呪いの世界で境界を渡る   作:アクト(act)

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どうも皆さん、はじめましての人ははじめまして。
どうやらこの愚かな肉塊はまた思い付きのまま行き当たりばったりの駄文を綴る様です、多分続きません。


転生したら金髪でした

私の名前は小泉羽恩、前世の記憶を持つ転生者だったりする。

 

確信はないが、みてくれや能力からして東方projectのマエリベリー・ハーンに転生したらしい。

現在7歳どうやら事故に遭ったらしく記憶は曖昧、前世の記憶は性別すら思い出せない。

 

その事が理由でこの肉体の過去すら不明、周囲の人達の顔も灰色で違いが分からない。

 

 

奇妙なのは大別すれば3つ

 

第一に自分には妖力か魔力か呼称は分からないが不思議な力がある

結界の境目が見える程度の体質があり、あらゆる境目の存在が認識できてどうなっているか判る。

境界を操る程度の能力を持っていて、制御はできないが穴を何もない場所に開けるぐらいの事ができる。

第二に存在の認識が難しくなっている点、自分の両親とされている人の顔がボヤけて見えるし文字を読む事も難しい。

第三に例外として、生き物みたいなナニかがハッキリ視える様になった。

 

 

『具合はどうですか?』

「調子はどうですか?」

 

「調子は大丈夫です」

 

 

目の前に2(・)人(・)看護師が居る

 

両方ともボヤけて見えるが一つだけ確信している、片方は妖怪とか怪異とか呼ばれる類の存在だ。

 

間違った方のナニかの問いに応えたらどうなるか、少なくとも生ある存在ではないのは確か。

 

人間じゃない怪異の足元の結界が、パキパキと音を鳴らして私の足元に亀裂を伸ばそうとしている。

 

見えないフリをしても、その裂け目は確実に私の影へと近付いていた。

 

幸いな事に途中で裂け目は消え、今度は私の目の前に居る看護師や医者そして両親へと向いていた。

 

同様に足元の結界がパキパキと砕け、彼等の影に迫っていたが辿り着く前に再び消え去る。

 

 

「一般的な成人と同じぐらいまでの知能指数の向上と、認知機能の異変が感じられますね。

視力に異変はありませんし視野は普通より良いぐらいです、事故が原因の一時的な後遺症だと思われます。症状が改善されない様でしたら紹介状を出しますね。」

 

 

怪異は自分に興味を向けている時に、結界を崩しながら私の影へと触れるようとする。

 

 

それなら、あの時会った茶(・)髪(・)の(・)少(・)女(・)は人間だったのだろうか。

 

 

 

2週間の内にハッキリ認識できた存在は、病院の中では一組の少年少女だけだった。

 

 

退院を迎えた私は、車の中でしきりと私の瞳を隠されていた。

 

そうして20分程経った後に渡されたのは眼鏡ではなく濃いサングラス、境界と現世の両方を遮り人間と怪物の両方が目視で視線が認識できない程度に隠されている。

 

 

家に帰り至って普通の食事をして、母の手を借りながら風呂に入って思った。

 

可愛い

 

ただ顔がいい、両親は茶髪と黒髪で普通の日本人で私は金髪なのが不思議だが。

...気分は悪い、風呂でも鏡を視る時もサングラスを必要とするらしい。

 

少し、自分の中の何かが変わった気がした。

 

 

憂鬱な気分で布団の中に潜る

寝て起きればいつもの朝が来る、それだけを拠り所に...ふと目が覚めた。

足が沈む様な浮(・)遊(・)感(・)、誰もが調子の悪い時に感じる違和感だ。

 

ただ妙な部分があるとすれば、布団の内側にある身体が下方向にぶら下がっている感覚だろう。

金縛りに遭ったんじゃないかと勘違いしてしまう重い身体、何かが異常だという確信の中で何とか動かせた右腕で布団を捲った。

 

そこには何もない場所があって、それがドロドロに溶けながら私をベッドの下に呑み込もうとしていた。

 

どこかに移動しようと思ったが、何かが足に絡まって逃げられない。

 

 

「嫌だ誰か!●●助けて!」

 

 

知らない誰かの名前が口から出てきた

 

自分にできるのは何かの縁に捕まって暴れるだけ

手が滑りそうな瞬間に、両親に助けられた。

 

その時に感じたのは安堵だろうか?

