竜の姫に俺は乗る─召喚されしロボオタ、姫が変身したロボを駆り最強を目指す─   作:三丈夕六

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第9話 覚醒する2人

 

「うおおおおおおお!!!!」

 

 ビル・ハインズに斬撃を放つ。機動性も出力も落ちたその一撃は、あっさりとハインズ機にいなされてしまう。ヤツの返し刀の一撃、なんとか剣で防ぐ事に成功するが、今のティアマトの速度じゃまともに切り返す事ができない。

 

『キレたか。だが、そんなもので俺を落とすことはできん』

 

 剣でヤツの斬撃を防ぎながら、反撃の隙を伺う。頭の片隅で、ティアマトに乗った時の事が浮かんだ。ティアマトが「こんなに自由なんだ」と言った時の事が。

 

 

「諦めなさいティアマト! 貴女に竜機兵は荷が重いのです! この国で何事も無く暮らしなさい! これは貴女の為なのですよ!?」

 

 

 アシュタルの声が聞こえる。その声はなぜか必死で、諌めているようで、俺にはそれが気に入らなかった。

 

 

 アナタの為……?

 

 

 ああ、アナタの為かよ。そうだろうな。それは正論なのかも知れないぜ。

 

 けどな。

 

 そうやってティアマトがやりたい事を無理やり押さえ付けるのが家族なのかよ……!?

 

 ティアマトは言っていた。自分にもやっとできることを見つけた。それが竜機兵になる事だったって。

 

 アンタが、そうやって押さえ付けたからティアマトは竜機兵になりたいと思ったんじゃないのか!? 押さえ付けることが本当にティアマトの事を考えてるって言えるのかよ!?

 

 ……俺も言われたぜ。親の言う通りに生きろって。だけどな、それで失敗したらどうなる?

 

 

 ミスったら失望されて……!

 

 思い通りにならなかったら見放されて……!!

 

 産まなきゃ良かったなんて言われるんだ!!

 

 お前らにその気持ちが分かるのかよ!!

 

 抑圧された方の気持ちが分かるのかよ!!!

 

 

 ティアマトの心が分かる。悲しんでるのが分かる。悔しいのも。言い返せないのも。無力感も。虚しさも。全部。

 

 今は精神リンクが弱くなっているけど、分かるんだ。この俺の苛立ちが、怒りがその答えだ。ティアマトと同じ思いをしたから分かるんだ、俺は。

 

「……ティアマト」

 

 なぁ、お前は自分が信じられなくなったんだよな? 否定ばっかされて、頑張った事が全部意味ないって言われて、周りから勝手に諦められて、それで心が壊れかけて動けなくなったんだろ?

 

 

 でも、そんな事ない。

 

 

 そんな事ないぞ、ティアマト。

 

 

 俺は知ってる。ヒュドラムと戦った時のお前はこんなもんじゃなかった。

 

 

 ……。

 

 

「今から証明する。お前の力は必要とされてるって事をな」

 

 

 お前が俺にそう言ったように。

 

 

『隙だらけだな』

 

 

 ハインズ機が踏み込みと同時に斬撃を放つ。頭部を狙った切先をバックステップで躱す。だが、それを狙っていたかのように蹴りが飛んで来た。

 

「ぐぅっ……!?」

 

 コクピットを襲う衝撃。なんとか両腕で受け止められたが、後方へ吹き飛ばされてしまう。バランスを崩した所に撃ち込まれるワイヤークロー。それが左腕に巻き付き、ハインズ機へと引き寄せられる。

 

 ここは耐える場所だショウゴ。ティアマトがいないとどうなるか……それをティアマト自身に見せる。

 

 息を吐く。怒りで唇が震える。だが、思考は止めるな。全力でバカな事(・・・・)をやってみせろ。

 

「ティアマト!! 聞け!! ティアマト!!」

 

〈ティアマトに声が届いているか不明です〉

 

「うるせぇ!! 聞けティアマト!! お前も俺と同じだったんだよな!? 家族から押さえ付けられて、自信無くなって、他のヤツの目が怖くなったんだろ!?」

 

『戦闘中に何を喚いている?』

 

「アンタには分からないんだよ!!」

 

 ペダルを踏み込む。スラスターをふかした2秒後に急ブレーキをかけ、左腕に絡まったワイヤークローを引き込む。

 

 バランスを崩されるのを察知したのか、ハインズ機は自分のワイヤークローを剣で叩き斬った。無理矢理作った隙。そこへもう1度スラスターを踏み込む。ヤツの懐へ飛び込む為に。直進なら反応速度は関係無い。スラスターの出力だけでまだ加速できる……!!

