錬鉄と鍛造の贋作者   作:英雄に憧れた一般魔導師

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遅くなってすみません!エルファリアとゼオの戦い凄く良かったですね!!ラグナも魔法面強くなって貰わないとw

古戦場が古戦場があったんです!逃げられないんです!!


限界を超える代価

(何だ?あのモンスターは……他の奴とは格が違う……。けど、それがウィルを見捨てる理由になるか!)

 

ラグナは移動しながらも、弓矢を投影し掃射する。矢の雨がモンスターへと降り注ぐ。しかし、モンスターはその攻撃に気づき、刃を振るって矢を次々と薙ぎ払う。

 

(やっぱり、動きも反応も他の奴とは違う……!)

 

干将・莫耶を投影しながら、そのモンスターへ接近する。

 

そのタイミングでドナンがモンスターへタックルを仕掛け、ウィルから引き剥がす形で距離を取らせる。ラグナはそれに追撃するようにモンスターへ斬りかかった。攻撃は防がれて押し返される。ウィルの近くに着地しながらに

 

「大丈夫か、ウィル!」

 

「ラグナ!」

 

ウィルはラグナを見上げながら、その名を呼ぶ。

 

ラグナはウィルを守るように前へ立ち、双剣を構える。

 

「遅れて悪かったな……!そこで見ていてくれ」

 

そこに並び立つように、ドナンとドワーフ達が集まる。

 

「おう!元気そうじゃねぇかラグナ!……って、杖じゃなくてお前も剣か!」

 

ドナンは笑いながら武器を構える。

 

「それなら並んで、アイツを捻り潰すぞ」

 

「ああ!」

 

ドナンやドワーフ達は嬉しそうにラグナを見る。

 

この世界で接近戦に長けた者達が、モンスターを取り囲む。

 

さらに、他の魔導士達も集結し始めていた。

 

その様子を遠くから見ているマルゼと首無し。

 

「囲まれちまったなぁ〜〜」

 

『囲まれちまったねぇ。でも、予定通り。じゃあ、お食べ』

 

首無しが空中に文字を書き起こす。

 

すると同時に、目の前のモンスターの核がせり出し、何かを集め始めた。

 

「な……なんだ、ありゃ……」

 

「核がせり出して……?」

 

周囲のモンスターの死骸から魔素が蒐集され、目の前のモンスターへ吸収されていく。

 

「させるか……!」

 

「かかれぇぇぇ!!お前らァ!!!」

 

ラグナとドワーフ、魔導士達が阻止すべく攻撃を仕掛ける。

 

しかし、進行方向にナイフが突き刺さった。

 

次の瞬間、ナイフを起点に黒い雷が迸り、行く手を阻む。

 

「させるかよ!てめぇらはそこで『化け物』が生まれるのを見てろ!」

 

マルゼの妨害により阻止できず、目の前のモンスター……至殺の王(ディヴェンデ)は変容を遂げる。

 

禍々しい姿へ変わった至殺の王(ディヴェンデ)

 

「ドナン!皆、オレの後ろに!」

 

ラグナは何かを察知し、叫ぶ。

 

「野郎ども急げ!!」

 

ドナン達はラグナの言葉を信じ、彼の後ろへ集まる。

 

そしてラグナが防御体勢に入った、その瞬間――

 

至殺の王(ディヴェンデ)の翼が変形する。

 

無数の棘のようなものが形成され、次の瞬間には射出された。

 

「投影、開始……!熾天覆う七つの円環(ローアイアス)!」

 

光の七枚の花弁状障壁が展開される。

 

それと同時に、棘が雨のように降り注いだ。

 

ラグナの後ろへ避難できた者達は守られる。

 

しかし、間に合わなかった者達は次々と穿たれていく。

 

「ははははははは!!!」

 

「魔導士の魔法も効かねぇ!土の民の馬鹿力も通用しねぇ!!」

 

マルゼは愉快そうに笑う。

 

『宴は『儀式』、都は『祭壇』。これで至高の五杖殺しの完成だね』

 

首無しも楽しげに呟く。

 

ラグナは熾天覆う七つの円環を解除し、干将・莫耶を手に至殺の王へ斬りかかる。

 

その瞬間――

 

「ドナン!負傷した土の民(ドワーフ)の皆を避難させるんだ!」

 

「!」

 

「早く!オレが引き止める!」

 

「っ……すまねぇ!」

 

ドナンは一瞬だけ迷った後、叫ぶ。

 

「野郎ども!負傷者を下げろ!誰一人死なせるなぁぁ!!」

 

ドナンの指示で、土の民達は動き出す。

 

その間、ラグナは至殺の王と刃を交える。

 

剣と剣が激突し、甲高い音が響き渡る。

 

力で押し返される。

 

ラグナは体勢を立て直すと、壁を蹴り、再び斬りかかった。

 

至殺の王(ディヴェンデ)もラグナを仕留めるため、刃を振るう。ラグナは咄嗟に危険を察知し、回避するように刃を振るった。互いの刃が交差した。

その瞬間、干将・莫耶が弾き飛ばされ、砕け散る。着地したラグナの肩から、血飛沫が舞った。

 

