錬鉄と鍛造の贋作者   作:英雄に憧れた一般魔導師

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至高の五杖との戦闘考えるの自分が始めたと言えど難しい……。遅れてすみません!

何気に節目の20話目です!


氷雷剣衝

「ラグナやめて!いくらなんでも危ないから!!怪我で済まないから!!」

 

「そうだ、止めるだラグナ!いくら君が強いと言っても相手は至高の五杖(マギア・ヴェンデ)!魔法世界の頂点なんだ!」

 

止める声が木霊する。止めようとする声を聞きながらフィンは言う。

 

「しかたないさ。それが至高の五杖(マギア・ヴェンデ)だ。でも、彼も巻き込まれるとはね。でも、折角の機会だ。万全の君が死力を尽くして戦ったらどこまで戦えるのか。ケリドウェンに鍛えられた君がどこまでくらいつけるか」

 

笑みを浮かべてフィンは言う。

 

「合図は?」

 

「要らねぇ……来い」

 

「こっちも、要らない」

 

直後、エルファリアは長杖を出し、床つけて魔法を放つ。その魔法はウィルが白銀解放(リミット・オフ)の時にディヴェンデ戦で他のモンスターを一掃するのに使った魔法の本家本元の

 

十二の氷秘法(エル・グラス・フロース) 七の法 万氷千蒼の凍神殿(フリューゼル・カルデネイア)

 

開幕に氷の神殿を築きあげる。

 

「開幕ッ!?」

 

極大必殺(ブッぱ)!!!」

 

視界も覆い、範囲もあるエルファリアが作り上げた十二の魔法の一つだ。だが、

 

「どこ狙ってやがる」

 

雷の如き迅さでエルファリアの後ろを取るゼオ。そしてそのまま

 

雷哮(くだけろ)

 

至近距離から雷閃の蛮族(ザルギア・サガ)を放つ。エルファリアは雷光に飲まれて消える。しかしそれは偽物。

 

「ぶ、分身魔法……白の芸術(アルスワイス)!?」

 

「最初の凍神殿で視界を覆った一瞬の間にです。エルファリア様の魔法の発動速度は『塔』の中でも随一。そして『敵』への容赦の無さも」

 

ゼオを取り囲むように白の芸術(アルスワイス)で生み出された分身が杖を向ける。

 

「ウィルは絶対に渡さない」

 

エルファリアはそう言い上級魔法を放とうとする。しかし、今回はゼオだけでは無い。そして、格下と侮っていた第三者から予想外の攻撃が飛来する。

 

取り囲んでいた分身の3体が赤い閃光の矢を受けて砕け散る。エルファリアは直ぐさま分身を補充する。表情には出てはいないが内心では少し動揺している。

 

(一体どこから?いや、さっきので倒せているとは思ってなかったけど……ラグナも潜り抜けたんだ……しかも、今、撃たれたの分からなかった……!)

 

射抜いた犯人はすぐに分かる。しかし、警戒してなかったなんて言い訳にならないほどに意表を突く一射だった。ラグナが最初の攻撃を避けれたのに理由がある。

 

エルファリアがモーションに入った段階でラグナも動いていた。

 

(回路解明、神経魔力路全点接続……出力解放(フルドライブ)!!)

 

魔力路を全て起動させ、魔力を全開で回す。疑似限界超越(オーバーフロー・アンフィニッシュト)より爆発力は無いが魔力放出と合わさることで、飛躍的に身体能力、身体強度が上昇するのだ。それにより、万氷千蒼の凍神殿(フリューゼル・カルデネイア)を間一髪回避し、弓矢に切り替えて、ゼオが分身の一体を破壊するのを見てから他の分身を射抜いて見せたのだ。しかし、分身が直ぐに補填出来る以上、それ以上の驚きはない。

 

「ウィルは絶ッ対に渡さない。凍え哭け氷鉄の森(アルメンタ・アウリスカス)

 

ユリウスが11層で使った切り札の上位魔法を無詠唱で連射する。

 

暴き貫け聖鏡の氷芒(リヴィール・カランティビウム)凍てつき堕ちよせ星骸の槍(ステラス・ナテア)

 

分身と共に砲撃を兼ねた弾幕。ラグナはその弾幕に対して、全速力で逃げ、避けれないものに関しては双剣で切り伏せる。しかし、無傷で居られる訳も無く。

 

(これが、至高の五杖……上級魔法を惜しげも無く使って……!!)

