ホラーってコミュ障が変な行動するって意味じゃないのよ
入学時の評価は2級
術式の本質は不明とされているらしいが、結界術と式神術の習熟度からして1級評価を下せる水準ではあったらしい。
領域術と結界術の才能と反転術式が行使可能だという点から一級でも良いと上層部は思っていたらしいが、そこは我らが五条悟身体的な耐久度の低さから却下したらしい。
経験を積み、能力に耐えられる肉体を得てから推薦を受けるべきという方針らしい。
嫉妬憐憫その他etcは醜いぞと今なら冷笑できる、気分よく歩いてたらコケて不愉快だ。
その視線はただ煩わしい、虚栄心と少し残された自尊心に刺さって辛い。
五条悟に肉体的なスペック差でボコボコにされた事実から私の自信は変わってない、だけど手加減ありきでも領域を破壊できた事に関係したプライドはある。
自己評価が乱高下してるんだ値踏みしないでくれ、期待には応えられない。
「みんな席に着きなさい、新入生達よ。」
きっと二年三年の先輩達だろう、筋肉骨まな板双峰と...イイべ素晴らしいべ。
ニヤニヤとした私の顔を見てか、視線を逸らされたが泣くな私。
全員合わせて13人か、想像よりも人数が多い。
教師は4人で、1学年に1人といった具合か。
加茂憲紀と東堂葵そして西宮桃、みんな鍛えてるのか体格もしっかりしてる。
私だけ猫背で俯きがちで...
「右から加茂憲紀特別2級術師、東堂葵2術師、級西宮桃3級術師、小泉羽恩2級術師よ。
さあ自己紹介しなさい。」
何も考えてなかったんだけど?!先生歌姫先生なにかあるなら言ってよ?!
「加茂憲紀だ。
加茂家次期当主そして、己の立場と責務を弁え日々の修練に励む。
京都校の名と先輩方の期待に恥じない術師となる、以上。」
わあ真面目、凄い仕込まれてる。
「東堂葵
これまで会ってきた奴はつまらない奴ばかりだった、この人生一度きりの青春時代でガッカリさせてくれるな。
師は特級術師九十九由基、今年には正式に1級術師として認められる予定だ。
最後にひとつ聞いておきたい、どんなおn-...」
「はい東堂葵2級術師ね、次西宮桃。」
強制的に話を遮られる事もある...何それ処刑タイムですか?
生半可な事を言ったらそれだけで詰む、あれどうすれば何を話せばいいのか。
頭の中が真っ白になる、何も考え付かないしこのままだと何かを話す前に遮られたら...メンタル的に死ぬ。
「えっと西宮桃です。
先輩方そして教師の方々には、これから色々と教えて頂く事になると思います。
ご迷惑をおかけすることもあるかもしれません、ですが先輩同期OGOB先生方に認めていただける完璧になってみせます。」
歌姫先生から飛ばされているガン、次はオマエだと早く話せと急かされている。
...卑屈にならない様に、そして私がどうしてここに居るかを説明するにはどうするべきか。
呪術師って呪霊を祓って呪詛師を殺す人だったから...
呪霊や呪詛師を逃す事で被害が拡大していたから、確実に殺して祓える様になるべきだ。
「あ、えっと...
呪術師になったのは成り行きです、ただ呪霊も呪詛師も一匹逃がすつもりはありません。」
周囲が「シン...」となって周囲を見渡してみれば全員苦笑いしているし、東堂が何故か目を輝かせて怖い。
先生は頭を抱えてる、この視覚情報から察するに私はやらかしたのだ。
仲を取り持つ言葉?
えっと怪我とか治せたらいいのかな、それを伝えればいいのかな。
「他に言いたい事はある?」
「危ない事と痛いのは嫌ですよね?
心配しないで下さい、その時は
「...」
違う、そうじゃない。
介錯じゃなくて治せるって意味だと説明しても今更遅いだろう
「よろしくお願いいたします」
「なら全員席に着きなさい、ホームルームを始めるわよ。」
しかも何もない場所で転んだ...
ここ数年は調子良かったのに憂鬱だ、ボッチは構わないが中途半端な関係にはなりたくない。
「年が上だから等級が上だからって何かと理由をつけて威張ってはダメよ、皆仲良くしなさい。
ホームルームは終わり、それぞれの教室に移動しなさい。」
私だけ白い制服、だけど先輩方は違う。
...何で?
因みに歌姫先生は三年担当の教師らしい、少し残念だ。
そして私達の先生は顔が厳つい人だった...
