俺たちはエイクたち志願兵の約束のために城下町を目指している。
この7日間とドラゴンゾンビの一件で俺たちのレベルは上がり今のレベルは。
尚文、レベル36(資質向上25レベル)
ラフタリア、レベル38(資質向上26レベル)
フィーロ、レベル37(資質向上27レベル)
俺(人間形態)は、レベル26(資質向上31レベル)
ホムラ形態は、レベル27(資質向上26レベル)
ヒカリ形態は、レベル28(資質向上29レベル)
となっている。
この7日間で薬や回復アイテムもかなり用意したが、どれだけの被害が出るか予想できないのでもっと用意する予定だ。
翌日。
俺たちは朝一に城下町に入り、武器屋に馬車を止めた。
「よう親父」
「お、アンちゃん朝一か」
「早速だが頼んでた装備はできてるか?」
「おうよ。待ってろすぐ持ってくる」
親父はそう言って奥の方に入っていた。
少しすると、鎧を持ってきた。
鎧の見た目は大きく変わっていない。
前の鎧と明確に変わってるところは、胸の中心部にドラゴンゾンビの核があるぐらいだな。
「ちなみになんて名前の鎧なんだ?」
「改造しすぎてよくわからないから蛮族の鎧+1でいいだろ」
「これは+1ではすまない改造だと思うぞ」
俺は尚文の蛮族の鎧を鑑定した。
蛮族の鎧+1?
防御力アップ 衝撃耐性(大) 刺突耐性(中) 斬撃耐性(小) 火炎耐性(大) 闇耐性(中) HP自動回復(弱) 魔力上昇(中) 魔法防御加工 エアウェイク加工 自動修復機能
うん。前の蛮族の鎧よりも数段性能が上がってるな。
親父の店で売ってる防具の中では最高クラスなんじゃないのかこれ?
尚文は俺と同じことを思ってるのか親父に目を向けた。
「なんだ、アンちゃん?」
「いや、親父は俺に何を期待してるのかと思ってな」
「そういえば、ここ1週間見なかったが何をしてたんだ?」
親父が俺たちに聞いてきた。
「ああそれは…」
尚文はこの1週間で何をしていたのか親父に話した。
「そうか。アンちゃんは真面目だな」
「いってろ」
そんな会話を親父と尚文はしていた。
「そうだ親父聞きたいんだが、クラスアップって何レベルからできるんだ?」
尚文は親父に聞いた。
そう。今俺たちはクラスアップしようにも何レベルからできるかを知らないのだ。
「ああ、レベル35からできるぜ」
レベル35か。ラフタリアとフィーロなら問題ないな。
「そうか。早速クラスアップできないか聞いてくる。波が近いからな。少しでも強くなっておかないと」
尚文の言う通りだな。それにクラスアップをすると、レベルとは別にステータスが上昇するみたいだし、それ目当てで行くのもいいだろうな。
ちなみに、俺はクラスアップをする必要はないらしい。波が発生しそうな村や町を回ってる際にヘルプを確認したら、『天の聖杯はクラスアップをする必要はありません。また、天の聖杯にレベルの上限はありません』
つまり、天の聖杯のレベルは999以上もいけるってことか。ゲームによってはレベル1000以上もあるだろうけど。
そんなこんなで俺たちは龍刻の砂時計のある場所に向かう。
「そういえば、クラスアップは本人の可能性を広げるが、ラフタリアはどうしたい?」
「私はナオフミ様が決めて構いません」
「それはダメだ。ラフタリア、お前が自分で自分の可能性を決めろ」
尚文はラフタリアにそう言った。
そうだよな。これはラフタリア自身が選んだ方が後悔がないだろうしな。
「波が終わったら俺は元の世界に帰る。俺が帰った後、俺が居なくても問題のなく生きていけると思うやつを選べ」
「…わかりました」
尚文が帰った後か。そういえば、俺って波が終わったら帰れるのかな?現状はそこまで考えてないけど、いずれ決める時が来るのだろうな。
ヘルプを確認してみる。
………何も載ってない。
尚文のヘルプには載ってるのだろうか?
