IFルート ~早期にリナ先輩と接触ルート~   作:oota

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IF ルート2話

 

 羽島リナ。こいつが久しぶり部室にやって来て、新入部員達とファイトすると言い出した時。オレは止めようとした。元からやる気がない部員達だが、これ以上やる気をなくされては困る。

 リナは腕はいいくせに、やる気がないとか抜かして部活には全く顔を出さない。

 そしてファイトはやりたいが、本気を出せる相手がいないとかで鬱憤を溜め込んで、トゲトゲしい雰囲気をばらまく面倒者。

 

 ……つまりあれか?オレはお前にとって本気を出すまでもない奴なのか?

 確かにジグ部長に比べれば弱いだろうが、今の部員達の中ではトップクラスだぞ!?

 

 

 ……中学校時代に大会で戦い、ライバルになったというジグ部長と一緒に部活動をやろうと来てみれば。その相手は原因不明の病気で病院で眠ったまま。

 本気を出してファイトで競える相手がそんなことになったのには同情はする。

 オレとしてもジグ部長が倒れてしまったのは残念な出来事だ。部長が倒れていなければ、去年はジグ部長とオレにリナの三人で予選に挑めただろう。

 勝ち進めたかは分からないが、少なくとも今よりはよっぽどマシだ。

 受験の準備で部活に顔を出すことは減ったが諦めきれず、伝説(あのデッキ)に一抹の希望をかけて縋るよりは。

 

 だが、オレがリナを止めようとした時、茂札の奴が遮ったのには驚いた。いつもへらへらと、他の部員達とファイトをしては駄弁っている奴。勝っても負けても嬉しそうにしている変な奴。ころころと色んなデッキを使う、こちらを舐めているのかともたまに思う奴。

 そいつが怒り、口調まで変えてリナの売った喧嘩を買うのは意外だったし。部活の時に使うデッキとは違う、()()()()()()()()から出したデッキを使うとは思わなかった。

 

 だから茂札にジャッジを任されたのは丁度よかった、あいつが言いださなかったら自分から言うつもりだった。

 ――近くで茂札(アイツ)の本気が見れる、絶好の機会だと思ったから。

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

 

 

 

 

「俺のターン。レディ・アップキープ・ドローフェイズ。メイン・ライフドロー」

 

 新たにデッキから引いたカードを持ち、手札の順番を並び替える。

 

「色彩をセットし、2コスト生成。2コストで<放火範ゴブリン>をプレイ、通りますか」

 

「……通るで」

 

「では<放火範ゴブリン>が召喚され、場に出た効果でコストゾーンのカードを1枚破壊。対象は<燻る大地>!」

 

「まぁそう来るわな、しゃーない」

 

 こちらの宣言を聞き羽島さんが<燻る大地>を墓地2に移動させる。

 

「バトルフェイズへ、<夜疾猟団・深淵の追撃者>で攻撃!」

 

「通すでー」

 

 こちらの攻撃に対して今回も素通し。まぁここで3点与えても、次のターンに羽島さんは10点投げつけてくるし……。

 多少ライフ削られてでもこっちを焼くのをを優先するよな。

 

「じゃあライフチェック、3枚捲るで。色彩、色彩、あちゃー<焼け石拾い>か。色彩はコストゾーンにセット。<焼け石拾い>は墓地に送るで」

 

 羽島さんが腕を動かし、ダメージで出た色彩をコストゾーンセット、<焼け石拾い>は秘宝なのでセットされずに墓地2に。

 

「これでターンエンド」

 

「じゃあうちのターンや、準備はええ? レディ、アップキープ。ここで鰐とトカゲの【点火】カウンターが1増加!それぞれのタフネスを超えたことで起爆するで!! 鰐が4点、トカゲの2点が3つで合計10点。対象は当然相手ファイター!!」

 

「やっぱりこっちを狙うよなぁ!それじゃあ10点分ライフチェックします。まずは鰐の4点、……あ、呪言<間一髪>出ました。ダメージを1点にし、出たカードをライフデッキ戻してシャッフルします」

 

「鰐で出てもうたかぁ」

 

 運よく<間一髪>が出て、4点ダメージが1点に抑えられた。<間一髪>を墓地2に置き、他の3枚をライフデッキの上に乗せマシンで自動シャッフル。それが終わったら場に戻してダメージ処理の続きを行う。

 

「次は1体目のトカゲの2点、2枚とも色彩。2体目の2点、これも色彩。最後の2点……色彩と呪言<焼畑>!<焼畑>が出たので効果を発動。コストゾーンから色彩を3枚デッキに戻し、ライフを3点回復する。合計で俺の残りライフは11点」

