神奈川県警の女神様   作:かなっち館長

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第8話 監察官室

県警本部の朝は、いつもより重かった。

 

窓の外には淡い朝日が差している。

だが、捜査一課の執務室に明るさはなかった。

 

机の上には、三年前のひき逃げ事件の資料。

村瀬浩一殺害事件の捜査資料。

三浦亮介の供述記録。

佐伯慎吾の携帯から抽出された録音データ。

そして、久我悠真の自宅ガレージから発見された血痕付きのナイフ。

 

押村奏斗は、そのすべてを並べて見ていた。

 

一つ一つは点だった。

 

黒いセダン。

三年前の少年。

久我悠真。

久我誠一郎。

佐伯慎吾。

宮永怜司。

 

だが、今は違う。

 

点が線になり、線が網になり、県警の奥深くへ伸びている。

 

横溝重悟は押村の机の前に立ち、腕を組んでいた。

 

坊主頭に鋭い目つき。

普段から機嫌が良さそうに見える男ではないが、今日は特に目が据わっていた。

 

「押村」

 

「はい」

 

「宮永怜司について、分かってることを整理しろ」

 

押村は頷き、資料を一枚手に取った。

 

「宮永怜司警視。警務部監察官室所属。四十二歳。過去に複数の内部不正調査を担当しています。表向きは、警察内部の規律違反や不祥事を取り締まる立場です」

 

「表向きは、な」

 

横溝が吐き捨てるように言う。

 

押村は続けた。

 

「昨夜、久我悠真の自宅ガレージで、村瀬浩一さん殺害に使用された可能性のあるナイフが発見されました。その直後、現場の捜査員が何者かに襲撃された。確保されたのが宮永警視です」

 

「監察官が、証拠品発見現場で捜査員を襲った」

 

横溝は机を指で叩いた。

 

「普通じゃねぇ」

 

「はい」

 

押村は静かに言った。

 

「宮永警視は、証拠の回収、あるいは破壊を目的として現場にいた可能性が高いです」

 

「誰のために?」

 

横溝の問いに、押村は少しだけ間を置いた。

 

「久我誠一郎本部長のため、または久我悠真のため」

 

「だが、それだけじゃ足りねぇ」

 

横溝の声が低くなる。

 

「宮永は監察官だ。普通の刑事より内部情報に触れられる。こいつが敵なら、こっちの動きは筒抜けだった可能性がある」

 

押村は頷いた。

 

「脅迫メール、資料室の封筒、佐伯への襲撃。どれも、こちらの動きを把握していなければ不可能です」

 

「宮永が全部やったと思うか?」

 

「分かりません」

 

押村は即答した。

 

「ただし、単独犯とは考えにくいです。宮永警視は内通者の一人であって、すべての黒幕ではない可能性があります」

 

その時、執務室の扉が開いた。

 

萩原千速が入ってきた。

 

白バイ隊員の制服姿ではなく、今日は交通部の上着を羽織っている。

それでも背筋は真っ直ぐで、立っているだけで空気が締まった。

 

「重悟、奏斗」

 

横溝が眉をひそめる。

 

「千速。ここは捜査一課だぞ」

 

「知ってる」

 

「知ってて普通に入ってくるな」

 

「呼ばれた」

 

「誰に」

 

千速は押村を指さした。

 

横溝の鋭い目が押村へ向く。

 

「押村ァ」

 

押村は淡々と答えた。

 

「私が呼びました」

 

「理由は」

 

「三年前の事件当時、交通部の記録にアクセスできる人間が必要です。萩原なら信用できます」

 

千速は少しだけ目を丸くした。

 

それから、わざとらしく胸を張る。

 

「聞いたか、重悟。信用できるってよ」

 

「調子に乗るな」

 

「乗ってねぇよ」

 

横溝はため息をつきながらも、それ以上は止めなかった。

 

「で、千速。何か持ってきたのか」

 

