序章第4話投稿です!
ついにあの子が登場します!
今回も最後までお楽しみください!
シャーレのビルに向かうためにユウカ達を指揮することになった甲児。
生徒達との連携で不良生徒達を次々と制圧してあと少しでシャーレのビルに着くところまで来たが、そこに今回の騒動の首謀者、狐坂ワカモと遭遇したのだ。
「こ、子犬ですって!バカにして…「待てユウカ!」兜先生!」
子犬と呼ばれカッとなりワカモに噛みつこうとしたユウカを甲児は止める。
「なんで止めるですか!バカにされているですよ!」
「言われた気持ちはわかるでも、それだと相手の思う壺だ。
ここは少し落ち着けユウカ」
「私もそう思います。
ユウカさん、ここは冷静に」
「ッ…分かりました…すみません…」
甲児とハスミの話を聞きユウカは少し冷静になった。
「ありがとうなユウカ…
お前がワカモか!」
ユウカの話を終え、ワカモの方を向き話し始める甲児。
「ええ…いかにも私が狐坂ワカモですわ」
「なんでこんな事をしたんだ!何が目的だ!」
「目的ですか?それはもちろん破壊ですわ…」
「破壊だと…⁉︎」
「ええ…何かを壊す…なんて楽しいことでしょうか…。
しかもシャーレというビルにあの連邦生徒会長が大事な物を運んだらしいじゃないですか…連邦生徒会長の大事な物を壊す…
きっともっと心地良い事になるでしょうね…ふふっ…」
「こいつ…」
(このワカモ…自分の目的のためなら、他の人達のことなんて関係なく躊躇いなくやる…ヘルやミケーネの奴らと同じだ…)
「兜先生…残念ですが…」
「ああ…分かっているリン…。
こいつは説得できる相手じゃない…
やるしかないみんな!」
甲児は覚悟は決め光子銃をワカモに向ける
そしてその声に合図にユウカ達も身構える。
「ほう…この私とやるつもりですか?」
「当然だ!これ以上お前の身勝手な行動で破壊はさせないぜ!」
甲児はワカモに光子銃を向ける。
「ふふっ…いいでしょう。
ならお相手をしましょう…」
ワカモも自身の銃を向ける。
(どうする、どうやって相手をする…実力は間違いなく不良生徒達よりもすごく高い…しかもあの気迫、もしかしたら暗黒大将軍と堂々かもしれない。
どうやる…)
睨み合いが続く中どう戦うか考える甲児だがその時!
『ゴゴゴ!!』
「⁉︎なんだ⁉︎」
「えっ⁉︎」
「この音は⁉︎」
「なっ⁉︎」
「この音はまさか…⁉︎」
突如街に轟音が響く。
「あら…残念ですわ。
これからやり合おうと思いましたのに…
まあいいですわ、ここは任せますか…」
「なっ⁉︎待て!」
轟音に気を取られてワカモを逃してしまう。
「くっそ!音に気を取られた隙に逃げられた…しかもあの方向は…」
「シャーレのビルの方角です!兜先生追いましょう!」
「ああ!みんな追うぞ!」
急いでワカモを追う甲児達。
「しかしさっきの音は一体、なんかのエンジン音だったような、しかもシャーレのビルの方から…」
「兜先生…」
「うん?どうしたチナツ?」
「今の音もしかしたら巡航戦車の可能性があります」
「せ、戦車だと⁉︎」
「実はこのキヴォトスの学園には巡航戦車は配備されているです」
「おいおいマジかよ…学園に戦車…でもちょっと待て、そんな戦車をなんで不良生徒達が持っているんだ?」
「きっと不法に流通されたやつです!PMCに流れたのをあの不良たちが買い入れたかも!」
「なんだって…」
ユウカの話を聞きもし本当に戦車が現れたらどうするか考える甲児
「よしとりあえずシャーレのビルの入り口の到着だぜ!ってなっ⁉︎」
「くっやはりさっきの音は…」
シャーレのビルの入り口まで来れた甲児たちだが…その甲児達を立ちはだかるように不良生徒達そして戦車が現れる。
「くそっ!本当に戦車がいるのかよ!」
「ああもう!あとちょっとなのに!」
「クルセイダー1型!私の学園の制式戦車と同じ形です!」
「リン!あれって不法に流れたやつだから、遠慮なくぶっ壊していいだよな⁉︎」
「かまいません!」
「よし!ならって⁉︎」
戦車の砲塔が甲児達の方に向いていた!
