錬鉄と鍛造の贋作者 作:英雄に憧れた一般魔導師
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一体、また一体と斬る。正面切っての戦い。魔法が効かないなら、剣を以て斬り伏せる。
「なんだ……彼は……魔法学院の……生徒なんだよな?」
ロッジが声を漏らす。
魔導士の動き、戦いでは無い。土の民みたいな戦い方と想起するが、ドワーフの動きとは別系統であり、鍛え上げ研鑽された動きであるのは、理解できる。それを
魔法学院の一人の生徒が目の前で実行しているのだ。振るわれる剣を紙一重で掻い潜り、武器を持つ腕を切断し、その次の瞬間には首を落とす。
「今!」
ラグナの声にロッジは残りのモンスター杖を向ける。
「助かる!武器を持つ個体さえいなければ……!行くぞ!塔の上級魔導士として、炎の派閥としてこれ以上無様を晒すな!!」
その掛け声と共に再び炎の上級魔法を放ち、武器を持たないモンスターを一掃する。
「ありがとう、君が居なければ今頃は……どこに行った?」
ロッジが探す頃にはラグナは再び高い所に飛び上がり、戦場を見渡す。すると、ウィルも戦っているのを発見する。正面のモンスターを切り伏せようとしている時に、背後から別の個体がウィル目掛けて突撃をしていた。
「次から次へと……!」
瞬時に弓と矢を投影する。そして刹那の時に魔力を込め、ウィルの背後から迫る武器持ちに放つ。射った直後にウィルの元に駆けつける。
アイリスが母子を助け出している間にウィルは武器持ちのモンスターを正面から切り伏せる。その姿を見てアイリスは
(ウィル先輩なら……戦士なら『魔導士殺し』を破れる……!でも、一人だけではどうにもならない……!数が多過ぎる……!)
そう思考を巡らせていた時、ウィルの背後から別の武器持ちのモンスターがウィルに迫る。
「ウィル先輩後ろ!!」
「っ!」
ウィルが反応した時には刃が振り下ろされていた。ガードも回避も間に合わない。だが、無数とも言える赤光の矢の雨が降り注ぎモンスターを射抜く。何本かは魔導士殺しに魔力を吸われて威力が減衰するが、矢自体は物体として存在している。よって威力を完全に殺すに至らず、モンスターを針山状態にして絶命させる。
(一体……何が起こった?矢?しかもアレだけの矢をウィル先輩を狙った個体に……!?)
「ウィル!」
アイリスが驚いているところに黒い弓を持ったラグナが降り立つ。
「ラグナ!そっちは大丈夫なの!?皆は!?」
「二人にはあの武器の情報の伝達を任せている。あの二人なら対応できるようになる筈だ。それも含めてオレ達が優先してやるべき事は……」
弓を消し、干将・莫耶を投影する。それを見たアイリスは驚愕する。何もない手に光が集まったと思ったらそれが武器になったのだから。しかし、他に見ているとは気にもせず、ラグナはモンスターが複数体向かってきている方に視線を向ける。武器持ちも複数体いる。
「アイツらを倒す事だ……!あの武器を持った個体優先!他は魔法が通る!」
「分かった!」
「それと!」
ラグナはもう一本のモリアの銀剣を投影する。
「一本じゃ足りないだろ?二本で対応しよう」
「ラグナ見たいに出来る自信はないけど……ありがたく使わせてもらうよ!」
互いに二刀流。互いに剣を持つ者、正面の複数体のモンスターに向かって突撃する。
「はぁああああ!!!」
「オーバーエッジ!!」
二人と交差するモンスターは両断され、互いに互いの隙を殺し、一瞬で来た複数体のモンスターを全滅させる。
(ウィル先輩だけじゃなかった……!ラグナ先輩も……!?知らなかった
思考が追いつかない。突然の事に情報が纏まらない。
「そういえば、さっき助けてくれたのラグナ?」
「ああ、高所から見た時に危なそうだったから……。余計だったか?」
「ううん、助かったよ。それにしてもラグナは弓も使えたんだね……!本当に凄いよ!」
ウィルの言葉にラグナは言う。
「この間話しただろ?アレと一緒だ弓の使い方もそれを見て学んで、迷宮で何年で試しての繰り返しでようやくだけどな。いくら力を貰ったといえど、それを使いこなす身体がないと意味が無い」
ラグナは話しながら、再び建物の上に行く。そしてウィルに言う。
「ウィル、武器持ちを優先してオレ達で倒すぞ!そうすれば魔導士達が機能する。住民の安全優先しながら片付けるぞ!」
「分かった!無理はしちゃダメだよ!ラグナ!」
「ウィルも!」
そういい再び分かれて動き始める。それと同時に
『偉大なる
その声を聞いたラグナは足を止める。
「ドワーフの皆が参戦する事に……!いや、あの人達の事はオレが一番知っている。なら……!」
ラグナは戦場を駆け抜ける。目に映る住民や学友の危機的状況をモンスターを単独で掃討しながら街を走る。剣で斬り、弓で射抜く。魔導士の戦い方を一切をこの瞬間は捨て、まるで記憶にある英雄の動きをなぞるように敵を討つ。
「
前線の上級魔導士や教師に敵の武器の情報、ラグナから伝えられた現状の対処方を伝えたリアーナは同じくモンスターと対峙していた。
「くっ……付与魔法をもってしても一撃で倒せない……!これが深層のモンスター……!しかも……!」
武器を持った魔物に反応し、直ぐさま射程外に距離を取る。斬撃は空を切る。
(ラグナの言う通り、あの武器は魔導士にとって致命的だ……。魔法に反応しているのか魔力そのものに反応しているのかは分からないが、どちらにせよ致命的なのことには変わりはない……!やはり……!)
