竜の姫に俺は乗る─召喚されしロボオタ、姫が変身したロボを駆り最強を目指す─   作:三丈夕六

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第48話 ティアマトの想い

 

 〜ティアマト〜

 

 竜闘の儀予選から数日。私達はアシュタリア王国へと帰還していました。本選開始までの猶予期間は1ヶ月。この間に各代表は装備を整え、最後の調整を行います。

 

「初戦の相手は天空国家ハーモラ代表、竜機兵ヴィヴル。戦闘は格闘主体で行われ……」

 

 技術士達の長、ライネがモニターの映像を交えながら機体説明をしてくれる。隣のショウゴを見ると、真剣な眼差しでメモをとっていた。

 

 何を書いているのでしょう?

 

 彼が手にしていたノートを覗くと、そこにはヴィヴルさん達の動きに対してどのような行動で対処するのかが書かれていました。

 

 矢印を引いて、反撃方法が書いてあります。各行動に対してヴィヴルさんが対処。そこへさらにどのような一撃を与えるか……私では到底考えられないようないく通りもの行動が。

 

「ふわぁ……!」

 

 思わず声を上げてしまいます。私の声で、ショウゴが我に返ったというようにこちらを見ました。

 

「ん? どうしたんだよティアマト?」

 

 涼やかな目に、少し幼さを残した顔立ち。でも、出会った頃より伸びた髪が大人っぽくも見えて、自分の頬がカッと熱くなるのが分かります。私は、ショウゴに気付かれないように目を伏せることにしました。

 

「い、いえ……これほど多くのパターンを想定しているなんて……さすがショウゴです」

 

「こういうのは事前に何度も訓練しておかないとな。今までの修行で基礎はできてる。後はそれを対戦相手に合わせにいくだけだ」

 

 ショウゴが次々に行動の解説をしてくれる。ヴィヴルさん達の動きから、次のモーションに入るまでは約何秒だとか、私には分かりかねる話ばかりですが……彼の真剣さだけは私の胸の奥深くまで届くようです。なんという熱量なのでしょう。

 

 あぁ……早く乗って欲しい。ショウゴの思い描く動きを私が再現したら、一体どれほど心地良いことでしょう。きっと共鳴接続(バースト・リンク)のように熱く、激しく、2人が繋がるのですね。想像するだけで鼓動が早くなってしまいます。

 

「あ、ハインズ! このミーティング終わったら模擬戦の相手してくれよ! ハインズならヴィヴルの動き再現できるだろ?」

 

「なら30分くれ。映像を見ながらヴィヴル達の挙動を記憶しよう」

 

「よっし! ハインズが相手なら全力でいけるな!」

 

 ショウゴは、私の気持ちに気付かないようで、ハインズと嬉しそうにヴィヴルさん達との戦いの話に花を咲かせています。もう、いつもこれほど想っているのにどうして気付いてくれないのですか?

 

 ふふっ、でもそこが可愛い所でもありますけど。私より1つ年上なのに、すぐ子供っぽくなってしまう所とか……。

 

 ショウゴと話す中で、ハインズは何かに気付いたようでした。彼は記憶を思い起こすように顎に手を当てます。

 

「そういえば、先行者の権利は聞いていたな? 戦闘するエリアはもう決まっているのか?」

 

 戦闘エリアの話からショウゴとハインズが難しい話を始めます。本選ではハーモラ、ヲルス、トルテリアの地を私達が訪れ、戦いが行われます。その中で空、平地、森という地形を私達が選んで戦います。1度選んだ地形は2度と選べません。だからこそ、ショウゴはこれほど真剣なのでしょう。

 

 反応速度や地形的にどこが有利か……本選の戦いは、既に始まっているように思えました。

 

 しかし、ショウゴの答えはもう決まっていたようで、彼は自分に言い聞かせるようにコクリと頷くとこう言いました。

 

「戦闘する場所は……ヴィヴル達の国では空で戦おうと思うんだ」

 

「なぜですか?」

 

「ヴィヴル達は格闘機だ。森や平地のような地に足のついた戦いの方が得意なはず。だから空中での戦いにするんだ」

 

「ですが、ヴィヴルさんが何も対策をしないなんてあるでしょうか?」

 

 ショウゴは深刻な顔で考え込みます。数秒考え込んだあと、彼は首を横に振りました。

 

「それはそうだけど……変形できるイルムガンや共鳴接続で自由に飛行できるツィルニトラと空中戦をするのだけは避けたい」

 

 ショウゴの言葉にハッとします。確かに、運営から届いた書状にはこう書いてありました。「空中を選んだ場合、大地に着地してはいけない」と。そんな中で飛行が得意な2人と戦ったら……。

 

「私達が不利となってしまう……」

 

「そうだ。俺にはこの選択がマストに思える」

 

「そう、ですよね。すみません、私が浅はかでした」

 

「何を気にしてんだよ。それより、今日からの特訓は厳しいぞ? 頑張ろうぜ!」

 

 ショウゴがにこやかに笑います。私とショウゴは急いでハインズの屋敷へ向かいました。特訓の準備ができるまで、少しでも体を動かしたくて。

 

 隣を走るショウゴ。その顔を横目で見てみます。予選が始まる前、彼は私を最高の竜機兵だと言ってくれました。ショウゴは自分のためだけでなく、私や、みんなの為に戦ってくれているのです。

 

 ショウゴと一緒なら、私は……。

 

「どうしたティア? 緊張してんのか?」

 

「いいえ、ヴィヴルさん達と闘うのが楽しみなだけです!」

 

「ははっ、言うじゃん!」

 

 どこまでも先へ進めそうな気がします。

 




〜ティアマト〜

これにて予選編は最終回となります。皆様お読み頂きありがとうございました♡

本選編ではヴィヴルさんやツィルニトラ女王様達との激しい戦いをお送り致します。それに、イルムガンとの因縁の戦いも……。どうぞよろしくお願い申し上げます。

また、作者よりメッセージがあります。

「書き溜め分はこれにて終了です。お待たせしてしまい申し訳ございませんが、なるべく早く再開し、そして必ず完結まで描き切りますのでどうぞお付き合い下さい」

とのことです。私からも約束させて下さい。またお会いしましょう皆様。

それでは……!

次も必ず見て下さいね♡ 私との約束です♡
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