盾の勇者と天の聖杯   作:三途豆

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主人公は尚文のことを、普段はマスター。緊急時や、日本関係の時は尚文と呼びます。
死に戻り主人公みたい。


お礼とリユート村

奴隷商のテントを出た俺たちは薬屋に向かっていた。回復薬などを作ったが俺たちは使う予定は無いから薬屋に売った方が金になるだろうとのことだ。

その後は、武器屋に行こうと尚文は言ったがラフタリアが武器も新調したばかりだから不要だと言ったので武器屋に行かないことになった。

俺たちは薬屋に到着した。

薬屋に入ると店主が、尚文を見ると、親しげに微笑んだ。

「なんだ?どうしたんだ?」

「いやね。アンタが来たら礼を言っておこうと思ってね」

「は?」

 尚文もラフタリアも俺も首を傾げる。

「リユート村の親戚がアンタに助けて貰ったと言いに来てな。出来れば力になってくれと言われているんだ」

「ああ……なるほど」

波が起こった際に村人を守っていたのは尚文だし、尚文にお礼を言うよな。俺は村の出入り口とその周辺の魔物の討伐。ラフタリアは避難誘導を行なってた訳で。

「だからその礼にこれをやる」

そう言って薬屋の店主は尚文に一冊の本を渡した。

「お前さんが作ってくる初級の薬より高位のレシピを集めた中級レシピの本だ。そろそろ挑戦するには良い頃合だと思ってね」

「……」

尚文は本の中身を見る。

…読めない。

尚文も同じことを考えているんだろうな。

「か、感謝する。頑張ってみよう」

「そう言って貰えて嬉しいよ」

店主は何かを思い出したように「そういえば」と呟いた。

「魔法屋の奴も来いと言っておったぞ」

「「魔法屋?」」

尚文と俺が同時に言った。

「ナオフミ様、ホムラさん、魔法屋は魔法を覚える為の書物を扱っている店ですよ」

「ああ、なるほど」

「そうなのか」

でもどこにあるんだ?

「何処の店だ?」

「表通りの大きな所だよ」

ああ、あのデカイ本屋のところか。奥に水晶玉が置いてあるのを覚えてる。

その後は、回復薬などを売った。

いつもより高く買い取ってくれたので、尚文は新しい機材を購入した。

 

 

「ああ、盾の勇者様ね。うちの孫がお世話になりまして」

「はぁ……」

俺たちは魔法屋に来ている。

魔法屋の店主はなんていうか、小太りで、魔女みたいな衣装を着ている。

「で、俺に何の用だ?」

「その前に、盾の勇者様のお仲間は隣のお嬢ちゃんとそちらの方の2人だけで良いのかい?」

「ん? ああ」

「じゃあ待ってておくれ」

そう言って店主はカウンターの奥に置いてある水晶玉を持ってきて、何かの呪文を唱えた。

「よし、じゃあ盾の勇者様、水晶玉を覗いてみてくれるかい」

言われた通りに、尚文は水晶玉を覗き込んだ。

「そうだね……盾の勇者様は補助と回復の魔法に適性があるようだね」

もしかしなくても、尚文って今魔法適性を教えてもらったのか!?

しかも、回復と援護だと!?両方とも攻撃には対応して無さそうだな。

そういえば、ホムラの魔法適性は火と回復、ヒカリは光と援護だったよな。

ホムラとヒカリ、2人の適性と片方ずつ一致してるじゃん。

ヒーラーが2人、バフが2人いることになるのか。結構安定してるのでは?

