転生したらTSして悪魔になったので、ロールプレイします 作:メスシリンダーガキ
やぁ、かわいい奴隷ちゃんだよ。
最近、悪魔やめろとか天使だとか謂れのない誹謗中傷をされてるから、もう最終手段だよ。
それは暴力、暴力で読者さん達を怖がらせるしかない。
やはり最終的には暴力、暴力が全てを解決する……
だから久しぶりに暴れるぜふぉー!
ショータイムだ!
なに、やり過ぎてもみんなの記憶弄ればのーぷろぶれむ!
あ、あと捕まった原因で幻滅しないでね!
次からは気をつけるから!
というわけで奴隷ちゃん無双、はーじまーるよー。
スタートは今から、タイマーストップは私が飽きるまでとします。
先駆者が何故かいないので、レギュレーションは私が勝手に決めました。
とりあえず詳しい説明は動画の途中で話すとして、簡単に言うと、とりあえず勝てです。
100勝くらいしたいね。
それじゃイクゾー。
そして1ヶ月後くらい、気が付けば闘技場ごと全てを私が乗っ取ってたぜ。
どうしてこうなった?
変ですね、このチャートでは奴隷達と結託してクーデターを起こしてみんなで解放される予定だったのですが……
やっぱりあそこでオリチャー発動したのが不味かったんですかね?
でも今さら再走するのも面倒なので、このままエンディングまでいきますよー。
……おや、マスターから着信ですね。
とりあえず出てみましょう。
「もしもし? 私メリーさん——え? そろそろ帰って来い? 今ちょっと楽しくなってきたところだからもうちょい…………はい? レイラちゃんが泣き止まない? ははは、家族と引き離されても泣かなかった鋼メンタル幼女ぞ? そもそも泣くわけが——ガチ泣きやん!? え、私のせいなの……? ——うん、はい。戻ります」
残念なお知らせです。
今回の走りはここで終了みたいですね。
名残惜しいですがそろそろ普通のかわいい悪魔ちゃんに戻りますか。
「——まぁ色々そういうわけだからぁ、一旦帰るね私。運営についてはまた後で連絡するから、それまでは適当に維持しといてねぇ。あ、血生臭いのは程々にねぇ。拳闘試合くらいのレベルに下げといてねぇ。今目を付けられると面倒だからぁ」
「はい! お任せください!」
椅子がわりにしていた前任の経営者にそう告げる。
立ち上がって身体をほぐしていると、部屋の扉が乱暴に開け放たれた。
そして入ってきたのは、ルームメイトの姉御だった。
「姉御ぉ、どうしましたかぁ?」
「……今の話は本当か?」
おや、扉の外にいたのか。
「へい、そろそろお暇させてもらいますわぁ。姉御には大変お世話に——特に最初の方、夕飯のお肉を分けてくれた時は泣きそうでしたわぁ」
「んな話はどうでも良い——子分、この際お前が何者で何の目的があるかとかはどうでも良い……だが」
姉御が拳を私に突き付ける。
「最後にアタシと勝負していけや、子分」
得体の知れない奴だった。
試合に出れば当然のように無傷で帰ってくる。
何度かその試合の様子を控え室から見たが、デタラメもいいところだった。
時には自分の身長よりもデカい
『うわぁぁ、来るなぁ!』
『狩りごっこだね! わーい、たーのしー! ——ゲー⚪︎マンの狩りを知るがいい(豹変)』
捕まえた魔獣が闘技場に放たれた時は、その魔獣を持ち上げてわざと観客席の方に投げてよこして、阿鼻叫喚の中1人で腹を抱えて笑っていたり。
『ほーら、逃げろぉ逃げろぉ! がんばれ♡がんばれ♡あ、ちなみにその魔獣ね、牙に猛毒があるから噛まれないでねー!』
とにかくやりたい放題だった。
そして気が付けば奴がここの全てを支配していた。
運営側も奴隷たちも奴には逆らえないどころか、逆らう気概すら奪われていた。
——別にそれ自体には何の反対もしない。
アタシを含めた奴隷達からすれば、待遇や環境は遥かに良くなっているのだから。
アタシはただ流されるだけ……
