桜と士郎の話が加速して……
あれから私の日常が変わることはなかった。
いつもの通りに蟲蔵に放り込まれて調整という名目で奪われる毎日、蟲だけじゃなかった………
おじい様の興味が私に向いたと勘違いした、当主になると思ってたお兄様が腹を立てて、
蟲なんかに比べればでしたけど……何回もそんなことありました………
私の復讐心、いやそれを生きる支えにすることすら間違ってることも理解していましたが、この境遇が許せなかった
でもそんな私でも興味をひかれたことはありました
中学校のころ、ふと外を見ると、高飛びをしている先輩がいました
全然感情なんてなかったはずなのに、その楽しそうな表情を見ると
「この人と喋ってみたい………」
でも私の境遇を思うととてもかかわってはいけない、だけど話してみたい………
久しぶりに芽生えた感情でした。もちろん話しかけられませんでしたが……
もちろん、楽しそうにする人なんていっぱいいたと思います。
でもそれでも先輩を見たのは私がやはりそういう対象として映ったからだと思います
「俺はよかったんだけどな、俺あんまこういうことなかったからさ」
「いいえ、今言ったようなことがありましたから、とてもそんな気にはなれなかったんです……
もちろん今となってはどうかなって思いましたけど」
そんなときでした。私は高校に入り、兄に監視されることが目的なのでしょう
弓道部に入って、………そこであの人をまた見ました。
まさかそれが………
「桜、今日僕の友達が来る、特別にお前も僕の部屋に来ていいぞ」
「は、はい」
兄らしいって名目で呼ばれたんでしょう。
いやなんてことはありませんでした。……でも逆らわないと楽です。何も起こりませんから
それからあの人がきました。初めて間近で見ました
でも
「桜さんっていうんだよね。表情がちょっと硬いよ………そうだ俺の家に来るといい。
面白いことあるからきっといいぞ、面白い奴も多しな、いいだろ、慎二」
「むっ……物好きなやつめまあいいだろ」
兄もここは兄としての立場をしておかなければいけないと思ったんでしょう、
素直にしてくれました……ですがおじい様はどうだったのかというと………
正直に言うとこの人に興味があり、久しぶりの感情でした
「結構なことではないか、よかろう、
たまには休みもよかろう、すきにするがよい」
「えっ………???」
意外だった。束縛して絶対に許さないと思っていたのに、
もちろんその時は知りませんでしたもう一つのわけがあることなんて
・・・・・
「話はわかったんだけど………やっぱ聞くと辛いもんがあるな……
これからの先のこと思うと……桜、俺余計なことだったか………無理にでも引き込んだみたいでさ………」
当然私は首を振った、さっき思ったようにどれか一つ欠けていたら今の私はないのですから……
このことがあったから私は今一番好きな人に出会えたのだから
そしてこうして私のことを思ってくれる、だから
「いいえ、嬉しかったです。先輩もそれはわかっていると思います」
「ま、まあな……」
先輩がいたから、藤村先生、みんなが私にいろいろしてくれたから、今の私がある。
それに先輩は私が魔術師と知っても変わらなかった。それが一番うれしかった
私が本当のことを打ち明けたときも
「先輩、あの時公園で言った言葉覚えてますか?」
「忘れねえよ、誰が忘れるものか、桜が初めて自分の気持ちをさらけ出したんだ
嬉しくないわけねえだろ」
よかった………私がはっきりと先輩を本当に大好きな人だって思ったことそれがこれでした
だから私は先輩に問いかけたんです
「私どうでしょうか、少しは悪い子じゃなくなりました?」
「どうだろうな、だけど俺はそんな気持ちも持つ桜は嫌いじゃない。
全部あって初めての桜だからな」
「そうですか、よかった」
「だけど、悪いことしたら怒るぞ」
「はい」
雨の中私に対する思いを抱えてくれたこと………このことだった
そんな先輩に何かできないか………
私はそんな願いを込めて兄に私は逆らった聖杯戦争に参加した
でもまさか姉さんもいるなんて……
今でも思い浮かびます。あの雨の中、もうこれ以上先輩に迷惑なんてかけられないと思って
雨が降りしきるその中を先輩はひきとめて訴えてくれたあの日のことを
「もし私が悪い子だったら先輩どうしますか?叱りますか?」
「ああ、かわいい子だったら余計にな、たぶん今までで一番怒ると思うたとえば今だ
釣り合わないとか、そんなこと言うな、絶対だ!」
こんなにまっすぐで素晴らしくてだから……
「それだけじゃないですよ、私先輩が思い浮かべるような子でもありません……
初めて何てとっくに奪われて、先輩が想像するようなそんな子じゃないんです。
きっと先輩は私なんかにかまってたら」
「いうな!!!」
先輩は私を抱きとめました
「なんだっていい。そんなのがなんだ。それは桜の意思じゃないだろ。
悪い子だっていい、叱り飛ばしていい子にしてやる、だからそんなこと言うな。やっとそれに気づいたんだ」
ここで私は先輩を意識しました……いや意識したから、きっと後々あんなこと起こったんだと思いました。
感情が久しぶりに芽生えてしまったから
だからよけいに……私は先輩のことがもっと知りたくて好きになって……
たまたま話しているだけの姉さんに嫉妬もして、もちろん、わかってます。
どうにでもない会話だというのも……ただそれすらも嫉妬して
