アイテム番号: SCP-████-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
SCP-████-JPはサイト-1██の第3種人型収容室に保管されます。SCP-████-JPの突発的な自律行動による脱走を防ぐため、収容室の扉は外部からの施錠に加えて、レベル4の物理的耐衝撃処理を施してください。
また、サイト内の購買部およびカフェテリアにおけるアルコール飲料の販売・搬入は厳重に管理され、SCP-████-JPの収容違反が発生した場合は、速やかにアルコール類を施錠された金庫へ隠匿してください。
SCP-████-JPへの接触実験は現在凍結されています。SCP-████-JPの異常性によって変化を被った人物(以下、SCP-████-JP-Aと指定)は、標準人型オブジェクト収容室に個別に収容されます。SCP-████-JP-Aに対する戦闘能力の検証実験を行う場合、対戦相手となる職員またはDクラス職員の外見的特徴(特にBMI指数および風貌)を事前にスクリーニングし、実験の進行速度が制御不能に陥ることを防がなければなりません。
説明:
SCP-████-JPは、15世紀ヨーロッパにおけるゴシック式の西洋風全身甲冑に類似した外見を持つ、自律行動可能なオブジェクトです。
全高は約150cm、重量は約25kgです。材質の分光分析では鋼鉄、チタン、および微量の金が検出されていますが、それらの組成から算出される数値を遥かに凌駕する耐久性を有しています。
装飾は極めて華美であり、全身に精緻な金銀の象嵌が施されています。
SCP-████-JPの最大の特徴として、その胸甲部の形状が挙げられます。胸部装甲は一般的な人体の解剖学的構造や、攻撃を逸らすという防具としての実用性を著しく逸脱し、過剰に前方に膨隆しています。
この形状から女性用の甲冑として設計されたものと推測されますが、装甲としての機能性は皆無であると見なされています。
SCP-████-JPは通常、完全な無機物として振る舞いますが、後述の覚醒状態において人間が素手で直接接触することで活性化し、対象に対して物理的・概念的な変異を引き起こします。
接触が発生した瞬間、SCP-████-JPは瞬時に30以上のパーツに分解され、対象の身体へ群がるように吸着します。
この際、SCP-████-JPの各パーツは対象の体格に合わせて一時的に巨大化・伸縮し、完全に装着されます。装着が完了すると、SCP-████-JPは強力な収縮を開始し、対象の身長をSCP-████-JP本来のサイズである約150cmまで強制的に圧縮します。
このプロセスにおいて対象が骨折や内臓破裂などの外傷を負うことは一切ありません。
数分後、SCP-████-JPは再び分解して対象の身体から離脱し、元の全身甲冑の形態を再構築します。
この時、対象の肉体および遺伝子情報は不可逆的に書き換えられており、SCP-████-JP-Aへと変化しています。
SCP-████-JP-Aに共通する変異の特徴は以下の通りです。
・元の性別に関わらず、生物学的の完全な女性化。
・金髪、および碧眼への毛髪・虹彩の色素変化。
・顔立ちの特徴的な変化。
・胸部および臀部の極端な脂肪蓄積と、非現実的な巨大化。
・外見から類推される筋力、骨密度を遥かに凌駕する超人的な身体能力および運動神経の獲得。
SCP-████-JP-Aへの変化は、対象が元々持っていた性格や素質をある程度反映し、「フィクションにおける様々なタイプの女騎士」を具現化し、個体差(髪形や顔つきの方向性など)を生じさせます。
特筆すべき異常性として、SCP-████-JP-Aは極めて強力な概念的・因果律的異常性を獲得します。
SCP-████-JP-Aがいかなる形式の「戦闘」(武装戦闘、徒手空拳の格闘技、スポーツ、果てはチェス等の対面ゲームに至るまで)を行った場合でも、SCP-████-JP-Aは「確実な敗北を喫する」という運命を強制されます。
どれほど両者の間に実力差があり、戦術的に優位な状況であっても、異常な偶然、極めて不自然な環境変化、またはSCP-████-JP-A自身の信じられない失態が連鎖し、最終的に致命的かつ屈辱的な敗北を迎えます。
この敗北への因果律操作プロセスは、対戦相手のボディマス(BMI)指数が著しく高い、あるいは「豚」に類似した顔立ちや容姿であるほど高速化され、不可避の敗北までの時間が劇的に短縮されることが確認されています。