「ヤベェ⁉︎みんな避けろ!」
『ドゴーン!!』『ドッカーン!!』
砲弾が発射されるがなんとか甲児達は避けるが直撃した車は派手に吹っ飛んだ。
「あぶねぇ…みんな大丈夫か⁉︎」
「みんな無事です!リン行政官も無事です!」
「ふぅ…良かったぜ…「オララ!」ムッ⁉︎」
みんなの無事を確認できた甲児はほっとするが不良生徒達がこちらに突っ込んで来た。
「ちぃ…スズミ!スタングレネードだ!」
「はい!」
スズミがスタングレネードを投げてまもなく光り不良生徒達を気絶させる。
さらにクルセイダーの視界を奪う事にも成功した。
「なっくそ…うん?あいつらはどこだ!」
辺りを見渡すクルセイダーの車長。
「ふぅ…なんとか隠れたな」
「そうですね…」
「リンそっちは大丈夫か?」
通信用のインカムを起動する甲児
『こちらもなんとか隠れられました』
「そうかとりあえず一安心だな…」
実はスタングレネードの光に際して甲児とユウカは道の左側の建物の影にリン達は甲児達とは反対側の車の影に隠れていた。
「さてどうやってあいつを倒すか…幸い不良どもはスズミのスタングレネードで倒したから楽だが…」
『兜先生』
「ハスミ?どうした?』
『私の銃ならあの戦車にダメージを与えられるので倒せると思います』
「何⁉︎そうなのか!」
『ですが、下手に姿を晒すと…』
「あの火力に狙われるか…そっちにユウカがいればバリアで守りながら撃てるだけどな…うーんどうするか…『ガタッ!』うん?なんだ?」
ハスミの銃で倒せる事が分かったが下手に姿を見せるとみんなが危険な目に遭うのでどうするかと悩んでいた甲児だが足に何かが当たり足元を見る。
「これはバイクか?」
甲児の足に当たったのはバイクだった。
「多分騒ぎに会った人が置いていった物じゃないですか?」
「なるほど…って鍵はつけっぱか、しかもガソリンはあるな…よし!!」
「えっ兜先生どうしました?」
「いい作戦を思いついたぜ!」
「ええっ⁉︎本当ですか!」
『兜先生?何か思いつきましたか?』
「ああ!みんな聞いてくれ!」
……
「って感じだ」
『なるほどですが、それは兜先生が危険では…』
「分かっているぜ、だけどこのまま何もせずに撃ち合うよりかはいいと思うぜ。
それに早くしないと大事な物をワカモに壊されるからな」
『…分かりました!兜先生を信じます!』
『了解です…私も兜先生の案を信じます」
『私もです!』
『私も信じます!』
「私も了解しました」
「よし!なr「ですが」えっ?」
「兜先生一人ではなく、私も一緒に行きます!」
「なんだって⁉︎」
ユウカの了承を取ったので作戦を始めようと思った甲児だがユウカも一緒に行くと言ったので驚いた。
「私がついて行けば万が一危険な目になってもバリアで守ります」
「確かにそうだけど…いやそうなるとお前を巻き込む可能性があるからダメだ!ここは俺に任せてユウカはここから援護を「いやです!」なっ…」
「私は…兜先生が砲撃に巻き込まれて死ぬところなんてそんなの見たくありません!兜先生が私達のために無茶をするなら私も一緒に無茶をします!」
ユウカの目は少し潤っていたが真っ直ぐだった。
「だから…お願いします」
「ユウカ…」
(もしかしてさっきの俺の話を聞いて俺だけに無茶をさせないためにユウカは一緒に行くと言ったのか…他のみんなも同じ事を言っていたかもな…俺は少し無茶をやりすぎたな…)
「分かった…!それとごめんな…無茶なことを言って…」
「あっ…ありがとうございます!それに兜先生の事はちょっと分かってきましたから」
「えっ?」
「兜先生はとっても無茶をする人って事をです」
「おいおい…それは「でも」うん?」
「会ったばかりの私を全力で助けたり、危険だったしても私達と一緒に戦ってくれる、優しくて一生懸命な先生って事も分かりました」
「ユウカ…ありがとうな、一緒に行くぞユウカ!」
「はい!」
「みんな待たせた!作戦はちょっと変更だ!作戦のアレは俺とユウカでやることにした!」
『了解です…』
『大丈夫です!』
『こちらも了解です!』
(分かりました。
頼みました兜先生!』
「よーし!あの非法戦車をスクラップ送りにするぞ!」
「「「「了解!」」」」
