櫛田の中学に転校した 作:スクラップドラゴン
感想をくれた人の意見を参考にしました。
あの日、プライドを粉々に砕かれて涙目で帰っていった堀北鈴音だったが、彼女の持つ驚異的な負けず嫌いと執念は、俺の想像を超えていた。
翌日の放課後、校門を出た俺と櫛田の前に、昨日と変わらぬ凛とした、だがどこか焦燥感を孕んだ表情の堀北が再び立ちはだかった。
「水野君。……今日も、貴方の家に行ってもいいかしら」
「別に良いが? どうしたんだ、急に」
俺が不思議そうに問い返すと、堀北は気まずそうに視線を逸らし、組んだ腕にぎゅっと力を込めた。
「ドローンの操作よ。……昨日のは、私が風の計算を誤っただけ。今日こそ、完璧に成功させて見せるわ。このまま負けたままでいるなんて、私のプライドが許さないの」
「ふふっ、いいよ、堀北さん。また私の完璧なフライト、見せてあげるね♪」
隣の櫛田が、学校用の完璧な「聖母」の笑顔で快諾する。
だが、その瞳の奥には『また陽斗君の前で恥をかきに来たの?』という、最高に意地の悪い愉悦がギラギラと輝いていた。俺の隣という安全地帯にいるからこそ、櫛田は堀北を観察し、そのプライドが揺らぐ瞬間を特等席で楽しもうとしていた。
その日も、俺の家の庭でドローンの操作が行われた。
堀北は昨日以上に集中し、俺のアドバイスを忠実に守ろうとしていたが、やはり俺の設計した機体は一筋縄ではいかない。風に煽られ、何度も体勢を崩すドローンを前に、堀北は額に汗を浮かべながら必死にプロポを操作していた。
その横で、櫛田はまるで手足のようにドローンを旋回させ、格の違いを見せつける。堀北は悔しさに唇を噛み締めながらも、諦めることなく何度も挑戦を続けた。
そして驚いたことに、またその次の日も、堀北は俺の家へやってきた。
今度は、その手に綺麗にラッピングされた小さな箱を携えて。
「これ……お裾分けよ。昨日のお礼というか、その、手土産ね。美味しいと評判の店のケーキだから、貴方達で食べるといいわ。代わりに……今日もまた、ドローンを使わせて貰うわよ」
ツンとそっぽを向きながらケーキの箱を差し出す堀北の姿は、およそ他人に頭を下げるのが嫌いな彼女にしては、最大限の妥協であり歩み寄りだった。
「わあ、ありがとう堀北さん! すっごく美味しそう!」
櫛田は嬉しそうにそれを受け取り、その日の休憩時間は三人でケーキを囲むことになった。リビングのソファに三人で並び、他愛のない(と言っても大半は堀北の的外れなプライド交じりの雑談だが)話をしながらケーキを食べる。
そんな日々が、一日、また一日と積み重なっていった。
最初はただの「リベンジ」のために来ていたはずの堀北だったが、毎日通ううちに、堀北と櫛田の二人の関係性に奇妙な変化が訪れた。
「くっ……また風に流されたわ。どうして私の指示通りに動かないのかしら……!」
庭の芝生の上で、堀北は額に大粒の汗を浮かべ、必死の形相でプロポのレバーを小刻みに動かしていた。いつもなら完璧に整っている黒髪が少し乱れ、唇をぎゅっと噛み締めている。その姿は、周囲を見下す孤高の天才などではなく、ただ目の前の壁を乗り越えようと必死にしがみついている、一人の不器用な少女そのものだった。
その様子を、櫛田はソファーに腰掛け、冷たい、どこかあざ笑うような目でいつものように眺めていた。本来の彼女なら、生意気な堀北が泥臭く苦戦している姿は格好のエンターテインメントであり、ずっと下手なままでいてくれた方が都合が良かった。
だが、連日、プライドを傷つけられながらも、一切の言い訳をせず、ただひたむきに、ボロボロになりながらドローンに向き合い続ける堀北の「脆さと真っ直ぐさ」を間近で見ているうちに――櫛田の胸の奥で、カチリ、と何かのスイッチが切り替わった。
(……本当に、この人ってバカみたいに不器用。……放っておけないじゃない)
