若返った老騎士、落ちこぼれ公爵令嬢の使い魔になる 作:ですわお嬢様スキー
メインヒロインと話すのに六話もかかったってマジ・・・?
学園長室を辞した後、マルグリットに連れられて廊下を歩きながら、ラングリッドはしばし無言だった。
息を一つ、ゆっくりと吐く。
……いやはや、参った。
人心地ついた胸の中で、そう呟く。
長く生きていれば、底知れぬ相手と相対する経験は幾度かあった。戦場で出会った敵将、宮廷で見えた老獪な大臣、名のみ知るだけの伝説の傭兵。いずれも、相対するだけでこちらの背筋を伸ばさせる類の人物たちだった。
だが、あのルーヴェリアという女は、その誰とも違っていた。
威圧感があるわけではない。むしろ、ふわふわと頬杖をついて、間延びした口調で「マルちゃん」などと前を歩く教師を呼ぶ姿には、愛嬌すら感じられた程だ。
なのに見つめられているだけで背中を冷たい汗が伝い、骨の髄まで覗かれているような心地がするという、なんとも異常な経験であった。
「エシュタール卿」
「うむ」
「学園長は、いかがでしたか」
「確かに、少々変わった御仁であったな」
ラングリッドは小さく笑った。
「正直、肝を冷やしたよ。エルフというのが皆ああなのか、それとも学園長殿が特別なのか」
「後者、ですね。王国最強の魔法使いと名高い御方です」
「最強とはこれはまた……。なるほどなぁ」
「分かっていただけて何よりでございます」
マルグリットも、ほんの僅かに口元を緩めた。
その表情には、苦労を共にする道連れを見つけたかのような奇妙な親近感の色が混じっていた。あのエルフに仕える教師の苦労が、ちらりと滲んだのかもしれない。
「ところでマルグリット先生、レティシア嬢は」
「呼びに行かせております。応接室の方で合流いたしましょう」
なるほど、と頷きながら、ラングリッドは少しばかり申し訳ない気分になる。
昨夜、家への報告という重い宿題を背負って寮へ戻った少女である。一晩で立て直す方が酷というものだ。それを朝早くから呼び出すのは忍びないが、条件付きながら使い魔となる許可を得られた事は早急に報告すべきだろう、とラングリッドは考える。
「ご報告もそうですし、この学園の案内をしていただいてもよろしいかと存じます」
ラングリッドの内心を読んだかのように、マルグリットが言った。
「使い魔の面倒を見るのも、また召喚主の責任ですので」
マルグリットの口調は穏やかで、少しばかりの悪戯っぽさを滲ませる。
昨日から続く大事に、ようやく一つの区切りがついたのだ。本当に面倒をかけてすまないなぁ、とラングリッドは心の中でそっと礼を告げるのだった。
*
応接室の扉を開けると、レティシアが既にそこに立っていた。
昨日と同じ制服を身に纏い、髪は朝のうちに整えられたばかりらしく艶やかである。背筋はぴんと伸び、顎は上がり、指先まで意識の行き届いた立ち姿。完璧な「公爵令嬢」が、そこにいた。
「お待ちしておりましたわ、エシュタール卿」
声も澄んでいた。
昨夜、消え入りそうな声で「はい、マルグリット先生」と答えていた少女と、同一人物とは思えぬほどである。
ラングリッドは胸に拳を当て、軽く一礼した。
「おはよう、レティシア嬢。早朝より召し出してしまい、申し訳ない」
「召喚主としての務めですわ。気になさらず」
「無事、使い魔の承認は得られたよ」
「それは僥倖ですわね。ただあの学園長ですので、あまり心配はしておりませんでしたが」
澄ました顔である。
が、ラングリッドの目は誤魔化せない。よくよく見れば、レティシアの目の下には化粧で隠し切れていない隈がほんのり薄く浮いていた。昨夜、随分と眠れなかった証拠であった。
……まあ、当然よな。
ラングリッドはあえて触れなかった。