「どこに行った!いつまで隠れているつもりだ!」
クルセイダーの車長は叫ぶ。
『ブロロォォ!!』
「⁉︎なんだ⁉︎」
突然、別のエンジン音が聞こえてくる。
「よししっかりつかまっていろよユウk「兜先生!」うん?ユウカ?」
バイクに乗って行こうとしたが甲児の後ろに乗っているユウカに声をかけられる甲児。
「信じてますよ兜先生!」
「…おう任せろ!よし行くぞ!!スズミ!」
「はい、天罰の光を!」
スズミが車の影から出てスタングレネードをクルセイダーの前に投げる。
「なっ…またか⁉︎目と耳を塞げ!」
クルセイダーの車長は目と耳を塞ぎ気絶を免れる。
「バカめ!そう何度もその手にやらr「いっやっほー!!」なっ⁉︎」
光が止み目を開けるとなんと甲児とユウカが乗ったバイクがクルセイダーの上へジャンプして来たのだ。
「うわー⁉︎」
バイクにぶつかりそうなった車長は急いで伏せた。
そして甲児達のバイクはそのままクルセイダーの後ろに着地する。
「なっなんだあいつ⁉︎」
「残念だったな、この兜甲児!バイクの運転は大得意でね!」
「何ぃ⁉︎くそっ撃てぇ!」
砲塔がバイクに向くが…。
「おっと当たるか!」
甲児はバイクを発進させて砲撃を避ける。
「なっ⁉︎避けた⁉︎」
「なんだ、バイク一台も当てられないのかそのオンボロ戦車は!それとも乗っているお前らが下手くそだからか!」
「そうですよ!そんな下手な砲撃に当たるもんですか!ベェーだ!」
「!!あいつらをぶちのめせ!!!」
甲児達の挑発にキレた車長は指示を出し甲児達を狙う。
「行くぜしっかり掴まれよユウカ!」
「はい!」
バイクを走らせて砲撃を避ける甲児。
「くそっ!!車体を急いで回せ!いいか!撃って!撃って!当たるまで撃ちまくれ!!」
連続で砲撃するが…。
「へへっ!そんなノロマな弾に当たるかよっと!」
全ての砲撃を避けまたクルセイダーの上をジャンプする甲児のバイク。
「あぶっ!くそっ…何やっているんだ!この下手くそ!!」
「なんだと!!お前の指示が遅いだからだろ!!」
車長の生徒と砲手の生徒がケンカをしているがそこを甲児達は見逃さない。
「今だ撃ちまくれユウカ!」
「了解!」
右手で銃で戦車の車体を撃って左手で甲児を掴まるユウカ。
「うわっ⁉︎ふんそんな弾が戦車に効くか!」
だが彼女達は気づいていなかった…その戦車の車体から煙が出ていることを。
「ッ!あそこを撃てぇ!」
「うん?おう分かった!」
するとクルセイダーが甲児達ではなく別な方角に砲塔を向け砲撃した。
「なんだあいつら?」
「一体どうs⁉︎兜先生!前!」
「えっ?って何ぃ⁉︎」
なんとクルセイダーが撃ったのは甲児達の前にある車を撃ち爆発させ道を塞いだのだ。
「やばい!くっ!」
「キャァ!」
爆発に巻き込まれないようにバイクに急停止させる甲児
なんとか爆発には巻き込まれなかっただが、完全に止まってしまった。
「大丈夫かユウカ⁉︎」
「大丈夫です!ってなっ…」
止まってしまった甲児達のバイクにクルセイダーの砲塔が向いていた。
「へへっ…とうとう追い詰めたぞ…これで終わり「へへっ…」「ふふっ」なっ何がおかしい⁉︎」
追い詰めたと思ったら目の前の二人が笑い始めたので動揺するクルセイダーの車長。
「いやだってな、なあユウカ」
「ええ、そうですね兜先生」
「お前らもう少し周りを見たほうがいいぜ!!」
「へ?…あっ⁉︎」
なんとクルセイダーの車体に穴が空き黒い煙が上がっていたのだ。
「なっ、なんで…『ドーン!』うわっ!ってなっ!」
銃声が聞こえその音の方角を見るとハスミがリロードしていた。
「あっ…し、しまった…」
車長は気づくこいつらは囮だと…
甲児の作戦それはバイクに乗った甲児達が戦車を引き付けその間にハスミが攻撃する。
これが甲児の作戦だ。
「に…逃げろ!!」
慌てて戦車から出ようとする不良生徒達だがもう遅かった。
「これで…終わりです」
ハスミが放った銃弾がクルセイダーに真っ直ぐに飛び、直撃その直後クルセイダーが爆発する。
「「「ギャァー!!!」」」
その爆発に巻き込まれ吹っ飛ぶ不良生徒達。
「よっしゃ!ナイスだぜハスミ!」
「兜先生達が引き付けたおかげです」
「へへっ!ユウカやったな!」
「やりましたね兜先生!
