名探偵…それは常に事件と隣り合わせの存在だ。名探偵が居る所に事件ありと言った所だろう。
「この連続殺人の犯人は…あなただ」
そう言って男性を指差したのは一人の少年だ。容姿は童顔で、黒い長髪を後ろに結んでいる。月並みの表現になるが、まさしく美少年と言っても良いだろう。
少年の推理によりこの屋敷で起きた連続殺人事件の犯人は逮捕され、事件は無事解決した。
「また君に助けられるとはな…ご協力感謝するよ、ひなた」
刑事と思われる女性が少年に敬礼する。ひなたというのはこの少年の事だろう。
「ありがとうございます。力になれたようで何よりです、南河刑事」
そう言って少年は刑事にお辞儀をする。
「堅苦しい呼び方はやめてくれっていつも言ってるだろ?優花って呼んでくれ」
「じゃあ…優花」
「優花さん、だ」
「
優花と呼ばれた女性刑事は少年の頬を引っ張る。
「さて、後の事は私達に任せて、君は家に帰りなさい。明日は君の幼馴染の誕生日なのだろう?」
「あ、そうでした…」
「君、まさか忘れていたのか…?」
「うっかりしていただけです。現にプレゼントはもう用意してありますし」
「フフッ、なら良いんだ」
それから少年はこの屋敷を後にしたのであった。
少年の名は
「あっ、ひなた~!」
事件の翌日、ひなたが目的の場所に向かっていると、前からひなたと同世代くらいの少女が手を振りながら走ってきた。
この少女の名は明智あんな。ひなたの幼馴染だ。
「おはようあんな」
「おはよう!…ムッ、またいつもと同じ格好してる!」
ひなたの服装は黒のパーカーにデニムの半ズボンといったもので、頭には青色のキャップ帽を被り、両足には黒色のスニーカーを履いていた。
「カッコイイでしょ?」
「えっ、カ、カッコイイよ…じゃなくて!ひなたははなまる可愛い
この小説を読んでいる者がいればこの少女、あんなの言葉に耳を疑った事だろう。だが彼女が言っている事は事実だ。先程からひなたを少年と言っていたが、実際は少女だったのだ。
「だってこの格好の方が護身術を使いやすいし、フリフリした服を着てるとどうも落ち着かないんだよ」
「えぇ~…ひなたは顔もスタイルも良いから、はなまる似合うと思うのに…」
「フフッ、相変わらず仲が良いのね」
先程あんなと一緒にいた女性が遅れてこの場にやって来た。
「あんな。気持ちはわかるけど先に行かないの」
「えへへ、ごめんねお母さん」
「おはようございます、あんなのお母さん」
「おはようひなたちゃん」
ひなたはあんなの母に挨拶をし、あんなの母もひなたに挨拶を返した。
「ひなた!今からバースデーケーキを買いに行くところなんだけど、良かったら一緒に行かない?」
「良いの?」
「うん!良いでしょお母さん?」
「フフッ、勿論」
「…そういう事なら、お言葉に甘えるよ」
それから明智母娘と共にあんなのバースデーケーキを買いに行ったひなたはそのままあんな達が住むタワーマンションに来ていた。家に入るとあんなは着ていたコートを脱ぎに自室へ入っていった。
「そういえばひなたちゃん、優花さんから聞いたよ。また事件を解決したんだって」
「はい…まぁ、パーティーに呼ばれた先で偶々巻き込まれて、成り行きで事件解決に乗り出しただけなんですけど…」
「それでも、いつも自分から事件を解決しようと動いてるじゃない。あまり無茶はしないでほしいけど、正義感を持っているのは良い事よ。これでまたひいお祖父さんに近づいたんじゃない?」
「ありがとうございます。でも、まだまだひいお祖父ちゃんには遠く及びませんよ」
そう言いながらひなたはお茶を飲む。
するとあんなの部屋から彼女の叫び声が聞こえてきた。
「どうしたのかしら?」
「僕、見てきます」
ひなたは席を立ってあんなの部屋に向かう。部屋のドアを開けた先でひなたが見たものは慌てるあんなに謎の小動物、そして光に呑み込まれようとする一人と一匹だった。
「ま、まだ説明してないポチ~!」
「あっ、ひなた!」
「…なるほど、夢だなこれ」
「夢じゃないよ~!」
「冗談さ」
そう言いながらひなたはあんなの腕を掴んで引き寄せようとするが、その前に光がひなた達を呑み込んでしまった。
イメージCV:内田真礼
15歳の中学三年生。いつも男の子の様な格好をしているが、れっきとした女の子だ。何でも彼女の曾祖父は有名な名探偵らしいが…?
イメージCV:佐倉綾音
35歳の女性刑事。大人顔負けの推理力を持つひなたを一目置いている。