問題児と最強のゲーマー達が異世界から来るようですよ? 作:天草 天
これが何時までも続くといいんだけどなー。
では、本編どーぞ
それから暫くして。
優と説明書作りについて暫し談笑していた十六夜が、表情を苛立たしげなものに変えて、
「で、呼び出されたはいいけど何で誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状にかかれた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」
「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」
「……この状況に対して落ち着きすぎているのもどうかと思うけど」
(全くです)
「あ、じゃあさ、適当に探索してみない?地図でも作りながら」
「いやあの優さん?地図どころか紙すらないと思うんだけど」
「タブレットあるじゃん」
「タブレット?どこに…あー」
「そこら辺に散らばってんな…ひょっとして一緒に落ちてきたのか?」
「……どれも、家にあった、もの」
「…よく壊れなかったな」
「……多分、木が、クッションに、なった」
「なるほどな…。取りあえず回収すっか」
五分後。
「…割といっぱいあったな」
「暇潰し程度にしかならないだろうけどねー」
「他にも役に立つだろ、多分」
「…地図、とか?」
そうして拾った(回収した)ものは
タブレットPCが2つ
スマートフォンが一人各一個ずつ+α
任○堂3DSが四つ
Play○tation○itaが五つ
太陽充電のバッテリーが三つ
それに付随してケーブルも三つ
ソフトケース(袋、内容量は○itaのソフト100個ほど、あくまで容量、優作)が三つ。
「…遭難しても暇潰しには困らねーな」
「わぁ…コレ何かしら?どれも見たことないわ」
「…懐かしいな、これ」
いつの間にか手伝っていた十六夜たちが、それぞれの感想を言う。
…異世界の意味ない気がする
(…さらに出るタイミングがわからなくなりました!?)
…物陰にいた、ウサ耳は思う。既に出るタイミングなどほぼ皆無だと。
「さて、これは後で片すとして…結局、今からどーするんだ?」
と、空。
その言葉を聞いて、ウサ耳は考える。
(まぁ、悩んでも仕方ないデス。これ以上不満が噴出する前にお腹を括りますか)
と考えてる内に、ふと十六夜がため息交じりに呟く。
「仕方がねえな。こうなったら、
物陰に隠れていたウサ耳が飛び跳ねた。
「なんだ、貴方も気づいていたの?」
「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?そっちの猫を抱いてる奴も、兄妹共も気づいてたんだろ?」
「…風上に立たれたら嫌でもわかる」
「さっき物音がしてたな。大きさからして人とほぼ同じ大きさの」
「…それに、そこの茂みの葉っぱが少し欠けてる。何かが驚いて引っかかったか、動いた、後」
「何かの息使いが聞こえたな。つかず離れずの状態で」
「結論、人と同じ大きさで、人と同じ感情ももって、尚且つ私たちに興味を持ってるか意識している…かな?」
「…へぇ?面白いなお前ら」
軽薄そうに笑う十六夜、だがその目は笑ってない。
7人は理不尽な召集を受けた腹いせに殺気の籠もった冷ややかな視線をそのウサ耳に向けた。
そのウサ耳はやや怯みながら、
「や、やだなあ皆様方。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」
「断る」←十六夜
「却下」←飛鳥
「お断りします」←耀
「だが断る」←空
「…やだ」←白
「ノー」←翔
「そんなことよりおうどん食べたい」←優
「あっは、取りつくシマもないですね♪というか最後のはなんですか」
バンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ(という名前らしい)。
しかしその眼は冷静に7人を値踏みしていた。
(肝っ玉は及第点。この状況でNOと言える勝ち気は買いです。まぁ、扱いにくいのは難点ですけども)
「…その目。何値踏みしてんの?」
翔が、そう話し掛けた。空も同様の顔をしている。
(!? 感づかれた!?)