「宇佐美菱1級術師だ、急遽転向してきたが1年を預かる事になった。
シン陰流の使い手だが術式は使わない、教えられるのは基礎だけ。
遊ばせていたとオマエ達が言われるのは我慢ならん、進学するまでに基礎は叩き込んでやる。
聞きたい事言いたい事があれば聞く、何かあるか。」
宇佐見
その一言で心が揺れ動いてしまうのは病気の類だろうか、例えば子供が居れば自分みたいなソックリさんの可能性はあるけど...この人は若く見えるし有り得ないか。
「ならば一つだけ、宇佐美菱1級術師どんな女がタイプだ。
性癖はソイツの全てを表す、つまらん奴に教わる事なんてない。」
「公衆の面前でそういった事を聞くのは感心できんな、ここには淑女も居る事だ、それはまたの機会とする。」
「つまらん」
「私から学べる事は呪術だけではない、勉学やマナー思想勿論それ以外もな。
良い質問だった一年東堂葵、思わず感心してしまう様な授業をすると約束しよう。公序良俗に反しない限りこの場で何でも答える。」
「進学の条件はどうなっているのでしょう?
単位等はどの様にカウントされてるのでしょうか、用事等で授業に出られなかった場合は補習の機会は得られますか。」
「家庭の事情や勉学の習熟度に合わせて任務も割り振るし、深夜でも早朝でも補修授業を開く。」
こういうのって一つは聞かないといけないんだけど、何か思い付かない。
「呪術師としての心掛けを教えて下さい」
「前提知識として呪術の歴史は古く、起源は千年以上前平安時代にまで遡る。
天与の才能が重要視される商売で、術式を持たぬ弱者は目をかけられず同時に弱い術師は侮られて杜撰に扱われる。
呪術師の常識は一般社会と乖離している、術式という要素は呪いとして生涯付き纏うだろう、その他伝統ある家系等の要素が評価の理由になったりする。
性別や家系等の理由で侮られ評価を下げられてしまう事もある、だからこそ然とした態度で挑み必ず成果を掴み取る、そう私は心掛けてきた。
すまない長くなった、小泉羽恩は何かあるか。」
各々自分勝手に聞いていた、まあ文字通り何でもいいのかもしれない。
西宮さんもありきたりな事を聞いていたし、私もそこまで凝った事を聞かなくていいならちょっと制服の色が違う理由でも聞くか。
「私の制服だけ白色な理由って何ですか?」
「道に迷った時だったり任務中にはぐれた時に目立つ様にだな、あと後見人の理由もあって問題児扱いされているな。」
「...」
聞かなければよかった、これが社会不適合者か。
おのれ五条悟...
「気にするな、必ず今年中に脱がせてやる。
...待て違うぞそういう意味じゃない、俺が預かる生徒が問題ある状態で引き継がせる訳にはいかないからな。」
「??」
何を慌てているか分からないが、まあ悪い人じゃなさそう。
シン陰だし京都側の技能派なのかな?
結果的には強い人に師事できているかもしれない、まあ私のグラッグラな基礎を整えられるなら何でもいいけど。
...自分の記憶に無いだけで普通に登場していたのかな?
「今日は互いを知り、呪術師とは何たるかの心構えを知る日としよう。」
グループディスカッション即ちアイスブレイク、私にとって最も苦手としている事です。
この後の事はよく覚えていない
術式不明経歴もありきたりな可も無く不可も探れない、妖しげに笑う女だ。
あの五条悟が1級術師として推薦するほどの実力者、そうは見えないが確かな雰囲気を感じる。
尋常ではない呪力量、常に信じられない量の残滓を放出し続けている。
同室の仲間の誰もが口を閉じる存在感、先輩として可愛がってやろうという気概すら感じさせないらしい。
チグハグながら絶対的、私も何をしたらいいか分からない。
狂気を感じさせる様な虚ろな言葉遣い、胡散臭いが確かに良きにしろ悪きにしろ核心だけは突けるのが末恐ろしい。
呪詛師や呪霊の話になれば饒舌になるから戦うのが大好きなんだろう...
五条悟のレポートから反転術式の才能に加えて領域への理解もあるらしい、才能だけなら特級にも比肩するかもしれない。
...危険思想の可能性、上層部の挿げ替えを主張する五条悟と近しい存在だからか決めつけは多いな。
しかし血筋が何処の名家とも繋がらないのが奇妙だ、無下限呪術を扱える才能を受け継いでいた五条家と関係があると思っていたが違うらしい。
政治には興味なさそうな雰囲気はあるが、だからこそ危険なのは彼女の方かもしれん。
口が下手そうだし、転んだ際に突拍子もなく飛び掛かったと思われてそうだ。
何もない場所で頭をぶつけたり躓いたり、術式か分からないが自分の能力に振り回されている。
危ういが面白い、関東に残っている息子みたいで微笑ましい。
新任で預けられる生徒ではない、だが私への期待の裏返しと考えればやる気は出てくるもの。
あれが常在戦場の心構え、四六時中何らかの呪術を扱える体力は未来が楽しみだ。
私もまだまだらしい、子供に学ばされる事があると思わなかった。
宇佐美1級術師
原作には名前しか出なかった人、名前をでっち上げて登場させる事にした。
理由は前作で未登場で色々と付け加えても違和感がないから、あにまん見る気分で楽しんでいただけると嬉しい。