転生したらTSして悪魔になったので、ロールプレイします 作:メスシリンダーガキ
「——連続吸血事件?」
「あぁ、最近この街を騒がしてる事件さ」
狼の悪魔が勝手に住み着いた空き家で、天秤の悪魔と2人でいた。
「狙われるのは女ばかり……これは見過ごせないと、俺が勝手に仕事として調査を始めた。街の衛兵どもは呑気な連中が多いみたいでな」
「……タダ働きする気なのぉ? 自由にやれとは皆にも言ってるけど、せめて対価はちゃんと取ろうとしなよぉ悪魔なんだからさぁ」
「はは、女が安心して暮らせる街を取り戻せるなら、それが対価になる」
「…………まぁいいけどさぁ。前みたいに複数の女の人から一斉に刺される展開にだけはしないでよぉ。たまたま一緒にいた私まで『その女は誰!?』って巻き込まれたのまだ根に持ってるからねぇ」
「あの時の事は本当に悪かったと思ってるよ」
狼の悪魔が懐から葉巻を取り出して、手際良く準備を始める。
「ちょっとぉ、私の肺を真っ黒にする気ぃ?」
「ん? 俺の記憶が正しければ、確かあんたも——」
「スタップ、何の話か分からないけどそれ以上は言わないでねワンちゃん。流石に絵面マズくなるかなって、第一話が始まる前にやめたとかじゃないからねっ」
「よく分からんが……そういう事なら俺も暫くやめよう」
狼の悪魔がカットしてしまった葉巻を懐に戻した。
「——それでぇ? 何処まで掴んでるのぉ?」
天秤の悪魔が少しボロボロのテーブルの上に座って、ヤスリで爪の手入れをしながら訊ねた。
「……何処から話したものかね——実は事情が少し複雑なんでね」
「気にするNA。でも今回で話まとめたいから簡潔にねっ」
狼の悪魔が帽子のズレを直す。
「簡潔に言うと——犯人は街に居着いた吸血鬼
——やぁ、ワンポイント天秤ちゃんだよ! ここからは地の文を乗っ取ってみんなに教えちゃうぞ♡
この世界の吸血鬼は、みんなの想像している人型じゃなくて、普通に魔物扱いの化け物みたいな存在だよっ!
でも知能は高めの厄介な奴なんだ。
おぉ、こわいこわい。
「まぁそうだろうねぇ……ん? だった?」
「あぁ、だった……その吸血鬼はもう俺が退治したんだ」
なんだ、それならもう解決しているじゃないか!
マトモなのは僕だけか!?
「まぁ待てよ、本題はこっからなんだ——間も無くして、再び吸血事件が起き始めた」
「んー? もう1匹居たとかぁ?」
「俺もそう思ったさ。だが妙な話でな……2度目の吸血事件は、
ほうほう、日光を嫌い、夜行性の吸血鬼が日中に……?
「ほな吸血鬼ちゃうやん」
吸血鬼騒ぎに乗じた愉快犯の犯行再現とかかもしれない。
「被害者はまた女ばかり。首筋には牙の跡もあって、致死量の血を吸われていた」
「ほなやっぱり吸血鬼かぁ」
青い彼岸花でも発見した吸血鬼とかかな?
それとも……
「……まぁ、突然変異とかかもねぇ。というか私の助けとやらは本当にいるのぉ? 探しものを見つけるのも、それを叩きのめすのも得意なワンちゃん?」
爪に息を吹きかけて、削りカスを落としながら聞いた。
「——恥ずかしい話というのはここからでな……
「ん?」
「女の香水すら嗅ぎ分けられる自慢の鼻だが、事件の犯人を見つけられない。最初の吸血鬼は簡単に見つけられたのに、今回のは全く匂ってこない。お手上げさ」
おや、どうやら珍しく気落ちしているようだ。
心なしかいつもより軽口が少ないからねっ。
「なるほどなるほど……まぁそういう事なら、私に任せなぁ。今から街とその近辺全域にレーダー広げるから、秒で見つけてあげるよ♡」
2日後、また新しい犠牲者を知らせる新聞が街中を騒がせた。
「……あれれー、おかしいぞぉ」
あれからずーっと、探知し続けたのだが、吸血鬼のキの字も出ないどころか、代わりに犠牲者が出てしまった。
マモレナカッタ……
非力な私を許してくれ(ブックス!
「あんたでもダメか」
「ち、ちがっ……ちょっと調子が悪いだけだもん! 勘違いしないでよねっ!」
アクマチャンヲイジメヌンデ……
え? お前過去とか未来覗き見できるだろって?
いやあのね、あまり多用したくないのよねアレ。
考えてもみなよ、過去や未来の情報が頭に入り込んでくるのよ?
今の記憶とごっちゃにならないように、細心の注意を払わなきゃいけないってハナシ。
まぁ定命の者の読者さんには想像できないかなぁ?
