盾の勇者と天の聖杯   作:三途豆

14 / 21
フィーロ

翌日の朝。

「ホムラ、ラフタリア、起きろ」

俺とラフタリアは尚文に呼ばれて目を覚ました。

目を開けると、魔物の卵にヒビが入っていた。

尚文、ラフタリア、俺の3人はヒビの入った卵を凝視する。

徐々に卵のヒビが広がっていく。

パリン!

そんな音がして、卵から魔物が生まれた。

「ピイ!」

生まれた魔物はピンク色のまんまるとした鳥だった。

「ピイ!」

魔物は尚文を見つめて、尚文の顔に超躍した。

「なんだろうなこの魔物は?」

「うーん……私も魔物に詳しい訳じゃないですから」

「俺も魔物のことはそこまで詳しくないからなぁ」

「しょうがない。村の連中に聞いてみるか」

村人たちに聞くことが決まり、尚文が魔物に手を伸ばすと魔物は尚文の腕を走り、肩から超躍し、頭に乗った。

魔物は尚文の頭に頬擦りをしている。

もう懐かれてるな。

「ふふ、ナオフミ様を親だと思っているのですよ」

「まあ刷り込みだろうな」

尚文は魔物の殻を盾に吸わせた。

「マスター。何か新しい盾は出た?」

「ああ、魔物使いの盾と魔物の卵の盾が出た」

「それじゃあ、この魔物のことは出なかったんだな」

「ああ」

俺たちは部屋を出て村人に話しかけた。

「あ、盾の勇者様」

「おはよう」

「おはようございます」

「おはようございます」

尚文、ラフタリア、俺の順番で村人に挨拶をする。

「おはようございます」

村人は俺たちに深々と頭を下げた。

「ピイ!」

魔物が元気に鳴いた。

「おや?そちらは?」

村人が尚文に尋ねる。そりゃ尋ねるよな。昨日まで魔物の赤ちゃんなんていなかったわけだし。

「魔物商のところで卵を買ったんだ」

「ああ、なるほど」

「ただ、中身が何か分からないって触れ込みのくじ引きだった。この魔物が何か知らないか?」

すると村人は魔物の赤ちゃんを見て考え始めた。

「おそらく、フィロリアルだと思います。」

「あの馬車を引く鳥か?」

「ええ、なんでしたら村のはずれに牧場があるので、見てもらうと良いですよ」

「じゃあ行ってみるか」

そう言って俺たちは村はずれの牧場に向かった。

俺たちが牧場に着いて、牧場主はいるかと従業員っぽいやつに聞くと、牧場主を呼んでくると言って、牧場主を呼びに行った。

この牧場も波の被害を受けていて、飼育していた魔物のうち4割が死んでしまったらしい。

「と言う訳で、この魔物はフィロリアルであっているのか?」

やってきた牧場主に聞くと、頷かれる。

「そうですね。見た感じ、フィロリアルの雌ですねぇ」

 雛を持ち、マジマジと鑑定しながら牧場主は言った。

「品種はよくある種類のフィロアリア種ですね」

牧場主は魔物の赤ちゃんの種族がフィロリアルだと断定した。性別は雌のようだ。

また、フィロリアルは馬車を引くのが大好きらしい。

「ま、外れではなく、割と当たりって所か」

「そうだね。成体が銀貨200枚の魔物を100枚で買えたと考えればハズレではないね」

育ちきるのにどれだけ時間と費用がかかるのかが問題だけど。

「コイツは何を食うんだ?」

「最初は豆を煮とかした等、柔らかい物ですね。大きくなったら雑食ですから何でも食べますよ」

「なるほど、ありがとう」

尚文は牧場主に俺を言った。

俺たちはレベル上げのために、牧場を後にした。

 

「で、名前はどうしますか?」

ラフタリアが魔物の赤ちゃんを撫でながら尚文に聞く。

尚文は、売るかもしれないペットに名前をつけるのか?とラフタリアに言っている。

「マスター。名前をつけないと魔物の赤ちゃんとかフィロリアルと呼ぶことになるよ?」

「それは面倒だな。なら、……ひとまず、フィーロとでも呼ぶか」

「すっごいシンプルな名前だね」

「…安直すぎませんか」

「うるさい」

「ピイ!」

フィーロは名前を気に入ったのか嬉しそうに鳴いた。

その後、俺たちは宿屋の1階で朝食を取りレベル上げに向かった。

 