また、戦闘において決定的な敗北状態に陥り制圧された際、SCP-████-JP-Aは自身の意志に反して、必ず「くっ、殺せ!」という特定のフレーズを日本語で発声することが義務付けられます。
補遺1: 回収経緯と初期評価
SCP-████-JPは20██年██月██日、██県██市の粗大ゴミ集積所に放置されているところを発見されました。
「不審なコスプレ用の鎧が捨てられている」という地元住民の通報を傍受した財団エージェントが回収し、関係者には記憶処理が施されました。
回収直後、異常性の検証のためにDクラス職員に着用させる指示が出されましたが、いかなる物理的手段を用いてもパーツを分離・展開させることができませんでした。また、Dクラス職員によるハンマーでの殴打や、工業用プレス機を用いた破壊試行においても一切の損傷を受けませんでした。
この時点では、SCP-████-JPは何ら能動的な異常性を持たないただ壊れないだけの鎧として、Anomalousアイテムとして分類され、標準物品ロッカーでの保管が決定されていました。
補遺2: インシデント████-JP-A発現と推論の訂正
20██年██月██日、SCP-████-JPをAnomalous保管庫へ移送しようとした██研究員(男性、身長190cm。極めて実直な性格)が素手でSCP-████-JPに接触した瞬間、SCP-████-JPが突如として活性化しました。
監視カメラの映像には、甲冑が瞬時に分解して██研究員の身体を覆い尽くし、190cmあった体格が150cmまで圧縮される様子が記録されています。
甲冑が離脱した後、そこには著しく巨大な胸部を持つ金髪碧眼の女性(SCP-████-JP-A-1と指定)が倒れていました。
質疑応答などにより、これが██研究員であることが確認されました。A-1は、自身の体型変化と極端な重心の変化により、深刻な精神的ショックを受けていました。
当初、研究チームは「接触した██研究員が克己心の高い、騎士のような性格であったため、甲冑が彼を所有者として認めた」という仮説を立てました。
しかし、次にD-2223(詐欺罪と暴行罪の経歴を持つ、利己的かつ狡猾な性格の人物)を用いた接触実験を行った結果、この仮説は否定されました。
D-2223も同様のプロセスを経て女性化(SCP-████-JP-A-2と指定)しましたが、A-1とは異なり、「悪女風の女騎士」と形容される顔立ちとヘアスタイルに変化しました。
これにより、性格が引き金ではなく、誰であっても性格に応じた「女騎士の造形」に変換されることが断定されました。
補遺3: 異常発現条件の解明
D-2223の実験直後、対象から離脱して元の全身甲冑に戻ったSCP-████-JPが、突如として「人間の寝起きのような動作」を行いました。監視映像では、腕部パーツを頭上に伸ばし、胴体部分を後方に反らせる「背伸び」の挙動が確認されています。
その後、SCP-████-JPは自律的に歩行を開始し、傍にあった財団の大型保管ケースの中に自ら入り込み、活動を停止しました。
異常行動分析部門はこの映像を解析した結果、回収初期に一切の異常性が発現しなかった理由について、「SCP-████-JPが単に深く眠っていたため」であると結論付けました。
また、粗大ゴミ集積所に転がっていた理由についても、後述のインシデントから「何らかの理由で泥酔状態に陥り、野外で睡眠をとっていた」と判断されています。
補遺4: 身体能力と敗北の因果律実験
SCP-████-JP-A-1およびA-2を用いた戦闘能力テストにおいて、両者は握力300kg以上、100m走を9秒台で走破するなど、その体型から推察される物理学的にあり得ない運動能力を示しました。
しかし、財団保安隊員との模擬格闘戦を実施した際、敗北の異常性が確認されました。
A-1は圧倒的な身体能力で隊員を追い詰めましたが、突如として施設の空調設備から外れたボルトがA-1の足元に落下。A-1はこれを踏んで足を滑らせ、転倒した際に床の僅かな窪みに頭部を強打し、脳震盪を起こして行動不能に陥りました。
隊員が制圧のために拘束した瞬間、A-1は無意識の声で「くっ、殺せ!」と発声しました。
戦闘時間は83秒でした。
別のケースでは、D-9902(身長160cm、体重135kg、重度の肥満体型であり、研究員から「豚に近い容姿」と評された人物)とA-2を対戦させた実験では、異常性の発動が著しく加速しました。
A-2が放った強烈な飛び蹴りが、異常な軌道を描いて柱に直撃。
その衝撃で天井から照明器具が落下し、A-2の頭に直撃。A-2は悶絶して倒れ込みました。D-9902が何が起きたか分からずに歩いて行き、A-2を見下ろした瞬間、A-2は涙目を浮かべながら「くっ、殺せ!」と叫びました。