指摘しても、この娘は強がるだけだろう。それよりは、知らぬ顔で歩き出してやる方が、よほど親切というものだ。
「では参りましょうか。学園長より、ある程度自由にしていいから貴方を案内するようにと申し付かっておりますの」
マルグリットがその場で頷いた。
「監視は付きますが、応接室や来賓室に閉じ込めるつもりはございません。卿には学園内を見ていただいて結構です」
「重ね重ね、有難い」
ラングリッドは頭を下げた。
*
応接室を出て、レティシアの先導で長い回廊を歩く。
石造りの廊下には朝の光が射し込み、ところどころに置かれた花瓶の花が清々しい。空気は乾いて澄んでおり、季節は春の終わりといったところだろうか。窓の外には手入れの行き届いた中庭が広がり、様々な場所で制服姿の生徒たちが本を抱えて行き交う姿を目にできる。
ラングリッドは、しばし黙って学園の景色を眺める。
規模としてはグローバウム王国の王城に勝るとも劣らぬほど。単純な敷地の広さだけで言えば、それ以上かも知れない。
それだけのものを「学び舎」として運用しているのだから、この国における魔法の地位と、そしてその教育にかける熱量を改めて感じられる。
「広いものだなぁ」
「ええ、世界に数ある魔法学園の中でも、最高学府と名高い学園ですもの。建物の中だけでも一日では回りきれませんわ」
「ふむ。では、要所だけでも」
「お任せくださいまし」
胸を張るレティシアの様子に、ラングリッドは少し笑った。
ラングリッドの知る高位貴族の令嬢は、感情をあまり表に出さぬようにと教育されていたものだが、やはりこうして年相応に笑っているのが一番自然だと常々思っていたのだ。
だが、そうして歩き出してすぐ、ある違和感を抱く。
すれ違う生徒たちが、揃って足を止めるのだ。
いや、止めるというのは正確ではないか。彼らは歩みを緩め、こちらを見て、それから慌てて目を逸らし、足早に通り過ぎる。あるいは廊下の端に寄って、こちらが通り過ぎるのを待つ。中には、明らかに進路を変えて別の廊下へ折れていく者もいた。
それらの視線の先にいるのは、ラングリッドではない。
レティシアである。
……ふむ。
ラングリッドは何も言わず、ただ歩きながら横目に彼女を観察した。
レティシアは、表向き全く意に介していなかった。背筋は伸びたまま、歩幅は変わらず、顎はわずかに上がったまま。隣に素性の知れぬ男を連れているにも関わらず、彼女の足取りには毫の乱れもない。
だが、戦場と宮廷で人を見続けてきたラングリッドの眼を欺くには、まだ足りなかった。
すれ違いざまの一瞬、彼女の指先がドレスの生地をきつく掴むのが見えた。そして相手が通り過ぎた後、ほんの僅かに肩から力が抜ける。気付かれぬ程度の、しかし確かな安堵の所作だった。
なるほど、これは。
ラングリッドは胸の奥で唸る。
単なる「公爵令嬢への遠慮」ではない。下級貴族や平民の生徒が高位貴族に対して向ける畏敬とも、また違う。あれは避けている、というよりは、近付きたくない、という色が濃かった。
「パーティを組めなかった」と語られた際に覚えた違和感が、こうして形を持っている。
一人や二人ではない。彼女がこの廊下を歩く度に、こうして全体の空気が変わるのだ。
ましてこれが毎日のことであれば、その積み重ねは並ではない。
ラングリッドは、苦い感情を押し殺しながらも、若い騎士見習いの頃を思い出した。
名門の三男坊として剣の道に進んだ自分は、最初の数年、随分と周囲から距離を置かれた。次男までが実質的な家督の相続権を持ち、代替品にすらならぬ三男坊。しかし、生まれが侯爵家であるが故に、たとえ三男であってもその権威は下級貴族や平民にとっては絶大である。