レベル上げは順調に行われた。

俺のレベルは人間形態がレベル16(資質向上は18)、ホムラ形態がレベル16(資質向上は10)、ヒカリ形態がレベル17(資質向上は17)となった。

それと、ヒカリのレベルが20以下になったら、ライトニングバスターが使えなくなった。調べてみるとレベル20以上であることが条件のようだ。

まぁ、この辺りにライトニングバスターを使わないと倒せない魔物はいないから問題はないな。それと、最近はホムラ形態をよく使っている。ヒカリ形態とステータスの差が大きくなり始めたからだ。

それと、最近の狩りでは人間形態で、ホムラかヒカリの剣を使わないようにしている。それはホムラとヒカリの剣が強くて魔物をワンパンで仕留めることができてしまい、戦闘技術、ゲーム風にいうならプレイヤースキルが成長しないからである。

 

そして、レベル上げ終わりの夕方。俺たちの魔物のフィーロは何故かこのレベル上げで外見が変化した。朝は尚文の頭に乗っていたヒヨコだったのに、今では両手で持たなければいけないほどに大きくなっている。

両手で持つと少々重い。

尚文が重たいのか地面に下ろすとトテトテと歩いてくる。小動物なのでとてもかわいい。

 

ぐううぅぅ〜

さっきから腹の虫の音がフィーロからずっと鳴っている。

用意しておいたフィーロ用の食料は既に底をついていて、その辺の野草とかを食べている。

おまけに鳴き声も、ピイ!からピヨに変化している。1日目でこれだぞ。

 

そんなこんなで俺たちは宿屋についた。尚文はフィーロをどこに寝かせるか宿屋の店主と相談していた。

相談した結果、俺たちは馬小屋に案内され、藁を巣の代わりにしてフィーロを寝させた。馬小屋の空き部屋にはキメラの肉が干してあった。干し肉にするつもりなのか?

俺たちは宿屋の部屋を取り、部屋についたら荷物の整頓をしてから、文字の勉強をしてから寝た。

 

翌日、俺は宿屋のベットから起きると尚文がいない。部屋をみるとラフタリアが服を着替え終えて腕輪をつけたところだった。

「おはようラフタリア」

「おはようございますホムラさん」

「そういえば、マスターは?」

「それが、私も起きたら既にいなくて…」

「ここにいないのなら外だろうな」

「そうですよね」

「なら、外を探すか」

俺たちは宿屋を出て、尚文を探した。

尚文は馬小屋のすぐ近くにいた。

なんか、木の枝を投げている。尚文が投げた木の枝を白いフィロリアルが追いかけて尚文に取ってきた木の枝を渡す。尚文が木の枝を投げる。これを繰り返していた。

ペット(犬)に取ってこい〜といってボールを投げるアレにそっくりだ。

あと、尚文の顔が爽やかな笑顔になっている。ペットセラピーというやつだろうか?

「なんかマスターの顔がすごい爽やかだね。ラフタリア」

「ええ、そうですね」

…なんかラフタリアが不機嫌そうに答えた。

嫉妬してるのか?

「なんだ2人共」

気づかれた。

「おはようマスター」

「おはようございます。ナオフミ様」

「ああ、おはよう」

「ところでマスターそのフィロリアルはまさか」

「ああ、フィーロだ」

え?この白いフィロリアルが?昨日までサクラ色のフィロリアルだったのになんで一晩で白色になっているんだ?

てか、昨日と比べて大きくなりすぎじゃないか?昨日の夜は饅頭みたいな姿だったのにいまではダチョウみたいな姿になっている。

大きさは尚文の胸ぐらいまであるな。

「グア」

フィーロは俺とラフタリアを軽くつつく。

スキンシップだろうな。

俺とラフタリアはフィーロを撫でた。

「グアァ…」

フィーロは俺とラフタリアに擦り寄ってきた。

…なんかペットってこんな感じなのかな?うちは、ペットを飼ったことがないからわからないけど。

その後、俺たちはフィーロの食料集めとレベル上げを兼ねて草原へ向かった。

 

夕方には俺たちのフィーロの食料集め兼レベル上げを終えて俺たちはリユート村に戻ってきた。

フィーロはおそらく成体になり、かなり大きくなった。

村に戻ると、フィーロは尚文を乗せて走って行った。

少しすると、尚文とフィーロは戻ってきた。なんでも村を一周してきたらしい。

 

俺たちが宿屋に戻ろうとするとフィーロが鳴いた。

ラフタリアが「遊び足りないの?」と聞くと、フィーロは首を横に振った。「もしかして、寂しい?」とラフタリアが聞くと、フィーロは首を横に振った。

尚文は仕方ないと行ってフィーロが眠るまで、馬小屋にいることになった。

必然的に俺たちの勉強は馬小屋で行われた。

勉強をしていると、いつの間にかフィーロは眠っていた。

フィーロが寝たのを確認した俺たちは、宿屋の部屋に戻った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。