「次は後ろのお嬢ちゃんね」

「あ、はい」

次にラフタリアが呼ばれ、水晶を覗き込む。

「うーん。やっぱりラクーン種のお嬢ちゃんは光と闇の魔法に適性が出ているようね」

「やっぱりという事は常識なのか?」

「そうねぇ……光の屈折と闇のあやふやさを利用した幻を使う魔法が得意な種族だから」

ラフタリアの魔法適性は光と闇か。ヒカリの魔法適性は光と援護だったから、ラフタリアの光と尚文の援護があればヒカリの魔法適性が揃ったことになるな。

「最後はあなたね」

そう言われ、俺は水晶玉を覗き込んだ。

「あなたの魔法適性は、水と土だね」

水と土!?ホムラとヒカリどころか、尚文の回復と援護、ラフタリアの光と闇ですら無い。

属性が被っていないからホムラやヒカリ、尚文とラフタリアにすら使えない属性だと考えるが妥当か。

「で、結局なんなんだ?」

「はい。これが魔法屋のおばちゃんが渡したかった物よ」

と、おばちゃんが俺達に3冊の本をくれた。

…字読めないんだけどな。

「本当は水晶玉をあげたいのだけど、そうなるとおばちゃんの生活が大変でね」

「どういう意味だ?」

「盾の勇者様は知らないのかい? 水晶玉に封じた魔法を解放すれば対応した魔法を一つ覚えられるんだよ」

マジで!一発で魔法を覚えられるのか。すごいな。流石異世界。

「ずいぶん前に国が勇者様用に……大量発注があって、それなりの数を出荷したのだけど、盾の勇者様は知らないのかい?」

「知らないな」

おそらく他の勇者たちにはすでに渡しているんだろうな。

「魔法書はかなり大変だけど、真面目に取り組めば一月で10の魔法が覚えられるだろうね」

水晶玉は1つ。魔法書なら1つ以上の魔法を覚えられるのか。

字が読めないという欠点を除けば問題はないんだよなぁ。

「ごめんねぇ」

魔法屋の店主は俺たちに謝ってきた。

おそらくだが、本当は水晶玉を渡したいのだろう。

でも、水晶玉をあげると生活できなくなる。

代わりに魔法書を渡したのだろうな。

「いえ、タダで魔法書を譲ってくださるだけで十分ですよ」

 ラフタリアが微笑んで対応し、尚文と俺は頷く。

「大体、どれくらいの魔法までが使えるんだ?」

「どれも初級の魔法だね。これより高位は……お金を出して買ってくれないかい」

「あ、ああ」

「教えてあげてもいいんだけど、盾の勇者様は忙しいでしょ?毎日城下町にいる訳ではないものね」

「そうだな」

魔法屋も商売をしているんだ。俺たちのわがままに付き合わせるわけにもいかないしな。それに、本だって高価なはずだし。それを3冊もタダだくれたんだから文句なんて言えないわな。

そして、俺たちは魔法屋を出た。

 

