「姉妹校交流会見たかったんですけど」
「すまない、どうしても外せない任務があるらしい。」
未知の脅威というのは理解できる、だが私に何ができると言うのか。
都合のいい先鋒扱いなんて許せねぇよ...
「中華人民共和国を経由して鹿児島に上陸し、現在長崎を根城にしている。」
「五条先生じゃダメなんですか?」
「青森で外せない仕事があるという、九十九由基という特級術師は関与の意向を拒否している。」
「領域持ちは確定ですね?」
「不安があれば拒否しろ、その時は禪院家に依頼する手筈になっている。
上層部の政治的な係争に巻き込まれた形だろう、自分の将来を潰す必要はない。」
領域持ちなら確かに私が適任だろう、上層部からの評価が高いという一点のみであれば好ましいんだがね。
直近で試したい技能はない、術式反転の構想はあるけど粗末な呪霊程度の存在に利用したくない。
式神の雛形と制御系が完成したから何も求める事はない、だから地固めに必要な対価は何だろうか。
「今回は報酬次第かなぁ...」
「つまり直近に必要としている物は無いと?」
「金じゃ手に入らない様な曰くつきの品があれば話は別っていうか...
まあそれくらいです、特別な取引ありきなら考えます。」
「...例えば?」
「獄門疆や天逆鉾みたいな特級呪具或いは神具の類、それもビビってくる代物かな。」
「そうか、理由を聞いてもいいか。」
「反応が知りたい、それだけの対価があるなら私は上層部に手を貸したいので。」
私もう学生として学ぶ意味はないかもしれない、だからって今更逃げる理由もないか。
...術式を完全に御する事ができる様になった今なら、親の顔が見れる様になるだろうか。
「分かった伝えておこう、先送りだな。
自信が付いたな、危ないところはあるがそろそろ1級として認められる様にはなるだろう。
来年にはその白服も、脱げるようになるかもしれない。」
それは無理だと思います、ただの烙印ですから。
五条悟の負債よなぁ...
能力があるとか将来を期待されてるとかじゃなくて青空学級的なそれ、悪かったな鈍臭くて。
「良識ある子供であるというだけでも、我々大人にとっては助けるべく動きたい理由になる。」
はいはい、飴と鞭ですね。
懐柔はされんぞ?流石にその辺理解してるつもりだからな?
私はもう一人立ちの時期なのかねぇ、黒服として他者との境界を確固とした一級として認定されるか神聖な存在の象徴として白服を享受するか。
その辺面倒だから、まあ白服に甘んじる予定だけどね。
...個人としての責任の確立と主体性と成果の享受?
嫌だね、良いとこ取りしたい。
何から何まで任せられて気分がいい、竹箆返しを喰らわない限り永遠と今の状態のままで居たいね。
...だから建前ぐらい果たさせてやるか、私自身どこに向かおうとしてるか分からないからこそ知見を広げる必要がある。
「はい、では委細のほど宜しくお願いします。」
だからこそだろう、この任務は経験の浅い私には対処できない致命的な敵が立ちはだかるのだから。