バイクから降りるとユウカが手を甲児の前に出す。
「うん?」
「ハイタッチですよ」
「ああ!」
ハイタッチをする二人。
そんな甲児達に近づくリン達。
「さすがです兜先生!」
「お見事です!すごい運転テクニックでした!」
甲児のバイクテクニックを絶賛するチナツ。
「クリア…もう敵はいません。
制圧完了ですね!」
クリアニングをして報告するスズミ。
こうしてクルセイダーを撃破し不良生徒の勢力を全滅させることに成功した甲児達だった。
「ここがシャーレのビルか」
シャーレのビルを見上げる甲児。
「確かこのビルの地下に大事な物があるんだよな…だったら、ユウカ達はここで待っててくれ、俺だけで行ってくる」
「ちょっと待ってください!中にはワカモがいるかもしれないので一人で行くのはダメです!」
「うっ…確かにそうだな…」
「だったらユウカさんを連れて行けばいいのでは?」
「えっ?」「へっ⁉︎」
まさかリン行政官が自分を指名されるとは思わなかったユウカはびっくりした。
「ユウカを?」
「はい、ユウカさんはバリアを持っているので安心かと。
それと大事な物を見つけたら私に連絡を入れてください」
「そうだな…よし分かった!ユウカ一緒に来てくれ」
「わっ…分かりました!行きましょう」
二人はシャーレのビルの地下に向かった。
「皆さん」
突如リンが話し始める
「どうしましたかリン行政官?」
「あの二人いいですよね…」
「ふっ…ですね」
「確かに、なんかうらやましいかも…」
「ええ、相性バッチリですね。
兜先生とユウカさんは」
甲児とユウカの話をするリン達だった。
[シャーレのビル地下室]
銃を構えながら非常灯の光を頼りに進む甲児とユウカ。
「暗いな…ユウカ気をつけろよ、いつワカモと鉢合わせるかもしれないからな」
「了解です。
でも本当に暗いですね、幽霊とか出ませんよね…」
「幽霊か…出て欲しくないな…」
そんな話をしながら進んでいると奥から声が出て聞こえる。
「うーん…これが一体何なのか全くわかりませんね…これでは壊そうにも……」
「この声…ワカモですね」
「だな…」
壁からチラッと見るとワカモがいた。
(行くなら今だな…)
ユウカの方を見るといつも行けますと言うように首を頷く。
ユウカに返すように甲児も首を頷き通路から飛び出す。
「そこまでだワカモ!」
ワカモに銃を向ける甲児とユウカ。
「なっ…あなた方は…さっきの大人と可愛い子犬ではないですか」
ワカモもすぐに甲児達に銃を向ける。
「……」
先程はワカモの挑発に乗りそうになったユウカだが今回は反応はせず銃を向き続ける。
「あら…さっきはあんなに噛みつきそうな反応をしてのに…」
「ワカモ、これ以上ユウカをバカにするのは俺は許さないぜ…」
ワカモを睨み銃を向け続ける甲児。
「まさかたったの二人で私を相手するつもりですか?」
「やってみないと分からないぜ、なあユウカ」
「そうですね、やってみないとですね兜先生。
それに、さっきは逃げたから実はワカモは大した事はないかもですね」
「ッ…口が悪い子犬ですね…」
ユウカに煽り返され銃を持つ力が強くなるワカモ。
静かで緊張感がある睨み合いが続く。
だがこの睨み合いは思わぬ形で終わりを告げる
「あら…?」
「「えっ?」」
突然ワカモが間の抜けた声を出したので甲児達も困惑する。
「あら…あららら……」
ワカモの体が小刻みに震え始める。
(なんだ?急にワカモの様子が…)
「し、し……失礼しましたぁ~!!」
「うわっ⁉︎」「ええっ⁉︎」
まるで悲鳴のような声を出しワカモが飛び上がり天井裏に一目散に逃げ出したのだ。
「「……」」
ワカモの達成の行動に驚き、動くことも出来ず呆然してしまう甲児達。
「なっ、なんだっただろう…」
「さあ…でも逃げられましたね…」
「だな…うん?あれはなんだ?」
「えっ?」
甲児の視線の先を見るユウカ。
視線の先にあったのは、非常灯の光に照らされている謎の機械とその中に浮かぶ何かの端末だった。
「兜先生、もしかしてあれが…」
「ああ、リンが言っていた大事な物かもな、とりあえず壊れてないか確認しないとな…」
銃をしまい端末が壊れてないか確認しに行く甲児達。
「良かった…壊れてないですね…
でもこれって普通のタブレットにしか見えないですね」