「はぁ…」

俺たちは城下町を出て草原に来ていた。

尚文は本を読んでため息をついた。おそらく、異世界文字理解とかのスキルが内包されてる武器はないのかとかを考えているんだろうな。

アニメの範囲だとそんなスキルはなかった気がする。

「なぁ、尚文」

「なんだ?」

「異世界文字理解のスキルがある盾とかどこかにないかなとか考えてるでしょ」

「まあな。お前のアニメの知識にはそういうのはあったか」

「いいや、たぶんなかったと思うよ」

「…そうか」

尚文が若干落ち込んだ。

気持ちは大いに理解できる。

魔法書も薬の本も1から文字を解読していかないといけない訳だし。

「一緒に魔法を覚えましょう」

 ラフタリアが元気に尚文と俺に話しかけてくる。

「俺はこの世界の文字が読めないんだよ……」

「同じく」

「ええ、ですから一緒に覚えて行きましょうよ」

「まあ……そうなるよな」

俺は尚文の言葉に頷く。

「そういえば次の波は何時来るのでしょう?」

「ん? ああ、ちょっと待ってろ」

そういうと、尚文は視線を空中に向ける。

そういえば、龍刻の砂時計に行った際にステータスアイコンが反応して、盾のアイコンが表示、拡大され、波のカウントダウンが出たな。

とりあえず、盾のアイコンを調べてみる。

…何も出ないな。

俺のアイコンには何かないかな。

そう思って俺のアイコンを調べる。

…あった。波までまで後45日と14時間と表示されている。

ん?なんか波のカウントダウンの他に!マークのアイコンがあるな。

「「45日も(と)あるぞ(14時間だね)」」

尚文と俺が同時に波のカウントダウンの時間を言う。

「ん?」

尚文が何か疑問に思ったのか俺の方を見る。

「ホムラ。お前、今波のカウントダウンを言ったのか?」

「そうだけど」

「…ラフタリア、お前は次の波の時間はわかるか?」

「分かりませんよ!」

ラフタリアは大きな声でわからないと言った。

「ホムラ。なんで波のカウントダウンの時間を知っているだ?」

「ああ、前に龍刻の砂時計で波の時間を確認した時に、急にステータスが表示されて、盾のアイコンが拡大したんだ。その時に波のカウントダウンが表示されたんだ」

「それで、今波のカウントダウンを調べたら盾のアイコンになくて、俺のアイコンにないかなと思って調べてみたら、俺のアイコンの所に波のカウントダウンが表示されてたんだ」

そう説明していると、メッセージが表示された。

[天の聖杯は一度波の登録をすると、登録した場所の波のカウントダウンを確認できます]

と書かれている。

俺はひとまずこのメッセージを尚文に伝えた。

「そういえば、天の聖杯は勇者の補助をする存在だったな。その恩恵か?」と尚文は呟いている。

「まぁ良い。他に何か変わったことはあるか」

「今気がついたんだが、波のカウントダウンの近くに!マークが表示されてる」

「!マークね。内容はどうなっているんだ?」

「ちょっと待ってね。すぐ調べる」

そう言って俺は波のカウントダウンの横の!マークを押した。

 

波を退けたことを確認しました!

波を退けた特別報酬を選択できます!

下記の中から好きなものを1つお選びください。

①物理攻撃力+30(全形態)

②変身可能時間の上限強化

③変身可能時間のストック上限強化

 

0:59

と表示された。

 

「マスター。どうやら波を退けた報酬のようだよ。全形態共有で攻撃力+30か変身可能時間の上限強化かストックの上限強化の3つの中から一つを選べるみたいだよ。マスターはどれが良い?」

「それはお前が決めることだ。お前の自由に選べ」

俺の自由に選べか。とりあえず一つずつ考えよう。

 

まず、ステータスの物理攻撃力+30まぁこれは魅力的だな。

ホムラはさらなるゴリラ火力。ヒカリでも今でも十分な攻撃力がある。人間形態でも今は物理攻撃がメインだ。でも、資質の向上でステータスを強化できるからなぁ。ステータスの上昇は魅力的だ。

…いや、待てもしステータスをあげてしまえば、ラフタリアと俺で魔物をワンパンかそれに近くなってしまう。雑魚ばかり狩ってしまうと経験を積むことができなくなる。そうなってしまうと、俺たちが強敵と戦う際にステータスの暴力で沈めてきた弊害で、動きがお粗末になってしまうかもしれない。それに俺の火力が上がれば、ラフタリアがお荷物になるかもしれない。それはなんとしてでも避けなければならない。

 

次に変身可能時間の上限強化。つまり、変身可能時間が増えると言うことだ。変身可能時間が増えるのも魅力的だ。リユート村の波では、変身可能時間が0になって変身が強制解除されてしまった。でも、ストックがあるので今はそこまで必要ではない。

 

次に変身可能時間のストック上限強化。これはまだ使っていないので今は、かなり余っている。なので優先順位は低いかもしれない。

 

となると、選ぶのは一つだけだな。

「変身可能時間の上限強化にする」

俺はそう言って②を選んだ。

すると、ステータスが表示され変身可能時間が30分増加した。

変身可能時間が40分10秒になった。

 

ちなみに一気に変身可能時間が30分も増えたわけだが、変身可能時間が30分増えただけであって回復はしていない。

プレイヤーのレベルアップでスタミナが全回復とかは起こらなかった。

 

波を退けた特別報酬を追加で与えます!