「ああ」

 

千速は一枚の資料を机に置いた。

 

「三年前のひき逃げ事件の直後、交通部側に妙な照会が入ってる」

 

押村の目が鋭くなる。

 

「妙な照会?」

 

「事故当夜、港北区周辺の白バイ隊員の配置記録、検問実施予定、緊急配備の無線ログ。そういう情報をまとめて提出しろって命令が出てる」

 

横溝が顔をしかめた。

 

「誰からだ」

 

千速は資料を指で叩いた。

 

「警務部監察官室。担当者は宮永怜司」

 

部屋の空気が一気に変わった。

 

押村は資料を手に取り、目を走らせる。

 

「三年前から宮永警視が関与していた」

 

「そういうことになるな」

 

千速は低く言った。

 

「でも、変なのはここからだ」

 

「何が変なんだ」

 

横溝が聞く。

 

千速は腕を組んだ。

 

「監察官室が交通部の配置記録を求める理由がない。しかも、事件発生からわずか二時間後だ」

 

押村が静かに続けた。

 

「つまり、宮永警視は事件直後から、逃走経路や警察側の動きを確認していた」

 

「悠真を逃がすためか」

 

横溝が吐き捨てる。

 

「その可能性があります」

 

押村は資料を置いた。

 

「三年前、久我悠真は少年を轢いた。その直後、久我誠一郎本部長が動き、宮永警視が警察内部の配置情報を集め、佐伯慎吾が車両照会から黒いセダンを外した」

 

千速が拳を握る。

 

「最初から組織的だったってことか」

 

「はい」

 

押村の声は冷静だった。

 

「ただし、まだ足りません」

 

横溝が目を細める。

 

「何がだ」

 

「宮永警視が、なぜ久我本部長に協力したのかです」

 

「上司に逆らえなかったんじゃねぇのか」

 

「宮永警視は監察官室です。捜査一課の佐伯とは違い、独立性の高い部署にいる。単なる圧力だけで三年もリスクを負い続けたとは考えにくい」

 

千速が押村を見る。

 

「見返りがあった?」

 

「あるいは、弱みを握られていた」

 

横溝は低く唸った。

 

「宮永を直接叩くしかねぇな」

 

「はい」

 

押村は頷いた。

 

「ただし、慎重に進める必要があります。宮永警視は警察内部の不正を扱う人間です。こちらの手の内を読んでくる」

 

千速が鼻で笑った。

 

「なら、手の内を見せずに殴ればいい」

 

「萩原、それは比喩か?」

 

「半分くらい」

 

「半分は本気か」

 

「相手次第だな」

 

横溝が荒々しく笑った。

 

「千速らしいな」

 

押村は少しだけ息を吐いた。

 

「取調べに向かいましょう」

 

宮永怜司が確保されている取調室は、県警本部の奥にあった。

 

取調べの担当は横溝。

押村は同席。

千速は隣室のマジックミラー越しに見ることになった。

 

宮永は椅子に座っていた。

 

年齢は四十代前半。

細身で、整ったスーツを着ている。

顔には大きな感情が浮かんでいない。

 

久我悠真のような傲慢さはない。

久我誠一郎のような威圧感もない。

 

だが、目が冷たかった。

 

人を観察し、値踏みする目。

 

横溝が向かいに座る。

 

「宮永怜司警視」

 

宮永は静かに顔を上げた。

 

「横溝警部」

 

「昨夜、久我悠真の自宅ガレージで何をしていた」

 

「監察官として、内部不正の疑いがある事案を確認していました」

 

「その場にいた捜査員を襲った理由は」

 

「襲っていません」

 

横溝の眉が動いた。

 

「現行犯で確保されてるんだぞ」

 

「揉み合いになっただけです」

 

宮永の声は淡々としていた。

 

「現場は混乱していた。証拠品の保全に問題があると判断し、確認しようとしたところ、捜査員が誤解した」

 