 

 よし<焼畑>も出た、かなり被害を抑えられた。墓地2に<焼畑>を置き、コストゾーンからステイ(使用済み)の色彩を3枚ライフデッキに戻しマシンで自動シャッフル。

 その間にバーンで出た色彩カードを新たにコストゾーンに設置。自動シャッフルが終わるのを待つ。俺のその動きを残念そうな表情で羽島さんが見ている。

 

「ちっ!回復されたか。まぁええ……鰐とトカゲが燃えたことで4体分、<焼け石拾い>のカウンターが増加し6になるで!」

 

 そう言いながら羽島さんは<焼け石拾い>のダイスを回し6の面を上にし、そして俺の方を見る。

 

「いきなしデカい炎が飛んできても、えらい冷静やなぁ?」

 

「これくらいの火力が飛んでくるのには慣れてるんで、運よく<間一髪>と<焼畑>で被害を抑えられましたし」

 

「ほーん……。前言撤回するで、口だけが達者な訳ではなかったわ」

 

「それは良かった」

 

「せやけど、ファイトはまだまだこれからやで? 折角面白くなってきたんや、あっさり燃え尽きんでな?」

 

「もちろん。そちらこそ火力を上げすぎて灰にならないで下さいよ?」

 

 羽島先輩と挑発の混じった会話をする。こういうトークもファイトの楽しみの一つだ。

 そして自動シャッフルが終わったライフデッキを設置しなおす。

 

「終わりました、続きどうぞ」

 

「うっし!それじゃいくでー。ドローフェイズ、メインとライフから1枚ドロー。……色彩はセットせん。6コスト生成するで」

 

 色彩をセットせずに、コストを生成。引いたのは呪言か秘宝?それとも魔石か?

 

「まずは2コスト使用し、手札から呪言<焼畑>を発動。色彩を3枚戻してライフを3点回復するで」

 

 引いたのはどうやら呪言だったようだ。

 羽島さんが<焼畑>を墓地2に置き、ステイにした色彩を3枚デッキに戻してマシンで自動シャッフル。それが終わったら場に設置しなおす。

 これで羽島さんの残りライフは12点。

 

「そして1コストを使用し、<焼け石拾い>を起動!【砲弾】カウンターを全て消費し、それと同じ数のダメージを与えるで。カウンターは6つだから6点ダメ―ジ、対象は当然相手ファイターや!!」

 

 そう言い羽島さんは<焼け石拾い>の上からダイスを退ける。ここで副砲を撃って来たか……!

 

「ライフチェックします。色彩色彩色彩……!呪言<焼畑>がでたので発動、コストゾーンから色彩を3枚デッキに戻して回復します」

 

 2枚目の<焼畑>を墓地2に置き、場の色彩をライフデッキに重ねてまたマシンで自動シャッフル。

 あっぶねぇ……こちらの残りライフが半分吹き飛ぶ状況で来てくれて助かった。6枚捲って最後に来るのは心臓に悪い……。

 できれば<間一髪>が良かったが、色だけよりよっぽどマシだ。これで残りライフは8点。

 

 「ここで引きよるかぁ」

 

 「運が良かったです、シャッフルが終わったので場にライフデッキを戻します。そちらの行動どうぞ」

 

 「……うっし、それじゃ3コストで<溶岩湖のウーパールーパー>をプレイ」

 

 「通ります」

 

 そして新たに出してきたのは、溶岩の湖からのそりと体を出しているウーパールーパーがイラストのカード。パワー1でタフネス4。灼熱龍士では低コストで高耐久の部類の壁クリーチャー。

 厄介なのはステイすることで自身に【点火】カウンターを1つ乗せる効果。溶岩の湖に棲むサラマンダーはその身に熱を溜め込む。

 蛙と組ませるとあっという間にカウンターが溜まり、爆発して5ダメージを吐き出してくる。

 

 「じゃあウーパールーパーを召喚、【点火】カウンターが1つ乗るで。そして手札から1コストで<燃え盛る突進>をプレイ、対象はウーパールーパーや!パワーが4になって【速攻】を得るで」

 

 「!? ……通ります」

 

 壁にするのではなくアタッカーに!?妨害したいが今の手札と墓地には切れる札が無い!

