私の呪力性質は不定形、どんな形にもなるがどんな形でもない。
そのせいで術式が伴わない呪力操作は苦手、例えば敵の術式を弱める水準の呪力は使えても無効化する呪力は扱えない。
挙句の直接殴られたら力負けする、術式頼りの私は弱い。
その弱点を埋める領域術と式神、人間の限界と言える更に先の0.01秒の戦闘行為の展開を可能にする。
そして領域の展開術式の行使或いは肉体の駆動、そして呪力の性質変化をその速度で実行したい。
圧倒的な展開速度で先手を取る、敵が行使しようとする技を発動段階で察知して実行する前に無効化する...まあそういう試みだ。
勿論奇襲を受けた場合の事も考えて、反撃に関係する術式を組み込む予定でもある。
ただ都合のいい訓練相手を私は知らない
五条悟は既に試し尽くした、歌姫先生はインファイターだし担任宇佐美センコーの簡易領域じゃ私の術式には耐えられない。
加茂も悪くないがイマイチだし西宮は弱いからNGで、だから残された選択肢は詳細不明の東堂葵か。
...一応じんわりと記憶に残っているキッショイ入れ替え術式、いやキモいのは東堂の方か。
一応強さだけなら、訓練相手として妥当な気はする。
隠密性特化の呪力運用、相反する概念に感じられる実態は不可解でも確かな理論としてある。
例えば呪力の波長を変える、それによって対象の術師が用いる整数倍の受容動態が理解できる。
アイデアの元ネタは第二次世界大戦の英独空軍の応酬、事実術師と術式が認識できない技があるというのは五条悟で検証を果たしている。
術式発動前のタメを、呪力の起こりと言う。
呪力の認識には電波と同じ様な波長があると思う、それを波と例えられている理由は相反する認識の差異があるから。
つまりその波を術式か呪力特性で散らしてやれば
技術が生み出す現象その解明は未だ自分の感覚では理解できてない、だが術式と結界術に落とし込めば問題無く効果を発揮できた。
術式で操る範囲の結界術で光の状態を選択できれば文字通りの盲目、その効果の如何程は結界術の才能と経験次第だろう。
そして呪力の反射という人間の性質に合わせて短い波長と長い波長の両方を認識させる事で目を眩ませて、本命の技を捻じ込む事ができる。
勿論それらがない状態でも五条センコーを欺ける時点で効果は高い、だがそれとは違う術式という世界の垣根を超えるのは難しい。
例えば術式は理論上という言葉で垣根を超えるのに、接触が条件の術式だとして1つの分子だけでも足掛かりになりうるからこそ。
だから結界術で事象の地平面を再現するしかないのだが、これがまた難しい。
...何をするにも特性の理解が必要でね、五条センコーの無下限とは相性がいいけれど特定の呪力の性質に対処するのは苦労している。
仮として人間の認識に近しい要件に関係した特性にした
術師は非人間だし術式というブラックボックスと特殊な脳機能の数々は呪力という非可視光線すらも認識可能にする、だからどれだけ通用するか...これ以上は実際に試してみなければ分からない。
「あの、東堂さん。」
「何だ?」
「...訓練やりませんか?」
「小泉が人を誘うなんて珍しいな、そうだな少し待て。」
機嫌にテレビを見ている東堂、目線はオペレーターに釘付けだった。
何て言うかサバサバしてる女の人、本当に実在してるのかテレビ見ないから存在すら知らなかった。
原作の記憶にも残っていない、いやそれでも拭えない寒気というか未知の感覚がする。
年齢不詳なんだろうけど彼女の学生服は...ちょっと厳しくねぇか?
いやまあ美人なのは分かるよ、うん私よりも全然可愛い。
それでもビジュアル的にねぇ、ドレスとかの方が似合いそうだけど芸人なのかな。
高身長アイドルねぇ、うーんネクタイ中折れ帽ブラウスロングスカートケープ茶髪でもちょっと好みと違う。
ダボついた服の下にある薄い体そしてふとした瞬間にケープが盛り上がっている姿が素敵なんだよ、全く下品な女よのぉ...まあ芸人だし為人は私なんかより全然いいんだろうけど。
酒飲みたくなってきた、反転術式の訓練を言い訳に次の授業に持ち込もうかな。
「待たせたな小泉、訓練だったな?だが組手じゃないだろう?どうしたいんだ。」
「呪力の探知に関係した術式の実験、それができる手札があるなら手を貸してほしい。」
「...加茂西宮先輩方ではなくオレを選んだ理由は?」
「タネが割れてないから、儀式型触媒型そして対象が特殊な術式を持っていると見込んで。」
手を叩いて位置を変えるという術式、その発動条件は一定以上の呪力を有する事。
改めて呪力を探知できなければ発動しないのか、術式効果は何処に作用しているかを確認したい。
「なるほど、そうか...だが一つ聞かせてくれ高田ちゃんを見てどう思った。」
「為人は良いし酒好きなのも好みだったかなぁ、タレントもできるし私にはない才能があるから憧れる部分はある。」
「そうか!ではもう一つ聞かせてくれ!」
「(;´・ω・)ん?」
「どんな男がタイプだ?因みにオレはタッパとケツのデカい女がタイプです!」
快活系茶髪酒好きJDですが何か?