リアーナはコレットに言う
「コレット!土の魔法で弾幕を張ってくれ!土魔法の物体ならあの剣を持つ相手でも通用する筈だ!」
「分かった!黄土の隠者!!」
コレットは土魔法を放つ。リアーナの推察通り土魔法の石の塊を放つ魔法は剣の影響に左右されなかった。それを嫌がったモンスターはその弾幕から逃れようとするが、その一瞬。ガードに徹してがら空きの所に
「一撃で倒せないのなら……倒せるまで攻撃するだけだ……!
一気に距離を詰め、魔法が霧散してしまうよりも速く剣持の敵を倒す。倒すと同時にリアーナは膝をつき荒れた呼吸を整える。乱される魔力を乱されるより速く敵を仕留める。言うは易しだが、それだけ消耗も強いられる。厄介な敵を一体屠るには見合わない程の消耗を強いられた。
「リアーナ!」
コレットがリアーナに駆け寄る。
「そんな無茶をして!」
「だが、ドワーフが来るまで手出しできませんなんて言えない」
リアーナはゆっくり立ち上がりながらに言う。
「土の魔導士中心に弾幕を張れ!物体なら無効にされない!『未知』を『既知』変えろ!学院の叡智よ!」
クレイルウィはそんな学院の生徒の動きを見て関心する。
「やるわね学院の卵達!今年の『塔』内定者はとっても優秀!百点あげるわ!」
そして上級魔導士達に指示を出す。
「土の魔導士が中心になって抗戦して!すぐにドワーフ達が来る!」
ドワーフもその直後に合流し立て直すことが叶う。指示を飛ばしながらもクレイルウィは思い返す。
(それにしても、ロッジを助けた子の動き凄かったわね……。武器をその属性で作るのは分かるけど、出す魔法なんて聞いた事がないし、一瞬で片付けちゃうし、魔導士殺しの対応も学生とは思えないほどだったわね。しかも……」
空中にいるため戦況を幅広く知ることができるクレイルウィは尚もラグナの動きを見て驚く。
(武器を取っかえ引っ変えに変えて凄まじい勢いで戦ってるわね……無尽蔵なのか知ら……けど、頼もしい。もう一人の剣で戦う子もいるから面食らったけど何とかなっているわね)
と分析していた。そして、再び学生の方にモンスターが現れる。魔導士殺しを手に持つモンスターが襲いかかってくるが
「
リアーナ達の耳にそんな言葉が聞こえる。
「皆下がれ!」
リアーナは何が来るのかを察して下がるように叫ぶ。そして次の瞬間には
「
剣の雨がモンスターに降り注ぎ襲ってきたモンスターを一掃する。
「何だこの剣の雨は……!」
「こんな事するのは奴しかいない……!」
驚いたような声を出すユリウスと特定するシオン。そして皆の前に現れるのは
「皆大丈夫?」
ラグナだった。
「「ラグナ!!」」
コレットとリアーナはラグナの方に歩み寄る。それに続くようにイグノール達も来る。
「君の推察は正しかったみたいだ。土の魔導士を中心にすることで何とかなっている」
「どうして、あのモンスターの剣が魔導士にとって天敵だと分かったんだい?」
イグノールが尋ねる。ラグナは
「オレの投影の副次的な効果と言っていいのかな、武器を視認したら同じのが出せるようになるんだ。それで解析したから分かった」
ととんでもない事を言い出すラグナに皆は固まりそうになった。しかし、突如壁を貫く轟音が響き渡る。
「何の音だ!?」
「新手か!?」
そんな声が耳に入る。ラグナは
「皆ごめん、オレ音のするほうに行く死ぬなよ!」
そう言い残し、音のする方へかけていく。そして屋上で音のする方角を見ると見たことの無いモンスターと良いようにされるウィルがいた。
現状、ヒロインはコレットかリアーナで悩んでる。……でも、リアーナの方がいいのかな(書いてて口調が難しく感じる時もあるけど)
すみません、次回は少し開くかもしれません。ご了承ください。