 

 「じゃあ、そのままウーパールーパーで攻撃!!」

 

 「……その攻撃を追撃者でブロック。追撃者の方がパワーが低いため破壊されますが、【復帰】の効果を発動。楔カウンターを1つ取り除くことで場に復帰する」

 

 「そんな効果もあったんやなぁ。でもそいつを破壊したことで<焼け石拾い>にカウンターが1つ乗るで!」

 

 そう言い<焼け石拾い>にカウンター(ダイス)が乗り、1の面が上になる。再び砲弾の積み上げが始まる。

 一方で俺は追撃者の上から【楔】カウンターのチップを取り除く。ダメージは防げたが、【復帰】を使ったからパワーとタフネスが元の数値に戻る。

 だけど手札を使い切ってでも攻撃してくるとは……、不良っぽい見た目以上にに攻撃的なファイトをする人だ。

 

「よし、これでターンエンドや。……そろそろきつくなってきたんとちゃうん?」

 

「いや、まだまだこれからですよ」

 

 羽島さんの言葉にそう返す。そう……まだ切れる札はあるし、これから引く札が逆転の一手になるかもしれない。メインデッキの上に手を乗せ宣言する。

 

「俺のターン!レディ、アップキープ、メイン・ライフドロー、……!色彩はセットしない、まずは通常魔法魔法<抱き寄せ>をプレイ!手札のカードを1枚捨て、2枚ドロー!」

 

 色彩を1枚墓地に送り、ドローしたカードは……!良しこれならいける!!

 

「7コスト生成。3コストで<夜侵猟団・血魂の魔女>プレイ、通りますか!」

 

「来るか!通るで!!」

 

「では<夜侵猟団・血魂の魔女>を召喚!その際追加で2コスト消費し【烙印】を発動、効果を説明します。召喚する際に追加で2コストを支払った場合、フィールドに存在する全てのクリーチャーに楔カウンターを1つ付与することができる」

 

 そう宣言し、自分の場にいるクリーチャーのカードの上にチップを置いていく。

 羽島さんも自分の場のウーパールーパーの上に【点火】カウンターのダイスとは別に、【楔】カウンターとしてチップを乗せる。

 

「魔女のパワーは自身に重なる楔カウンタ―の数と等しい。そのため現在の魔女はパワー1、タフネス3。そして追撃者に楔カウンターが乗ったことで修正され3/4に。そして2コスト支払い秘宝<継ぎ接ぎの呪剣>をプレイ!対象は追撃者!」

 

「通るなぁ」

 

 楽しそうな表情で羽島さんが言う。手札を使い切っている上、これまで墓地に落ちたカードに妨害を行えるものはない。ゆえに彼女はこちらを止めれない。

 

「では効果を説明する、<継ぎ接ぎの呪剣>はクリーチャーに対応させる秘宝。これを重ねられたクリーチャーのパワーは+2上がり、【貫通】を持つ。そして<継ぎ接ぎの呪剣>はいずれかの場から墓地に送られた時にカードを一枚引く」

 

 説明しながら<継ぎ接ぎの呪剣>のカードを追撃者のカードに重ねる。

 

「<継ぎ接ぎの呪剣>が装着されたことで追撃者のパワーが修正されて5になり、【貫通】を得る。……分かりやすいようにダイスを置きます」

 

 ダイス入れから取りだした10面ダイスを二つ、追撃者の上に乗せる。パワーとして5の面を上にしたのと、タフネスとして4の面を上にしたものを。

 

「そして魔法<要石の儀式>をプレイ!【連鎖】これはこのターン3枚以上のカードをプレイしていた場合、メインデッキの上から4枚墓地に送ってもいい」

 

「ええやん、盛り上がって来たなぁ!」

 

「ではメインデッキの上から4枚を墓地へ送る」

 

 メインデッキの上から4枚を引き抜き、カードを確認。そして墓地へ送る。

 

「<要石の儀式>の効果を発動!墓地からパワーが2以下のクリーチャー1体を、+1/+1の修正を加えて盤面に戻す、俺は<夜疾猟団・銀窓の復讐姫>を戻す」

 

 墓地のカードを捲り、復讐姫を引き出しフィールドにセットする。

 

「修正されたことでステータスはパワー1、タフネス3に。そして復讐姫のパワーはコントロールする【死霊】に比例して上昇する。現在コントロールしている【死霊】は3体、よって復讐姫のパワーは4となる。そしてこの効果が発動すると誘発して自身に楔カウンターを1つ乗せる」

 

 場に出した復讐姫のカードの上に能力値用のダイス2つと、【楔】カウンターのチップを乗せる。

 