横溝が机を叩きそうになる。

 

その前に、押村が口を開いた。

 

「宮永警視」

 

宮永の目が押村へ向く。

 

「押村奏斗警部補ですね」

 

「はい」

 

「噂は聞いています。仕事はできるが、一人で抱え込むタイプだと」

 

押村は表情を変えなかった。

 

「私の人物評価は、今回の件と関係ありません」

 

「ありますよ」

 

宮永は薄く笑った。

 

「あなたは正義感が強い。責任感もある。だが、その分、周囲を巻き込む危険がある」

 

「周囲とは?」

 

「横溝警部。萩原千速警部補」

 

マジックミラーの向こうで、千速の目が鋭くなる。

 

押村の声がわずかに低くなった。

 

「脅しですか」

 

「忠告です」

 

「脅迫メールを送ったのは、あなたですか」

 

宮永は答えなかった。

 

押村は続けた。

 

「三年前、交通部に配置記録の提出を求めていますね」

 

宮永の目が、ほんのわずかに動いた。

 

押村は資料を机に置く。

 

「事件発生から二時間後。監察官室が、なぜ交通部の配置記録を必要としたのですか」

 

「内部の対応状況を確認するためです」

 

「監察対象は何だったのですか」

 

「当時の記録を確認しなければ分かりません」

 

「記録はあります」

 

押村は静かに言った。

 

「ですが、あなたが提出した監察報告書には、その件の記載がありません」

 

宮永の表情が少しだけ硬くなった。

 

横溝が低く言う。

 

「監察の名目で情報を集めたが、報告書には残してねぇ。おかしいだろうが」

 

宮永は横溝を見た。

 

「捜査一課の方々は、すぐに結論を急ぐ」

 

「結論を急がせてるのはお前だ」

 

「私は何もしていません」

 

「久我を守ったんじゃねぇのか」

 

宮永は黙った。

 

取調室に沈黙が落ちる。

 

押村は静かに宮永を見ていた。

 

この男は、言葉を選んでいる。

感情で崩れるタイプではない。

証拠を突きつけなければ動かない。

 

その時、横溝のスマホが震えた。

 

横溝は画面を確認し、押村に目配せする。

 

押村は小さく頷いた。

 

横溝が通話を受ける。

 

「……ああ。分かった」

 

通話を切ると、横溝は机の上にスマホを置いた。

 

「佐伯慎吾が意識を取り戻した」

 

宮永の指が、ほんの一瞬だけ動いた。

 

押村はそれを見逃さなかった。

 

「佐伯さんは、あなたの名前を出しました」

 

これは事実ではなかった。

 

まだ佐伯は詳しい供述をしていない。

だが、宮永の反応を見るためには十分だった。

 

宮永の目が細くなる。

 

「嘘ですね」

 

押村は表情を変えない。

 

「なぜそう思うのですか」

 

「佐伯は私のことを知らない」

 

横溝の口元がわずかに動いた。

 

押村は静かに言う。

 

「今、あなたは佐伯さんとの関係を否定しました。ですが、こちらは佐伯さんがあなたを知っているとは言っていません」

 

宮永は沈黙した。

 

押村はさらに続ける。

 

「あなたは、佐伯さんが自分を知らないと分かっている。それは、佐伯さんの役割とあなたの役割が別系統だったからですか」

 

宮永の表情から、わずかに余裕が消えた。

 

横溝が低く笑う。

 

「押村、いいぞ」

 

「久我本部長は全体を指示した。佐伯さんは車両照会を止めた。あなたは警察内部の配置情報を整理し、逃走経路を作った」

 

押村の声は、ゆっくりと宮永を追い詰めていく。

 

「三年前、久我悠真を逃がすために」

 

宮永は答えない。

 

押村は一枚の写真を置いた。

 

三年前の夜。

黒いセダン。

制服の人影。

 

「この写真を資料室に残したのは、あなたですか」

 