いじめられ、孤立していた自分に、ただ一人寄り添い続けてくれた陽斗の温もりを知っているからだろうか。一人で頑なに意地を張り、孤独に戦おうとしている堀北の姿に、櫛田はふと、かつての自分の弱さを重ねてしまったのかもしれない。
それは、計算高い彼女にとって、全くの「気まぐれ」であり、初めて他人に抱いた本物の「情」だった。
「はあ……っ、また右に――」
焦りで操作が一段と荒くなり、ドローンが塀に向かって突っ込みそうになったその瞬間。
「あーあ、もう見てられない。堀北さん、ちょっと貸して」
桔梗はため息混じりにソファーから立ち上がると、堀北の背後からすっと手を伸ばし、彼女の小さな手の上から、プロポのレバーを優しく包み込むようにして握った。
「え……? 櫛田さ――」
「いいから、力抜いて。堀北さんは頭が良いんだから、理屈で考えすぎなの。風を『敵』だと思って無理に制御しようとするから、機体が喧嘩しちゃうんだよ」
櫛田のトーンは、学校で見せるハキハキとした演技の声ではなく、どこかぶっきらぼうで、だがひどく等身大で心地よい、身内に向けるような響きを含んでいた。
「私の指の動き、感覚で覚えて。……ほら、風が右から来たら、レバーは弾くんじゃなくて、こうやって優しく『置く』の」
「あ……」
櫛田の指の動きと同調した瞬間、それまで狂ったように暴れていたドローンが、嘘のようにピタリと空中で静止した。風の抵抗を滑らかにいなし、まるで意思を持っているかのように、庭の中央で美しくホバリングを維持している。
「レバーを離して。……今度は一人で、ゆっくり右に回してみて」
櫛田がそっと手を離す。堀北は緊張に息を呑みながらも、今教わったばかりの「指の感覚」をなぞるように、慎重に、優しくレバーを傾けた。ドローンは滑らかな曲線を描きながら、風を切り、庭の空間を綺麗に一回転してみせた。
機体はどこにもぶつかることなく、再び堀北の目の前へと美しく戻ってくる。
「……できたわ。私、ちゃんと旋回させられた……!」
堀北の瞳が、パッと大輪の花が咲いたように輝いた。プロポを胸に抱きしめ、信じられないというように自分の手を見つめたあと、隣に立つ櫛田の顔を真っ直ぐに見つめる。
「ありがとう、櫛田さん。貴方の教え方、その……とても、分かりやすかったわ」
少しだけ頬を赤らめ、はにかむように、だが心からの感謝を述べる堀北。
それを見た櫛田は、ふいっと視線を逸らしながら、少しだけ誇らしげに胸を張った。
「ふん、私が教えたんだから当然だよ。これくらい出来なきゃ、いつまで経っても私のライバルになれないでしょ?」
ツンとした口調ながらも、櫛田の口元には、堀北を自分の手で『成長』させたということへの、そして、あの孤高の堀北鈴音が自分を信頼して笑いかけてくれたということへの、これまで感じたことのない温かな優越感と満足感が、確かに宿っていたのだった。
「違うよ、堀北さん。そこはレバーを急に引いちゃダメ。もっと優しく、こう……風を包み込むみたいに動かすの」
「くっ……こうかしら? ……あ、本当に安定したわ」
「そうそう! ほら、やればできるじゃない♪」
自分の手で堀北を「教育」していくプロセスの中で、櫛田の中に奇妙な感情が芽生え始めていた。
本来の櫛田であれば、堀北のような生意気な女が成長するのは面白くない、むしろずっと下手なままでいて見下していたいと思うはずだった。しかし、教え込んでいるのが自分自身であるということ、そして、あの孤高の堀北鈴音が、自分の言葉一つに真剣に耳を傾け、一喜一憂しているという事実が、櫛田の歪んだ優越感をこれ以上ないほどに満たしていた。
『あの堀北鈴音に、勉強以外のものでモノを教えてるの、この私なんだ。彼女の成長は、私の手のひらの上にあるんだ――』