 

一瞬でも気を抜く、息を抜けば串刺しか氷像になることを覚悟しながらの戦い。徐々に追いつかなくなり、致命傷を避けながらも、徐々にダメージを受けそうになる。

 

「ッ!熾天覆う七つの円環(ローアイアス)!!」

 

最強の防御を以て耐え忍ぶ。

 

そんな中

 

「しゃらくせぇ!!」

 

ゼオが魔法の中を雷で突き破り、一瞬でもエルファリアの後ろを取る。そして頭を掴み、

 

雷裂の魔笛(ヴォルガン・フルート)

 

一瞬で分身を破壊して見せた。ラグナが使うソレより速く切り裂いたのだ。

 

「こんなもんかァ!アバズレェェェ!!」

 

最後の一人に攻撃に行く中、ラグナも攻撃を止んだ事を活かす。

 

投影(トレース)開始(オン)

 

弓と魔剣を投影する。そして番える。引き絞り、標的を定める。投影するは捻れた掘削機、ドリルのような形状の武器、それをゼオが攻撃しようとしているより上のエルファリア目掛けて構える。その直後ゼオが最後の分身を砕く。この間、ラグナは隠密魔法(ハイド)を併用しながら準備をする。そのため、誰もラグナに注目しない。

 

「今までの攻防は本体を上に逃がし、本命の一撃を叩き込むための前座。しかも至高の五杖が見間違う精度の分身」

 

「探知を掻い潜る『隠密魔法(ハイド)』のおまけ付き」

 

エルファリアは笑みを浮かべながら

 

「私との『お人形遊び』楽しかったですか?」

 

そういいながら魔法を起動する。

 

分身内蔵魔法陣作動(サークル・オン)全陣連結(フルコネクト)

 

その瞬間、地面に膝を立てて、弓を空中に向けて構えている魔剣の射手より一射が放たれる。ゼオ、エルファリアを射線に収めながらも当てないように放つ。

 

I am the(我が骨子) bone of(は捻じれ) my sword(歪む)

 

ラグナの隠密魔法(ハイド)が解除され、声が大気を揺らし二人の耳に入る。油断と言うには些細な認識。二人は至高の五杖同士の戦いという認識の方が強かった。ラグナの存在は認識はしていたが、脅威としては認識していなかった。至高の五杖の方が上だと。その小さな認識に

 

一射が二人目掛けて飛んでいく。

 

「――――偽・螺旋剣(カラド・ボルグ)!!」

 

放たれた魔剣は大気を根こそぎ捻じ曲げ飛翔する。ゼオはその一射を本能的に危険と察知し最速で避ける。エルファリアも防御を固める。分身を幾つも出して防御陣を形成する。しかし、エルファリアもその魔剣を止めれるイメージが湧かなかった。わずかに遅れて回避行動を取る。もとより直撃コースではないが、大気の捻じ曲がりようは凄まじく、エルファリアの空中での姿勢を崩し、連鎖魔法陣(チェイン・サークル)、防御行動の分身を崩壊させてはるか上に魔剣は飛翔する。

 

緊迫が場を支配する。

 

「野郎……良いのあるじゃねぇか……!」

 

ゼオが獰猛な笑みを浮かべてラグナを見る。自らに避ける選択肢を取らせた一射を放つ人物。

 

「判断を誤れば、今の一撃で落とされていたかもしれない……!」

 

肝が冷えたとエルファリアはラグナを見下ろす。エルファリアは二度目。ラグナに驚かされるのは。そうなればもう脅威として認識し直すしかない。フィンは楽しそうにその様子を見て話す。

 

「これで二人はラグナを無視出来なくなったという訳だ。ラグナが放ったええと、偽・螺旋剣だっけ?あれでダメージは与えられなかった……もとより当てる気も無さそうだったけど。脅威として、こっちを見ろと言うには十分な一撃だった。ここからが本番だよ。君の力がどこまで通用するのかを見られるのは」

 

ゼオは魔法陣から杖を出す。

 

「テメェとやり合うには……先ずは」

 

足で蹴り上げ、槍投げのように構える。そして上で見下ろすエルファリア目掛けて投擲する。

 

エルファリアは紙一重で交わすが、

 

「墜ちろ、オラァア!」

 

投げた杖に追いついているゼオの拳を受ける。凄まじい勢いで地上に墜ちるエルファリア。エルファリアがゼオを探すが側面から神速で殴り飛ばされる。万氷千蒼の凍神殿を貫きながら吹っ飛ぶエルファリア。ゼオが追撃しようとするが

 

「いいぜぇ受けてたってやるよ!クソガキィ!!」

 

甲高い金属音を響かせ、ゼオは杖でラグナの双剣を受け止める。そこから高速の攻防が繰り広げられる。互いに魔法の術式に頼らない魔力の流出と放出による高速移動。ゼオの雷霆とラグナの出力解放。原理は似ているが、速度はゼオが圧倒する。

 

槍のような形状の杖で薙ぎ払われ、

 

雷閃の蛮族(ザルギア・サガ)!」

 

ゼオの一撃を正面から受ける。剣で防ぎながら魔力を前面に出して威力を減衰させるが、横から来たゼオの拳がラグナの横腹に深々と突き刺さる。

 

「ガハッ!?」

 