「ふぅ良かったぜ…てかタブレット?なんだこれの名前か?」
「えっ⁉︎兜先生タブレット知らないですか⁉︎」
「ああ…あとさっきリンが使っていた薄い携帯も俺がいた世界にはなかったぜ」
「ええっ⁉︎スマホもない⁉︎あんな光線銃があるのに…兜先生がいた世界って一体どんなところだったですか…」
「まあそれはいつか話すから今はリンに連絡を…リン聞こえるか、大事な物無事に見つけたぜ」
『そうですか良かったです…そういえばワカモは?』
「ああ、いたけど逃げられた、すまん…』
『いえ仕方ありません、さて兜先生今目の前にあるタブレット端末が連邦生徒会長が先生に残したもの……『シッテムの箱』です』
「シッテムの箱…」
『はい、あらゆる点で解析不能なオーパーツ、私達には起動すら出来ませんでした。
これを使えばタワーの制御権を回復させられるということでしたが……先生、あとはすべて貴方にかかっています』
「俺次第か…分かった、やってみる」
と言い甲児は端末を手に取る。
『一応私もそちらに向かいますが兜先生、どうか……お願いします』
「おう任せろ!さてこれってどうやって起動をすれば良いんだ…」
「えっと…多分ここを押せばいいと思います」
甲児はどうやって起動するか考えていたがユウカが端末の起動をするボタンを見つけ指で指す。
「おっ!これかそれじゃあポチッと!」
甲児がボタンを押すと画面がぱっと明るくなり、Sのシンボルが現れると
───Connecting To ”Crate of Shittim”
───システム接続パスワードを入力してください
「パスワード?うっ…ぐっ…」
「兜先生?大丈夫ですか…」
パスワードを考えて端末に触れると突然頭の中にノイズが走り顔をしかめる甲児を心配するユウカ。
「…大丈夫だ…ユウカ」
(今のは一体…とりあえずさっきのノイズと一緒に浮かんできた言葉を試してみるか…)
端末にその言葉を入力する甲児。
──我々は望む、七つの嘆きを。
──我々は覚えている、ジェリコの古則を。
『接続パスワード了承。
現在の接続者情報は兜甲児、確認できました。
シッテムの箱へようこそ、兜甲児先生。
生体認証及び認証書作成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに変換します』
次の瞬間、甲児の眼の前が光に包まれた。
………
「うっ…ってここは⁉︎」
甲児が気づくとそこは壁の崩れた教室だった。
崩落した壁の向こうには山のように積まれた学習机があり、床は浸水しさらに無限に広がる水平線と済んだ青空が広がっている。
「すげぇ…あれユウカは?ってうん?」
目の前の景色に目を奪われていたがユウカがいないことに気づき辺りを見ると一人の幼子が机に突っ伏して寝息を立てているのが見えた。
(あの子、ユウカ達よりもう幼いじゃないか…)
と思いながらその子に近づく。
「むにゃむにゃ……カステラにはぁ、イチゴミルクより……バナナミルクのほうが……」
(めっちゃ気持ち良さそうに寝ているな… 罪悪感が出るけどここがどこか気になるから起こさないと)
「おーい」
その子の肩を掴んで揺する甲児だが…
「むにゃむにゃ…」
(起きない…よし!こうなったら小さい頃のシローにやったあれを試してみるか!)
そう思った甲児は幼子の耳に近づきそっと囁いた。
「早く起きないとカステラ全部食っちゃうぞ…」
「はっ!そ、それはダメです!カステラは独り占めはダメです!って兜先生⁉︎」
甲児の囁きを聞いた幼児は机から飛び起きると甲児を認識して目を丸くする。
「この空間に入ってきたっていうことは、ま、ま、まさか、本当に兜先生ですか⁉︎」
「うん…そうだけどってなんで俺の事を知っているんだ?」
「う、うわああ!? もうこんな時間!?」
疑問を投げかけた甲児だが幼児は聞いてなかったのか大声をあげて、椅子を弾き飛ばすように立ち上がる。
「お、おい!落ち着け!一回深呼吸しろ」
「ふぅー…はぁー…すみません、慌ててしまって…ってそうだ!改めて自己紹介から!」
深呼吸をして落ち着いたらしく幼児は甲児に自己紹介を始めた。
「私はアロナ!この『シッテムの箱』に常駐しているシステム管理者であり、メインOS、そしてこれから兜先生をアシストする秘書です!」
(メインOS?ということはこの子は人工知能なのか?)