ざぁこ♡ 脳の容量低スペ♡
あと、それ使ったら話がすぐに終わっちゃうからね。
投稿に必要な1000文字もいかなくなるよ!
そうなったら私ともう会えないねぇ。
「——いや、お陰でハッキリしたぜ」
「? なにがぁ?」
ワンちゃんが葉巻を咥える。
ちょっと、暫くやめるんじゃなかったの君?
「今回は
葉巻咥えながら器用に喋るねワンちゃん。
それどうやってやるん?
「ふーん、そのやり方って?」
「決まってる。地道な調査と聞き込みさ」
「……前から気になってたんだけどさぁ」
「何だ?」
「ワンちゃんってさ、ぶっちゃけ
「さて、何の話だか。生憎と女に関係ない事はすぐに忘れちまう体質でな」
「——随分とご機嫌ですね」
「そう見えるか?」
「えぇ、とても」
「大した事ではない。だが以前放った試作品が想定以上に良く動いてくれているようでな。今は若い女の血を集めさせている」
「…………」
「どうした? 間の抜けた顔をして」
「いえ……ただ、世間を騒がせ過ぎやしないかと懸念を抱いただけですよ」
「心配するな、ワタシもその辺は考えてある。狩場の近くに住み着いてた吸血鬼をちと焚き付けて、隠れ蓑に使っておる。それに一定量の血を集めたらワタシの下へ来るようにしてある」
「…………それは余計に騒がせるだけなのでは——」
「まだ何か言いたい事が?」
「ありませんよ。ただ——少し胸騒ぎというものがするもので」
「ほう、それはアレだ。
「えぇ、今風に言うと、『おっかない上司』と言ったところですね」
「ではその『おっかない上司』を怒らせたからであろう?」
「それは覚悟の上なので……ただ、すぐに追い掛けてくると思ってたのですが、その様子が今の所なく、逆にそれが怖いといいますか——」
「ははは、泳がされているか、遊ばれているのではないか? 相手にされてすらいない、もしくは機を伺っているのか——お前の上司は焦らし上手なようだな」
「それは確かにそうですが——」
「——ん?」
「どうかしましたか?」
「…………試作品の反応が消えた。やれやれ、騒ぎ過ぎて誰かに潰されたか——」
「だいじょーぶ?」
「あぁ、だがシャワー代わりにはならないのは確かだ」
やぁ、かわいい天秤ちゃんだよ。
あれから数日掛けて事件の犯人を追い詰めて、ようやく退治できたよ。
ん? その過程を教えろだって?
そしたらあと二話くらい掛かっちゃうから、泣く泣くカットだってさ!
とにかく、犯人は見た目は普通の吸血鬼だったけど、外見だけっぽい人工の魔法生物——使い魔みたいな存在だったよ。
道理で吸血鬼を探す探知に引っかからないわけだね。
白昼堂々と女の人を襲おうとしてたところ、待ち伏せして人気のない路地裏に追い詰めて、ワンちゃんが一撃で仕留めてくれたよ。これこそワンパンチってね!
でも仕留めた瞬間、体内に溜めてたであろう血がワンちゃんに大量に掛かって、血塗れワンちゃんになっちゃったよ。
血を吸ってる蚊をそのまま叩くと、何か嫌になるよねぇ。
「ほい」
指を鳴らして、ワンちゃんを綺麗さっぱりの状態に。
「すまんな、色々と助かった。この礼はすぐに返すぜ。具体的には、この近くにサービスの良い宿屋があってな——」
「ブチ殺すぞ♡」
「冗談だよ冗談。今度は俺が手伝う番だな——仕事の内容は?」
ワンちゃんが帽子を深く被り直す。
「——『梟』のやつを探しておいて欲しい」
「あいつか——何かやらかしたのか?」
「まーねー。お陰でこっちは最近徹夜続き——やっと半分ほど引き剥がせたんだよねぇ」
ま、私の手を煩わせてるんだから、お仕置きは必要だよねっ。是非もないね!
「了解だ。見つけたら報告と、監視を続ければいいんだな?」
「そうそう、話が早くて助かるねぇ。ちょっとワンちゃんの爪を煎じて、3人ほど飲ませたい
「……羊の嬢ちゃんなら、俺が特別に講義を開いてやろうか?」
「やめろ♡」
おまけ
牛の悪魔
人格:男性
友好度:下
好む対価:暴れさせてくれればそれでいい
契約方針:短期型
最近よく考えてること:※魂が眠っているため聞き取れない
狼の悪魔
人格:男性
友好度:高(女性に限る)
好む対価:女が差し出してくれるなら何でも構わないぜ
契約方針:短期型
最近よく考えてること:馬や羊の嬢ちゃん達にも久しぶりに会いたいぜ