戦闘時間は6秒でした。
補遺5:
インシデント████-JP-2
20██年██月██日、収容室の監視カメラが、SCP-████-JPが突如として自律的に動き出す様子を捉えました。
SCP-████-JPは収容室の強固な電子ロックに対し、ガントレットの指先を鍵穴に押し込み、未知の物理的干渉を用いて強引に解錠し、サイトの廊下へ脱走しました。
警報が鳴り響く中、SCP-████-JPはサイト内の職員用購買部へ一直線に向かい、冷蔵ショーケースに陳列されていた缶ビール(500ml)を6本強奪しました。
購買部職員の制止を無視し、SCP-████-JPは頭部の面頬を跳ね上げ、ビールを注ぎ込みました。甲冑の内部には空洞しか観測されていませんが、ビールは一滴もこぼれることなく、未知の手段によって内部空間に消失しました。
6本全てを飲み干した後、SCP-████-JPは激しく体を揺らしながら、ふらつく足取りで自身の収容室へと自発的に戻り、床に倒れ込んで激しい金属音を立てながら沈黙しました。
直後に機動部隊が突入し、状態確認のためにDクラス職員にSCP-████-JPを触れさせましたが、分解や変異の異常性は一切発現しませんでした。
研究チームは、現在のSCP-████-JPの状態を「急性アルコール中毒に伴う泥酔状態、およびそれに続く深い睡眠」であると認定しました。
現在、SCP-████-JPがアルコールを代謝し再び「起床」するまでの間、安全に収容できる状態が継続しているとみなされています。誰が、何の目的でこのようなオブジェクトを創造したのかについては、現在も調査が進行中です。
追記: 20██年██月██日、SCP-████-JPに関連する追加の異常実体がサイト-81██近辺にて確認・収容されました。これに伴い、前述の全身甲冑は「SCP-████-JP-1」と再指定され、新規に回収された実体群はそれぞれ「SCP-████-JP-2」および「SCP-████-JP-3」として分類されました。
アイテム番号: SCP-████-JP-2 / SCP-████-JP-3
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
SCP-████-JP-2およびSCP-████-JP-3は、その従順な性質と管理の効率化のため、SCP-████-JP-1(全身甲冑)と同一の収容室に統合して収容されます。収容室内のアルコール類の厳重管理は引き続き継続されます。
説明:
SCP-████-JP-2は、ルネサンス期のツヴァイヘンダー両手剣に類似した外見を持つ長剣です。刀身や鍔にはSCP-████-JP-1と同様の華美な金銀の装飾が施されています。自律的に空中に浮遊し、地上約1.5mの高さを維持して移動する能力を持ちます。
SCP-████-JP-3は、体高約160cmのアラブ種に類似した白馬です。美しい毛並みと黄金の装具を備えていますが。呼吸や心拍や老廃物の排出などの生物学的な生命活動は現在も確認されていません。
両実体は、SCP-████-JP-1と同じく、いかなる物理的・化学的干渉に対して著しい耐性を有しています。
回収経緯:
20██年██月██日、サイト-81██の主要アクセス道路を、SCP-████-JP-3と、その傍らを浮遊するSCP-████-JP-2が列を作り歩行してくる事態が発生しました。両実体はサイトの正門前で立ち止まり、武装した保安部隊に対して一切の敵対行動や反抗の意思を見せませんでした。財団は速やかに収容した後に、その特異な装飾と絶対的な耐久性から、これらをSCP-████-JP-1と同系統のオブジェクトであると断定しました。
検証:
当初、これらもSCP-████-JP-1と同様に「素手での接触」がトリガーとなって対象を変異させるものと推測されました。しかし、Dクラス職員を用いてSCP-████-JP-2の刀身や柄を触らせる、あるいはSCP-████-JP-3の体表を撫でさせる等の実験を行っても、異常性は発現しませんでした。
実験記録 SCP-████-JP-2:
「単に触れるだけでなく、武器としての本来の用途に則した行動が必要である」という仮説のもと、D-7119(女性。大規模詐欺グループの主犯格で、極めて高い知能と論理的思考力を持つ)に対し、SCP-████-JP-2の柄をしっかりと両手で握り、戦闘の構えを取るよう命令しました。