下手に関わって怪我でもさせたら面倒な事になる。そう思われていることにラングリッドは納得していたし、しかして周囲に対して遠慮するつもりもなかった。
最強の騎士になると誓った日より、彼にとってそんな周囲の事情など些事でしかなかったからである。
だが、目の前のこの少女はどうだろうか。
押し殺す術を知り、胸の内を表に出さぬ自制心を持っていようとも、やはり端々から陰りが透けてしまう。それは今この現状を良しとしていない、何よりの証拠であろう。
「エシュタール卿?」
黙って歩いていたラングリッドに、レティシアが少し怪訝そうな顔を向けた。
「ああ、すまない。少し考え事をしていた」
「お疲れでございますか? 学園長との面会、お辛かったかもしれませんわね」
「いやいや、それに関しては大した問題ではないのだ。ただこうして学び舎を歩いていると、若い頃を思い出してしまってなぁ」
「あら、エシュタール卿にも学生時代がありましたの?」
「うむ。これでも、剣の修行は学び舎で受けた身だ」
「まぁ! どんな生徒でしたの?」
レティシアの目が、ぱっと輝いた。
その瞬間、彼女の口調がほんの僅かに崩れた。そうして顔を出すのは年相応の、好奇心の塊のような声。
ラングリッドはそれに気付いて、内心で笑う。
「そうだなぁ。生意気盛りの問題児で、専任で付けられた教官からは『クソガキ』と呼ばれていたよ。それはもう剣の腕が立つからと調子に乗っていた所を、文字通り容赦なく叩きのめされたものだ。血反吐を吐いたのも一度や二度の話ではない」
「えっ、貴族の御子息にそんな扱いを……?」
「あぁ。平民上がりの老教官だったが、家柄など歯牙にもかけぬ男だった。さすがに厳しすぎるだろうと当時は心底から疎ましかったが、戦場に出てから何度あの教えに救われたか分からんよ」
「素敵な先生だったのですね」
レティシアの表情が、興味深そうに動いた。
「少しだけ、マルグリット先生に似ていると感じましたわ」
「ははっ、確かに」
ラングリッドは声を立てて笑った。
「私もそう思ったよ。昨日の説教を聞きながら、若い頃のあの老教官を思い出していた」
「私がこっぴどく叱られている時に、貴方そんなことを考えていらしたの!?」
「くっくっく、これは失礼。だが、レティシア嬢にとっても良い先生に巡り会えたということだ。喜ぶべきところだろう」
「ぜっ、全然嬉しくありませんわよ! 私はあのお説教でぐったりだったんですもの!」
レティシアが、少し頬を膨らませた。
その顔が、あまりに年相応の少女のものだったので、ラングリッドはまた笑った。
公爵令嬢の鎧を脱げば、年相応に笑い、年相応に拗ね、年相応に好奇心を見せる。だがそれを、人前ではすっかり隠してしまう。
強がりは、未熟であるからではない。むしろ、強くあろうとする者だけが、強がりを必要とするのだ。
*
回廊を抜け、本校舎を出ると、広々とした中庭に出た。
石畳の道が幾筋にも分かれ、それぞれが別の校舎や訓練場、寮へと続いている。中庭の中央には大きな噴水があり、その周りで生徒たちが本を読んだり、軽い魔法の演習をしたりと思い思いの時間を過ごす。
遠目には武装した一団が訓練場へ向かう姿も見えた。剣を帯びている辺り、魔法とは別に騎士としての訓練を受けている生徒もいるのだろう。
レティシアの案内を聞きながら、ラングリッドはその光景を眺めた。
平和なものだ、と思う。
戦場とも、宮廷とも、領地の屋敷とも違う。若者たちが学び、笑い、議論し、時に喧嘩する。それだけのことが許される空気が、ここには満ちている。卒業すれば、ともすればラングリッドのいた世界よりも過酷な日々が待っているのだから、存分に青い春を満喫してほしいものだ。
「あら、レティシア様」
ふいに、横から声がかかった。