「やっと会うことができました!私はここで兜先生をずっと、ずーっと待っていました!」
「寝言を言うほど長く寝ていたのか?」
「あ、あうう…も、もちろんたまに居眠りしたこともあるけど…」
「あっ、いや別に責めていないよ、むしろ俺も昼寝は大好きだぜ!よろしくなアロナ!」
「はい!よろしくお願いします!」
表情をコロコロと変えながら楽しそうに会話をするアロナに少し微笑んで会話を続ける甲児。
「まだ身体のバージョンが低い状態でして、特に声帯周りの調整が必要なのですが…これから先、頑張って色々な面で兜先生のことをサポートしていきますね!」
「いろいろと頼むなアロナ!」
「あっ、そうだ!ではまず、形式的ではありますが、生体認証を行います!」
「生体認証?ってどうやるんだ?」
「いえいえ、そんなに難しいわけではありません!少しこちらに来てください」
「おっ?分かったぜ」
アロナに誘導され近づく甲児。
「もう少しです。うん、その辺りで。さあ、この私の指に、兜先生の指を当ててください!」
「えっとこうか?」
アロナの指に自身の人差し指を優しく当てる甲児。
「うふふ。まるで指切りして約束するみたいでしょう?」
「確かになんかの昔の映画にこんなシーンがあった気がするな…」
「そうでしょう!実はですね、これで生体情報の指紋を確認することで、認証を確り行なっているんです!」
「ええっ⁉︎これで認証できるのかすげぇな…」
こんな事で認証できる事に驚く甲児。
「……はい!確認終わりました!」
「おっ終わったか、意外と早いな」
「はい!それと兜先生の事情が分かりました。
連邦生徒会長が行方不明になって、そのせいでキヴォトスのタワーを制御する手段がなくなった…」
「なあアロナ、連邦生徒会長について何か知ってるか?」
「私はキヴォトスの情報の多くを知ってはいますが……連邦生徒会長についてはほとんど知りません。彼女がどうしていなくなったのかも……。お役に立てず、すみません」
(キヴォトスのほとんどの情報を知っているのにわからないのか…自分の情報を消したのか?それとも他に理由があったのか?)
「いや大丈夫だよ、ありがとうなアロナ」
「ですが、サンクトゥムタワーの問題は何とか解決できそうです!」
「えっ…できるのか⁉︎」
「勿論です!兜先生が指示して頂ければいつでも!」
「よし!ならさっそく頼む!」
「はい!分かりました。それではサンクトゥムタワーのアクセス権を修復します! 少々お待ちください……サンクトゥムタワーのadmin権限を取得完了……サンクトゥムタワーは私、アロナが掌握しました。
兜先生が今やキヴォトスの支配者も同然です!」
「マジで…?」
「マジです!」
今、目の前のこの子はたったの数秒でこのキヴォトスの全てを自分の支配下にしたと堂々と笑顔で宣言したのだ。
あのDrヘルですらできなかった世界制服が数秒でできてしまった事に驚愕する甲児。
(この子はとんでもない事をたったの数秒で…この子の扱いには気をつけないとだな…)
「兜先生が承認さえしてくだされば、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管できます。でも……大丈夫ですか? 連邦生徒会に制御権を渡しても…」
「ああ…大丈夫だ、それに俺はこの世界の支配者なんかなりたくないしな」
「分かりました。これよりサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します!」
そのアロナの言葉を最後に甲児の意識が遠のいた。
……
「うっ…あれ?ここは…」
気づくと甲児はシッテムの箱を手にした状態で立ち尽くしていた。
「兜先生、大丈夫ですか…」
ユウカが心配そうに甲児を見ていた。
「ユウカ…大丈夫だよ、ありがとうな…心配してくれて」
またユウカの頭を優しく撫でる甲児。
「なっ…また急に…もう…良かった…」
頬を赤らめるが安心して微笑むユウカ。
すると部屋が明るくなり様々な機器の電源も回復してきて、どんよりとしていた地下室の空気も新鮮なものに変わっていくのがわかる。
「あっ!兜先生これって!」
「ああ、うまくいったかな「兜先生」おっリンか!」
周りの状況を確認していたらリンが部屋に入ってきた。