そんな傲慢な独占欲と優越感が、櫛田の心を満たしていた。結果として、奇妙なことに、櫛田と堀北は日を追うごとに目に見えて仲良くなっていったのだ。
他人に心を開かず、常に刃を突き立てるようだった堀北の雰囲気も、俺の家という奇妙な空間と、櫛田の計算された(だがどこか本気の情が混じり始めた)包容力によって、何処か少しずつ丸くなっていくのが分かった。
季節は流れ、木々が枯れ葉を落とす頃になると、いよいよ本格的な受験シーズンが近づいてきた。
ドローンの練習だけでなく、三人で俺の部屋に集まり、受験勉強に励むことも多くなった。模試の問題を解き合い、俺が二人の弱点をチート知能で瞬時に見抜いて解説する。そんな時間が、当たり前の日常になっていた。
だが、別れの季節は確実に近づいていた。
ある日の勉強会。過去問を解き終え、一息ついた静寂の中で、櫛田が少し俯きながら、ぽつりと呟いた。
「……本当に行っちゃうんだね、堀北さん」
櫛田の声には、いつもの演技ではない、本物の寂し気な色が混ざっていた。毎日自分の家のように通い詰め、一緒に笑い、一緒に悔しがっていた風変わりな友人が、もうすぐ遠くへ行ってしまう。その事実が、櫛田の胸を少しだけ締め付けていた。
「ええ……。私は、あの学校へ行くわ。国営の、高度育成高等学校へ。……あそこへ行って、私は兄さんを追わなければならないの。だから……この辺で、私達のこの集まりも、終わりね……」
堀北はそこまで言うと、不自然に言葉を詰まらせた。彼女自身、この数ヶ月間で築かれた俺たちとの奇妙で居心地の良い関係に、どれほど救われていたかを自覚していたのだろう。だが、彼女には「兄に認められる」という絶対的な目的があった。それを捨てることはできなかった。
堀北が去り、夜の静寂が戻った俺の部屋。
残された櫛田は、ソファの上で膝を抱え、じっと一点を見つめて考えていた。
元々、高度育成高校に行く理由など、俺たちには無かった。
学費無料や進学率100%という謳い文句は魅力的だが、俺のチート能力と資産があれば、どこの学校に行こうが将来などいくらでも保証される。目立つリスクのある国営の特殊な学校へ、わざわざ飛び込むメリットは無かった。だから俺は、堀北の命令を無視して、地元の県立高校へ行くつもりだと公言していた。
「ねえ、陽斗……どうしようかな。陽斗はあそこ、行かないんだよね……」
「ああ。俺には行く理由がないからな」
「……そうだよね。でも……」
櫛田はそこで言葉を濁し、ぽつりと呟いた。
「堀北さん……一人で、大丈夫かな……?」
あの不器用で、プライドばかり高くて、友達の作り方も知らない黒髪の少女。自分たちが側にいなければ、あの冷徹な学校で、また一人ぼっちになって孤立してしまうのではないか。いつの間にか、櫛田の中で堀北鈴音という存在は、単なる「見下す対象」から、「放っておけない、私の所有物であり友人」へと変化していたのだ。
その日は、幾ら二人で悩んでも、結局答えは出せなかった。陽斗と同じ学校に行きたいという強い気持ちと、堀北を一人にすることへの一抹の不安。櫛田の心は激しく揺れ動いていた。
しかし、運命は思わぬ形で、向こう側から俺たちを強制的に手繰り寄せた。
数日後の放課後。
俺と櫛田は、担任の教師を通じて、突如として『生徒指導室』へと呼び出された。
重苦しい灰色のドアを開けると、中には担任だけでなく、学年主任、そして見たこともない上質なスーツを着た教育委員会の幹部クラスと思わしき男が、神妙な面持ちで座っていた。
「二人とも、よく来てくれた。座りなさい」
促されるまま、俺と櫛田は並んでパイプ椅子に腰掛けた。櫛田はいつもの優等生の顔を浮かべているが、その手は緊張で少し強張っている。
生徒指導の教師が、デスクの上に置かれた、金の刺繍が施された重厚な封筒を俺たちの前に
「実はな……君達二人に宛てて、あの『高度育成高等学校』から、直接の紹介状、いや、特例のオファーが届いているんだ」
