレンタルサービスから、店になり作品の調達、不定期で再生機器などの修理や販売もしている。*2
店自体の評判はアキラとリンの社交的な人柄やサービス精神旺盛な仕事ぶりから客からのクレームはほとんどない。
店長は先ほど朝食で会話した通りアキラとリン。
俺はこの店のオーナー兼地主、そして臨時バイトという立場だ。
因みに俺に関しては土地から特許、色んな資産を運用して稼いでいる資産家だ。
この店の土地も俺が所有している1つであるが、店長である2人に関してはビデオ屋としての利益は貰っていない。
代わりの本業の方で2人の卓越した能力を借りる代わりに土地を貸している感じだ。
まあ、普段の店はボンプである“トワ”や、常連客というかほぼ店員扱いである“ベティー”が店をまわしているけどな。
俺もそうだがこのレンタルビデオ屋はあくまでアキラとリンの表の顔に過ぎない。
といっても2人はこの仕事をおろそかにせずにちゃんと運営しているけどな。
そんな平和な日常が今日も―――
俺がそう思った時、右耳に付けている小型の専用通信機から通信が入った。
〘―――セブン。ホロウ災害発生だ〙
「了解だ―――“ゼロ”」
俺は通信を切って、アキラとリンに話しかける。
「アキラ、リン」
「どうしたの……ってその雰囲気はアレだね?」
「みたいだね―――トワ、ベティー、僕達とセブンは野暮用が出来たから店を任せるね」
「ンナ!(任されたよ!)」
「はい。任せてください!」
そして俺とアキラとリンは店にあるSTAFF ONLYと書かれた扉に入った。
〇
STAFF ONLYと書かれた部屋に入ると、そこは一般的なPCや従業員専用の作業デスクや更衣室があるレイアウト。
俺達はそのまま俺専用の更衣室に向かい、人が3人は言っても余裕なロッカーを開ける。
そこにはRandom Play用の制服や一般的な仕事道具が置かれている。
そんなロッカーにある小物の中に3つのZが特徴的なデザインのハンガーがあり、俺はそハンガーを手前に引いて手をはなす。
ハンガーは話した場所で固定されたまま動かずにいると、ロッカーの奥から扉が出現し階段と証明が変形する様に出現。
俺達はそのまま会談を進み、目の前に現れた扉を開けるとそこには西洋とサイバーな雰囲気が融合した秘密基地のような一室にたどり着いた。
半分が幾重のもブラウン管テレビ形状のディスプレイがマス目のように配置された場所。
もう半分が西洋デザインの部屋。*3
この部屋はRandom Playの地下に俺とゼロが極秘に建設した俺とアキラとリンの裏稼業専用の秘密基地である[
現存するあらゆるセンサーに感知されず、この部屋に入るには登録された生体情報を持つ者しか入れない。
ネットワーク対策も従前でありアキラとリンが制作し、俺が持つ力で強化したファイアウォールを100層以上重ねている。
また、供給エネルギーは俺が持っている技術の一つで外部に依存せずに稼働している。
そんな秘密基地、西洋のデザインが施された椅子には白色の装甲に赤いラインの装飾、4つの小さいヘッドライト形状のカメラが特徴の人型ロボットが鎮座していた。
『来たな、セブン、パエトーン達よ』
「ああ」
「ゼロさんヤッホー」
「僕達を呼ぶって事はホロウ災害だね? ゼロさん」
この人型ロボットの名は“ゼロ”。*4
この時代における知能構造体と呼ばれる知性と感情を持った機械生命体だ。
姿に関しては俺が修理と改造をした時に、俺がいた時代に乗っていた[コードゼロライダー]の姿を模している。
因みに、何の因果か分からないがゼロは知能構造体の中でもロストテクノロジーを持っており、元の正式名称は[超機動変形式高知能戦闘零式]みたいだ。
出会いに関してはホロウの中でも最も危険とされる零号ホロウで2人の探し人の痕跡や、俺が目標とするホロウ災害の根絶で調査していた際に出会った。
声も性格も俺の父親そっくりで、運命って奴があるならこれかって言えるほどの出会いだったな。
『ああ。つい先ほど下校途中の学生一行がホロウ災害に巻き込まれた。女子高校生4人であり、構成は人間3人、鮫のシリオン1人だ』
「場所は?」
『○○ホロウとされている。対処に当たっている治安局も手をこまねている現状を通信傍受。ゼッツ及びパエトーン出動事案と判断した』
「了解。ゼロ、燃料は大丈夫か?」
『問題ない。
「よし。アキラとリンは[H.D.D]でイアスに入って道案内を」
「わかったよ。今回は私が行くね」
「前回は僕だったから妥当だね。任せたよリン」
「任された! イアス、よろしくね」
「ンナ!(頑張るね!)」
ZZZに常駐しているアキラとリンの裏稼業仲間であるオレンジ色のスカーフに01のデザインが施された装飾が特徴のボンプである[イアス]が元気よく返事をした。
「そんじゃ、ゼロ―――Bike mode」
『了解した。以降の指揮はアキラに任せる』
「任されたよ」
アキラの返事を聞いたゼロは体の駆動部位を変形させて瞬時にバイクの姿になった。
俺は自身の能力で衣装を表社会用から、裏稼業のエージェント風の衣装に瞬時に着替えると同時に、頭部を正体隠蔽用のフルフェイスマスクが装着される。
「いつ見ても不思議な着替え方だね」
「私達もセブン3みたいに簡単に着替えられればなー」
「前線に出ない2人には不要だろ。そもそも二人はエーテル訂正が常人よりも低いしな」
「でも、こういうのにはロマンを感じるんだよ」
「そうだね。特にセブンさんの[ゼッツ]への変身なんて、特撮が現実化してカッコいいし!」
「まったく」
俺はそう言いつつ、バイク姿のゼロをそのまま出撃用の場所へと入り、そこの壁書面左にある黒電話のダイアル中央部にゼロが行ったホロウの座標情報を入力。
そして、懐から取り出した上下が紫色で中央に透明なパーツの奥に描かれた渦をドット絵なデザインが施されたカプセル―――[カプセム]をセットし回転。
すると、目の前に入力した座標のホロウにつながる俺、ゼロ、アキラとリン、イアスしか通れないのホロウの裂け目が出現。
「行くぞ。準備は良いか―――リン」
『大丈夫だよ!』
H.D.Dシステム―――ホロウ外部からホロウ内部への通信を可能にし、エーテル適性のないアキラとリンでもボンプと視覚等の感覚を同期することでホロウ内に行くことができるようになるシステムで、イアスと同期したリンがエコーがかかった声で返事をした。
「それじゃあ行くぞ。アキラはバックアップと指揮を頼んだぞ」
〘ああ。武運を―――3人とも〙
「
俺はバイクに変形したゼロのアクセルを回転させてホロウの裂け目に入った。