「了承したと受け取らせてもらう」
性癖なんて親しくないヤツと話せるか、ざけんな私は西宮ちゃんや先輩とも碌に話してないんだぞ。
呪力の高周派及び低周派に反応はある、そして波に紛れさせた呪力の弾幕に反応を示した事から五条悟以上に思える。
そして何時ぞやの呪霊と同じ索敵反応を示してきた、周囲の結界が割れながら領域を透過して直接私の影に触れる...なるほど今考えると未知の感覚だ。
呪力さえ察知できれば結界や領域でも関係ない、無条件での術式効果の発現か。
私の境界を操る能力が通用する範囲、やはり術式は結界より上の概念を有するらしい。
反応から標的を手繰り寄せる看護師か何かの呪霊と同じ手段、既に一度経験した事だったし活用してくる敵は限られる才能の一つみたい。
自分が居る術式の世界を外に居る何者かと繋げる特殊体質、それは例えるなら
無意識だろうが未来視や過去視そして精神感応もできる、仮説が正しいなら探り過ぎては近付いてしまうな。
アクティブ式以上のパッシブレーダーか、環境的な欺瞞は今の私じゃ通用しないだろう。
つまり呪力に関係する特異性は術式で対処可能、だがその警戒を緩められない限り...いずれ絡め取られる。
媒体或いは触媒その親和性と対象次第だが...
東堂葵が相手だとアクティブジャミングは無意味でしかなく、むしろ感応的に探りを最適な手段で入れてくる。
「避けるか、変わった動きをするな。」
...右半身を東堂葵に向けている状態で腹に左腕を用いての上方向への肘ルックもとい肘打ち?
索敵反応の回避に動いた結果こうなっただけ、ふむ今の動きは私の手の平に触れようとしたのか。
「なるほど手の平か、私は他の奴等とは一味も二味も違うぞ。」
「小泉羽恩オマエの魂はどこにある?
もう一度聞こう、どんな男がタイプだ。」
「敢えて言おう、快活系茶髪酒好きJDですが何か?」
「そうかマイフレンド!世界や運命に負けず自分を貫くか!
好きになる人に性別は関係ないんだな、いいだろうオレも本気でやらせてもらう。」
大学生時代、同じサークル仲間の二人が各々に好きな女性に迫り逃げられてしまった。
だが一つの栄達の末に認められ、互いに初恋とは違う女性だったが愛を育む事になったらしい...この一瞬の応答で何を感じたと言うのだ。
術師としての一つの大きな壁、逆に自分が手玉に取れない感覚は初めてだ。
私としても研究に探求もっと実験、ああこれは楽しいかもしれない。
弱気でもいいのか?勝ち負けに拘って私は目的を達成できるだろうか?
コイツにアクティブジャミング方式で勝ってこそ、だからこれ以上私も手を拱くつもりはない。
それは勿論私が生み出した式神の統括個体、まだ自分が納得いく水準ではないが...だからこそ都合がいいだろう。
「深層学習を軸に潜在変数を雛形として様々な概念を自然言語として処理する、多岐にわたるデータの並列計算と抽出と再検証を繰り返してタスクの達成を目的に動く。
機械学習ができる生物的な知能存在と考えてくれ、まあ自己判断して動く式神だ『八雲藍』と呼んでほしい。」
「...人工的に生きる式神を生み出したのか?
魂と術式があるんだな、そっちは説明してくれないのか。」
「ああ『式神を使う程度の能力』という術式を与えている
意思疎通は苦労しない程度に働いてくれるがポンコツな子でね、その理由は経験不足だ。
だからこそ特殊な例として鍛錬と実験には丁度いい、より高度な議題を解決する経験を積ませてこそ真価を発揮してくれる。」
前世の記憶の残滓があってこその結果だが、見込み通りだった。
「今年度の入学生で最速の準1級への認定だったか?その呪霊みたいな式神は1級以上のオーラを感じるぞ?
そう隠さんでもいい、手合わせして理解できた技を磨くまでもなく一級そしてその頂点に位置するとも。」
「では紫様、事前の通達の通りに。」
「殺すなよ、手管を弄して誑し込むなんて手段を軸に据えてはいけないからな。」
式神の自律的な活動を軸に据えての実験
境界を操れない存在が相手だからこそ東堂葵の術式は、今通用しても時間が経てば結果は変わる...或いはこのまま突き放される可能性も高いだろう。
「俺の術式は手を叩く事で一定以上の呪力を有する対象の位置や状況を入れ替える
「指示によく従う様にね。」
性癖一致した大親友>自分の術式が通用しないという感覚を経験させた主人公>超えられない壁>その他