聞いてみるか。
「マス」
「あー!」
俺が尚文に聞こうとした瞬間大きな声が聞こえた。
声のした方向を向くと、剣の勇者パーティと弓の勇者パーティが俺たち、正確には尚文を指差していた。
剣の勇者パーティと弓の勇者パーティは俺たちの元に走ってきた。
「あなたですね!僕の達成した依頼の報酬を横取りしたのは!」
「はぁ?」
尚文は何のことか分からず疑問の声を出した。
「俺もだ。俺の方に来た依頼を横取りしただろ」
こっちは身に覚えがある気がする。たぶん、ドラゴンゾンビの一件だろうな。
「練の方はたぶん俺だ。だが、樹、お前のは知らん」
「とぼける気ですか!」
「知らんものは知らん」
「ひとまず尚文の話を聞こう。そうしないと何もわからない」
剣の勇者がそう言い、弓の勇者の肩に手を置いた。
弓の勇者は何があったのかを話し始めた。
「まずは僕からです。冒険者ギルドから北の地域で問題を起こしている領主の討伐と隣国で悪政を敷く王の討伐の依頼を達成して報酬を受け取ろうとしたら、報酬は既に支払ったと言われました。この国の人たちがこんなことをするとは思えません。そうなるとこんなをするのはあなたぐらいしか思い付きません」
「なんで俺なんだ?」
「武器です。僕のたち勇者の武器は形状を変えることができます。アクセサリーと同じサイズの武器や系統の違う形状の武器。例えば弓のような形状をした盾にだって変えれば報酬を受け取ることができるはずです」
つまり、尚文の盾には弓のような形状の盾があるはずだから尚文が犯人だと思ってるのか。
確かに盾とは思えない形状の盾は実際にある。ブックシールドとかがいい例だ。ブックシールドはよく見ないと普通の本にしか見えないからな。
尚文は行商中の時は盾をブックシールドに変えている。このおかげで尚文が盾の勇者だと気づく人は少ない。
「一つ聞くが、お前は報酬を受け取る時毎回弓を変えてるのか?」
「ええ。その方がギルドも依頼を達成したのが僕だと理解してくれます」
「そうか。だが、それでも俺を犯人だと断定できない。この世界には武器の形状を変えることができる武器があるはずだ。それに似たものだってある。フィーロ本当の姿になれ」
尚文がフィーロに言うと、フィーロは人型からフィロリアル・クイーンの姿になった。
尚文はフィーロの着ていたワンピースのリボンが首輪に変化したのを弓の勇者に見せた。
「わかるか?この世界にはこんな防具があるんだ。弓に形態を変える武器ぐらいあってもおかしくはない。後、俺以外の勇者でもできるんじゃないのか」
「で、ですが」
「そもそもお前は犯人がどんなやつだったのか聞いたのか?」
「い、いえ…それは…」
弓の勇者のこの反応。絶対犯人がどんなやつだったのか知らないな。
「それと、もう一つ聞くが、北の国の王の討伐をしたレジスタンスに弓の冒険者がいたそうだが、それはお前か?」
「ええ!僕が悪政を敷く王をレジスタンスと一緒に討伐しました」
「お前その後、北の国がどうなったのか知ってるのか?」
「知りませんよ。悪政を敷く王が討伐されたので豊かになっているのでしょう」
「なってねぇよ!あの国の連中、密入国してまでこの国に食料を物々交換で食料を買おうしてた程飢えてたぞ」
「な、なんでそんなことに!?」
「王も悪かったのかもしれないが、元々国中が飢饉で生活が保ててなかったんだ。そんな状態じゃ頭が入れ替わるだけで意味がない」
「それは僕とは関係ありません!問題をすり替えないでください」
「もういいだろ樹。現状の証拠では尚文が犯人だとは断定できない」
剣の勇者が弓の勇者の肩に手を置いてそう言った。
弓の勇者は黙った。
「次は俺だ」
「東の地域で発生した疫病の件か?」
「わかっているなら話は早い。なんで横取りした?」
「現地に居たからだ。お前が倒したドラゴンの死骸を放置した所為で村に疫病は蔓延したんだぞ」
「なんだと!」
剣の勇者は絶句して信じられないって顔をしている。
「死人もかなり出たらしい。治療院、俺たちの世界で言うなら病院だな。その病院の裏には新しい墓が多数あった。俺が居なかったらさらに何人も死んでたぞ」
「そ…そんな」
剣の勇者はそう言いながら東の方角に向けて歩き始めた。
尚文は剣の勇者の肩を持ち、剣の勇者を止めた。