 

「うおおおおおおおおおおお!!!!」

 

『自滅する気か?』

 

 ハインズ機が放った横薙ぎの斬撃。それを地面に飛び込んで回避する。頭上を剣が通り抜けた瞬間、スラスターを再び全開にする。

 

 地面を削りながらハインズ機の脚に突っ込んだ。ヤツの脚を掴み。さらに加速させる。ハインズ機が脚を取られて倒れ込む。そのままヤツの脚を掴んで機体を引きずり回す。

 

〈ショウゴ・ハガの戦術は合理的ではありません。中断を提案します〉

 

「ティアマトに見せる為にやってんだよ!!!」

 

『ぐっ……!? コイツ……何を考えている……!?』

 

 

 ハインズ機が地面に剣を突き刺す。ガリガリと地面を削る剣。ハインズは、ティアマトの手を何度も踏み付けた。ヤツの脚から離れる手、俺は、勢い余って城壁へと激突した。

 

 

「なんという事……あんな情けない戦い方は……」

 

 

 アシュタルが絶句する。無理やり機体を起こして叫ぶ。ティアマトに伝える為に。

 

 

「見ろティアマト!! これがお前無しの戦い方だ!! アイツに勝つにはお前が本気を出す必要がある!! なぁ!? 聞いてるんだろ!? だから俺に手を貸せよ!!!!」

 

 機体の両手を開く。態勢を立て直したハインズ機が踏み込もうとするのを見て、俺は雄叫びを上げた。

 

「来るんじゃねえ!! 俺は今ティアマトに話してんだよ!!!」

 

『……なんだそれは?』

 

『今来たらテメェを絶対に許さねぇからな!!!」

 

 呆気に取られたようなハインズ。ヤツは構えていた剣を下ろし、それを地面に突き刺した。

 

「ハインズ! 貴方は何をしているのです!?」

 

 苛立ったようにアシュタルが叫ぶ。

 

『これは俺と彼らの決闘だ。口出しするのはやめろ……!』

 

 静かに、だけど確かな怒りを込めてハインズは言う。それは、アシュタルの言う事は聞かないという宣言に思えた。

 

「貴方は……!!?」

 

 アシュタルが何かを喚いているが、ハインズはそれを無視するように俺達の事を見つめている。

 

 

「ティアマト!!! お前の力をコイツら全員に見せてやれよ!! 俺はお前と闘うって決めたんだよ!! 勝手に折れてんじゃねぇ!!」

 

 

 胸の奥に一瞬、熱いものが込み上げる。精神が繋がる感覚がする。ティアマトを近くに感じる。

 

「俺はな!! お前となら優勝だってしてみせる!! 俺が1人じゃできなかった優勝だ!! 俺にそれを叶えさせてくれよ!!!」

 

 分かったんだよ。俺達は似た者同士だ。だから俺達は出会った。俺達なら……それができるはずだ!

 

 

 

 

 だから……。

 

 

 

 

 

「俺にはお前が必要(・・)なんだ!! だから泣くんじゃねぇええええええええええええ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私が、必要……? 本当、ですか?』

 

 

 

「嘘だったら俺はこんな所にいねぇだろ!!!」

 

 

『ショウゴ……』

 

 

 コクピットの魔法陣が急激に光を取り戻す。それは今までよりもずっと眩しくて、ずっと暖かい光。光が俺の体を伝ってくる。俺の心臓の位置で光の線が魔法陣を描いた瞬間、ティアマトの翼が開き、周囲にマナ粒子の嵐を巻き起こした。

 

 

「な、なんなのですかあれは!?」

 

「ははっ……すごいのう! あれはまさしく竜機兵の出立ちだ!!」

 

 狼狽えるアシュタルに笑うルカド王。兵士達が慌てるように2人へ駆け寄った。

 

「ルカド様! アシュタル様! お下がり下さい!!」

 

 兵士達がアシュタルとルカド王を守るように取り囲み、後方へと連れていく。

 

 

