金枝の柳 〜〜走れなくてもよかった【狂気の姫君】〜 〜 作:干山 静玖
私の思想が強く滲んでます。
捏造のオンパレードです。
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その牝馬はとある小さな牧場で誕生した。その身体は非常に小さく、また毛色は美しい金の鬣を持つ、尾花栗毛の華やかな牝馬だった。
その母馬も同じく尾花栗毛で、母親よりも色素の薄い馬体に、人も馬も大層美人だ、乗馬用にもってこいだ!!と持て囃した。気質も穏やか。人の言う事をよく理解している頭のいい馬で、母馬一族の繊細過ぎ、かつ、穏やかすぎて競馬になんて向かない気質と、暴れ馬代表とも言える種馬の気性、双方が打ち消しあっていた。
それゆえに問題行動こそないが、極端なほどとは言わずとも、大概は団体行動もせず、自分の気に入った馬としかコミュニケーションを取ろうともしない、とてつもない我の強さがあった。
そんな我の強さがあったからか、その牧場で初めて競走馬としてデビューする事となった。
それでも陣営は怪我による安楽死等を酷く恐れ、とにかく勝たなくていい。箔が少しでもつけば御の字、怪我なく現役が終われば乗馬用にもってこい!と考えていた。実際、最初は乗馬用かつ繁殖牝馬としていたが、ある時ふと厩務員がノリで走らせたところ、驚くほど良く走ったものだから「勝てずとも、顔と名前が売れるだけで充分。一勝出来ればそれでいい」とさえ思わせたという。
華やかな見た目で、その生涯成績は、30戦18勝。
無理なく走った上でこの成績。経歴すらも華やかな牝馬となり、この牝馬の活躍後は、牧場経営に大きく貢献したという。
その牝馬の名前は、オーラムウィロー。ステイゴールドを父に持つも、母馬やその一族は、一度もレースに出たことも、馬名登録すらない馬が殆どの乗馬用馬の一族。小柄な馬が欲しかった。ついでに牧場の名を売る、走れる可能性がある馬の種だと尚よかった。
無事是名馬。走れなくても、見た目が良いだけで充分。そういう育てられ方をした馬だった。
レースを引退した後、自身の子供達には、各々の素質を見て、乗馬用の歩き方もしくは、競走馬としての走り方を教えて、見取り稽古をさせている、とまで思えるほどの指導をしたという。
ーーこれは、そんな牝馬のウマソウルと名前を持つ、一人のウマ娘の話である。
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そのウマ娘は、とある一族に生まれた。オーラムウィローと名乗ることになった彼女は一族の期待の星だった。
アイドルとしての面も持つウマ娘。一族はその中でも、芸能界屈指の一族だった。走れる素質のあるウマ娘ではなく、性格も非常に繊細かつ穏やかで、見た目や演技力に優れた一族だった。
オーラムウィローの母は有名なモデルウマ娘だったが、結婚を期にモデルを引退している。レースも野良レースすら走った事は無いらしい。
オーラムウィローは幼い頃、その走りが素晴らしいのでは?と母が一族の人間に相談したところ、トレーニングをつけてもらってからメキメキと伸びていった為親族一同喜んだ。
見た目も可愛いらしく、ふわふわとした白金髪の髪を、サイドテールに編み込みをしている。髪の毛の一部が完全に白くなっており、これは生まれつきらしい。
オーラムウィローは母方譲りのおっとりとした性格で、誰にでも優しく接することの出来る子供だった。
そしてその走りは、逃げきれれば勝ち。そうでなければ、どうしても勝ちたければ追い抜けば良い。まるで、柳のようにしなやかな走りだった。
そんな彼女が中央トレセン学園へと進学する事になったのは、必然でしかなかったのだろう・・・・・・。