宮永の目が写真に落ちる。

 

ほんの一瞬。

だが、その目には明らかな動揺があった。

 

「違います」

 

「では、誰ですか」

 

「知りません」

 

「あなたはこの写真を知っている」

 

「知りません」

 

「目が動きました」

 

宮永は押村を見た。

 

「目が動いただけで証拠になると?」

 

「なりません」

 

押村は淡々と答えた。

 

「だから、聞いています」

 

宮永の口元が歪んだ。

 

「厄介な人ですね」

 

「よく言われます」

 

その時、隣室の扉が開いた。

 

千速が入ってきた。

 

本来なら入ってはいけない。

だが、彼女は迷わず宮永の前に立った。

 

横溝が眉をひそめる。

 

「千速」

 

「悪い、重悟。少しだけ」

 

押村も驚いて千速を見る。

 

「萩原」

 

千速は宮永を真っ直ぐ睨んだ。

 

「三年前、あんたは交通部の配置記録を見たんだよな」

 

宮永は冷たく答える。

 

「それが?」

 

「じゃあ、私の名前も見ただろ」

 

宮永の目がわずかに細くなる。

 

千速は続けた。

 

「あの夜、私は白バイで黒いセダンを追った。あと少しで追いつけると思った。でも、途中で無線が混乱した。検問位置が変わった。逃走方向の指示も遅れた」

 

押村が千速を見る。

 

初めて聞く話だった。

 

千速の声は低かった。

 

「ずっと引っかかってた。何であの時、あそこだけ道が空いたのか。何で検問の網が、あの車の進行方向だけ薄かったのか」

 

宮永は黙っている。

 

「配置記録を見れば分かるよな。どこを抜ければ逃げられるか」

 

千速は拳を握りしめた。

 

「あんたが逃がしたんだろ。あの車を」

 

宮永は静かに千速を見た。

 

「感情論ですね」

 

千速の目が鋭くなる。

 

「そうだよ」

 

押村がわずかに目を見開いた。

 

千速は続ける。

 

「私は感情で言ってる。あの夜、道路に倒れてた少年のことを忘れられねぇからだ。母親に渡すはずだったプレゼントが、血で汚れてたことを覚えてるからだ」

 

宮永の表情が少しだけ揺れた。

 

「感情を持って何が悪い。警察官が、被害者のために怒って何が悪い」

 

取調室の空気が張り詰めた。

 

押村は千速の横顔を見た。

 

荒っぽくて、真っ直ぐで、逃げない人間。

 

自分が冷静さで追い詰めるなら、千速は感情で相手の奥に踏み込む。

 

宮永はしばらく黙っていた。

 

そして、小さく笑った。

 

「あなたのような人が、一番危険だ」

 

千速は眉をひそめる。

 

「何?」

 

「正義感が強く、感情で動く。だから利用される」

 

「利用?」

 

宮永は押村に視線を移した。

 

「押村警部補。あなた方は、自分たちが真実に近づいていると思っている。しかし、近づかされているとは考えませんか」

 

横溝が低く唸る。

 

「どういう意味だ」

 

宮永は笑った。

 

「三年前の録音。資料室の写真。佐伯の携帯。都合よく証拠が出てきすぎているとは思わないのですか」

 

押村の目が細くなる。

 

確かに、その違和感はあった。

 

誰かが、こちらを導いている。

 

だが、それが味方なのか敵なのか分からない。

 

宮永は言った。

 

「久我誠一郎は確かに罪を隠した。久我悠真も人を轢いた。だが、彼らは中心ではない」

 

「中心は誰ですか」

 

押村が問う。

 

宮永は答えなかった。

 

代わりに、ゆっくりと言った。

 

「三年前の事件で守られたのは、久我の息子だけではありません」

 

横溝の顔が険しくなる。

 

「他にも誰かいたのか」

 

宮永は椅子の背にもたれた。

 

