SCP Foundation×クロスオーバー   作:jnpi

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Cuphead。


インシデントレポート:Cuphead

インシデントレポート: ██-アルファ

発生日時: 2026年██月██日

発生場所: 財団サイト-81██、第4研究棟

関係職員:██・██研究員(当時セキュリティクリアランスレベル3)

 

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概要:

2026年5月21日 14:30、サイト-81██に未知の人型実体2体(以下、SCP-████-AおよびSCP-████-Bと呼称)が侵入するインシデントが発生しました。

SCP-████-AおよびBは身長約1.2メートル、標準的な人型ですが、頭部が陶器製の「マグカップ」あるいは「ティーカップ」で構成されており、頭部内には未知の液体が満たされていました(Aは赤色、Bは青色のストローが頭部に刺さっています)。

 

両実体は警備員の制止を無視して施設内に侵入。警備部隊は銃撃による無力化を試みましたが、実体は1930年代のセル・アニメーションを思わせる異常な物理法則(空中でのダッシュ、極端に伸縮するなど)で回避行動をして、物理的損傷を受けませんでした。両実体は指を弾く動作により、指先から未知の高エネルギー弾を連射して警備部隊を非致死的に無力化し、迷うことなく██研究員のオフィスへと直行しました。

 

オフィスに到達した実体らを前に、██研究員は極度のパニック状態に陥りました。直後、██研究員の周囲に極めて局地的な現実改変空間(ヒューム値の異常な低下)が発生し、██研究員の肉体が突如として巨大化・変異を開始しました。

 

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監視カメラ映像ログ: 抜粋

 

[14:35:02] SCP-████-AとBがオフィスに入室。██研究員は「やめろ! 返さないぞ!」と叫び、机上の試薬瓶を投げつける。

 

[14:35:03]

██研究員の身体が風船のように膨張を開始。衣服が弾け飛び、肉体が巨大な「三つ目のビーカー」と同化する。██研究員は奇声を上げながら、天井から有毒なスライム状の物質を降らせる。

 

[14:36:19]

SCP-████-AおよびBは、機敏な跳躍と、空中のピンク色に発光する物体を叩き落とす動作(後の分析で、この行動により実体らのエネルギーが蓄積されることが判明)を駆使し、██研究員にエネルギー弾を撃ち込み続ける。

 

[14:36:55]

一定のダメージを受けた██研究員は顔を苦痛に歪ませ、自らの肉体を強引に引き裂く。内部から巨大な「機械仕掛けのタイプライター」が出現し、██研究員の顔面が印字ドラムに浮かび上がる。タイプライターは猛烈な速度でキーを打ち鳴らし、実体化された「文字」を散弾のように発射する。

 

[14:37:35]

SCP-████-Bが放ったエネルギー放射を受け、タイプライターが爆発。██研究員はさらに変異し、オフィスの書類を巻き込んだ「巨大な紙の竜巻」となる(第3フェーズ)。

 

[14:38:06]

SCP-████-Aの頭部から液体が激しく溢れ出し、水平方向への極太のエネルギービーム(対象の最大出力攻撃と推測される)が放射される。ビームが竜巻の中心に命中。

 

[14:38:20]

空間全体に、出所不明の巨大な音声で『KNOCKOUT!』というアナウンスが響き渡る。同時に、黄色の巨大な文字が空中にホログラムのように表示される。

 

[14:38:25]

現実改変空間が崩壊し、██研究員は本来の人間形態に戻り、全身に打撲傷を負って床に倒れ伏す。SCP-████-Aが気絶した██研究員に接近し、対象の胸部から物理的な切開を伴わずに「羊皮紙のスクロール」を引き抜く。

 

[14:38:35]

SCP-████-AとBはハイタッチを交わし、足元に発生したインク溜まりに飛び込んで消失。

 

インシデント終了後、██研究員は直ちにサイトの医療部門に搬送されました。生体バイタルは安定していましたが、原因不明の症状により昏睡状態に陥っていました。およそ24時間後、██研究員が意識を回復したため、事態の解明を目的としたインタビューが実施されました。

 

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インタビュー記録: ██-01

日付: 2026年██月██日

インタビュアー: サイト管理官・████

対象: ██・██研究員(拘束下)

 

[記録開始]

 

サイト管理官:

気分はどうだね、██研究員。現在の君の身体からは異常性もミーム汚染も検出されなかった。だが、君には説明してもらうべきことが山ほどある。

 

██研究員: [沈黙。力なく天井を見つめている]

 

サイト管理官:

監視カメラの映像を見たよ。君は巨大なビーカーに変形し、タイプライターになり、最後には竜巻になった。挙句の果てに、頭がティーカップの小人たちに倒され、胸から何かを奪い去られた。君は一体、何に関わっていた?