だったのだが、気が変わった。
というより疑問だった。
奴は自由奔放で、その場の勢いだけで行動している。
言葉にすれば、それは奴隷になる前の傭兵のアタシと同じだった。
だがアタシと奴は違う。
アタシは流されるだけで、奴は——心の底から楽しそうだった。
それが眩しく見えて、その理由をどうしても知りたくて。
——奴が去るというのなら、止めはしない。
だが最後に拳で語り合いたかった。
アタシにはその方法しか知らないし、今まで奴と戦う機会もなかったから。
「ぜぇ……ぜぇ……何で急所攻撃してもノーリアクションで突っ込んでくるんだよ——姉御の体幹ゲージってどんだけあるんですかぁ?」
「……さぁ、そんなアタシに勝っちまうお前の方がヤバいと思うがな」
観客の居ない静かな闘技場で仰向けになり、空を仰いで、腫れてきた顔に吹いてきた風を当てて冷やす。
「……お前、何でそんなに楽しそうなんだよ?」
どんな人生を歩んできたなんて知りもしない。
けれどアタシは知っている。
生まれてからずっと、全てを楽しむなんて不可能だ。
そんな奴がいるとすれば、それは自分以外何も視えてない奴。
こいつはそうじゃないのはハッキリと分かる。
だって、やる事は酷いが……こいつは根っからのお人好しだ。
でなきゃ、とっとと自分だけこの闘技場から脱出でもすれば良いものを、全てを支配下に置いてなお奴隷たちどころか運営していた奴らのリードまで律儀に握ってやがる。
そんな奴がお人好しじゃないなら、何て言うんだよ。
「……うーん、何で——」
指を口に当てて考え込む仕草をする。
そして間も無くして、その口を開いた。
「——強いて言うなら、
——そうか、そういうものか。
こいつはアタシと違って半端者なんかじゃない。
完全な存在なんだ。
「へっ……羨ましいな。そういうのがアタシにもあれば、こんな半端者にならずに済んだのかな」
痛みが引いてきたので、上体だけ起こして起き上がる。
「こんな半端者って?」
「見りゃ分かるだろうがよ。完全なオーガでも人間でもない
そう聞くと、そいつはニヤリと笑った。
「私は、かわいい悪魔ちゃんだよぉ。姉御」
「…………けっ、そういうオチかよ。つまらねぇ、そもそも人外じゃねぇか」
「つまらないとは心外な。それなら悪魔ちゃんらしく、姉御と取引してあげるよぉ。色々とお世話になったから特別に格安でね! 足りない分は後で読者さん達の家から大事なもの適当に回収するから安心してね!」
そいつ——悪魔は金と銀の……あれだ、名前が出てこないがなんか重さ測る道具。
それをどこからか取り出した。
「さぁ選びなよぉ姉御。望むなら見た目だけでもオーガか人間にしてあげるよぉ——」
「いや、悪いがそういうのはいらねぇな」
「——めいくゆあちょ……はい?」
脚もまともに動くようになる。
立ち上がって土汚れを叩いて落とす。
「たった今決めたぜ。アタシは半端者のまま
再び己の拳を悪魔に突き付けた。
「——完全なお前に勝ったことになるだろ? 子分に負けてちゃ姉御失格だからな!」
とある非合法の闘技場が、完全に合法的な拳闘試合の闘技場に生まれ変わった頃。
オーガと人間のハーフの奴隷が1人、闘技場から居なくなった。
元より奴隷から解放される条件の、勝利数と金が彼女にはあったから。
——そして数年後、とある傭兵団が名を上げ始めた。
あらゆる人種、種族が集まる傭兵団。
社会に居場所が無くなった者たちが自然と、とある亜人種のハーフの元に集った結果出来上がっただけの団だ。
"とにかく楽しめテメェら!"
それが傭兵団の団長の口癖だという。
今も彼女率いる傭兵団は、楽しそうに大陸中を駆け回っているのだ——
「やめてよぉ、角と髪にリボンいっぱい付けないでよぉ。かわいいのは良いんだけど威厳が……え、1ヶ月くらいそのまま付けてて? それはちょっと——泣かないでよぉ。卑怯だよぉ。謝るから許してよぉ」