「おい待て。今から行ったら波はどうするんだ?それに事態はもう解決したんだぞ」
「だが俺の所為で…」
「俺たちがそのドラゴンの死骸を除去した。疫病に掛かった村人も現地の治療師と協力して治療した。だから依頼はキャンセルされたんだ」
「そうだな。俺は依頼がキャンセルされたと言われた。それならキャンセルされるのもわかる」
「信じるんですか!?」
弓の勇者が困惑しながら剣の勇者に言う。
「嘘を言う理由がない」
「ドラゴンの死骸がドラゴンゾンビになった時は驚いたぞ。その時の戦いでラフタリアとホムラが呪いを受けたんだ。もう治ったが大変だったんだぞ」
「そうか。すまなかった」
剣の勇者は俺たちに頭を下げた。
「それと、なんでドラゴンの死骸を放置したんだ?」
「それは仲間たちが村の冒険者用に素材を残していった方がいいと言って、俺もその方が良いと思ったからだ」
そういえば、村の治療師はドラゴンの死骸見物と素材回収の為に多くの冒険者がやってきて村が賑わったと言ってたな。
「次からはちゃんと死骸を処理しろよ。死骸は放置すれば腐るんだ。腐ったら病を招く危険性がある。最低でも肉と臓物は処分しておけ」
「わかった」
「僕は信じませんからね」
「ああ信じなくて結構。それと犯人を捕まえたら『盾の勇者にやれと言われたのか?』とは聞くなよ」
「なんでですか?」
「以前俺たちを襲った盗賊を返り討ちにしたら、その盗賊どもは『俺たちは盾の勇者に襲われたんです』と町に言い放つつもりだったからな」
「そうですか。わかりました」
弓の勇者はそう言いながら尚文に哀れみと同情を混ぜた視線を向けている。
「とりあえずこの件は保留にしておきます」
弓の勇者がそう言うと、剣と弓の勇者たちは俺たちの元を去っていった。
「じゃあ行くか」
俺たちはクラスアップをする為に龍刻の砂時計がある建物へ向かった。
「盾の勇者様ですね」
俺たちが龍刻の砂時計のある建物に入ると、以前と同じシスターが話しかけてきた。
「ああ」
「今回は何の御用で?」
「クラスアップをしたい」
「クラスアップですか…では、1人につき金貨15枚をお納めください」
金貨15枚!?
銀貨換算なら銀貨1500枚ってことになるぞ!
リユート村の宿屋なら1500日。約4年と1ヶ月は泊まることができるぞ!
幾らなんでも高すぎるだろ!
実際、シスターは法外な値段なことに自覚があるようで、目が笑ってる。
「わかった。ラフタリアからクラスアップしろ」
尚文はそう言いながらラフタリアを連れて、シスターに金貨15枚を渡した。
金貨をシスターが受け取ると、1人のシスターが何かの紙を持ちながら走ってきた。紙を金貨を受け取ったシスターが受け取り紙を広げ、内容を確認する。
内容を確認したシスターは俺たちに、
「こちらに手違いがありました。盾の勇者様一行のクラスアップは禁止されています」
と言いやがった。
「はぁ!?どういうことだ!?」
「王直々のご命令です」
あの王、とんでもない命令をしてきやがった。報奨金の時に尚文の分だけ無しにしようとしてたからクズだとは思っていたがまさかここまでとは。
尚文はやってられないと思ったのか舌打ちをし、シスターから金貨を取り、「行くぞ」と言い建物の出口に向かった。
俺たちもついていき建物を出た。
「しかし、どうしましょう」
ラフタリアが呟いた。
確かにな。資質向上は1レベルにつき7回までだ。最近は波が近いので7回まで強化していないのでまだ少しは余裕があるが、いずれ限界が来る。
「奴隷商のところに行ってみよう。前に行った時、レベル70の奴隷がいた」
レベル70の奴隷か。それならクラスアップをしているから奴隷商ならなんとかできるかもしれない。
俺たちは尚文の指示に従い奴隷商のテントに向かう。
道中で何故か尚文はフィーロのことを見て、晴れやかな笑顔になった。
「ナ、ナオフミ様が晴れやかな笑みを!」
あの表情って、たぶんだけど槍の勇者がフィーロに蹴り飛ばされてる瞬間でも思い出しているんだろうな。
奴隷商のテントに入ると、奴隷商がこちらにやってきた。
「これはこれは盾の勇者様。今日は何の御用で?」
「それよりも、お前の方は随分と羽振りが良さそうだな」
そう。尚文の言う通り、奴隷商のやつ前とは服装が異なる。ただ異なるのではなく、前の時よりも服が上物なのだ。何があったんだ?
