未実装・闇落ちキャラに救いはあるのか 作:ねこ
――久我山は、比良坂クオンを病室に叩き込んで、小さくため息をついた。
幻月。夢と現の交わる幻想世界。今ほど多くないドリームキャッチャーの精鋭として、久我山は幻月に足を踏み入れた。そこで見たのは、まさに楽園だった。
怪物が。あるいは、化け物が。人間の形をまねようとして失敗している出来損ないの人形たち。――それらはすべて、殺してもいい存在だった。
生まれついての
化け物を切り刻みながら、腹の中では人間を殺したいと祈っていたのだ。
幻月の中で蠢く人間のまがい物どもは、それだけで久我山にとっては――代替趣味とは言えど――素晴らしい体験をもたらしたのだ。
こぼれる血液。消えていく呼吸。そのすべてが、夢なのにまるで現実。血だまりの中に映る顔は、口を吊り上げて笑っている自分自身。
「人生で、こんなに素晴らしい時間はもう二度と訪れないだろうな――」
直刀を抜き放って、味わうように虚影の肉を細切れにする。夢のような世界で、夢をかなえる。久我山は理解していた。ドリームキャッチャーは夢をかなえるためにその力を手にしたのだと。多かれ少なかれ、幻想力を操る人間は現実を憎悪し、幻想を望んでいる。「かくあるべし」と謳いながら、ただある世界を呪った人間の力こそが、幻想力なのだ。
幻月の最果てで、久我山は芸術品のように佇む少女を見た。つややかな黒髪。透き通る瞳。
「――生存者か。ケガはないか?」
早鐘を打つ心臓を偽り、冷静な仮面をかぶりなおす。少女は、焦点のあっていない目でこちらを見た。それこそが比良坂クオン。久我山は、クオンが現実のものだと思えなかった。理想の姿。理想の人間。今目の前にいる女は、殺したいと願っている己自身が作り出した幻であるかのような存在で。
だからこそ、恐ろしい。
自分の心と、目の前の理想が。
そのクオンが、壊れきった廃人のようにベッドで体を起こしていた。だが、反応は皆無。なにやらぼそぼそつぶやいてはいるが、聞き取れない。目の焦点はあっていない。
力もずいぶん揺らいでいる。――心臓が跳ねる。
もし、この子が暴走したら。どれだけの暴力を。圧倒的な幻想をもって、暴れ狂うのだろうか。
目の前の最高の素材を前に、少女は舌なめずりをする。丹念に料理をしてやる。だが、料理できないならそれはそれでいい。またの機会を、別の素材を待つだけだから。
久我山は、クオンをみて穏やかにほほ笑んだ。
限定ドリームキャッチャーPUイベント
「四海を駆ける弑殺の暴威」
暗夜属性・剣アタッカー
久我山 唯(★5)が限定ガチャにて実装!
「血の轍を踏み、死を望むもの。我は虐げ、滅ぼし、殺し、その果てに至るもの。無常ならば、私が変化を与えよう。不浄ならば、私が浄土へ導こう。引導を渡すもの。六文銭を受け取るもの。殺した数だけまた殺そう。奪いて後にまた奪おう。北面し、我を、見て、我を悟るとよい。我は死なり。世界の破壊者なり。――京観千里」
京観千里(CT50秒)
フィールドの敵に自身の攻撃力*8000%の暗夜属性ダメージを与える。
自身に「黄金時代」を付与。40秒持続。
黄金時代が付与されているとき、自身のモーション速度を3倍にする。