ポケットモンスター カロス大家族記   作:空念

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第48話: 激突マスタータワー!懸けるはリング、譲れないライバル決戦!

 

「いくよ、ミソラ。お互い旅を続けて、どれだけ強くなったか……ここで確かめさせてもらう!」

マスタータワーの最上階。ステンドグラスから差し込む厳かな光を浴びながら、カルムが鋭い手つきで最初のモンスターボールを投げ放った。現れたのは、鋭い眼光を持つニャオニクス。

「望むところよ、カルム! 私たちの『大家族の絆』、全力で見せてあげる!」

ミソラが最初に選んだのは、昨夜まさかのアクシデントで進化したばかりのエネコロロだ。気品あふれる姿になりつつも、中身はマイペースなまま「にゃ〜ん♪」と喉を鳴らしている。

「進化したんだね……でも、先手はもらう! ニャオニクス、『サイコショック』!」

「エネコロロ、耐えて! そこから『うたう』よ!」

鋭いサイコの弾丸がエネコロロの身体を叩くが、進化した彼女はタフだった。衝撃に耐えながら、エネコロロは鈴を転がすような心地よい歌声をロビーに響かせる。その美しい旋律に誘われ、ニャオニクスは抗うことなくその場にドサリと頽れ、深い眠りに落ちた。

「よし、今よ! 『めざましビンタ』っっ!!」

寝ている相手に威力が2倍になる必殺のコンボ。エネコロロはしなやかに跳躍すると、眠るニャオニクスの顔面に、容赦のない強烈なビンタを叩き込んだ!

バチィィィィンッッ!!

「ニャオ!?」

凄まじい衝撃音とともに、ニャオニクスは目を覚ますと同時にそのままきりもみ回転して吹き飛び、戦闘不能。エネコロロの計算され尽くしたテクニカルなコンボが、見事にまずは一勝をもぎ取った。

 

「やるね、ミソラ。なら、次はこいつだ……出てくれ、アブソル!」

カルムが繰り出してきたのは、災いをもたらすとされる漆黒の刃を持つポケモン、アブソル。

「アブソル対決ね……! 私たちの守護神、行って!」

ミソラも、旅団の絶対的な「守護神」であるアブソルを送り出す。フィールド中央で対峙する2体の孤高の影。

カルムのアブソルが『つじぎり』で鋭く肉薄するが、ミソラのアブソルは冷静にそれを受け流し、逆にカウンター気味の一撃を叩き込む。搦め手なし、同じ特性、同じタイプだからこそ、これまでの旅で培ってきた「単純な火力の差」がそのまま勝敗を分けた。守護神アブソルの圧倒的な重みを持つ一振りが相手の懐を深く切り裂き、カルムのアブソルは力なく膝をついた。

 

「強いな……。だけど、俺の相棒はまだ健在だ。頼んだぞ、ゲコガシラ!」

カルムの絶対的なエースが躍り出る。エネコロロとアブソルを交代させ、ミソラが満を持して送り出したのは――新エースのリザードンだ。

「リザァッ……!」

ズシン、と重い足音とともに、巨躯がカルムを睨みつける。

「相性が悪いのは分かっているはずだ。ゲコガシラ、『みずのはどう』!」

ゲコガシラの全力を込めた激流の渦が、リザードンを襲う。

進化して強力になったとはいえ、相手は分が悪い水タイプ。まともに喰らった『みずのはどう』の衝撃と冷たさに、リザードンは「グッ……!」と苦悶の声を上げ、膝を折りかける。圧倒的な水圧の前に、さすがの新エースも苦戦を強いられた。

「畳み掛けろ、ゲコガシラ!」

上空からさらに追撃の水流が迫る。

「リザードン、負けないで! 進化したあんたの、新しい『翼』の力を見せてやりなさい!!」

ミソラの悲鳴のような号令が響いた。

その瞬間、リザードンの瞳に鋭い光が戻る。ただ暴走していたあの洞窟の時とは違う、仲間を、ミソラを信じるエースの目だ。

「リザァァァァァァッッッ!!!」

リザードンは迫り来る激流に向かって、背中から生えた猛々しい二枚の大きな翼を力強く広げた。進化したことで手に入れた、大空を支配する最高の武器。

「掴み取るよっ! 『つばさでうつ』っっ!!」

リザードンは強靭な翼をしならせると、白光するエネルギーを纏わせ、迫り来る水の波動ごとゲコガシラを激しく叩きつけた!

ドバァァァァンッッ!!

「ゲコッ……!?」

相性をも覆す、圧倒的な質量と力任せの打撃。リザードンの放った強烈な翼のひと振りが、ゲコガシラの身体を完全にへし折り、マスタータワーの床へと叩き沈めた。煙が立ち込める中、ゲコガシラは目をぐるぐるに回して完全にダウン。

 

「ゲコガシラ、戦闘不能! 勝者、ミソラ!」

メガシンカオヤジの厳かな声が響き渡る。

カルムは静かに相棒をボールに戻すと、ふっと微笑み、ミソラの元へと歩み寄った。

「負けたよ、ミソラ。君とポケモンたちの、その底知れない強さ……メガリングは、君が持つべきだ」

カルムから差し出された、鈍い輝きを放つ『メガリング』。

それを受け取ったミソラの元へ、テールナーやマリルリ、そして進化したばかりのエネコロロ、イーブイが一斉に駆け寄り、大歓声を上げて飛びついた。

守護神アブソルは、いつものように冷静に、しかしどこか誇らしげにその光景を見守っている。リザードンも少し離れた場所で、まだ水に濡れた身体をフンと震わせながら、バツ悪そうに、でも嬉しそうに仲間たちの笑顔を見つめていた。

 

最高のコンボ、守護神の圧倒的な実力、そして弱点を覆す新エースの翼。

すべてを出し切って手に入れたメガシンカの資格を胸に、ミソラ旅団の絆は、さらなる高みへと加速していくのだった。

 

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