凄まじい勢いで吹っ飛ぶラグナ。入れ替わるようにエルファリアとゼオが再び戦い始める。ラグナは体勢を立て直しながら、矢を無数に放つ。

 

雷衝破砕の黄金戦槌(ヴァルグナート・ドンナー)

 

ゼオは杖に雷属性の魔力を纏わせ巨大な槌を顕現させ、エルファリアの攻撃とラグナの矢を薙ぎ払う。

 

そしてエルファリアに突撃する。

 

氷壁(フォール)!」

 

幾重にも氷壁をエルファリアは展開するが、

 

「邪魔だァ!!」

 

一撃で全てを粉砕し、追走する。圧倒的な速度で迎撃を粉砕しながら肉薄する。そんな中、再びラグナは構える。あの雷を捉えるにはこちらも神速を使うしかない。

 

投影(トレース)開始(オン)

 

左手を頭上に上げる。単なる投影では意味が無い。あの時同様に全てを動員する。

 

投影(トリガー)装填(オフ)……!」

 

右腕に青緑の筋のようなものが浮かび上がり、右手の虚空に同じ色に光が集約されていく。現れるのは斧剣。

 

「あの剣は……!」

 

「ダンジョンでイヴィル・センチネルを一掃した時の!」

 

それに反応したゼオがエルファリアでは無く、ラグナに標的を定めて突撃する。そしてラグナも

 

全工程投影完了(セット)――――是・射殺す百頭(ナインライブズ・ブレイドワークス)

 

迫り来る雷の神速を神速の剣技を以て迎え撃つ。

 

一撃目、互いに激突する。二撃目、再び激突。三撃、四撃、五撃と互角の速度でぶつかり合う。

 

「「オオオオオォォォ!!!」」

 

だが、いくら移動速度、反応速度が強化されていようとも、異界であろうとも十二の試練を超えた英雄の戦闘法。純粋な技量がゼオにガードさせ、そのまま振り抜く。ゼオは観客席に激突する。

 

ラグナは振り抜くと同時に、準備していた設計図に魔力を全力で回し、エルファリアに向けて

 

全投影連続層写(ソードバレル・フルオープン)!!」

 

無数の剣を投影し放つ。エルファリアは氷壁でガードや撃ち落とそうとする。当たりそうな剣は防げるが、周りを通り過ぎる剣は無視していた。それがラグナの本命。当たらない剣は防御する必要が無いと判断するのが正しい。だが、誰が想像するだろうか、放たれた剣が爆発するなど。

 

壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)

 

エルファリアが当たらない、防いだ剣が爆発を起こす。エルファリアも流石に予想はできず反応が遅れる。咄嗟の防御では十分には防げない。

 

「剣が……」

 

「爆発した!?」

 

当然ラグナも苦い表情を浮かべる。ラグナは鍛冶師としても鍛えている。投影の贋作と言えどこのような運用に何も思わないわけではない。ただ、だからと言って使わないのは違うという事で使ったのである。

 

「そんな事もできるのね……!」

 

ゼオは瓦礫を蹴り飛ばしながらゆっくりと立ち上がり高笑をしながらに言う。

 

「やるじゃねぇか……!」

 

エルファリアは煙から出てきながらラグナを見据える。しかし、奇策でダメージを与えたといえど有効打と言うには少し遠い。移動速度、反応速度ではゼオに劣り、魔法速度ではエルファリアに劣る。どちらか一時的にでも並ばない限りやはり勝負には成らない。だからこそラグナは二人と対峙しながら思考を巡らせる。

 

(あの速さは魔力を垂れ流している……雷属性。多分、電流を全身に走らせることで速さも反応も上げている……オレのただの魔力だけでの増幅だけじゃ追いつけない)

 

事実、肉薄することができているのはゼオが受けて立ってくれているからに他ならない。それだけでは無く、このままだとエルファリアの魔法速度にも追いつけない。ラグナは息を吐きながら

 

(理屈は分かった。なら、試してみる他ない。複数属性者としての利点は今ここで実践が出来ることだ……!)

 

ラグナの身体に電流が帯び始める。自身を強化している魔力に属性をつける。更に、ラグナは思いついたことを試す。

 

(内側が雷属性……更に二重で外に風属性を……)

 

雷属性の電流で内側から肉体の制限を外し、風属性の風を纏うことで更に増幅させる。

 

「ほう、ゼオの『雷霆』を見て思いついたのか……。だが、普通は見て試そうなんて思わない。エルファリアの攻撃を掻い潜った時の増幅といい、そう言うの魔力運用を行ってきているということか……。恐ろしいね」

 

キャリオットは面白そうに言う。

 

「いいじゃねぇか……!続きやろうぜぇ!!」

 

第2ラウンドが幕を開ける。




次回、ついにアレが出るかも……。本当はこの話で行きたかった……
感想、お気に入りよろしくお願いします!

至高の五杖は皆強いんじゃ……

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