「ラグナ!」

 

「完全に避けたつもりだったけどな……!」

 

ラグナはすぐに向き直り、干将・莫耶を再び投影する。

 

「なんだァ?砕かれた剣を……また出しやがったぞ?」

 

『見たことのない魔法だね。厄介かもしれない』

 

首謀者二人はラグナの魔法を興味深そうに眺める。

 

至殺の王(ディヴェンデ)が刃を振るう。

 

凄まじい速度の連撃。ラグナは受け流し、弾き、紙一重で避け続ける。

しかし、それでも傷は増えていく。

 

「っ!」

 

踏み込まれた一撃。

 

振り下ろされた刃を、干将・莫耶を交差させて受け止める。回避も迎撃も間に合わないタイミングで放たれた一撃だった。

 

「ぐっ……!」

 

体格差。力の差。勢いの乗った一撃。僅かな拮抗の後、ラグナは弾き飛ばされ、凄まじい勢いで建物に壁へ激突する。

 

「うっ……ぐっ……あぁ……!」

 

壁に穴を開け、そのまま崩れ落ちるように膝をつく。

 

さらに追撃と言わんばかりに、至殺の王は蹴りを放ち建物を上に貫通する。空中に投げ出され、再び地面に叩きつけられる。

 

「ぐっ……あああ!!」

 

その間にウィルは立ち上がる。

 

(あれを止めるには……あの力を使うしかない……!)

 

ウィルの脳裏に浮かぶ。

 

総合実習の際、大公を仕留めた『魔剣』。

 

それを意図したのか――

 

ロスティがウィルへ杖を向ける。

 

「ウィル!『剣』を!」

 

ウィルは剣を構える。

 

ロスティも魔法を放つ。

 

しかし――

 

至殺の王(ディヴェンデ)が持つ魔導士殺しが魔法を吸収し、ロスティの右腕を切断した。

 

「ロスティーーーーッ!!」

 

ウィルは叫び、再び交戦を開始する。

 

凄まじい轟音を響かせながら、二人の剣が激突する。

 

 

「キキ……コレットさんの所へ行くんだ……君のご主人様は僕が護る。約束するよ……」

 

腕を切られたロスティは覚悟を決め、動き始める。

 

ラグナも瓦礫を退かしながら立ち上がった。頭から血を流し、右肩には切り傷。その他にも大小様々な傷を負っている。幸いなことに致命傷と言うほどの深い傷は無い。無視しようと思えば、無視できる。

 

(骨は折れてないな……頑丈で強化が効いている証拠か)

 

ラグナは頭を振りどうするべきか思考を巡らせる。

 

(宝具を使用しての壊れた幻想は被害が大きすぎる……)

 

これ以上街を壊す訳にはいないのでその案は却下する。

 

(他の宝具も一歩間違えれば巻き込みかねない)

 

物によれば大規模ともなる。それは上記と結果は変わらない。

 

(あの結界も詠唱が必要……)

 

巻き込むには近くでするしか他ない。だが、その間に被害が出るなら余裕は無い。

 

(これしかない)

 

ラグナは深呼吸する。この選択は最適解と言えるか怪しいが、今のラグナが思いつく選択肢はこれしかなかった。

 

そして告げる。

 

「回路新明……筋系、血管系、リンパ系、神経系――疑似魔力路変換開始……!」

 

深呼吸を行い、目を瞑り体が魔力を巡る回路を鮮明にし神経を魔力を通る路として魔力を通す。痛みが伴う準備運動から更に深度を深くする。

 

体を更に細分化し、その全てを魔力も通る回路とし擬似的に作り替える。そして魔力を通す。痛み何て生温い激痛がラグナを襲う。

 

「うっ……ぐううああああああ!!!」

 

コレは"二人の技術"では無い。発想の元はそうではあるが、行きついたのはラグナ自身の発想であり技術である。勿論危険な行為である。少しでもミスを犯せば、死が待っている。そうじゃなくても、それらの神経を傷つけるのは言うまでもない。だが、

 

「変換完了……!」

 

出来た時には己の限界以上の力を引き出せる。代償があったとしても、現状を打破しうるラグナの数多くある切り札の一つ。

 

疑似限界超越(オーバーフロー・アンフィニッシュト)

 

白いオーラの様な魔力が肉体の内外から溢れる。膨大な魔力がラグナの全てを強化し出力を上げている。未だ未完の形態であり代価が大きい姿。ラグナは瞬時に弓矢を出して、瞬時に移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

至殺の王はウィルとワークナー先生をが去るのを見ていた。その直後、肩が射抜かれる。よろめきながら射抜いた犯人を見る。細長く改良された干将・莫耶を持ちながら睨みつける少年が立っていた。

 

「お前の相手はオレだ……!悪いけど付き合って貰うぞ……!」

 

その声と共に再び激突する。轟音を轟かせ、縦横無尽に建物を足場としてぶつかり合う。剣を振るう度凄まじい激痛がラグナを襲う。傷口から血が止血されることなく出る。常人、魔導士すら耐えることが敵わない拷問の様な痛みを抱えながら戦う。

 

「うおおおおお!!」

 

ディヴェンデの一撃を躱し、上から凄まじい体勢でディヴェンデを地面に蹴りを入れる。バウンドしながら体勢を整え斬りかかってくる。だが、それすらを弾き、殴り飛ばす。

 

(くっ……!欠陥もいい技だけど……!)

