アイテム番号: SCP-███
オブジェクトクラス: Neutralized
特別収容プロトコル:
回収されたSCP-███の残骸は現在、サイト-█の大型特異物質保管施設にて厳重に保管されています。
周囲には対現実改変用のスクラントン現実錨が複数機設置され、機体から微量に漏出している未知の時空間エネルギーの遮断が行われています。
財団兵器開発部門および機動部隊装備研究局の主導により、SCP-███から回収された技術群をリバースエンジニアリングする「プロジェクト・G(G-Protocol)」が現在も進行中です。
説明:
SCP-███は、未知の次元空間あるいは平行宇宙から我々の宇宙へと漂着した、巨大な無人航宙戦闘艦の残骸です。
現存する残骸部分のみで全長およそ120メートル、全幅80メートルを測り、地球上の既知の元素周期表に該当しない未知の生体金属および超高密度合金の複合装甲によって構成されています。
機体の形状は中央の機関部を挟むように上下に張り出した巨大な双胴型をしており、深宇宙の航行に特化したものと推測されています。
機体の上下前端部には、長大な四門の指向性エネルギー兵器が備え付けられており、後方には空間その物を押し出して推進力を得る次元跳躍エンジンの痕跡が確認できます。
本オブジェクトの構造的および戦術的な中枢は、機体中央の最も奥まった位置に配置された、半透明の生体水晶状の巨大なエネルギー球体(以下、「コア機関」と呼称)です。
発見当時、このコア機関は完全に粉砕されて機能を停止しており、青みがかった高密度の粘性プラズマが周囲の機材を融解させながら流出していました。
また、このコア機関の前面の空間を覆い隠すように配置されていた複数の特殊装甲板は、前方からの集中的な攻撃によって極限まで熱変容を起こし、融解し崩壊しています。
残骸の損傷状態を解析した結果。
本機は何らかの火力の集中照射──特に、通常空間を無視して直進する超高圧縮レーザーや、爆発性の物理弾頭の絶え間ない連撃──を受け、防護シャッターを物理・エネルギー両面から粉砕された後、中枢のコア機関を直接撃ち抜かれて機能停止に陥り、その際の連鎖爆発によって現在の姿になったと断定されています。
発見および回収記録:
1985年█月██日、太平洋上空の高度約15,000キロメートルの軌道上にて、極地的な時空連続体の崩壊が観測されました。
空間が引き裂かれるような現象と同時に大量の亜空間放射線バーストが発生し、直後に虚空からSCP-███の残骸が通常空間へと吐き出されました。
オブジェクトは大気圏の重力に引かれて落下を開始しましたが、財団の軌道上フロント企業が運用する回収衛星のネットにより直ちに捕捉され、隠蔽措置を施した上で極秘裏にサイト-█へと輸送されました。
回収された際、機体の残骸には明らかに我々の宇宙の物理法則を逸脱した空間の歪みが付着しており、これが別次元の産物である確固たる証拠となりました。
記録結晶の解析と技術研究:
SCP-███の内部深枢部から回収された、データのストレージ機関と推測される黒色水晶体のサルベージにより、財団は極めて重大な情報を入手しました。
記録の断片から、本機が超次元・亜空間に生息し、多元宇宙を侵食して取り込むことを目的とする未知の生体機械知性群落(要注意領域・要注意団体指定:『B-群体』と呼称する)の主力哨戒兵器の一隻であったことが判明しています。
最も財団研究員たちを驚愕させたのは、本機を破壊した存在についての交戦記録映像でした。
映像には、信じられないほどの高機動を誇る流線型の単座式宇宙戦闘機が単機でSCP-███に接近し、交戦する様子が残されていました。
この未知の小型戦闘機は、撃破したB-群体の斥候兵器から放出される紅い残留エネルギーを回収・吸収するたびに、自らの兵装と推力を次々と自律的かつ瞬間的にアップデートするという極めて異常な自己進化能力を有していました。
機体の前面へ放たれた、空間を貫くように長大に直進する光帯、あるいは波紋のように同心円状に拡大する歪曲波による圧倒的な攻撃が記録されています。
また、最も不可解な現象として、この小型機には「機体と完全に同一の時空軌跡を辿り、本体の武装・動きを完璧に模倣して砲撃を行う高次元エネルギーの光球群」が最大4つ随伴していました。
この「青い機体」がどの次元の・如何なる組織に所属する防衛兵器であるかは現在も不明ですが、SCP-███の強固なエネルギーシールドは、これら随伴光球からの同時火線に晒され、数秒と保たずに完全に貫通されました。