「また復讐姫が場に出たことにより、クリーチャーに楔カウンターを1つ乗せる。対象は追撃者!楔カウンターが乗ったことで追撃者の能力が上昇、6/5になる」

 

 追撃者の上のダイスを回してパワー6のタフネス5に。

 

「バトルフェイズへ!」

 

「来いやぁ!!」

 

 一気にクリーチャーをそろえた俺に対し、羽島さんは獰猛な笑顔でかかってこいと言う。互いにテンションが上がっていく。

 

「俺は強化された<夜疾猟団・深淵の追撃者>で攻撃!6点攻撃です」

 

「ライフで受ける!チェックや!!」

 

 受けたダメージの分、羽島さんがライフデッキからカードを捲って場に出していく。

 

「<燻る大地>、色彩、色彩、……呪言<間一髪>!ダメージを1点に抑えて、場に出たカードをデッキに戻しシャッフルするで!」

 

 ダメージを抑えられた、残り11点

 

「……これでターンエンド。良い引きですね」

 

「そっちこそ一気に攻めて来るやん?」

 

「残りライフで負けてますねからね。攻められる時に攻めないと追いつけませんから」

 

「追いつけるか楽しみやな……うちのターン!レディ、アップキープ!ウーパールーパーに【点火】カウンターが乗り2に!」

 

 ウーパールーパーの上のダイスを回し2に。

 

「メイン、ライフ、ドロー。色彩をセット、4コストを生成!1コストで<焼け石拾い>発動、対象はファイター!」

 

「チェックします……色彩」

 

 これで俺の残りライフは6点。

 

「3コストで<火炎吐き大鰐(オオワニ)>をプレイ!」

 

「通ります」

 

「よし、<火炎吐き大鰐>を召喚、パワー2のタフネス3や。場に出たことで【点火】カウンターが1つ乗るで。そしてこいつの常在効果発動、自身の【点火】カウンター1つにつきパワーが1上昇する!」

 

 羽島さんの場に体が大きくなり、立派な火炎を吐くようになった大鰐のイラストのカードが出る。こいつは自分の【点火】カウンター分パワーを上昇させる。

 爆発するその瞬間まで強くなり続ける、寿命が来るまで成長し続ける鰐らしいクリーチャーだ。

 

「こいつは【速攻】を持つ……が攻撃はせん。ターンエンドや」

 

 そう言い羽島さんは俺にターンを譲る。その判断は正しいものだろう。

 仮に大鰐が攻撃してきたら俺は放火範ゴブリンでブロックしていた。当然パワーで負けている放火範ゴブリンは破壊されるが、その場合血魂の魔女の能力が発動。

 破壊された放火範ゴブリンの上の【楔】カウンターは魔女の上に移り、ダメージを負った大鰐の上に【楔】カウンターが乗る。

 その効果は説明していなかったが、コストを支払って【烙印】を発動させた事から何かがあると考え警戒したのだろう。……良い感をしている。

 

 

 これで5ターン目が終了。俺の残りライフは6点、次のドローフェイズのライフドローで5点になる。対して羽島さんの残りライフは10点。ライフ量ではあちらが有利。

 

 一方でフィールドにいるクリーチャー達については逆だ。

 俺が『<夜疾猟団・深淵の追撃者>、<放火範ゴブリン>、<夜侵猟団・血魂の魔女>、<夜疾猟団・銀窓の復讐姫>』の4体。

 羽島さんのフィールドは『<溶岩湖のウーパールーパー>、<火炎吐き大鰐>』の2体。

 パワー・タフネス共に俺のコントロールしているクリーチャーの方が勝っている。

 そして手札も俺は2枚残しているのに対し、羽島さんは全て使い切っている。

 

 バーンデッキの弱み、それは溜め込んだリソースで焼ききれなかった場合、逆に追い詰められてしまうこと。

 同じバーンでも弾丸犬(ミサイルドッグズ)は毎ターン手札に戻る能力持つため継戦能力が高い。

 それに対し灼熱龍士(サラマンドレイク)はフィールドのクリーチャーが自壊してバーンダメージを吐き出す仕組みな為、手札切れが起きやすい。

 その代わり弾丸犬は低パワーの盾モンスターを並べられるとダメージを与えられないし。灼熱龍士はデメリットに見合った火力を出せるのが強みだ。

 どちらも良いところ、悪いところ、両方ある。

 僅かな時間で色々と考えを巡らせたが。

 

 

 ――要するに、このファイトは中盤を抜けて終盤に入ったのだ。

 

 

 

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