ゑるると俺の夢小説(つまりこれは公開処刑) 作:サンシャインWest
NTRシチュ 第1話
「花火、綺麗だね......」
彼女と眺める夜空。紫がかったそれに未だ少しの違和感を覚えつつ、見慣れた光の花に少しの郷愁を感じる。
ここは魔界。隣で夜空とそこに打ち上がる花火を見上げている、俺の最愛の女性である
彼女とは最初はネット上の配信者とリスナーの関係だった。
独特で自由な配信スタイルに魅せられて、初視聴のライブ配信で5時間30分も視聴して、結果早朝の4時まで夜更かしする事になった。
あの時から彼女に夢中だったのだと、今ならわかる。俺は今幸せなのだと、心から言える。
床に落としたコップの水が偶然ゑるるを呼ぶ魔法陣になり、拾おうとしたコップの破片で切った指から流れ落ちた血が魔法陣を励起させた。
そうして目の前に現れた画面の向こう側の存在に、「俺と付き合ってほしい」と願ったのはきっと、我が人生一のファインプレーだった。
お付き合いを願ってすぐ、俺は人生最大の決断を突き付けられた。
それは俺の「これまで」を捨てるか、ゑるるとの未来を諦めるかの2択だった。
ゑるるは魔族。人間の世界では生きていけない。人の世界に干渉は出来ても、それは期限付きのものだ。また、その生きる時間すら人間と比べあまりにも永く、常人の寿命では添い遂げるのに到底足りない。
彼女と添い遂げたいのであれば、俺が彼女の世界へと行くしかなかった。俺が彼女と同じになるしかなかった。
しかしそれは、俺が二度と人間の世界へと戻れない事を意味する。
俺が人間の世界で生きてきた全ての痕跡を代償に捧げる事で、ゑるるの世界で生きれる体と、彼女と添い遂げられるだけの寿命を得る。人の世界での居場所全てを代価に、彼女の隣という唯一の場所を得る。
流石にしばらくは悩んだ。家族も、友も、何もかもを捨てる事を、そう簡単には決断できなかった。
しかし、それでも、最終的にはえるるを選んだ。
彼女の隣で生きていけるなら、「これまで」を遥かに超える「これから」を積み重ねていけるなら、この先でもきっと後悔よりも幸せが上回ると思えたから。
そして、今。あの時の決断は間違っていなかったと、胸を張って言うことができる。
配信では散々いじってきたセリフすら、幸せを形造る一助となっている。
配信者としての錠魔ゑるるを、誰よりも近くで支え、応援する事ができる。
リスナーたちが知り得ない、個人としてのゑるるを知る事ができる。
ほんの少しの優越感、そしてそれ以上の充足感。慣れない事に疲れる日々ではあるものの、確かに幸せな日々だった。
さて、ここいらで現在の俺の立場などを説明しよう。
こちらの世界(以降は魔界と呼称)での俺の立場は「ゑるるの彼氏兼世話係」と「魔界マーケットのパートタイマー」の2つだ。
前者は言うまでもなく、俺が望んだ立場にゑるるの生活力の低さが加わった結果だ。
ゑるるにも一応最低限の生活力はあったが、折角使える人材がいるんだから有効活用しようとの事で忙しいゑるるに代わり俺が家事の大半を行う事となった。
後者に関しては、魔界で生活し始めてから少し経ち、家事にも慣れてきた際に、自身のお小遣いくらいは自身で稼ごうと思い始めたものだ。
男として情けない限りだが、Vtuberとしての彼女の稼ぎは俺の人間時代の手取りが霞む程であり、口が裂けても「俺が家計を支える」なんて言えなかった。
Vtuber関係の仕事の手伝いも考えたが、それでは彼女からのサービスを望んでいるファンたちに申し訳ないと思い、結局は提案しなかった。
結果、俺はパートも行う主夫という存在になった。
世界が変わっても、種族が変わっても、俺は甲斐性無しのままらしい。
それでも、ゑるるは俺の日々の家事仕事に笑顔で感謝してくれている。その笑顔が見れるなら、俺のプライドなんて些末事だった。
そうしてこの魔界で、魔族として彼女とこれからの長い生を過ごしていくのだと、そう、思っていたんだ......
こっから数話かけて地獄の展開が…
これが終わったら、やっと純愛編...