ホムラ形態…料理技能1を獲得しました。

ヒカリ形態…機械技能1を獲得しました。

「マスター。なんか追加報酬をもらったよ」

「追加報酬?」

「うん。なんかホムラ形態には調理技能1。ヒカリ形態には機械技能1だって」

「料理技能1ってなんだ?」

「ちょっと待って調べてみる」

俺はステータス画面を弄って料理技能を調べる。

少し調べると内容が表示された。

 

料理技能…自身が料理を作ると、料理の品質が向上する。

料理技能のは最大で5まであるようだ。

 

「どうやら俺が料理を作ると品質が上がるらしいよ」

「そうか。…ホムラ、今日はお前が料理を作ってみろ」

「マジで?正直自信ないんだけど」

「ものは試しだ」

「料理は、マスターの方がうまいじゃん」

「それでもだ。もし俺がいなくてもお前たちが料理できればその力はお前の力になる」

「…わかったやってみる」

こうして、今日のご飯は俺が作ることになった。今は時間でいうとお昼ごろになる。なので俺たちは草原でお昼ご飯を食べることにした。

そうして、俺はお昼ご飯を作った。

完成した料理を尚文とラフタリアに食べさせた。

尚文からは普通よりちょっと良い。

ラフタリアからナオフミ様の方が美味しいと言われた。

俺も試しに食べてみた。感想としては尚文と同じで普通よりは良い程度だった。

やっぱり俺の料理より尚文の料理の方が良いみたいだ。

ちなみに、ヒカリの錬金術技能はそもそも錬金術の道具も本もないので諦めた。

それと、人間形態には追加報酬がなかった。

 

…そういえば、0:59は!マークを開いた瞬間に出現した。つまりこの!マークを押すまでは、波を乗り越えた報酬は中身を見れないかわりに好きなタイミングで受け取ることができるようだ。問題は、一度開けると0:59のカウントダウンが止まらないと言う所か。

 

 

「とりあえず、ここでの用事は済んだのか?」

「そうですねぇ……奴隷紋の再登録と武器防具に薬の処分、そして本も貰いましたし、当面はありませんね」

「だな」

俺たちはやり忘れたことがないか確認した。

どうやらやり忘れたことはないようだ。

「じゃあ、飯でも食ってからLv上げに行くか」

「はい」

そして、俺たちはリユート村へ向かった。

道中にかなりの数の魔物の死骸があった。

間違いなく波の魔物だろうな。

 

「よ」

「あ、盾の勇者様」

昨日今日の影響か、村人たちは尚文を見ると快く歓迎している。

村人たちの方を見るとなんか首のないキメラのようなデカい魔物の死骸を撤去していた。

このキメラっぽい魔物が波のボスだったんだろうな。

それにしても、このキメラの死骸はかなりボロボロだ。原型は残っているが、皮や肉が無くなっている。

加えて頭の部分が切り取られている。形状的に頭の数はおそらく3つぐらいだな。

尚文、ラフタリア、俺の3人も村人たちと共にキメラの死骸の解体をした。

その後波のボスのキメラは尚文の盾に幾つか吸わせた。

骨や皮や尻尾の蛇の部分などだ。

残りの部分は埋めるそうだ。

可能な限り、尚文は回収するそうだ。

まぁ、骨は使えそうだが、肉は食用に向いてるのか?キメラの肉って食べて大丈夫なのか?

それと、研究者とかに波の大物と言って売るのもありかもと尚文が言うと村人も復興資金が欲しいのか尚文の提案に乗った。

腐りやすそうな内臓とかは俺の剣に吸わせた。

これで強化攻撃に必要なエネルギーを貯めることができた。

それと、村の外にある波の魔物を剣に吸わせまくった。村人に波の魔物はどうするんだ?と言ったらキメラと同じように埋めるらしいので俺がもらった。村人も魔物の死骸を処理できて、感謝していた。

Win-Winの関係ってやつである。

村の魔物の死骸を片付けて宿屋に向かうと尚文に助けられた宿屋の主人が無料で宿を貸してくれた。しかも、食事も無料だ。

それと、村人の中に読み書きができる人がいてその人にに文字を読むための表を作ってもらった。

文字の解読にはまだまだ時間がかかりそうだ。

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