「権限の回復を確認しました。兜先生、キヴォトスの混乱を防いでくれたことに、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします」
「いや俺はやれる事をやっただけだぜ。
あとユウカもいてくれたおかげもあったぜ」
「ふっ…そうですね、ユウカさんもありがとうございます」
「えっと…役に立っていたのかな…私…」
「そんな事ないぜ、ユウカが着いて来てくれたからうまくいけた気がするぜありがとうな!」
「ッ!そうですか…嬉しいです」
また頬が赤くなるユウカ
「先生にシッテムの箱を渡したことで私のとりあえずの仕事は終わりました。
ああ、いえ、もう一つありましたね……連邦捜査部シャーレの部室……兜先生のための執務室に案内します。どうぞ、こちらのエレベーターに、ユウカさんも」
「えっ私も?」
「おっ!俺の執務室か、行こうぜユウカ!」
「あっ…はい!」
甲児に誘われてユウカもエレベーターに乗り込み、リンは高層階のボタンを押して扉が閉まる。
(さっきは外から見ていたけどやっぱりこのビルめっちゃでかいな!ボタンの数も少なくとも20個は超えているじゃないか?ここが俺の仕事場になるのか…)
甲児がそんな事を考えていると目的の階に着いたようでエレベーターのドアが開くと、そこは使用感を感じぬオフィスの空間が広がっておりシャーレのエンブレムの描かれた扉と「空室 近々始業予定」の張り紙があった。
「ここがシャーレのメインロビーになります。長い間空っぽでしたけど、ようやく主人を迎えることになりましたね」
リンが扉を開け、中に入る甲児達
「すげぇ部屋だな…そこそこ広いし備品もめっちゃあるな…てか銃もあるのか…
「ここで兜先生が仕事を…」
「ええこちらで、仕事をしていただくことになります。
とはいえ、シャーレという組織は何かしらの目的があるわけではなく、その割には権限が強いもの…つまり、兜先生がしたいことをやっても良い、ということです。
様々な学園に出入りし、希望する生徒をどのような立場であれ加入させることができる…」
「したい事をしても良いって言われても何をやろうかな…」
したい事をやっても良いと言われたが、こんな事は今までやった事がないので何をすればいいのか?と考える甲児。
「なら、連邦生徒会に寄せられる苦情や要請を代わりにこなすと良いでしょう。
こちらは連邦生徒会長が失踪したことで業務が大幅に滞っています。生徒会長捜索で人手も減りますし、シャーレが業務の一部を代行してもらえれば非常に助かります」
「お前な…面倒な事を押し付けたな…まぁいいぜ何をやるか決めるまではそっちの仕事を手伝ってやるよ」
「ありがとうございます。最低限必要な書類はこちらに、後でご確認を、あと必要なものがあれば連絡してもらえれば送りますので、よろしくおねがいしますね兜先生」
「あっ!リン実は今頼みたい事があるんだ」
「うん?なんでしょうか?」
「実は…」
「なるほど…分かりました、後で手配をします」
「ありがとうなリン!」
「では兜先生ごゆっくり。必要な時には、またご連絡いたします」
リンが一礼をし、部屋を出ていく。
「おうまたな!ふぅ…」
「兜先生お疲れ様です。
それにしても面倒な事を任された感じになってましたが大丈夫ですか?」
「まぁまずはやってみないとな…ってユウカは大丈夫か?まだいて」
「そうですね…もうワカモいないし…あっそういえば他の皆さんが待っているのでは?」
「あっそうだな…じゃあみんなのところに行くか!」
「はい!」
甲児達は下にいるであろうハスミ達のもとへ向かうためにエレベーターに乗る。
「ハスミ!みんな!待たせたな」
「兜先生お疲れ様です、こちらでもサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻したことを確認できました」
「そうか良かったぜ、でもワカモを逃がしたのは悔しいな…」
「ワカモは自治区に逃げてしまったのですけど……すぐ捕まるでしょう。私たちはここまで。あとは担当者に任せます」
「お疲れさまでした、兜先生。兜先生のご活躍はきっとキヴォトス全域に広がるでしょう…おそらくですがすぐにSNSで話題になってしまうかもしれませんね?」
「いや今回はみんなのおかげがあったからだぜ、ありがとうな」
「そうですね…特にユウカさんのおかげかもしれませんね」
とユウカの方を向くハスミ。
「ええっ⁉︎私ですか⁉︎」