二人の生徒だった。レティシアと同じ予科の制服を着ている。少女たちの目がレティシアと、その隣のラングリッドを交互に見比べた。
「ごきげんよう」
レティシアが、即座に応じた。
声は澄み、表情は完璧な「公爵令嬢」のそれに切り替わっている。先程までの拗ねた顔は跡形もない。
「噂は伺っておりますわ。そちらの方が、例の……?」
「ええ。私の使い魔ですわ」
「まあ! 本当に人間でいらっしゃるの? 学園長様もよくお認めになりましたわね」
「学園長の御判断でございますわ」
レティシアの声に、ほんの僅かに棘が混じる。
少女たちは口元に扇を当てて、こそこそと何かを囁き合った。視線がラングリッドの全身を上から下まで眺め、それから物言いたげにレティシアへと戻る。
「お元気そうで、何よりですわ。それでは、ごきげんよう」
二人は軽く礼をして、足早に去っていった。
通り過ぎた後、扇の陰でくすくすと笑う声が確かに聞こえた。
レティシアは、それを見送らなかった。
ただ、再び歩き出した。背筋は伸びたまま、歩幅は変わらない。だが、ラングリッドの目には、彼女の唇が一瞬だけ強く結ばれたのが見えた。
「……レティシア嬢」
「何ですの?」
「あれは、いつもの事か?」
「いつもの事、というほどでもございませんわ。普段はあちらから声を掛けてくることもございません。今日は貴方が珍しいので、声を掛ける口実になっただけですの」
それは感情をそぎ落としたかのような、淡々とした口調だった。
しかし平静を装っているが、声の最後の方がほんの少しだけ早口になっている。
「ふむ」
「お気になさらず。私には慣れたことですわ」
ラングリッドは、何も言わなかった。
いや、情けない話であるが、何も言えなかったのだ。
詳しくは未だに分からないながらも、自身の過去の境遇とは似ていながらも違うという事は分かる。
自分が乗り越えられたからといって、同じ助言が目の前の少女の為になるとは限らぬ。かと言って、若い女性にかけるべき気の利いた台詞というものを、この男は知らなかった。
二人は、また石畳を歩いた。
しばらく無言で歩いた後、ラングリッドはふと口を開いた。
「ところでレティシア嬢。さきほどの『クソガキ』の続きを聞きたくはないかな」
「……え?」
「なに、久しぶりに過去を話したら止まらなくなってしまってな。年寄りの長話に付き合ってくれると嬉しいのだが」
レティシアは、しばし瞬きをした。
それから、ふっ、と小さく笑って言う。
「……聞かせていただきますわ。仕方ありませんわね」
「うむ、有難い」
ラングリッドは、それから歩きながら、若い頃のあれこれを話した。
初めて木剣で殴られた話。同期と取っ組み合いの喧嘩をして、二人揃って教官に拳骨を食らった話。初陣の前夜、緊張のあまりまともに眠れずに最悪の体調で朝を迎えることになった話。
大半は、自分の格好悪い思い出ばかりである。
だが、レティシアは、最初は嗜むように、やがてくすくすと、最後の頃にはお腹を抱えて笑っていた。
「貴方、とんでもない問題児ではございませんか」
「うむ。だが若い頃なんてそんなものだ。最初から私も立派な騎士だった訳ではない。尤も、今でもそうなれているとは思わんし」
「そう……貴方でも」
レティシアは、それを聞いて、しばし黙った。
そして、ぽつりと呟いた。
「……そうなのですわね」
その声は、軽くはなかった。
しかし、暗くもなかった。
ただ、何か小さなものを胸の奥に仕舞ったような、そんな声だった。
*
二人はそうして、しばらく中庭を歩いた。
校舎の影、噴水の縁、花壇の並ぶ小径。レティシアは時折立ち止まっては、あれは図書塔、あれは大講堂、と短く説明を添える。その案内の合間に、彼女はもう先程の生徒たちのことを口にしなかった。