対象が剣を構えた瞬間、異常性が発現しました。対象はSCP-████-JP-1の時とほぼ同等の変異(超人的な身体能力の獲得、極端な胸部と臀部の肥大化、金髪碧眼化)を遂げました。SCP-████-JP-2-Aに分類されます。
特筆すべき差異として、外見の造形が「清純さ」や「無垢さ」を過剰に強調した、極めて可憐な顔貌や雰囲気に固定されました。
SCP-████-JP-1がもたらす「戦闘における確実な敗北」の異常性は付与されませんでしたが、別の極めて特異な精神的変異が発生しました。
SCP-████-JP-2-Aは、他者の発言に対する猜疑心や警戒心が完全に消失して、「迂闊さ」が異常に増大します。変異前のD-7119が持っていた高い論理的思考能力は維持されているにも関わらず、他者からのいかなる詭弁、矛盾した嘘、見え透いた罠であっても、100%の確率で信じ込んでしまう状態へと陥りました。心理実験において、対象が騙されなかったケースは一度も存在しません。
実験記録 SCP-████-JP-3:
D-4446(男性。暴力団の元構成員)に対し、SCP-████-JP-3へ騎乗するよう指示しました。対象が接近すると、SCP-████-JP-3は自ら前脚を折り曲げ、対象が背に乗りやすいように体勢を整えるという高度な協調性を見せました。
対象が鞍に跨がった直後、異常性が発現。同様に女性化と肉体改造が行われ、SCP-████-JP-3-Aへと変異しました。この変異では、顔つきや眼差しにおいて「勝気さ」や「凛々しさ」が際立って強調される造形となりました。
敗北の異常性は確認されず、変異直後の精神鑑定でも「気が強く、好戦的になる」程度の変化であると判断されていました。
しかし、後日の観察およびメディカルチェックにおいて、以下の二点の重篤な肉体的異常が発覚しました。
1. 排泄機能の完全な消失:
SCP-████-JP-3-Aは通常の食事を摂りますが、体内における排泄物の生成・排出プロセスが一切発生しなくなりました。人間の生体機能を完全に無視していますが、対象の健康に悪影響は全く見られません。
2. 特定の粘膜における異常な知覚過敏:
対象の直腸および肛門周辺の神経系が極度に発達した性感帯へと変異していることが判明しました。僅かな接触や摩擦に対しても強烈な快感を伴う過敏反応を示し、対象は日常的な歩行すら困難な状態に陥りました。
この検査結果の報告書を確認した██研究助手は、所感欄に『気が強い女はアナルが弱い』と非公式に追記し、後に倫理委員会から不適切な発言として口頭注意を受けています。
更新:
SCP-████-JP-3は生物的な外観を有しながら食事を必要としませんが、後日、未知の手段を用いてSCP-████-JP-2と共にアルコールを摂取していることが判明しました。
サイト内の購買部からビールが消失する事案を受け監視カメラを解析した結果、SCP-████-JP-3の口元、およびSCP-████-JP-2の刀身付近にビールを近づけると、液体が空間に溶けるように消失する様子が確認されました。
アルコール摂取後、空中に浮かぶ剣は微細に震えながら高度を保てなくなり、白馬は足元をふらつかせながら千鳥足で歩行する等、人間の泥酔状態と同様の反応を見せます。
いずれのオブジェクトも財団への反抗意思を全く見せず従順であるため、現在はSCP-████-JP-1と同じ収容室に配置され、同一の管理体制の下に置かれています。現在、当該収容室では「泥酔して倒れる全身甲冑」「床を這うように飛ぶ長剣」「千鳥足でいななく白馬」という光景が日常的に観察されています。
補遺: 異常性のクロステストの検証を目的とし、██主任研究員から以下の実験認可申請が提出されました。
実験提案████-JP-α:
Dクラス職員に対し、SCP-████-JP-2を構えさせながら、SCP-████-JP-3に騎乗させつつ、同時にSCP-████-JP-1を素手で触らせる三重接触実験。
この申請は、サイト管理官によって即日却下されました。却下理由として添付された管理官のメモは以下の通りです。
却下する。個々のオブジェクトの異常性に関するデータ収集は既に完了している。これら3つを同時に使用したところで、「どんな戦闘にも絶対に敗北し、どんな見え透いた嘘にも100%騙され、ついでに尻の穴が絶望的に弱い、金髪巨乳の女騎士」という、救いようのない存在が1体誕生するだけなのは火を見るより明らかだ。財団の貴重なリソースとDクラス職員を、しょうもない実験のために浪費することは絶対に許可できない。これ以上の接触実験は不要である。
たのしいざいだん。女騎士を超えた女騎士