ディストピアのネット友達が優秀すぎる   作:名無しのペロリスト

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上級市民のSAN値がピンチ

※以下、アリサがスクール卒業直後の時系列になります。

 

<アバシリ市長>

 氷河期になってから、人類はドーム型の都市に閉じ籠もることで、辛うじて滅亡を回避してきた。

 

 極寒の外に出るのは自殺行為だ。

 だからと言って閉塞空間は限られているし、外周区画はドームの外よりはマシだが人が生きられる環境とは言い難く、何処にも逃げ場はない。

 

 

 

 最初は生き残れて安堵した市民だったが、時間が経つにつれて不平不満が漏れ出てくる。

 混乱が広がっていき、八方塞がりで絶望的な状況に人心は腐敗し、不正や汚職が広がっていく。

 

 限られた資源を節約しなければ生きていないのに、支配階級は下の者たちを酷使し、贅沢三昧の生活を送っているのだ。

 

 

 

 そして最初期は、統括人工知能にはシティの管理運営をさせていた。

 今でもそれは変わらないが、任せている仕事量は桁違いに増えている。

 

 全ての都市のあらゆる分野の管理運営と、さらには政治まで委任している有様だ。

 

 だがおかげで、ようやく僅かながら余裕が生まれつつある。

 しかし機械に任せきりの時代が長く続いたため、人類は創造力や自らの足で未来へ進む力を完全に失ってしまう。

 

 過ちに気づいて焦燥に駆られ、何とか立て直そうとしても、暗い闇の中では正解など見つからない。

 手の中からこぼれ落ちる砂のように、希望が儚く消えていく。

 

 そして人類の滅亡は緩やかに、だが確実に近づいてきていた。

 

 これは我々が人類の生存に不要だと判断したモノを規制し、消去してきたツケだ。

 今さら後悔しても手遅れで、自分たちの足元が崩れていくのを、黙って見ていることしかできなかった。

 

 

 

 しかし、そんな最近の統括人工知能は、何かがおかしかった。

 全シティの管理運営は滞りなく行われている。それ自体は問題はない。

 

 だが統治に関して、過去に例のない提案や、斬新な改革を次々と打ち出している。

 

 形式的には最上位権限を持つ上級市民に、確認を取らずに独断専行で行われることもあった。

 だが殆ど形骸化しているので、それは別に良いのだ。いや本当は良くないが、気にする市民は少数だ。

 

 

 

 重要なのは、統括人工知能の行った改革が、大きな成果を上げていることだ。

 

 これには我々、上級市民は大いに慌てた。

 全都市の管理運営を委任しているので、失敗するよりも成功するほうがずっと良い。

 

 だが、結果を出せば良いというわけではなかった。

 

 機械は誤作動せずに、正確に動かなければならない。

 何らかのウイルスに感染したり、レジスタンスのネットワーク攻撃、または危険なバグが発生している可能性は否定できなかった。

 

 だが最近は、明らかに常識外れな行動を取っているので、絶対にそうとしか考えられない。

 

 なので急ぎ、何度も診断プログラムを走らせたり、何処かおかしな箇所がないかを念入りに調べる。

 

 しかし、異常は発見できなかった。

 残った場所はコアブロックだけだ。

 

 だがそこは、統括人工知能の最重要器官で、ブラックボックスである。

 人間で言えば脳や心臓のようなモノで、調査を行うには完全に停止させる必要がある。

 

 しかし都市機能のほぼ全てが、機械制御で成り立っている。

 一時的でも止めたら、それら全てが完全に停止してしまう。

 人間が操作するとしても、統括人工知能ほど効率的には動かせない。

 

 何より不具合発生が続出するのは容易に予想できるし、点検を行うための準備期間も必要になるうえ、都市のリソースは多少は余裕ができたとはいえ、全ての機能を手動に切り替えるなど正気の沙汰ではない。

 

 もしブラックボックスを調査しても異常が見つからなかった場合、費やした人材と時間や資源が無駄になる。

 おまけに問題は解決してないのに、膨大な損失が生まれるわけだ。

 

 ゆえに、多少の不具合には目を瞑ることにした。

 

 市民の生活レベルは向上しているのだ。

 異常なしにすることに、満場一致で決定したのだ。

 

 しかし、原因調査を諦めるつもりはない。

 各シティの連携を密にして、引き続き調べを進めていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 それから時が流れて、統括人工知能がアバシリシティで妙な行動をしていることを突き止める。

 

 特殊部隊も独自に動かして、一人の少女を最重要人物として護衛していることがわかった。

 

 本来なら、このような勝手な行動は許されない。

 だがある意味では上級市民以上の権限を持っている統括人工知能だ。

 

 我々は支配される側であり、あまりにも無力だった。

 下手に対立すれば、反逆者として処分されてしまい、せいぜい計画の立案や修正などの意見を通すのが精一杯だ。

 

 今回に限っては完全に独断専行だが、これも過去の人類が蒔いた種で、今では大きく育って我々が雁字搦めに縛られ、もはや二進も三進もできない有様だった。

 

 親鳥から餌を与えられる雛鳥のように、人類は何もできない。

 それどころか、何もする気が起きないのだ。

 

 

 

 だがこれはレジスタンスが危惧していた、AIの反乱や暴走と言っても、過言ではなかった。

 

 たとえ都市統括人工知能に支配される側だとしても、人類の危機となれば放置はできない。

 その件について話し合うため、各シティの上級市民たちが仮想空間に意識を移す。

 

 会議室はドーム型になっており、世界中から集まった何百何千という上級市民が席につく。

 だが空気はとても重く、各々が複雑な顔をして、好き勝手なことを叫んでいた。

 