ラングリッドも、あえて触れない。
代わりに彼が話したのは、相変わらず取り留めのない昔話だった。レティシアはそれに、時折呆れ、時折笑い、そうしているうちに、来た時よりも幾分か軽い足取りになっていた。
やがて、噴水の傍の長椅子に、二人は腰を下ろした。
春の終わりの陽が、水面に跳ねている。ラングリッドは、隣の少女をちらりと見遣ってから、口を開いた。
「ところで、レティシア嬢。遅くなったが、一つ報告がある」
「報告、ですの?」
「うむ。使い魔の件で許可を得られはしたのだが、条件を出されてな」
レティシアの背が、わずかに強張る。
「条件、と申しますと」
「私の腕を、一度確かめたいそうだ。学園長立ち会いのもと、マルグリット先生と手合わせをすることになった」
「マルグリット先生と!?」
澄ました公爵令嬢の声が、そこで一段跳ね上がった。
代わりに顔を出したのは、想定外の事態に目を丸くする、ごく普通の少女である。
「あ、あの方、王立騎士団におられたとお聞きしたことがございます。大丈夫ですの⁉」
「おや、心配してくれるのかね」
ラングリッドが軽く目を細めると、レティシアははっとしたように口を噤み、それからつんと顎を上げた。
「……べ、別に。そこで無様な姿を見せられてはダンジョン攻略に支障が出ますもの」
「確かに、それはそうだな」
くつくつと笑うラングリッドに、レティシアは恨めしげな視線を寄越す。
だが、その視線の底に、隠しきれぬ案じる色があるのを、彼は見ないふりをした。
「それで、その手合わせはいつですの?」
「明日の朝だ」
「明日!? いくらなんでも急では――」
「だが早い方が好ましくもあるだろう? なにせ試験の期限まで二週間だ」
レティシアは何か言いかけ、しかし「確かに」とでも言うように半ば諦めた様子で息を吐いた。
ラングリッドは立ち上がり、軽く肩を回す。
「召喚主に無様は見せられぬ。精々励むとしよう」
「そうしてくださいまし」
レティシアも立ち上がり、スカートの裾を払う。
その仕草は完璧な公爵令嬢のものだったが、続く言葉は、少しだけ砕けていた。
「……観戦させていただきますわ。召喚主として、見届ける義務がございますもの」
「それはそれは、心強い」
ラングリッドが笑うと、レティシアは満足げに頷いた。
それから彼女は、ふと思い出したように顔を上げる。
「そういえば、まだ大講堂も、温室も、実験棟もご案内しておりませんでしたわ」
「いやはや、この学園は本当に広いな」
「当然ですわ。一日では回りきれないと、最初に申し上げたでしょう?」
レティシアはひとつ咳払いをして、先に立って歩き出した。
「参りましょう。私が直々に案内して差し上げるのですから、しっかり覚えるのですわよ」
「はは、これはこれは。光栄なことだ」
軽口を返しながら、ラングリッドはその少し前を行く背中を眺めた。
もうそこに廊下で見たような強張りはない。すれ違う生徒の視線も、今は気にならぬとでもいうように、彼女の足取りは軽かった。
……ふむ。
悪くない、とラングリッドは思う。
この娘がどんな過去を背負い、何に追い詰められているのか。その詳細はまだ分からぬままだ。
だが、急ぐこともあるまい。聞くべき時が来れば自ずと聞くことになる。今はただ、隣を歩いてやればいい。
そんなことを考えていると、ふと思い立って彼は尋ねた
「ところでレティシア嬢、学園の中で物が買える場所はあるのかな?」
「購買がございますわ。素晴らしい品揃えですのよ」
「おお!そうなのか」
「何か欲しい物でも?」
「酒と煙草をだな……」
「おばか!ある訳ないでしょう⁉」
「そうかぁ……」
文字数が増えていく——どんどんと。