補遺: 「プロジェクト・G」の推移
この未曾有の超次元的脅威であるB-群体がいずれ我々の宇宙にも到達する可能性を鑑み、財団兵器開発部門はSCP-███の残骸から得た別次元のテクノロジーのリバースエンジニアリングを開始しました。
以下はその研究開発の一部抜粋です。
-指向性双連収束光帯砲 (プロトコル・LASER):
SCP-███の上下に備えられた長銃身を解析・再現し、前方の目標に向けて高圧縮したレーザーを一続きの絶え間ない光の帯として撃ち出す指向性エネルギー兵器。
破壊力・貫通力は財団の現行兵器を遥かに凌駕しますが、巨大なコア機関がない現状では、兵装単体への膨大なエネルギー供給問題が未解決のままです。
-多重位相シフト防護シャッター (プロトコル・SHIELD):
コア機関を守っていた遮蔽板の防御メカニズムの再現。
このバリアは一定以上の物理的・エネルギー的衝撃を吸収すると、装甲板を覆う波長エネルギーが相転移を起こし、青色から黄色、最終的に赤色へと発光色を変化させながら減衰し、限界値の赤色の状態で更なる攻撃を受けると剥離して崩壊する特性を持っています。
財団機動部隊向けの局地用展開シールドとしての小型化が進められています。
-次元位相自己模倣型随伴砲台 (通称: オプション・プロジェクト):
SCP-███を破壊した小型機が展開していた異常兵装を、交戦データから間接的にリバースエンジニアリングする究極の試みです。
本体の軌跡データと射撃データをトレースし、本体と全く同じ火力を発揮する無質量の砲台を周囲の空間に随伴させるという概念実証が行われました。
しかし、最初の試作機動実験において空間に穴が空き、実験室の物質が全て亜空間へと吸い込まれるインシデントが発生したため、当該兵装の開発は現在無期限凍結されています。
財団は現在も、この破壊された巨大コア搭載兵器の全容解明を進めると共に、『B-群体』に対する監視プロトコルの策定を急いでいます。
しかし、兵器開発部門の一部研究員の間では「いつか来たる超次元の侵略に対して我々財団の力だけで対抗不可能な場合、あの記録映像の『戦闘機』の存在する並行宇宙へ、SOSの通信を送る技術こそが必要なのではないか」という議論が交わされています。
アイテム番号: SCP-█████
オブジェクトクラス: Euclid (Keterへの再分類を保留中)
特別収容プロトコル:
SCP-█████およびSCP-█████-Aは、現在サイト-███の深々度地下に建設された「第零特殊隔絶チャンバー」内に保管されています。
チャンバー内は常に温度1ケルビン以下の低温、および10^-12トル以下の真空状態に保たれ、多重化されたスクラントン現実錨による空間的固定が行われています。
如何なる場合であっても、人間が防護措置なしにSCP-█████-Aの30メートル以内に接近することは固く禁じられます。
自動ドローンによる監視作業の際も、使用されたドローンは直ちにチャンバー内のプラズマ焼却炉で焼却処分され、焼却後の灰も高レベル放射性廃棄物と同様に封印されます。
現在、財団には「オメガ・プロトコル:『無への帰還』」が発令されています。本プロトコルの最優先目標は、SCP-█████-Aの増殖および再活性化を完全に抑え込むと同時に、その存在を細胞、分子、量子、および概念・次元レベルから完全に消去・無力化する技術の開発です。
異次元への棄却、あるいはブラックホール等への投棄は、対象が持つ特異な「帰巣・回帰現象」を引き起こす可能性が極めて高いため、明確に禁止されています。
説明:
SCP-█████は、1987年█月██日に月面の裏側に発生した微小な次元断層からの極大エネルギー波形の検知に伴い、財団の軌道上監視ネットワークによって回収された未知の単座式航宙戦闘機の残骸です。
外装には白と赤の識別塗装らしきものが施されたキャノピー付きの鋭角的なフォルムを持ち、構成材質の大半は、既知の地球外合金技術を遥かに上回る強度と自己修復性を備えた金属です。
機体下部には物理法則を著しく無視したジェネレーターの残骸が接続されており、機体の最前部には二股に分かれたエネルギー収束用指向性レールが設けられています。
発見当初、財団は本機を「並行宇宙あるいは未来の地球人類が開発した兵器」と仮定しました。
事実、機体の動力系および武装の残骸をリバースエンジニアリングする試み(プロジェクト・R-TYPE)は、財団の対脅威兵器開発に革命をもたらすと考えられていました。
解析対象の主眼となった技術は以下の二つです。