〈竜機兵ティアマトの精神復旧。搭乗者との精神接続率75%。機体性能回復。機動性25%上昇。出力25%上昇」

 

 

「見てたか? 俺1人だと動きが全然違ったろ?」

 

『はい、見ていました。ショウゴの戦い……必死でめちゃくちゃで……素敵でした』

 

「ははっ。そう言われるならやった意味あるな!」

 

 ティアマトの声が聞こえて安心する。俺は、深呼吸してティアマトへ声をかけた。昔の俺が、1番かけて欲しかった言葉を。

 

 

「ティアマト。お前はどうしたいんだ?」

 

 

『……あの人を倒したい。私はお姉様に私の力を認めさせて、ショウゴと一緒に、行きたい、です……!!』

 

 

 俺はゆっくりと深呼吸して、ティアマトに告げた。今から俺達がやる事……その宣言を。

 

 

「合わせろティアマト。勝つぞ」

 

『……はい♡』

 

 

 

『この粒子量……? 精神接続の段階が上がったのか?』

 

 マナ粒子の嵐をものともせず、ハインズのワイヴァルス・カスタムが剣を構える。

 

「うおおおおおおおおお!!!」

 

 スラスターを全開にしてヤツへと飛び込む。揺れるコクピット、襲いかかるG。今までよりずっと出力が高くて体への負荷が大きい。だけど構うな。今は突っ込むことだけ考えろ。

 

『また正面攻撃と見せかけてのフェイントか?』

 

「加速するぞ!! ヤツより速く。ヤツが構えるよりも!!!」

『やってみせます!!!』

 

 ティアマトがさらに加速する。ハインズが防御行動をとる前に一気に懐へ飛び込んだ。

 

『速い!?』

 

 飛び込んだ瞬間、左足を軸に回転する。ハインズがやったように回転を加える事で威力を上げ、ヤツの右脇腹へ剣撃を叩き込む。

 

『ぐうぅっ……!?』

 

 ハインズ機が宙に浮かぶ。地面を蹴って跳躍。ヤツが体勢を立て直す前に蹴りを放つ。吹き飛ぶハインズ機。ヤツの機体は、城壁スレスレで踏み止まった。

 

『なんて威力……なんてスピードだ』

 

『油断していいのですか!?』

 

 ティアマトのスラスターから大量のマナ粒子が放出され一気に加速する。ヤツの横薙ぎの斬撃を紙一重で躱し、頭部を鷲掴みにする。そのまま城壁にハインズ機を叩き付け再びスラスターを全力で噴射した。

 

『ぐっ、おおおおおおお……無茶な攻撃をっ!?』

 

 ハインズ機を掴んだまた訓練場内を飛ぶ。ガリガリと削れる城壁。進行方向のワイヴァルス達。俺はヤツらに向かって全力で叫んだ、

 

「どけええええええええ!!!!」

 

『こっちに来るぞ!?』

『散れ! 散れぇぇぇ!!』

『うわああああああ!?』

 

 ワイヴァルス達が慌てふためくようにその場から逃げていく。城壁の角にハインズ機を叩き付ける。

 

『ぐああああ!? 調子に……のるなよ!!!』

 

 ハインズが全身のスラスターを噴射して俺達を押し返す。ティアマトの頭部を左腕で殴り付け、左腰のワイヤークローを城壁へ放つ。その急速巻き取りとスラスターの出力を合わせ、ハインズは無理やり俺達の間合いから逃れた。

 

 ハインズが剣を地面へ突き刺し、それを軸に回転。俺達へと向き直る。

 

『はぁ……はぁ……無茶をする……だが、ここからは俺も本気で行かせて貰う!!!』

 

 コイツ……!? まだ本気じゃなかったのかよ!?

 

『行くぞ!!!』

 

 ハインズが一気に間合いを詰め、右肘の姿勢制御スラスターを利用した斬撃を放つ。加速する刃。こんな事もできるのかコイツ!?