「私はもう話しません」

 

「宮永」

 

横溝が立ち上がる。

 

「お前、何を知ってる」

 

宮永は笑った。

 

「知りたいなら、監察官室の地下保管庫を調べなさい」

 

押村の目が鋭くなる。

 

「地下保管庫?」

 

「三年前の本当の監察記録が残っています」

 

「なぜそれを今言う」

 

宮永の笑みが消えた。

 

「私も、切られた側だからです」

 

その言葉に、三人は黙った。

 

宮永は続けた。

 

「久我が捕まれば、次は私。私が捕まれば、次は別の誰か。そうやって、上は自分たちに火の粉がかからないように下を切る」

 

千速が低く言う。

 

「じゃあ、あんたも被害者だって言いたいのか」

 

「いいえ」

 

宮永は静かに答えた。

 

「私は加害者です」

 

初めて、彼の声にわずかな疲労が滲んだ。

 

「だから、せめて自分を切った連中も引きずり落としたい」

 

横溝が吐き捨てる。

 

「腐ってやがる」

 

「否定はしません」

 

宮永は押村を見た。

 

「地下保管庫へ行くなら急いだ方がいい。おそらく、もう動いています」

 

「誰が」

 

「あなた方より先に、記録を消したい人間です」

 

その瞬間、押村のスマホが震えた。

 

差出人は不明。

 

本文は短かった。

 

『監察官室に入るな。次は横溝重悟が消える』

 

押村の顔色が変わる。

 

千速が画面を見て、低く呟いた。

 

「今度は重悟かよ」

 

横溝は鼻で笑った。

 

「上等だ。消せるもんなら消してみろ」

 

「重悟、冗談じゃねぇぞ」

 

「冗談で言ってねぇ」

 

横溝は宮永を睨みつけた。

 

「押村、千速。行くぞ」

 

押村は頷いた。

 

「監察官室の地下保管庫へ」

 

千速はヘルメットを持ち直した。

 

「今度はあんたが無茶する番か、重悟」

 

「馬鹿言え。俺はいつも無茶だ」

 

「開き直るな」

 

押村は二人を見た。

 

胸の奥に、重い不安があった。

 

脅迫メールの標的が、千速から横溝へ移った。

つまり相手は、こちらの結束を壊そうとしている。

 

萩原千速。

横溝重悟。

 

押村にとって、今はもう欠かせない二人だった。

 

だからこそ、狙われる。

 

押村は静かに言った。

 

「横溝警部、萩原」

 

二人が振り向く。

 

「絶対に、三人で動きましょう」

 

横溝は少し驚いた顔をしたあと、荒々しく笑った。

 

「お前からそれを言うようになるとはな」

 

千速も口元を上げる。

 

「成長したな、奏斗」

 

「子供扱いはやめてくれ」

 

「じゃあ同期扱いだ」

 

「萩原」

 

「何だ」

 

押村は少しだけ迷い、そして言った。

 

「頼りにしている」

 

千速の目が、ほんの少しだけ丸くなった。

 

横溝がわざとらしく咳払いする。

 

「おいおい、こんな時に空気甘くすんな」

 

千速がすぐに睨む。

 

「甘くしてねぇよ、重悟!」

 

「してただろ」

 

「してねぇ!」

 

押村は小さく息を吐いた。

 

だが、その胸の奥にあった不安は、少しだけ薄れていた。

 

三人は取調室を出た。

 

向かう先は、警察内部の不正を封じ込めてきた場所。

監察官室。

 

その地下に、本当の記録が眠っている。

 

三年前の夜、黒いセダンが逃げた理由。

久我親子の罪。

宮永が隠したもの。

そして、まだ名前の見えない本当の黒幕。

 

県警本部の廊下に、三人の足音が響く。

 

朝日は差している。

だが、彼らが向かう先は地下だった。

 

光の届かない場所に、真実は隠されている。

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