あの存在は何だ?

 

██研究員:

……申し訳ありません。あれは、私自身の異常性ではありません。私が「向こう側の世界」のルール……つまり、「借金を踏み倒そうとする悪あがき」の法則に巻き込まれ、強制的にボス・キャラクターとしての振る舞いを強いられた結果です。

 

サイト管理官: 借金だと? 説明を要求する。

 

██研究員:

……先月の長期休暇中のことです。私は個人的な興味から、████山脈周辺の局地的な空間異常の噂を調査していました。そこで私は、古いインクの匂いがする次元の裂け目を発見し、そこに足を踏み入れたんです。

 

サイト管理官:(5秒の沈黙)無許可での別次元への接触は重大なプロトコル違反だぞ。

 

██研究員: 分かっています!

ですが、その空間はあまりにも魅力的でした。ジャズが鳴り響き、全てが滑らかに動き、喋る野菜やスライムが生活している世界。そして、その地下には巨大なカジノがあったんです。私はそこで……ギャンブルをしました。

 

サイト管理官: ギャンブル?

 

██研究員:

ええ。最初は頭がサイコロになっている支配人補佐のような男とクラップスをやりました。信じられないほどツイていたんです。連戦連勝で、チップの山が私の前に積み上がっていきました。私は完全に有頂天になっていました。そこへ……現れたんです。あのカジノのオーナーが。

 

サイト管理官: 特徴は?

 

██研究員:

巨大な黒い毛皮の体、黄色い瞳、鋭い牙、そして山羊のような角。絵に描いたような「悪魔」そのものでした。奴は葉巻を吹かしながら、私にこう言ったんです。『見事な運だ。どうだ、次のロールで勝てば、このカジノの金は全部お前のものにしてやる。だが、もしお前が負けたら……お前の魂をもらうぞ』と。

 

サイト管理官: ……まさか、受けたのか。

 

██研究員: [頭を抱えて震える]

私は狂っていました。自分が負けるはずがないと思い込んでいた。私はサイコロを振り……1のゾロ目を出しました。奴は笑いながら、私の魂を差し押さえる「魂の契約書」にサインを迫ってきました。

 

サイト管理官: それで、どうやって逃げた?

 

██研究員:

奴が契約書に私の魂を縛り付けようとした瞬間、私は隠し持っていた試作型の携帯スクラントン現実錨を過負荷で起動しました。空間が歪んだ隙を突いて、次元の裂け目からこちらの世界へ逃げ帰ってきたんです。契約書を奴に奪われる前に。

 

サイト管理官: なるほど。では、あのカップの頭をした実体らは?

 

██研究員:

あいつらも、あのカジノで悪魔の賭けに乗って負けた大馬鹿者たちなんでしょう。命乞いをして、見逃してもらう代わりに「逃亡した債務者」から魂の契約書を取り立てる借金取りとして、悪魔にこき使われていたんです。

 

サイト管理官:

辻褄は合うな。映像記録の通り、君は敗北し、君の胸の中から契約書が引き抜かれた。つまり、君は魂を奪われたわけだ。しかし、なぜ君は今こうして生きていて、自我を保っている?

魂を失った人間の末路は、財団のデータにある通り、深刻な無気力状態か脳死だ。

 

██研究員: [突然、顔を上げて小さく笑い始める] フフ……ハハハ!

ええ、そうです。私も昨日負けた瞬間、これで終わりだと思いました。魂を悪魔に渡されて、永遠の奴隷になるのだと。ですが、私が今こうして正気を保って目覚めたということは、理由は一つしかありません!

 

サイト管理官: 何がおかしい。

 

██研究員: あいつら、やったんですよ!

 

サイト管理官: は?

 

██研究員:

[天井に向かって両手を上げる] あのティーカップの兄弟は、全ての借金取り立てを終えて悪魔の元へ戻ったはずです。でも、奴らは契約書を悪魔に渡さなかった!

逆に、あの悪魔に喧嘩を売ったんです! そして……勝った!

奴らは悪魔をぶちのめして、私の分も含めた全ての魂の契約書を暖炉か何かに放り込んで処分してくれたに違いありません!

だから私の魂は私の元に帰ってきた! ハハハッ! あいつら最高だ! 最高のヒーローですよ!!