 

出力は確約された姿、短期決戦が望まれる形態。鼻血が出る、身体が悲鳴を上げる。だが、押している。徐々に削り始める。ディヴェンデの体に傷をつけ、押し込んでいく。建物を破壊しながら辿り着くのは

 

「ラグナ!?っ、その姿の怪我は!?」

 

「その魔力……その傷は……!?」

 

皆がいるところだった。場所まで考える余裕が無かったラグナは敵を見据える……。

 

「ここで仕留める……!投影、開始」

 

干将・莫耶を再び投影し投げつける。一対目を投影。渾身の魔力を込めて、鉄塊をも打ち砕く一撃を左右同時に投擲する。

 

「―――鶴翼(しんぎ)欠落ヲ不ラズ(むけつにしてばんじゃく)

 

ディヴェンデは脅威に感じているのかしっかりと弾き飛ばす。

 

「剣をただ投げただけじゃないか!?」

 

「何を狙っているんだ?」

 

ユリウスとシオンはラグナを見る。肩で息をしがらも次の手を打つ。いや、事前に準備していたものである。弾かれるのは想定の内

 

「―――心技(ちから)泰山ニ至リ(やまをぬき)

 

直ぐさま投影し接近する。誰もが弾かれた時のように正面からの斬り合いになると感じた。だが、リアーナは弾かれた二本の軌道に気づく。

 

「戻ってきていないか?あの二本の剣」

 

その言葉でコレットも気づく。弾かれた二本がラグナの手に持つ二本の剣に吸い寄せられるように戻ってきた。

 

「―――心技(つるぎ)黄河ヲ渡ル(みずをわかつ)

 

正面と背後からの挟撃。しかし、至高の五杖を過去に葬り、大量の魔物の魔素を吸収して変容したディヴェンデもそのままやられる訳でもない。ラグナの右腕の剣を魔導士殺しの武器を力強く振るい迎え撃ち、それと対をなす剣を片腕で弾く。だが、もう一組がある。

 

「―――唯名(せいめい)別天ニ納メ(りきゅうにとどき)

 

もう一組の攻撃はディヴェンデの防御が間に合わずその身にダメージを与える。手に持つ分の干将・莫耶は切りつけたのと砕かれたのて空になる。だが、

 

「―――両雄(われら)共ニ命ヲ別ツ(ともにてんをいだかず)!」

 

大公の翼を両断した時のオーバーエッジの干将・莫耶を瞬時に投影しトドメを刺そうとする。この技は互いに引き合う性質を持つ夫婦剣干将・莫耶を三対投影し、投擲と斬撃を重ね当てる必中不可避のコンビネーションを繰り出す絶技。だが、

 

「っく……!ぐっがああ……!」

 

音を立てて干将・莫耶が砕け消滅する。大量の血がラグナの足元に広がる。

 

時間切れ。本能が命の危機に際して、解除したのだ。だが、それまでのダメージはラグナにはある。絶技を完遂する前に身体が先に根を上げたのだ。

 

ラグナは両膝から崩れ落ちる。

 

(視界が赤い……!痛い……息が……出来ない……!反動……代償……!)

 

「「ラグナ!!」」

 

コレットとリアーナが飛び出す。ラグナを守るべく、咄嗟に飛び出していた。コレットはラグナを支え、リアーナがそれを守るべく立つ。それと同時にラグナの状態を見て絶句する。傷もそうだが、頭から目から、鼻から、出るところ全てから出血している。ダメージを受けたとか決してそんな状態では無い。死にかけ、死に体と言っても過言じゃない。

 

 

そんな姿を見て二人はそれぞれ心が締め付けられるものを感じる。コレットの手にはラグナの赤い血が着いていた。だが、それでもラグナの目が死んでいない、まだ立とうとしているのだ。

 

「ま……だ……!終わってない……!」

 

動く度激痛が走るがラグナはゆっくり立ち上がろうとする。更に、シオン達も前に立ち杖を構える。

 

「シオン!?」

 

「イグノールも」

 

「こいつに守られっぱなしは性にあわないんだ!」

 

「友を守るのは当然だろう?」

 

その流れに負けたのかユリウスを立つ。

 

「いい迷惑だ!さっさと立て!」

 

ディヴェンデが凪払おうとした時、閃光が瞬く。




リミット・オーバーフローはツヴァイフォームを参考にしています。
ラグナは思い至ってないですが身体強化以外に魔力放出で戦えばかなりいい感じになります。

鶴翼三連が決まっていれば大ダメージは確実に与えれてました。

明日でウィストリア最終回かぁ寂しいですねぇ……
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