「勇者様のお陰です。ハイ」
「は?」
「勇者様の行商のお陰でこちらも儲けさせてもらっています。ハイ」
「どういう意味だ?」
「まず、フィロリアル・クイーンの評判です。あの魔物はどうやったら入手できるのかと貴族の収集家の方々が来るのです。ハイ」
フィーロか。確かフィーロは通常のフィロリアルとは姿も戦闘能力も全く違う。しかもフィーロ以外のフィロリアル・クイーンの目撃情報はとても少ない。
そんなレア物を欲しがる人もいるだろうな。
後フィーロは魔物だ。魔物となると専門家に聞くのが1番だから、貴族たちは魔物商の元に来るということか。
「後は口八丁で様々な魔物を購入していただくだけです。ハイ」
…それ、客を騙してないか?
尚文も同じことを思ってるのか「お前もたいがいだな」と言ってる。
「次にあなたです。ハイ」
奴隷商はそう言いながらラフタリアを見た。
「あなたを見て、私の所の奴隷は質がいいと噂になり、儲けさせていただいております。ハイ」
確かに、ラフタリアは美少女なのに加えて、スタイルもいいからな。
そんな奴隷の出所が、この奴隷商のところだとわかると、箔がつくのだろうな。
「それで本日はどのような御用でこちらに?新しい奴隷ですか?それともフィロリアルの実験に協力を?」
「なぁ奴隷商。お前のところでクラスアップの斡旋はできないか?」
「クラスアップですか?」
「ああ、この国のクズ共は俺の奴隷たちにクラスアップの許可を出さないから困っているんだ。お前の所にレベル40超えの奴隷がいただろ。紹介状とかがあるのかと思ってな」
尚文が奴隷商に聞くと、奴隷商は顎に手を当てて考え始めた。
やがて答えを決めたようで奴隷商は口を開いた。
「申し訳ありませんが、私どもでは…」
「そうか」
「ですが悩むことではありません。他国にある龍刻の砂時計でクラスアップをすれば問題ありません」
他国?もしかして、龍刻の砂時計ってこのメルロマルク以外にもあるのか?
尚文も同じことを考えていたようで「他にもあるのか」と奴隷商に聞いている。
「ええ、ですがクラスアップができるようになるには信用を得る必要があります。…盾の勇者様でもクラスアップができそうな国に幾つか心当たりがあります。こちらに」
奴隷商はそう言いながら、どこかに移動した。
到着したのは、前にラフタリアの奴隷紋を刻んだ場所だった。
奴隷商は近くにある机に地図を広げた。
「盾の勇者様がクラスアップがしやすい国ですと、傭兵と商人の国であるゼルトブル。亜人の国のシルトヴェルト。それからシルドフリーデン辺りですね。オススメはシルドフリーデンです。この国は亜人の国ですが人間にも寛容な国ですので」
「そこまで行くのにどれくらいの時間が掛かる?」
「馬車ならば1ヶ月。船ならば2週間となります」
奴隷商は地図をなぞりながらおおよその距離と時間、それと道を教えてくれた。
フィーロの馬車でも2週間は掛かるな。旅は何が起こるかわからないし、多めに見積もって3週間は掛かると考えておいた方がいいかもな。
「遠いですね」
ラフタリアが呟く。
ラフタリアの言う通りだ。でもラフタリアとフィーロのクラスアップをしないと2人は強くなれないから行くのは必須だしな。
「行くとしても3日後に発生する波が終わってからになるな」
「それで勇者様。本日の御用はこれだけですか?」
奴隷商は揉み手をしながら尚文に聞いた。
これは返してくれないパターンだな。
「なんでしたら、フィロリアル・クイーンに武器を持たせてみては?」
「フィーロにぶきー?」
フィーロは話に呼ばれて声を出した。
…フィーロに武器って何が良いんだ?人型では魔法とかを使うが基本的に戦う時はフィロリアル・クイーンの姿だし、装備するとなるとツメとかになるのか?