「紹介状……ですか?」
櫛田が驚いたように目を丸くする。堀北が進学するあの学校から、なぜ自分たちに。
教師は一度深く息を吐くと、特に俺の顔を、まるで国宝でも眺めるかのような信じられないといった目で見つめ、口を開いた。
「水野君。……君には、学校側から信じられないほどの『超破格の条件』が提示されている。学校側は、君が自作しているドローン技術や、ハッキングに対抗するセキュリティ能力、そしてあの模試や試験で見せた規格外の知能を、すでに完全に把握しているそうだ。……あちらの学校に入学した際、君には『特別な個人部屋』を用意するとの事だ」
「特別な部屋、ですか」
「そうだ。通常、あの学校は全寮制で厳しい規律がある。だが君に限っては、部屋の中に国防用のドローン研究を続けるための機材や、高度なサーバーシステムを持ち込むことを完全に許可する。それだけじゃない……君のやり方で、その部屋のセキュリティを幾ら厳重に、それこそ国家機密レベルにガチガチに暗号化しても、学校側は一切干渉しない、不問に処すとの事だ」
教師の言葉が響くたび、隣にいる櫛田の息が荒くなっていくのが分かった。
中学生に対して提示される条件としては、あまりにも常軌を逸している。学校の中に、国家レベルの研究室をそのまま私室として持ってきていいと言っているようなものだ。
「どういう事ですか……? 学校のルールをそこまで歪めて、俺を呼ぶメリットが向こうにあるんですか」
俺が冷淡に問い詰めると、スーツ姿の男が代わりに一歩前に出て、資料を開いた。
「メリットどころの話ではないよ、水野君。高度育成高校、延いては『国』が、君という才能を喉から手が出るほど欲しているんだ。君が持つ物資や試作ドローン、開発機材は、どれだけ学校に持ち込んでもいい。そして……これが最大の特例だ。卒業後、君にだけは国からの特例で、就職先の幅をさらに広げて、好きなように決めて良いとの事なんだ。……これを見てくれ」
先生が見せてきたタブレットの画面には、目も眩むようなリストが並んでいた。
防衛省技術研究本部、内閣情報調査室、国家安全保障局、さらには世界的な巨大軍事産業やサイバーセキュリティの最高中枢。およそ一介の高校生が卒業後に進む枠ではない、国の根幹を支える最高機密機関ばかりが、ずらりと「水野陽斗に就職して欲しいリスト」として名を連ねていた。
「……っ!」
櫛田は隣で、完全に言葉を失って画面を凝視していた。彼女は俺が凄い男だと知っていた。自分の世界を救ってくれた神様だと狂信していた。だが、その俺の価値が、すでに一学校の枠を超え、国家レベルで『買い取りたい』と懇願されるほどの超弩級の怪物であったことを、今この瞬間に見せつけられたのだ。
「本来、この学校の推薦枠は各中学から最大でも2人までと厳格に決まっている。だが、君に関しては推薦枠という生温いものではない。特例中の特例だ。高度育成学校、いや政府が、水野陽斗という才能を完全に『買い取りたい』と言っているんだよ」
教師は興奮を隠せない様子で、ごくりと唾を飲み込んだ。
「そして、君が首を縦に振ってくれるなら……隣の櫛田桔梗さん。彼女に関しては、我が校の持つ正式な推薦枠を使って、確実に合格させて高度育成高校へ送り込むと約束しよう」
「え……私を、推薦枠に……?」
櫛田の声が裏返る。悩んでいた高度育成高校への道が、陽斗へのオファーの『付属品』として、あまりにも簡単に、確定した未来として目の前に差し出されたのだ。
「さらにだ、水野君」
スーツの男が、さらに恐ろしい条件を付け加えた。
「君が在学中であっても、君の作ったドローン技術やプログラムに関しては、国との直接の『取引』による売却や運用を可能とする。もちろん、相応の莫大な対価(プライベートポイント)が君個人の口座に支払われる手筈だ。寧ろ、君のその頭脳と技術を他国や外部のテロ組織から守るために、在学中であっても、君専用に『国からの秘密裏の護衛(SP)』を学校内や周囲に配備・用意するとの事だ。……これほどの条件は、あの学校の歴史上、過去にただの一度も存在しない」