 

「ぐうっ!?」

 

 咄嗟に受け止められたが重い……!? さっきとは段違いの一撃だ。

 

『ショウゴ! 追撃が!』

 

「分かってる!」

 

 再び放たれる斬撃を剣で受け止め、返し刀の一閃。だがハインズは、斬撃の軌道を読むように体勢を低くし、一歩踏み込んだ。ヤツを捉えたはずの刃は、ギリギリでヤツの機体に当たらず、空を切った。

 

『は、外した……!?』

 

 焦ったようなティアマトの声。嫌な予感がして後ろへ飛ぶと、先程まで首があった位置へ剣が薙ぎ払われていた。危ねぇ……深入りしてたら今頃頭部を飛ばされていたかもな。

 

 着地と同時に再びハインズが飛び込んでくる。

 

「いいぜ! ガチでやってやる!!!」

 

 実体剣を袈裟斬りに放ち、ヤツを迎え撃つ。ヤツの動きを真似る。姿勢制御スラスターで加速した一撃を放つ。ハインズはそれを自身の剣でいなし、ワイヤークローを撃った。その攻撃をサイドステップで避け、ハインズ機の頭部へ剣を叩きつける。しかし、ヤツは機体を半歩後ろにずらしただけで攻撃を避けた。

 

 ティアマトの機体性能は向上してるのに。コイツ……技術と予測だけでそれに対応してやがるのか。

 

『ふん!!!』

 

 ハインズが放った斬撃を剣で受け止める。太刀筋も重さもさっきまでと桁違いだ。クソ、いなすのは無理か。もどかしい……剣術に関しては生身での技術と勘が必要らしい。

 

 肩にある姿勢制御スラスターをハインズ機に噴射し、ヤツが攻撃を警戒した瞬間、地面を蹴って後ろへ飛び退いた。

 

『あれが、本気のビル・ハインズ……』

 

 立ち尽くすワイヴァルス・カスタムからオーラのような物が見える。ヤツの操縦技術、剣術の腕は一流だ。これでもまだ勝てないのか。

 

「だけど……やってやる。決めたからな」

『勝ちます。私達で……!!』

 

 正攻法は効かない……だが、並の攻撃じゃヤツの意表を突くこともできない。

 

 

 なら。答えは簡単だ。

 

 

「並の攻撃じゃない事をすればいいよなぁ!?」

 

『来てショウゴ! 思い切り奥に!!』

 

 いつもならツッコミでも入れるところかもしれないが、今日はその言葉が嬉しい。ティアマトと考えまで通じた気がするから。

 

 右手の魔法陣を開く。その中へ俺の腕を思い切り突き刺し、彼女の奥にあるグリップをしっかりと握った。

 

 

『くぅっ!? そ、のまま……!!』

 

「ああ!! 気絶すんなよ!!」

 

 

〈ヴァース・キャノンモードへ移行します〉

 

 AIの声と共に右腕装甲が展開する。

 

 左手に(・・・)剣を持ち替える(・・・・・・・)。ヤツに向かってスラスターを全開にしながら右腕の銃口を真っ直ぐに向けた。銃口が2つに展開し、マナ粒子が集まっていく。

 

『バカな……!? こんな場所で使えば被害が出るぞ!?』

 

 ハインズの声に焦りが生まれる。ヴァース・キャノンの威力を知っている声。散々やられたんだ。ちょっとは焦ってくれよ。

 

「アンタに勝つためならなんだってやってやる!!」

 

『ショウゴ!! そのまま!!』

 

 ティアマトが背面スラスターからマナ粒子を噴射させて加速する。

 

『バカなのか、アイツらは……?』

 

 ハインズの声に焦りが大きくなるのを感じた。俺達がバカなんじゃないかという焦り。普通ならこんな攻撃しない。こんな場所で威力の高い攻撃をするなんて考えない。

 

「お前らにティアマトの力を見せてやるんだよ!!!」

『私は……勝ちます!!! どんな事をしても絶対に!!!』

 

『ありえん。ハッタリだ……!』

 

 ハッタリか。だけどさ、ハインズ。機体の挙動で分かるぜ? なんでお前、戸惑っているんだよ? 普通なら絶対にやらない事だろ? あり得ない事なんだろ? だったら落ち着いて構えてろよ。

 

 

 止まらない。

 

 

 俺達は止まらない。

 

 

 ヴァース・キャノンのマナ粒子が、眩い輝きを放つ。

 

 

『くっ……ここにいる者を巻き添えにする気か……』

 

 ハインズの声に怒りが籠る。なぁハインズ。俺1人の時、めちゃくちゃな戦い方をした事が気にかかるんだろ? 俺達ならやるかもしれないって思うんだろ? その可能性を捨てきれないんだよな?