「武器の候補は、突撃角、蹄鉄、ツメ。防具だとフィロリアル用の鎧とかですが…」
フィーロに鎧か。いや、フィロリアル用の鎧って、通常のフィロリアルを想定して作られてるよな。フィーロには無理じゃないか?
後、蹄鉄とツメはわかるけど、突撃角って何?
「奴隷商、突撃角ってなんだ?」
尚文も俺と同じことを考えてたようで奴隷商に聞いてる。
「突撃角とは、頭につける兜になります。突進時に使います。ハイ」
突進用の装備か。フィーロが突進攻撃をすることって滅多にないからそんなに使うことはなさそうだな。
「フィーロは何がいい?」
「うーん…フィーロ変身するから、変身する時に肉に食い込むのは、やー」
肉に食い込むのは嫌か。フィーロって痛がりだからな。
突撃角だとフィロリアル・クイーンなら問題ないだろうが人型だと重そうだな。
蹄鉄は足に食い込むからダメ。
鎧はサイズがないからオーダーメイドになりそうだろ。
となると、残りはツメか。
「着脱を考えるとツメがよろしいかと、ハイ」
「じゃあそれでいいか?フィーロ」
「うん」
「では、サイズを計りますのでフィロリアル・クイーンの姿になってもらえますか、ハイ」
「だ、そうだ」
「うん」
フィーロはボフンと音と煙を出して、フィロリアル・クイーンの姿になった。
フィーロが変身すると、奴隷商の部下たちがやってきて足のサイズを調べ始めた。
「ふむ…フィロリアルの平均よりかなり大きいですね」
「すぐに用意できそうにないか?」
「いえ、辛うじてサイズがあるので大丈夫です。素材は鉄にしますか?」
「多少金銭に余裕があるから質が良いものがいい」
「わかりました。では、魔法鉄のツメが今あるものの限界ですね。ハイ」
「ちなみに幾らだ?」
「勇者様には贔屓していただいているので、特別に金貨5枚でお譲りします」
「高い。金貨4枚だ」
「勇者様の貪欲さに、私ゾクゾクします。わかりました。金貨4枚で妥協します」
「ついでに良い手綱もつけろ」
「お売りしましょう!」
奴隷商はハイテンションでそう言い、奥の方に行った。
少しすると、奴隷商は大きな2つのツメを持ってきた。
「こんなでかいツメがよくあったな」
「飛竜用のツメです。もっと大きなサイズの物もありますよ」
フィーロは奴隷商から渡させれたツメを履いた。
「なんか変な感じー」
「慣れろ。慣れれば前よりも攻撃力の上昇が見込める」
フィーロは尚文の話を聞いた後、ツメに意識を集中している。
その間に奴隷商は手綱を持ってきた。尚文は手綱を受け取ると、奴隷商に金貨4枚を渡した。
「なあ奴隷商。ツメの試し蹴りをしたいんだが、何かないか?」
「そうですねぇ、何分こちらの魔物は商品ですので…」
奴隷商がそう言うと、奴隷商の部下が奴隷商に何か耳打ちをした。
「ちょうど盾の勇者様の願いを叶えられるピッタリの依頼がありますよ」
霊亀戦まで使うんだし盛るペコ盛るペコ
主人公が波が終わった後のことについてヘルプを確認している時、フィーロは毒を吐けるようになりたいと言っていましたが、主人公はヘルプを見ていたのでフィーロの話を全く聞いていません。