ポケットモンスター カロス大家族記   作:空念

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第92話: 豪雪の進路! 炎の仲間へ送る気遣いと氷の精鋭

 

フウジョタウンのポケモンセンター。フロストケイブでの激闘を終えたミソラは、温かいココアを飲みながら、広げたカロス地方の地図をじっと見つめていた。

「次の目的地は、ヒャッコクシティ……。でも、ここから先は年中激しい雪が降り積もる、本格的な豪雪地帯(17番道路)なのね……」

フロストケイブの凍てつく寒さは記憶に新しい。あの洞窟だけでも手持ちたちは壊滅寸前まで追い込まれた。これから向かう道は、それ以上の極寒の世界。ミソラは足元で暖を取っている仲間たちに視線を落とした。

旅の始まりから一緒に歩んできたマフォクシーと、ミアレシティでプラターヌ博士に託されたリザードン。二匹とも頼れる主力であり、ミソラの大切な息子たちだ。しかし、彼らは本来、あたたかな南国や温暖な気候を好む炎タイプ。フロストケイブの時点でも、寒さに身を縮め、体力を激しく消耗して本来の力を出せなかった。

「マフォクシー、リザードン。ちょっとこっちへおいで」

ミソラが優しく呼びかけると、二匹は不思議そうに顔を寄せた。ミソラはそのふさふさの体毛と、大きな翼を愛おしそうに撫でながら静かに語りかける。

「次の道はね、一面が深い雪で覆われた本当の雪国なの。フロストケイブよりもずっと寒いわ。……だから、次のヒャッコクシティに着くまでの間、あんたたちはボックスの温かいお部屋で、みんなと一緒にお留守番していてほしいの」

その言葉に、マフォクシーとリザードンは一瞬、寂しそうに目を伏せた。もっとミソラの力になりたい、一緒に歩きたいという闘志があるのだろう。しかし、ミソラが自分たちの身体を心から気遣ってくれていることも、その深い「母親としての愛」も、痛いほど伝わっていた。

「グオォン……」

「マフォ……」

二匹は納得したように静かに鳴き、ミソラの手のひらにそっと頭を擦り寄せた。

「ありがとう。ヒャッコクシティに着いたら、またすぐに一緒に戦いましょうね」

二匹を優しくボールへと戻したミソラは、ボックスで待機している家族たちを眺めた。この過酷な豪雪地帯を切り抜けるためには、寒さに凍える仲間ではなく、寒さを「味方」にできるエキスパートの力が必要不可欠だ。

 

「よし……今回はあなたたちの出番よ! お願い、アマルス、ラプラス!」

転送されてきたボールから現れたのは、白銀の世界が何よりもよく似合う氷タイプの二匹だった。

「アマルゥッ!」

長い首を嬉しそうに伸ばし、ひんやりとした涼風を纏いながら鳴くアマルス。

「ラプゥゥ……」

ふかふかとした大きな甲羅を持ち、穏やかで知性溢れる瞳でミソラを見つめるラプラス。

氷タイプを持つ彼女たちにとって、これからの雪道はむしろ最高のポテンシャルを発揮できるホームグラウンド。さらに、先ほどのバトルで驚異的な粘りを見せたマリルリ、波導で吹雪の先を見通せるルカリオ、そして闇を統べる相棒のブラッキーと、絶対的エースのアブソル。

 

「これで極寒の対策はバッチリね。みんな、よろしく頼むわよ!」

「ブラァッ!」

「ルカ!」

炎の仲間たちの想いを背負い、氷の精鋭たちを迎えた新しい6体の布陣。22匹の大家族を率いる頭領(ボス)として、ミソラは一分の隙もない完璧な選択を終え、決意も新たに立ち上がった。

窓の外では、これから向かう雪国からの冷たい風が、フウジョタウンの風車を力強く回している。マフォクシーたちの温もりを胸に、ミソラと進化した大家族の戦士たちは、白銀の未踏の地へと力強く一歩を踏み出すのだった。

 

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