竜の姫に俺は乗る─召喚されしロボオタ、姫が変身したロボを駆り最強を目指す─   作:三丈夕六

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第12話 ベッドに入れて下さい♡

 ハインズの屋敷に来た夜。

 

「ふふ……♡」

 

 ……寝れない。

 

 え、灯り消してからもずっとティアマトが俺の事見てくるんだけど。本人は気付かれないていないつもりなんだろうか? 月明かりで完全に暗くはないから分かるんだが……。

 

 というか、昨日は寝てる間に部屋に入り込んで来てたから気付かなかったけどさ、一緒の部屋で寝るって……寝られるのか? 俺……。

 

 寝る前にティアマトが着替えた時もやばかったもんな。後ろでティアマトが裸になってると思うと、意識しないようにするの無理あるって。ただでさえ初めて会った時、彼女の裸見ちまった訳だし。まぁ、背中だけだけど。

 

 あ〜……眠れない。寝返り打って彼女に背中向けても、目を閉じても寝れない……いっその事、声かけるか。

 

「なぁ」

 

「ひゃあっ!? お、起きていたのですか!!?」

 

 ティアマトのベッドからバタバタと慌ただしい音が聞こえる。あ、やっぱり気付かれていないと思ってたんだ……。

 

「まぁ、寝れなくてさ」

 

「そ、そうですよね……ここに来てからずっとバタバタしてましたもんね。一緒に寝ましょうか? お、同じベッドで……♡」

 

 おい、なんかサラッとすごい提案してくるな。ティアマトってホント天然なのかどっちなんだよ……。

 

「いや、それは流石に」

 

 もう一度寝返りを打つと、ベッドのすぐ側にティアマトの顔があった。

 

「うわ!? いつの間に!?」

 

 朝も入れたら2回目だぞ! 気配消して動くの得意すぎかよ!?

 

「お願いです! 一緒に寝ましょう?」

 

「い、いや、流石に状況が……!?」

 

 下を見てしまって固まる。ティアマトの服どうなってんだよ!? ネグリジェってヤツか!? デザインはお姫様らしい可愛いヤツだけど胸元開きすぎだろ!?

 

 いつもこんなの着て寝てるのか!? ていうか狙ってる!? そういやあのエロ王と話してる時結婚がどうとか言ってたし、ティアマトもまんざらじゃなかったよな!? 同じ部屋といいもしかして既成事実作りに来てるのか!?

 

 頭の中で喚き散らす声をなんとか宥める。落ち着け俺。こんなにテンパってるって気付かれたらますますティアマトのペースに飲まれるぞ。

 

 い、いや、嬉しいけどさ。まだ知り合って間もないじゃん。元の世界にいる時は陽キャ達の不純な異性関係を散々軽蔑して来たろ、俺。

 

 俺はもっとお互いの事知った上でだな……いや、精神リンクしてるから分かってはいるけど……いや、でも! もっと時間をかけて育むのが大切なんじゃないのか!?

 

 気を抜くとすぐに頭の中で喚き散らす声を抑え付け、俺は平静を装った。

 

「ほ、ほら戻れって、な?」

 

「え〜!!! 私勇気出したんですよ!? い、入れて下さいよぉ〜……」

 

 目をウルウルさせるティアマト。そんな顔するなよ……折れそうになるじゃん。

 

 涙声のティアマトをクルリと回して元のベッドへ向かわせる。すると、彼女の首元に古代文字が見えた。

 

「あ、それ……」

 

 そういえば、何回か見てるけど今一あの文字がどういう物か分かって無かったな。

 

 ティアマトが振り返って不思議そうな顔をする。彼女は、俺が何を言いたいかのか察したのか首元を摩った。

 

「これ、ですか? 竜機兵になる為には、この古代文字を体に刻むのです」

 

「刻む?」

 

「回帰魔法の術式と、私の血に眠る竜機兵の情報が書いてあるのですよ」

 

 ティアマトが少しだけ背中をはだけさせる。そこには神殿で見たのと同じ古代文字がビッシリと刻まれていた。これを刻むって……こんなに多くの文字を、か?