それには黒ウサギも動揺したようだ。その表情を驚愕に変えた。
なので、その隣に耀が迫っている事に気づかずーーー
「えい」「フギャ!」
…その耳を思いっきり引っ張った。
「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」
「好奇心の為せる業」
「自由にも程があります!」
「へぇ?このウサ耳って本物なのか?」「ヒギャ!?」
今度は十六夜が右から掴んで引っ張る。
「………。じゃあ私も」
「ちょ、ちょっと待ーーー!」
今度は飛鳥が左から。瞬間、
ギニャアアアアアアアア!
…左右に、力いっぱい耳を引っ張られた黒ウサギは、全力の悲鳴をあげ、その絶叫は近隣に木霊した。
…ちなみに残りの4人は、
「獣耳…いいな!」
「…異世界…グッジョブ(グッ)」
「ウサ耳…落ち着いたら触らせてもらうか、優しく」
「アハハ…苦労人だね、ありゃ。あ、黒ウサギだから苦労ウサギか。…語呂が悪いなぁ」
と、呑気な事を喋っていた。
…因みに10分程後に、翔と優が助けに入った。
…全力で耳を十分も引っ張られたら、人間でも痛い。
そう思って。
ーーーーーーーーーーーー
さて、十分後。
「ーーーあ、有り得ない。有り得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために十分も消費してしまうとは。学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのデス」
「学級崩壊ならもっと酷いよ?まだ私達が助けに入っただけましだよ」
苦労ウサギ(誰がですか!)に対して、どこか黒い影を落としながら優は諭す。
「…もっと、そうもっと、ひどかったからね…」
「優…」
そんな優に、翔が傍らに寄り添う。宥めるように。
「…ほら黒ウサギ、いいからさっさと進めろ」
そのなんとも言えない空気を悟ったのか、十六夜は黒ウサギに先を促した。
それに優も気を取り直したようで、もう普通の表情に戻っている。
黒ウサギも気を取り直して咳払いをし、両手を広げ、
「それではいいですか、皆様方。定例分で言いますよ?言いますよ?さあ言いm「さっさと言えこの駄ウサギ」誰が駄ウサギですか!」
「…はやく言わないのが、わるい」
「うう…わかりましたよぅ…。それでは!
ようこそ、〝箱庭の世界〟へ!我々は皆様方にギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼンさせていただこうかと召喚いたしました!」
「ギフトゲーム?」
「そうです!既に気づいていらっしゃるでしょうが、皆様方は普通の人間ではございません!」
「「「「え、そうなの?」」」」
「はいな!…って、まさか気づいてらっしゃらないんですか?」
「…だって、なぁ」
「…うん」
「前の…元の世界でも、」
「ただのゲームばっかりしてる廃人ニートだったしねぇ」
「「「「まあ、負け無しだったけど」」」」
「は、はぁ…」
(ゲームで負け無し?…まさか)
「まぁ、それもギフト…なのでしょうね。改めて。
その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその〝
「ほう…『ギフトゲーム』…『ゲーム』か」
「…にぃ、やる気」
「当然だろ?ゲームと聞いちゃ、空兄が我慢できる訳がない」
「勿論、私達もね!」
両手を広げて箱庭をアピールする黒ウサギ。
その説明に、兄妹達が反応を示す。
そこに、飛鳥が挙手をした。質問があるようだ。
「まず初歩的な質問からしていい?貴女の言う〝我々〟とは貴女を含めた誰かなの?」
「YES!異世界から呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活するにあたって、数多ある〝コミュニティ〟に必ず属していただきます♪」
「嫌だね」「嫌だ」「…嫌」「嫌だぜ」「嫌」
「属していただきます!そして『ギフトゲーム』の勝者はゲームの〝
次に、耀が手を上げた。
「…〝主催者〟って誰?」
「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試すための試練と称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示するために独自開催するグループもございます。特徴として、前者は自由参加が多いですが、〝主催者〟が修羅神仏なだけあって凶悪かつ難解なものが多く、命の危険もあるでしょう。しかし、見返りば大きいです。〝主催者〟次第ですが、新たな〝恩恵〟を手にすることも夢ではありません。