 

 そうしたらアンタはどう動く? 冷静なアンタなら、被害を出さない為に全力で排除に来るはずだ。万が一の可能性を捨てられないから。

 

「うおおおおお!!!」

 

 ペダルをベタ踏みし、スラスターの出力を最大にする。ハインズも俺達に向かうようにスラスターを噴出させた。

 

 一瞬にして詰まる距離。ハインズが袈裟斬りに放った斬撃。それを上半身を捻って左に避け、右腰のワイヤークローを城壁に打ち込む。ギシリという音と共に張り詰めたワイヤーがティアマトの体を倒れないよう支える。俺はハインズ機の()へヴァース・キャノンの銃口を向けた。

 

「これで被害は出ないだろうが!?」

 

 空に向かっての攻撃ならヴァース・キャノンは全力で撃てる。溜まり切ったマナ粒子が眩いまでの光を放つ。これなら……ヤツに一矢報いてやれる!!

 

『……!? させん!!』

 

 ハインズ機が跳躍し、全身のスラスターを点火。空中で機体を横に回転させ、回転の威力で右腕ごとヴァース・キャノンを切断した。

 

 

 

 空中を舞う右腕。

 

 

 

 収束していたマナ粒子が形状を維持できず霧散していく。

 

 

 

 ヴァース・キャノンは、完全に防がれてしまった。

 

 

 想定以上の速さ、想定上の動き。量産機に当たるワイヴァルスでこんな動きができるとか只者じゃない。

 

 

 けど。

 

 

 

当然(・・)!! アンタならそう動くよなぁ!!」

 

 

 これはティアマトのプライドの問題だ。機体損傷よりも彼女に取って遥かに大切な。

 

『くぅ!? ショウゴ!!』

 

「フェイントがなんたらって言ってたよなハインズ!!」

 

 ペダルを踏み込みながら操作魔法陣を思い切り右へ。城壁へ打ち込んだワイヤークローを高速で巻き取り、左手の剣を構えた。

 

 ワイヤークローを巻き取る反動とスラスターの噴出で機体の軌道を無理矢理変える。

 

『しまっ──!?』

 

 ハインズも本当の狙いに気付いたようだが、もう遅い。今の俺とティアマトの精神接続なら、お前の反射速度を超えられる!!!

 

 

「ラアアアアアアアアアア!!!!」

『くうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!』

 

 

 剣をハインズ機の首元へ叩き付ける。ヤツが斬撃を終えた刹那の一撃。無防備なハインズ機の首元へ俺達の剣が直撃する。

 

 

『私とショウゴの──勝ちですっ!!!!』

 

 

 ティアマトが叫んだ瞬間、刃が勢いよくヤツの首を切断する。

 

 

『……なるほどな。バカな行動でも意味はあったと言う訳か』

 

 

 空中を舞うハインズ機の頭部。スローモーションのような世界で彼は、ポツリと呟いた。

 

 ヴァース・キャノンの脅威に意識を向けすぎたハインズは、俺達の本当の狙いに対応する前に斬撃を受けた。

 

 ……俺はヴァース・キャノンを本気で撃つ為の戦術を取った。「本気のフェイント」を仕掛ける為に。

 

 ティアマトを呼び起こす為に無茶をした俺の行動なら、アンタが信じると考えて。

 

 

『全力を尽くしたお前達の……勝ちだ』

 

 

 その瞬間、決闘の勝敗は決した──

 

 

 

 




〜ティアマト〜


ショウゴの熱い想い……確かに伝わりました。ショウゴ言いました。私の事を必要だと。


ふ、ふふふふ……!


これは結ばれたという事で良いのですよね!? ね!? 見てくださった皆さんなら分かりますよね!? きゃあああああああ♡ やりましたよ!! ショウゴから愛の言葉を聞けるなんて♡♡♡

え? お願い?

こうですね!

ここまでの私達の活躍、いかがだったでしょうか?感想や評価をお待ちしております♡


あ! 次回予告も!


ハインズを倒した私達、私は自分の想いをお姉様へ告げる事にします。ですがお姉様は悲しげな顔をしていて……? お姉様はどうしてそこまで私の事を止めたかったのでしょう?

次回。『ショウゴとティアマト、国から認められる』

絶対見てくださいね♡
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