 

「どうやって……その、刻むんだ?」

 

「魔力を込めた針ですね。それを刺しながら術式を組み込むのです」

 

 タトゥーみたいな物か……? それにしてもこの量をって……。

 

「い、痛くなかったのか?」

 

「その、物凄く痛かったですが……でも、私は痛みより嬉しさの方が大きかったですから。変われるかもしれないって。ダメな自分から」

 

 アシュタルや城下町の住民が話していた内容を思い出したら、彼女がこの国でどんな風に思われていたのかが分かった。王様は味方みたいだけど、きっと腫れ物みたいな扱いをされていたんだろうな……。

 

 それから抜け出す為にそんな痛みに耐えたのか、ティアマトは。

 

 思い出す。「乗って欲しい」と言って来た時の彼女の必死な様子を。

 

 そんなの、必死になるよな……ティアマトはそんな思いをしてまで竜機兵になって変わろうとしていたんだから。

 

 なんか、そう思うと辛くは当たりたくないな。同情とかじゃなくて、ティアマトは頑張ってるし……そんな事で喜んでくれるなら嬉しいっていうか……。

 

 ……。

 

「い、いいよ……」

 

「え?」

 

「あ、その……い、い、一緒に、寝ても……」

 

「本当ですか!?」

 

 ティアマトがすごい速さでベッドの中に潜り込んで来た。

 

「ちょ!? 速すぎるだろ!?」

 

「嬉しいのですから速くて当然です♡」

 

 彼女の頭が俺の顎に当たる。角はどうなってるんだろう? 邪魔にはなって無いみたいだ。そんな事を考えていると、背中に彼女の手のひらが触れてビクリと体がこわばってしまう。

 

「そ、それは流石に……!?」

 

「嫌、ですか?」

 

 ティアマトが体を預けてくる。髪の感触、彼女の体温、息遣い……ていうか、む、胸当たってるんだけど……!? 自分の顔がみるみる熱くなっていくのが分かる。こんなの……寝れるか!

 

「今日はショウゴに乗って貰っていなかったので……こうしていると、乗って貰った時みたいにショウゴを感じられるので……好き」

 

「そ、そうなのか……?」

 

「ショウゴと繋がっていると嬉しいのです。ドキドキして、ショウゴの事をもっと知りたいと思うのです」

 

 昨日までは、彼女の中の寂しさが俺を乗せようとしている風にも見えた。だけど今は少し違うらしい。精神リンクしていたらもっと詳しく彼女の気持ちが分かるのに、なんだかそれがもどかしく感じる。

 

 彼女は目を閉じて思いを馳せるように呟いた。

 

「ショウゴだから良いのです。ショウゴ以外は……嫌です」

 

 いつもと違う少し大人びた声。ゆっくりと目を開き、潤んだ瞳で見つめてくるティアマト。マズイってこの状況……。

 

「あれ? お腹に何か当たって……?」

 

「な、なんにもないから!」

 

 彼女に気付かれない程度に身を引いた。はぁ……これ以上はマジでヤバいな。もう寝ないと明日に支障が出るし。

 

「ね、寝るか。明日も早いし」

 

「ふふっ、よく眠れそうです♡」

 

 

 俺は寝れねぇよ!!!

 

 

 心の中で叫んで俺は目を閉じる。

 

 

 まったく……寝る寝る寝る。絶対寝るぞ絶対。

 

 

「明日から頑張りましょうね、ショウゴ……」

 

 

 ティアマトの声。

 

 

 呼吸音。

 

 

 暖かい感触。

 

 

 なんか、こういうのって小さい時以来な気が……。、

 

 

 あれ? なんだ?

 

 

 ティアマトといるとすごく、安心して……。

 

 

 この後、めちゃくちゃよく寝れた。

 

 

 

 

 




〜ティアマト〜

ふわ〜……よく眠れました。昨日の出来事が夢のようです♡
ショウゴはまだ寝てますね。ふふっかわいい♡ また1歩ショウゴと仲良くなった気がします。し、幸せすぎます〜!!!

さあ、竜闘の儀に向けて修行を頑張りますよ!

ハインズの元で修行を開始した私達。そんな私達の元へアンヘルさんという女性が差し入れに来てくれます。しかし、アンヘルさんの様子はどこか変で……?ついでに私はアンヘルさんから効率的に体力と接続率を上げる秘密の修行を教えて貰って……?

次回、「夜の修行開始です♡」

え? 次は夜の修行なんですか?

絶対見て下さいね♡
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