翌朝、教室に早々と着き暇を持て余した俺は葉隠さんと鍛える約束を交わしたのを思い出して日課のトレーニングを見直し時間を組み直すことにした。
先ずはどこまで戦えるのかを見極めることを優先的にし組み手を最初に行いそれから得手不得手を確認する、そうやっていこうと考えていると始業のチャイム音がなりクラスメイト達も席に着いていく葉隠さんもとなりの席に着きこちらへ視線をむける。
「おはよ北風くん」
「おはよ、葉隠さん」
簡単な挨拶を交わすとお互いに前を向き先生の話を聞きホームルームが始まる。
「さて、2年生になった君たちも進路について考える時期だ帰りのホームルームでプリントを配るので覚えておくように」
「「はい」」
「うん、それじゃあホームルームは終わり」
そう先生が言うと出席簿を持ち扉へと向かい職員室に戻って行った、それを見送るよりも先に生徒たちはそれぞれの話を始める。
それこそ葉隠さんも勿論のことこちらへ顔を向け話を始めて来た。
「ねぇ、北風くんは進路を雄英高校にするんだよね」
「あぁ、そのつもりだよ、熱烈に誘われたからね」
その言葉を聞いた葉隠さんは頬を膨らませると私怒ってますとばかりに両腕を振りアピールする。そんな事せずともはっきりと見えてるからと思いつつ言わぬが仏とばかりに初めて見た時からいつも言わずにいる。
「あー、そーいうこと言うんだね、いじわる」
「間違ってるかな?」
「まぁ?、あながち間違えとは言えないなー」
「そうだね」
おどけた感じで手を広げる彼女のその様子に思わず笑いが溢れてクスッとしてしまい、それを拍子に二人して一緒に笑っていた。
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放課後になり約束したので葉隠さんを鍛えるためにもジムへと一緒に向かう。
「北風くん、何するの?」
「先ずは組み手をしようかな」
その言葉に不思議そうにしつつ理由を尋ねる葉隠さんは顎に人差し指を当て首をひねる。
「最初から?」
「うん、どのくらい動けるのか見たくてね」
「なるほどー」
「まぁ、全力でかかってきなよ」
「む、これでも結構運動神経良いんだよ!」
私は怒ってますとばかりに腰に手を当て胸を張る葉隠さんの姿に少しドギマギした俺は目線をそれとなくそらす。
「フフ、そうだとしても、そう簡単に負けやしないよ」
「言ったなー?負けないからねー!」
ファイティングポーズをしてシャドーする姿は意外と様になっていて感心した。
「いくらでもかかってきな」
「やったるぞー!」
動きやすい服装に着替えて合流したら準備運動をして体ほぐした後、リングに上がらせた。
互いに向き合い礼をすると構えをとる、今回俺は葉隠さんの実力を図る為に自分から動くことはしない。
「やぁぁ!」
「ふっ!」
こちらへと1歩踏み出して右腕を振りかぶりストレートパンチを繰り出すのを見切り手で弾く、それで終わらずにすかさず左腕で顔面を狙い打ってくる。
「良い流れだ!見えてなかったら当たってたぞ!」
上体を逸らしてパンチを避けると目の前を拳が通って行く、2撃とも対処されて警戒する様になったのか1歩引いてこちらを見つめる。
「全然、当たらない」
「そう簡単に当たってたまるか」
そう言うと挑発として手招きしながら返答すると、目をキッと鋭くさせこちらへと向かって来た。
「これねらどうだ!」
左足を軸に右足を出して低い位置に蹴りを繰り出すと俺は半歩引いて避けてから1歩踏み出す、そのテンポに惑わされた葉隠さんは尻もちを着いて倒れてしまう。
「あぅ!」
「まぁ、ここら辺でいいかな」
彼女に手を差し出して起こすとリングから出る、そして今日からするメニューを考えて伝える事にした。
「ある程度だけど動けることはわかった、その上で強くなるには俺とひたすらに組手をする、後は体力をつけるためにもランニングかな?」
「いっちょやったりますか!頑張るよー!」
組手と聞きさっきまで翻弄されてたのを糧にやる気が起きたようだガッツポーズをしてエイエイオーとばかりに腕を突き上げていた。
「やる気があるのは結構、大きな怪我しないようにね」
「もっちろん!」
そこから彼女と俺のトレーニングの日々が始まった。
朝はランニングをしてから登校し、放課後にはすぐ帰り組手をして各自の家で勉強も行い試験対策を怠らずにする、プラスで個性訓練も並行してする、俺の個性は人に向けて全力で使うものではないからだ。
「ふぅ……もっと対人向きに威力を落とさないとな」
目の前には吊るされたタイヤがあり大きく揺れている、戦闘向きではない個性の人間がこれを殴っても鍛えてないとそう簡単に揺れることの無いトラックのタイヤは前と比べて壊れることは無くなったが、個性の調節を少しでも間違うとすぐに吊るすためのワイヤーかタイヤがお釈迦になってしまう。
「龍尾での一撃は硬い相手もしくは対物に限定した方が早いな」
昔から1番調節しにくいのは人体には元から生えてなかった尻尾の部位だった、こればかりは仕方ないことなのかもしれない。
「でもまぁ、鎧の姿になってもタイヤを壊さなくなったのは1番の成長だな」
古龍になる1歩手前の姿は刺々しく篭手や脛には何故かトゲが生えており、胸には瞳のような宝石が輝き頭には王冠の如き角が生えて中央には宝石が輝いている、プラスで背中には翼が生えてマントのようになっていてしっぽも生えて腰付近に垂れている、ふたつとも大きくなって機能することも出来るため武器となる。
「さて、今日はこのくらいにして寝るか」
そう言うと山を降りて自転車に乗って家へと帰ると
父が待っていた。
「おかえり」
「ただいま」
料理は家政婦さんに任せて作って貰ったのを温めて食卓に並べ食事をしながら父と言葉は少なくとも話す。
今日のメニューはコロッケだった、好物を前に少しテンションが上がる。
「今日もトレーニングお疲れ様」
「ありがとう」
「どうだ?自信の程は」
味噌汁を啜り口の中のものを飲み込み考えを返答する。
「ん、まぁ大丈夫だと思うくらいにはある」
「そうか、俺と母さんの子供だきっと受かるさ」
「うん、きっと受かると思う」
普段の事を話しつつも食事を続けた後は各自それぞれの時間を過ごす。俺は勉強を、父は読書を、けれども不思議と落ち着く、母は居ないけど見守ってくれてる気がするし父も俺も一人の時間が好きなところが似ているのだと思う。
そうやって過ごした1年、俺は雄英高校の門の前に立っていた。
「行こうか葉隠さん」
「うん、北風くん」
ここからが正念場だ、俺のヒーローアカデミアが始まる始発点だ。
主人公北風くんの鎧姿は主にモンスターハンター:ワールドのミラボレアス装備が元になってます。良ければ調べて見てね