その日から境界の隙間にぶら下がる事はなくなった、その時だけは両親の目がハッキリ見えた様な気がした。

 

 

それだけを頼りに、これまで感じた怖い事を忘れようと努めて生きていくしかないのだろう。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

あれから7年の時が経った、結果多くの事を知れた。

 

どうやらこの世界は東方projecではなく呪術廻戦の世界だったらしい、私の瞳はそういう特異体質で術式として境界を操る能力がある。

 

改めて確認してみれば東方の未来世紀にしては昔過ぎる、というか私が転生する前に生きていた世界よりも約10年は昔だ。

 

 

そんなある日、呪術師としてのスカウトを受けた。

危ない事はしないという両親との口約束、何の強制力もないただの両親の願いがあったから断った。

 

 

「本当によかったのメリー?」

 

「ええ●●」

 

「なら行きましょう、私達を待ってる。」

 

 

一つの違和感、何が私と彼女を待っているというのか。

認めたいとは思えない、そういう小さくない違和感が私の足元に亀裂が奔るという形でこの世界に表れていた。

 

模られた理想の生活、大切な人と未知を散策する幻想に私は居るというのに。

目の前に居るこの少女は何者か、私が●●と呼ぶ存在は人間なのだろうか。

両親曰く私と一緒に事故に遭ったらしい彼女との中学3度目の夏、遂にその世界が崩れた。

 

とある少女のたった一人の親友を語るナニか、明るい晴れの日に陰鬱とした夜の帳が下りる。

 

崩れ落ちた幻想、未だ不明瞭な視界の中で絶望した。

足元が崩れる事はない、二度とベッドの底に落下する事はない、それでも瞳に映る存在が何たるか理解できないのだ。

 

 

「何年も前から私と居たアナタは誰なの?私が彼女と出会うのは遠い未来の話よ?」

 

 

裏切られたと、ただ感じる。

 

そうけたたましく嗤う呪霊共を許して良いのか、否そんな事あってはならない。

自分の弱さが許せない、縋ってしまった事実を認められない。

 

なんて贅沢だろう、親との誓いも一度悪意ある存在に裏切られただけでコレだ。

 

 

「さあ行きましょう?」

 

「所詮私は彼女のそっくりさん、ハッキリ目が覚めた私は別人よ。」

 

 

幻想と現実の狭間で揺れ動いてた、私の不明瞭な意識がハッキリした。

 

私に幾度となく受肉しようとしていた人ならざる存在、無意識だったけれど自分を偽る日々はウンザリする。

 

 

これまで抑えていた力を、一つの目的に使う。

ただ目の呪霊を縛る結界を強固にして手で触れた場所から落雷の様に衝撃を走らせて内側の境界から破壊する、そしてツギハギに模られた怪物を手で触れてバラバラにして穴に落とした。

 

毎日の様に私の足元を揺らしていた結界の反対側、浄界とでも呼称できる場所で手の様な何かに引き裂かれながら泡のように溶けていった。

 

空虚ながら言葉では表せない達成感、私の恐怖心を昂らせると同時に一つの達成感を与えてくれた。

 

 

言葉にするのも難しいこの昂る感情、ああコレが呪いだ。

 

 

私の名前は小泉羽恩、マエリベリー・ハーンではない。

...幻想郷最古の妖怪を模った存在、それが私だ。

 

 

運命も因果もないただつまらない私、夢は見たのだから現実を生きるしかない。

 

となればよりマシな環境を選ぶ、忘れようと努めて本当に忘れてしまった恐怖に抗う為に。

もはや逃れる事は叶わないのだから...

 

 

 

前世で好きだったもの、そして友人達も忘れて久しい。

この物語の世界はほぼ何も覚えていないが、無駄に多くの事を抱えて生きるよりは気が楽に違いない。

 

この呪われた世界で、私は呪術師として生きる。




週1回を目途にマイペースでいくマン
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