 

サイト管理官: [深くため息をつく] ……話は分かった。全くもって呆れた話だ。警備兵、彼に鎮静剤を打って拘束を続けろ。

 

██研究員: え? いや、管理官! 私は助かったんです! 魂は無事だったんですから、もう問題は──

 

サイト管理官: 黙れ。君の処遇については後で通達する。

 

[記録終了]

 

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処分通達文書: ████-D

宛先: ██・██研究員

差出人: サイト管理官・████

日付: 2026年██月██日

 

██・██研究員。 君の軽率極まりない行動は、財団職員として決して許容されるものではない。

 

第一に、未知の異常空間への無許可での単独侵入。

第二に、要注意実体(PoI-0666:カジノのオーナー)との無許可の接触および、自身の「魂」という形而上学的概念を担保とした異常な契約・賭博行為。

第三に、その結果として、敵対的異常実体(SCP-████-AおよびB)の財団施設への侵入を招き、警備部隊を負傷させ、第4研究棟の設備を大破させたセキュリティ違反。

 

君の推測通り、君の魂は幸運にもかの小さな実体たちの反逆によって悪魔の縛りから解放されたのかもしれない。しかし、だからといって君の犯した罪が消えるわけではない。

 

本日付けで、君のセキュリティクリアランスをレベル0へと降格する。 君の新たな配置先は、サイト-██におけるKeterクラス実体収容区画の有害廃棄物処理班だ。

 

君の魂は悪魔の契約書から解放されたかもしれないが、財団との雇用契約書はまだ有効であり、決して破棄されることはないということを忘れないように。

 

以上。

 

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インシデントレポート: ██-ベータ

発生日時: 2026年██月██日

発生場所: 異常空間-██-Δ(通称「第4の島」)

関係職員:██・██研究員(セキュリティクリアランスレベル0・フィールド調査員待遇)

 

概要:

前回のインシデント(██-アルファ)以降、レベル0に降格され有害廃棄物処理班に配属されていた██研究員ですが、対象が「インクの匂いがする異常空間(SCP-██発生源)」の内部法則に一定の耐性と理解を持っていると判断されたため、財団は彼にボディカメラを装着させ、同次元に新たに出現した未探査エリア(異常空間-██-Δ)へのフィールドワークを命じました。

 

任務の主な目的は、当該エリアの環境調査および、現地で確認された「異常性を持つ食材群」の回収でした。

 

2026年██月██日 13:00に次元ポータルを通過した██研究員は、約4時間後の17:15、全身に重度の凍傷、打撲、および複数のエネルギー弾による火傷を負った状態でポータルから弾き出され、帰還しました。対象は直ちに医療部門へ搬送され、装着されていたボディカメラの映像解析が行われました。

 

以下は、ボディカメラに記録されていた映像の抜粋です。

 

────────────

 

映像記録:██-Δ-██

日付: 2026年██月██日

対象: ██・██研究員

 

[記録開始]

 

[16:50:00]

映像は、極寒の吹雪が吹き荒れる雪山の山頂付近を映している。背景にはセル画調で描かれた不気味な顔を持つ雪だるまや、踊るペンギンなどが確認できる。██研究員は寒さに震えながら、祭壇のような場所に置かれていた「青白く発光し、微かに脈打つ巨大な氷の角砂糖」を回収し、支給された特殊保冷バックパックに収納する。

 

██研究員: (通信機に向かって)……こちら██。目標の回収に成功しました。「絶対に溶けない角砂糖」です。これで……これで少しは私の評価も……。

 

[16:51:15]

██研究員が下山しようと振り返った直後、前方に2体の人型実体が立ち塞がっているのが映る。前回のインシデントで確認されたSCP-██-A(赤ストローのマグカップ)に加え、新たに「頭部が金色の杯で構成され、頭頂部から液体とストローが覗く女性型実体(以下、SCP-██-Cと呼称)」が確認される。

 

██研究員:(愕然とした顔)ひっ……! お、お前ら! なぜここに!?

 

[16:51:20]

SCP-██-Aは、██研究員の背負うバックパックを指差し、挑発するように腰に手を当てる。SCP-██-Cはタップダンスを踏みながら、指先から未知のエネルギー弾を撃ち出す構えをとる。彼らもまた、ある人物(現地での事前調査により、「塩入れの頭部を持つ巨大なシェフ」と推測される)からの依頼で、究極のタルトを完成させるための特異な食材を集めていたものとみられる。

 

██研究員: 渡さないぞ! これは財団の資産だ! これを持ち帰れば、私はまた研究室に……!!