後者は参加のためにチップを用意する必要があります。参加者が敗退すればそれらはすべて〝主催者〟のコミュニティに寄贈されるシステムです」
「後者は結構俗物ね……チップには何を?」
「それも様々ですね。金品、土地、利権、名誉、人間……そして、ギフトを賭けあうことも可能です。新たな才能を他人から奪えばより高度なギフトゲームに挑む事も可能でしょう。ただし、ギフトを賭けた戦いに負ければ当然ーーご自身の才能も失われるのであしからず」
「そう。なら最後にもう一つだけ質問されてもらってもいいかしら?」
「どうぞどうぞ♪」
「ゲームそのものはどうやったら始められるの?」
「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期日内に登録していただければOK!商店街でも商店が小規模のゲームを開催しているのでよかったら参加していってくださいな」
「……つまり『ギフトゲーム』とはこの世界の法そのもの、と考えてもいいのかしら?」
「お?……ふふん、中々鋭いですね。しかしそれは八割正解の二割間違いです。この世界でも強盗や窃盗は禁止ですし、金品による物々交換も存在します。ギフトを用いた犯罪などもってのほか!そんな不逞な輩は悉く処罰します。ーーが、しかし!『ギフトゲーム』の本質は全く逆!一方の勝者だけが全てを手にするシステムです。店頭に置かれている賞品も、店側が提示したゲームをクリアすればタダで手にすることも可能だということですね」
「そう。中々野蛮ね」
「そうか?至極真っ当だと思うけど」
「そうかしら?勝者だけが全てを手にする…割と野蛮だと思うけど」
しかし、翔は飛鳥に真っ直ぐ見返し。
「そうか?さっきから聞いてりゃ、主催者が自己責任でゲーム開いてるんだろ?そんなもん取られたくなきゃそもそも開かなきゃいい。開かなければ奪うしかない、けどそんな事すれば処罰が下る…。だったら開かなきゃ奪われないんだ。そんなもん奪えるようにしてる奴が悪いのさ」
「う…」
そこに、優も入り込んだ。
「まぁ…多分ゲームを開くことはできなくても、
ここで、優は黒ウサギに目配せをし、先を促した。
「ええ、お二方の言うとおりです。説明の手間が省けました」
そして、黒ウサギは一枚の封書を取り出した。
「さて、皆さんの召喚を依頼した黒ウサギには、箱庭の世界における全ての質問に答える義務がございます。が、それら全てを語るには少々時間がかかるでしょう。新たな同士候補である皆さんを何時までも野外に出しておくには忍びない。ここから先は我らのコミュニティでお話させて頂きたいのですが…よろしいです?」
黒ウサギがそういい、皆は動こうとした、が。
「待てよ。まだ俺が質問してないだろ」
「俺達も、質問してないぜ」
「そうそう、大事なことをね」
静聴していた十六夜、空、翔がそう言う。
見ると十六夜はあの軽薄な笑顔が無くなっていた。
逆に空と翔は互いの妹たちと見合わせて、薄笑いを浮かべていた。
「……どういった質問です?ルールですか?ゲームそのものですか?」
「そんなことはどうでもいい。腹の底からどうでもいいぜ、黒ウサギ」
「多分、俺達3人とも同じ質問だと思うぜ」
「だね」
そして、3人は声を揃えて問う。
「「「この世界は………面白いか?」」」
それは、三人の…否、七人の問いでもあった。
彼らを呼んだ手紙ーーー招待状には、こう書かれていた。
「家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて箱庭に来い」と。
それに見合う代償があるかーーー。
それが、この質問の真意であった。
「ーーーーYES。『ギフトゲーム』は人を超えた者達だけが参加できる神魔の遊技。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」
はい、今回はここまで。
因みに前回の話において、空達の名字が設定されています。
これはノゲノラにおける公式設定ではなく、この小説独自の設定です。お間違いのないよう。
名前の由来は…その内設定をアップしますので、またその時に。
ではでは。
誤字報告、感想などございましたら宜しくお願いします!