そして、日常………だけならよかったのに
兄さんも周りもエスカレートして私は大事な人を奪われる。
好きな人を、大事な人を、楽しさを……心を
「衛宮、桜がひどい目にあったらどんな顔するんだろうなワクワクするぜ」
何もかも私から奪い取っていく………言い寄ってくるのは馬鹿な人ばかり……
私ばかり………許せない許せない………
「そんな生意気な妹、手懐けるようにお前の好きなあいつをいたぶってやらないとな」
すべてが憎い………どうして、私が………私にかかわる人はなんで………こんな目に合うの………私なんで……
「我慢しないで殺してしまえばいいじゃない、そうする権利があなたにはある」
そこに私の前に現れたもう一人の私。以前金色の髪の人に襲われたときに力をくれた………
影をまとっていて、私の前に髪を真っ白に染まり淫らに笑う。
もちろん、それは心の奥底でそう願っていた汚い私
「こ、殺せって……そんな………」
「戸惑うことないじゃない、どうせ、聖杯戦争も生き残れない屑、それに殺したって何も変わらないばかりか
喜ばれる連中ばかりじゃない、それに……いいの?また大事なものが奪われて……」
「いやだ………先輩にみんなに生きる力をもらったのに、何もしないで………」
「だから力を貸してあげる、何物にも邪魔されない力」
嫌だ、私の好きなものが奪われる………私は自分の悪魔の心を受け入れ……そして兄を殺した………
私は馬鹿だあれほど周りが支えるのに歯止めがきかなかった。
「先輩………私最初から壊れていたんです」
どうしようもなくダメな女、おまけに狂っている
こんな女………かかわらないほうがいい。おまけに私はもうすぐ死ぬ運命。それはわかる
例え憑代の蟲を殺したところで結果は変わらないでしょう
私の身体がすり減っている………だから
「周りの人みんなに嫌われようそうすれば私は……」
嫌われるようにそして、誰もいなくなったらいよいよ私は自分の本懐を遂げる
そうやって考えると私はすごく楽になれて……受け入れ気持ちよくなって
「ああ………これなら………」
受け入れたら凄く満たされて気持ちよくて………
ああ、おじい様はこれが狙いだったんですね。
感情を持つことですきになることで憎悪・嫉妬が生まれ快楽が生まれ、そしてこんなことに………
だったらその狙い通りこれから……そして
でもその前に私は嫌われ役にならないと意味がない
そうして、私は姉さんに手をかけ先輩にまで手をかけ………
「もちろん、今となっては言い訳です。実際私は神父さんの言うとおり
自分に酔っていた………快楽のままに殺そうとしていた」
「そうだな………だから俺は………」
「はい、本当に感謝してもしきれないです先輩には」
そしてその快楽のまま私は憎いという建前で、おじい様まで手をかけました
目的を達した、でも残ったものは、それどころかもっともっと人を多く殺して快楽に悦ぶ
別人格だと思っていただけど、神父さんが言うようにあれは私が心の奥底って思っていたことだ。
本当に都合のいい人だった、【嫌われよう】じゃなくて【嫌われて】当然だった………
私が思っている以上に汚かったんだから、でもみんな……私に対する感情が全然違った
「私やっぱり桜のこと大事だっただなって………お人よしなんて士郎に人のこといえないわ」
あれだけ、あれだけ姉さんに手をかけたのに………私のことを思ってて………
姉さんの言うとおり本当に馬鹿な人だった………
愚かな私、そんな私が先輩の説得で、生きたいと願う………本当にどうかしてた……
結局私は先輩の愛が欲しかった、ううん……もっと皆から好かれたかったと思い込んでた………
わがままな人………それなのに受け入れようとした
「辛い………苦しい………先輩」
「桜、お前は大変なことをした。だけどそれは死んで罪滅ぼしって簡単に片づけるな
そんなに片づけたいならお前は生きて、謝らないといけない。歯を食いしばれ少し痛いぞ」
「はい」
私のせいで数多くの犠牲が出て………私の本当の心、そのうえで今が成り立っているそれを今わかり
私は変わらないといけない、それなのに無責任にも逃げようとしていた
命を捨てると聞こえはいいが、情けない逃げ方をして………
だからこそ私は今がある
許されることではない、だからこそ生きないと
・・・・・
「桜、この前のことをよく話したな……」
「先輩………すみません、暗い話をしてしまいました。ようするにですね………」
「わかってるさ、何のために話を聞いてると思ってるんだ
そういう弱さ、でもそれを力に変えることができるのは桜お前だ」
だから、私は
「これからそれを私は受け止めて、そして償います、
簡単に聞こえるかもしれませんが、それが今の私のやるべきこと
死んで責任取るってそんな簡単なことではありませんから」
「そうだ、それが残されたやつの務めだ。死んでしまったものはそれができないんだからな」
「本当に私には不釣り合いなほど強くてかっこよくてもったいないです」
桜がきれいだ
本当に私と同じ名前とは思えないほどきれいでそして儚い、そんな夢のような存在
そんな存在になれるだろうか、少しでもなるために私は今まで以上に周りに感謝をしないといけないんですから
「桜、もうどうするべきかは言うまでもないな」
「はい、もう抱え込みませんし相談します、それが私の罪を作ったんですから」
「だとさ、二人とも」
「えっ!?」