1.超圧縮相転移破壊砲(プロトコル・Wave):
機体の推進システムと直結したエネルギーバイパスから限界以上の動力を抽出し、空間を圧縮・解放することで前方に不可視の断層破砕波、または極太の閃光を撃ち出す機構。
計算上、この一撃は大型の山塊すら原子分解して貫通するほどの威力を持つと推定されました。
2.完全生体制御攻防ユニット(プロトコル・Force):
機体の後方宙域を漂流していた、球状の未知のユニット。
調査の結果、驚くべきことにこの球体は「高密度の防護エネルギーに包まれた、完全に制御された生ける細胞肉塊」であることが判明しました。
このユニットは物理・エネルギー攻撃に対する絶対的な盾として機能するだけでなく、機体と結合することで機体の武装を劇的に変容・増幅させる役割を果たしていました。
財団兵器開発部門はこれらの技術の再現実証に向けて解析を進めましたが、機体中央部からサルベージされたブラックボックスの高次元光子ストレージ内の記録──機体のフライトレコーダーと戦術ログ──の解読により、事態は急転しました。
補遺1: フライトレコーダーの解読レコーダーには、別次元の宇宙にてこの戦闘機が体験した、異様な交戦記録が保存されていました。
対象の敵勢力(データ上での呼称から、財団は暫定的に「B.Y.D.O. /次元侵食性生体群」と呼称)は、通常の国家兵器や地球外生命体という次元を超越した「概念的な悪夢」でした。
映像には、無機物の金属や宇宙空間そのものを脈打つ肉に変えながら増殖する巨大な戦艦、時空間を捻じ曲げながら次元の向こう側から出現する眼球状の多構造体、あるいは倒した味方機を瞬時に汚染・融合し、変異させて使役する存在が延々と記録されていました。
B.Y.D.O.は生物学的なウイルスのようでありながら、電磁波、重力波、そして情報や人間の精神すらも侵食・捕食の対象とする純粋な増殖機構でした。
さらに財団研究員を戦慄させたのは、前述の「完全生体制御攻防ユニット(プロトコル・Force)」に関する真実です。
解析結果は、あの球体状のユニットが、敵であるB.Y.D.O.の生体組織の破片そのものを物理・次元拘束具によって無理やりコントロールした物であることを示唆していました。
別次元の人類は、宇宙を飲み込む敵に対抗するため、その狂気の一部を引き千切り、パイロットに同伴させる兵器体系を採用していたのです。
補遺2: SCP-█████-A(以下、B-汚染物質)の発見
フライトレコーダーの解析から数日後、解析チームは機体(SCP-█████)のノズル内および右舷キャノピー付近の装甲亀裂に、紫色の微発光を伴う微小なガラス質の組織(SCP-█████-A)が幾重にも付着しているのを発見しました。
微細構造解析の結果、SCP-█████-Aは仮死状態にあるB.Y.D.O.の生体侵食組織の切れ端であることが確認されました。
対象は完全な活動停止状態にありましたが、熱、放射能、微弱な電気信号、人間の特定の脳波といったごく僅かな刺激に対して反応の兆候を見せ、数ナノメートル単位での自己複製を試みたことが観測されました。
また、SCP-█████-Aが付着した周辺の隔壁は、無機物であるにも関わらず細胞分裂を起こすような不気味な脈動と金属疲労以上の軟化を見せ始めていました。
O5評議会は即刻、プロジェクト・Arrowを含むすべての武装再現・研究プログラムの無期限凍結および完全な破棄を命令しました。
B.Y.D.O.の破片は、僅かな分子一つ、あるいはその概念の断片だけでも生き残りさえすれば、時間をかけて増殖し、周囲の物質や機械を取り込み、最終的には我々の宇宙全体の物理法則と生態系を作り変えてしまうことが確実視されています。
現在の我々の宇宙において、これに拮抗し得る技術体系や倫理的防壁は存在しません。
財団はこれを世界終焉シナリオであるXK-クラスおよびZK-クラスを引き起こす決定的な特異点とみなし、対象の確実かつ完全な消滅技術の開発に注力しています。
レコーダーには「別次元において、人類はB.Y.D.O.を人為的に次元の彼方へ弾き出して解決しようとした結果、B.Y.D.O.が空間と時間を遡行しながら力を蓄え帰還した」ことを強く匂わせる断片的な記録も遺されていました。
この教訓から、我々は決して「彼ら」を別次元や過去、未来へと追いやるのではなく、現在における絶対的な処分・非存在化を果たさなければなりません。
いつの日か、機体に付着した悪夢が目を覚ますその前に。
B(ビッグコア)
&
B(バイド)