「確かにそうだな、ユウカには本当に助かったぜ!」
「そうですか…えへへ…」
笑みが出るユウカ。
軽く談話をしていると甲児がある事を思いつく。
「なあ、そっちの都合がいい日にみんなの学園に挨拶に行ってもいいか!実はみんなの学園がどんなところか興味があるんだ!」
「そうですね…兜先生がそのつもりであれば、トリニティ総合学園の生徒会であるティーパーティーに話を回しておきます」
「分かりました、私も風紀委員長に今のことも合わせて今日のことを報告します。一応… 万魔殿にも伝えておきますか…」
「私もセミナーに伝えておかないと…あっそうだ兜先生、連絡といえばモモトークを入れてみては?このキヴォトスではメジャーな通信アプリで、ほとんどの生徒はこれを使ってやり取りしています。
兜先生はこうゆうのは始めて使うと思うのでまずはタブレットの使い方からそしてインストール方法やアカウント登録も教えてますね」
「おっいいのか!サンキューユウカ!」
シッテムの箱にユウカの説明のもとモモトークのアプリをインストールし、アカウントの登録をする甲児。
そしてユウカ達のアカウントをフォローしてメッセージのテストを行った。
ついでにSNSのアカウントもユウカの説明を聞きながら作った。
ちなみにいろいろとやっている中で甲児の世界にスマホやタブレットがない事に聞きハスミ達はすごく驚いた。
「よしこれでOKです!わからない事があれば私達に聞いてくださいね」
「ありがとうなユウカ!」
「では兜先生、また今度…」
「兜先生、お疲れ様でした」
「また会いましょう兜先生!」
「おう!みんなまたな!」
生徒たちが一礼し、各々の学園へと戻っていく。
姿を見えなくなるまで眺めた甲児はシャーレのビルを見上げる。
「いよいよ始まるのかシャーレでの活動が…不安はあるがやるからには全力で頑張るぜ!」
『気合いは十分ですね兜先生!』
甲児が気合いを入れているとシッテムの箱が振動したのでその画面を見ると、アロナが画面から浮かび上がっていた。
「おっ!アロナか!頼りにしているぜ!』
『はい!では兜先生、キヴォトスを、そしてシャーレをよろしくお願いします!』
「おう!任せろ!」
こうして兜甲児のキヴォトスのそしてシャーレの先生としての道を歩み始まる。
その道がどこに進むかはまだ誰にもわからない…だがそれでも彼はこの道を進んでゆく。
生徒の笑顔をそして青春を守るために…
それぞれの学園へ戻っていくユウカ達だったが途中まで同じ道だったので話しながら帰っていた。
するとハスミがある事を思い出した。
「あっ…そういえばユウカさんに聞きたい事がありますがいいですか?」
「えっ?なんですか?」
「はい、兜先生に頭を撫でられた感想を聞きたくて」
「へっ……」
ハスミの言葉を聞いた瞬間、ユウカの思考が止まった。
そして思考が戻るとどんどん顔が赤くなっていく。
「まっまっまっまさか⁉︎み、み、見られていたですか⁉︎」
「はい…兜先生がユウカさんを助けた時に」
「恥ずかしい…見られてないと思ったのに…ってまさか⁉︎」
スズミとチナツを見るユウカ。
「あはは…」
「すみません…」
「あわあわ…ってことはリン行政官も…」
「はい、見てました」
ハスミの言葉を聞いたユウカの顔はまるでゆでだこみたいにさらに真っ赤になる。
「あわ…あわ…あわ…うぅ…うわ〜!!」
「「「ユウカさん⁉︎」」」
速報、早瀬ユウカ逃走。
「ユウカさん待ってくださいまだ話が!」
「あっ待って!」
「ちょっといじりすぎましたね…」
と言い追いかけるハスミ達。
「うわ〜兜先生のバカァ〜!!」
「ヘックョン!!うーん?」
見ていただきありがとうございます!
書きたいことをたくさん書いたら結構な長文になってしまいました…
ちなみにやけにユウカの活躍が多いのはもちろん他のキャラも好きですが
実はユウカが推しキャラの一人なんですよね。
ユウカって良いですよね…
あと甲児君とユウカって結構いいタッグかなと思います。
今作は結構ユウカの活躍があると思います。
さていよいよ次はアビドス編ではなくミレニアム、ゲヘナ、トリニティの三校に甲児君が行く話があるのでアビドス編はもう少々お待ちください。
ストーリーの流れは大体できているのでお楽しみを!
ちなみに今まで次回のタイトルを載せていたですが今回からなしにします。
ご了承ください。
では次回甲児君がどの学園に行くのかお楽しみに!