生徒指導室の中に、重苦しい、だが熱を帯びた沈黙が広がった。
国からの最高待遇。専用の研究室、セキュリティの完全自由、卒業後の国家中枢への切符、そして、自分を守るための国家の護衛。すべては、俺というチートな転生者を、その学校という檻に囲い込み、国の利益にするための破格の囲い込み戦略だった。
俺は隣の櫛田を見た。
彼女は驚きで顔を上気させ、信じられないものを見る目で俺を見つめていたが、その瞳の奥には、確かな『歓喜』の炎が灯っていた。
陽斗と一緒にいられる。それも、国家が認めた最高の環境で。さらに、自分たちのせいで一人ぼっちになるかもしれないと心配していた、あの堀北鈴音と同じ学校へ、大手を振って進学することができるのだ。
「……陽斗君」
櫛田が、祈るように俺の手を机の下でぎゅっと握りしめてきた。その手のひらは、興奮と期待で熱くなっていた。
これほどの国家級の最高待遇。専用の研究室、セキュリティの完全自由、卒業後の国家中枢への切符、そして自分を守るための国家の護衛。一見すれば、これ以上ない完璧な条件だった。
それでも、俺自身はまだ心のどこかで迷いがあった。
高度育成高校――あの徹底された実力至上主義の閉鎖空間。原作の知識を持つ俺だからこそ、あそこがどれだけ歪で、危険に満ちた場所であるかを誰よりも理解している。
幾ら俺の部屋のセキュリティが国家レベルで厳重になるとはいえ、本当に、あの過酷な箱庭に櫛田を連れて行って大丈夫なのだろうか。せっかく中学の地獄を乗り越え、俺の隣でようやく平穏と本当の笑顔を取り戻しつつある彼女を、再びあの欺瞞と策略が渦巻く戦場へ引きずり込むことが、本当に正しい選択なのか……。
だが、握られた俺の手にかかる力強さが、その迷いを打ち消した。
俺を見つめる櫛田の瞳は、真っ直ぐに輝いていた。
彼女は行きたがっているのだ。ただ陽斗と一緒にいたいというだけでなく、この数ヶ月間、俺の家で不器用ながらも一緒に笑い、一緒にケーキを食べ、共に勉強してきたあの堀北鈴音と――「また3人で、あの学校生活を送りたがっている」のだと、彼女の熱い体温を通じて痛いほど理解できた。
ならば、俺に断る理由なんて最初からない。彼女がそれを望み、その未来へ進みたいと言うのなら、俺はどんなリスクがあろうと彼女の盾になり、矛になるだけだ。
例えあの学校にどんな不条理が待ち受けていようと、俺も彼女と共に乗り越えて行く。その覚悟が、俺の胸の中で静かに、だが絶対に揺るがない鋼の決意へと変わった。
俺は机の下で彼女の手を握り返し、デスクの上の金の封筒を見つめながら、静かに、だが明確な声で告げた。
「分かりました」
俺は特例の紹介状を手に取り、真っ直ぐに教師たちを見据える。
「その条件、すべて呑みましょう。俺たちの進路は――高度育成高等学校に決定します」
俺の言葉を聞いた瞬間、櫛田の顔に、今日一番の、そして世界で一番愛おしい勝利の笑顔が咲き誇った。
感想を送ってくれた方本当にありがとうございます。
因みに自分の案だと櫛田が自ら主人公を誘う感じで通すつもりでした。
ですが、今回の助言でリアル感が出てきました。
さて主人公達のクラス…
櫛田とオリ主はそれぞれ何クラス配属が妥当かな?
-
櫛田、水野共にA
-
櫛田A、水野B
-
櫛田A、水野C
-
櫛田A、水野D
-
櫛田B、水野A
-
櫛田、水野共にB
-
櫛田B、水野C
-
櫛田B、水野D
-
櫛田C、水野A
-
櫛田C、水野B
-
櫛田、水野共にC
-
櫛田C、水野D
-
櫛田D、水野A
-
櫛田D、水野B
-
櫛田D、水野C
-
櫛田、水野共にD