 

[16:51:25]

██研究員の極度のストレスと生存本能により、再び局地的な現実改変空間が発生。前回のインシデントと同様に、██研究員の肉体が異常な変異を開始する。

 

[16:51:30]

██研究員の身体が背負っていたバックパックと融合し、巨大な「歩く雪山用リュックサック」へと変貌する。両腕は巨大なピッケルとなり、ジッパーの口から氷のつららを機関銃のように乱射し始める。

SCP-██-A、Cは散開。SCP-██-Cは、空中で更に跳ねる二段ジャンプや、攻撃が当たっても物理的損害を伴わない未知の回避行動を駆使し、██研究員の攻撃を完全に無力化しながらエネルギー弾を浴びせ続ける。

 

[16:52:10]

一定のダメージを受けた██研究員(リュックサック)が破裂。中から財団のオレンジ色の防寒着がぼろぼろになった状態で現れ、周囲の雪を巻き込んで巨大な「雪男(イエティ)」のような形態となる。対象は画面の端から端まで跳躍し、着地の衝撃で氷の波を発生させる。

SCP-██-Cは、██研究員が放ったピンク色に発光する氷塊に対し防御動作を成功させ、自らのエネルギーを急速に蓄積する。

 

[16:52:44]

SCP-██-Cが、蓄積したエネルギーを解放。自らの肉体を高速回転させながら上下に黄色いビームを発射する攻撃を放ち、██研究員に直撃させる。

██研究員は断末魔の叫びを上げ、肉体が崩壊。猛烈な吹雪そのものへと変異し、フィールド全体を覆い尽くす巨大な顔面として実体化する。口から「生きた氷の結晶」を大量に吐き出し、足場を次々と破壊していく。

 

[16:53:12]

SCP-██-AとSCP-██-Cが足場を飛び移りながら射撃を行う、██研究員が力尽きる

 

[16:53:44]

空中に、前回と同様の出所不明な巨大音声で『KNOCKOUT!』というアナウンスが鳴り響く。

 

[16:53:50]

現実改変空間が崩壊。元の姿に戻った██研究員が、雪の上に倒れ伏している。SCP-██-Cが軽快な足取りで接近し、バックパックから「青白く発光する氷の角砂糖」を嬉しそうに取り出す。SCP-██-A、Cの2体はファンファーレのような音楽と共にポーズを決める。その後に駆け出して下山。██研究員は重傷の身だが、次元ポータルの方向に這い出す

 

[16:56:30]

██研究員がポータルを通過し、財団施設内の床に激突する映像と共に、カメラの機能が停止する。

 

[記録終了]

 

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事後評価とサイト管理官のコメント

 

本インシデントにおける██研究員の行動について、倫理委員会および人事部門による迅速な監査が行われました。

 

前回のインシデントにおいて、彼は自身の個人的な欲望(ギャンブル)によって事態を招いたため、厳重な処罰が下されました。しかし今回のインシデントに関する映像記録を解析した結果、以下の事実が確認されました。

 

1. ██研究員は財団の命令に忠実に従い、極めて過酷な環境下で指定された異常オブジェクトの回収を完遂していた。

2. 敵対的実体(SCP-██-A、C)との遭遇は完全な不慮の事故であり、目的の品が競合したための偶発的な襲撃であった。

3.対象は圧倒的な戦力差(今回は実体側に新メンバーが加わっていた)を前にしても逃亡せず、「財団の資産を守る」という目的のために自ら変異の苦痛を受け入れてまで防衛戦を試みた。

 

以上の点から、本件において██研究員に職務上の落ち度は一切ないと結論付けられました。彼は任務を遂行しようとした結果、不可抗力により現地の自警的あるいは利己的な異常実体に襲撃された「被害者」です。

 

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サイト管理官・████からの追記:

彼のボディカメラの映像を見た。巨大なリュックサックになり、雪男になり、最後には吹雪そのものになってまで角砂糖を守ろうとする姿には、財団職員としての執念のようなものを感じたよ(それが単に元の研究室に戻りたい一心から来るものであったとしてもだ)

 

彼をボコボコにして食材を奪い去ったあのカートゥーンの悪魔的実体ども(特にあの杯の女)は、財団にとって明確な脅威だ。シェフとやらが集めている「食材」が完成した時、あの次元で何が起こるか注視する必要がある。

 

────────────

 

██研究員についてだが、今回は彼を責めることはできない。彼には十分な治療と、1週間の特別有給休暇を与えろ。懲罰は無しだ。

 

ただし、彼が元気になったら、次もまた行ってもらう。彼があの世界のボス・キャラクターとしての素質を持っていることは、我々にとって有益なデータだからな

 

 




たのしいざんだん。
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