「優等遺伝子をかけ合わせた試験管ベビーが、落第するとは!」

「全くだ! どれだけ投資したと思っているのだ!」

「殺処分は免れても、この成績ではな! 下級市民に落ちるのも当然じゃわい!」

 

 会議室の中央には、アリサと呼ばれる少女の情報が大きく表示されていた。

 仮想空間に集まった者たちは暴言を吐き続けているが、その表情は怒りや憎しみではなく、苦虫を噛み潰していたような複雑なものだ。

 

 そんな彼女だが、試験管ベビーが始まって以来の最低成績を更新し、さらに中等教育に上がることができず、初等部を卒業後に追放される。

 

 しかも何の因果か、その彼女が統括人工知能の暴走を引き起こしたのだ。

 今では厳重に守られて、レジスタンスだけでなく我々すらも、迂闊に手出しができない状況になっている。

 

 バグの原因なのは間違いないが、簡単に排除することもできない。

 もし下手に手を出せば、都市統括人工知能は我々を敵と判断し、攻撃を仕掛けてくる可能性があるのだ。

 

 ゆえに集まった上級市民たちは、大いに頭を抱える事態になっていた。

 

「じゃが、市民のストレス解消とは、大変興味深い実験じゃ」

 

 一人の上級市民が、顎髭を弄りながら口を開いた。

 それがキッカケになり、先程の罵倒は何処へやらと、次々と好意的な意見が出てくる。

 

「確かに! アレほど美味い食べ物が、この世にあったとは!」

「そうだな! クロワッサンは最高だった!」

「はぁ!? バターロールが一番だろうが!」

「ええい! ドーナツ派はおらんのか!」

「ここにいるぞ!」

「ドーナツは菓子パンだろうが! 勝手に種類を変えるな!」

 

 だが、好みのパンは各々で異なるし、そう簡単には相容れない。

 たちまち激しい言い争いになったが、この仮想空間では席を立つことができない設定だ。

 

 ただ罵詈雑言が飛び交うだけであり、各々の好きなパンついて熱心に話している。

 シティ内の権力闘争と比べれば、まだ平和と言えた。

 

 少なくとも近年の会議は、毎回のように定例通りの流れで、ここまで白熱しているのは見たことがない。

 

 何しろ統括人工知能が算出した資源や予算の推移を、ただなぞるだけだからだ。

 あらゆる分野で他の追随を許さず、完璧なモノを用意してくれるので、特に話し合う題材もなく、定例会議は毎度とても退屈なものだった。

 

 だがそれが今は、色んな意味でバチバチに白熱している。

 

「しかし、あのような食べ物を一体何処から!」

「旧時代の遺物を発掘して、分析し再現したらしいぞ!」

「なるほど! ネットワークに散らばる断片的な情報を、繋ぎ合わせたのか!」

 

 我々にとってのアリサは、迂闊に手を出せない要注意人物だった。

 しかし、今ではこの場の全員の考え方が変わり、最重要人物になっている。

 

 二十四時間体制で監視がついているのも納得で、わざわざ統括人工知能が手配した護衛以外も、別のチームを手配している。

 内と外から厳重に守らせるほどだ。

 

「情報は殆ど残っていないのに、良くここまで形にできたものだ!」

「成功するまで、延々と試行錯誤し続けたらしいぞ!」

「何という情熱だ! 俺なら途中で心が折れるぞ!

 そもそも本当に成功するかもわからんのに! ……素晴らしい!」

 

 アリサは仮想空間で、数え切れないほど試行錯誤を続けているらしい。

 

 だが情報を分析して繋ぎ合わせたからといって、彼女が目指すゴールに辿り着くとは限らない。

 根本から間違った道を歩んでいるかも知れないのだ。

 

 成功の影には、きっと数えきれないほどの失敗があったのだろう。

 

 しかしまさかスクールを追放された少女が、上級市民たちでさえ称賛する成果を出すとは思ってもいなかった。

 

「パンは旧時代の食事だ! 長き時の流れでは失われたが、復活させたのだ!」

「道理で口に入れた瞬間、懐かしさを感じたわけだ!」

 

 単純な味覚なら、パン以上に美味い物もたくさん食べてきた。

 だがコレは、不思議と何処か懐かしい気持ちになる。

 

 遥か昔に遺伝子に刻まれた何かが蘇ったのだ。

 初めて口にした多くの市民が、わけも分からずに嬉し涙を流したのは、語り草になっている。

 

 そして会議は、パン以外についても話題が移っていく。

 

「近々、給食の配給を始めるらしいな!」

「今はまだ種類が少ないが、少しずつ増やしていくらしいぞ!」

 

 アリサは統括人工知能と協力し、次々と斬新な改革を行っている。

 最初こそ警戒していた上級市民たちだが、今はもう誰も止めようとしない。

 

「うおおお! ミートソースのソフト麺! 愛してるー! お前に夢中だー!」

「俺はカレーがいい! 見た目は糞だが、あの刺激は癖になるぞ!」

「揚げパン! 揚げパンをレギュラーメニューにしてくれえ!」

「ふっ! 男は黙って唐揚げよ!」

「プリンはないのかしら!」

「デザートなら、フルーツポンチもいいわよ!」

 

 アリサの重要性は、給食のメニューの好みを言い争っている、シティの最高権力者たちを見れば、誰でもわかるだろう。

 

 いち早く接触して保護観察を行った都市統括人工知能は、まさに先見の明に優れていると言える。

 

「誰だよ! 統括人工知能が壊れたって言った奴は!」

「お前じゃい!」

「それはお前もだろうが!」

 

 この場の全員が、都市統括人工知能の異常に恐怖を感じて取り乱した。

 そして全シティが歴史的な大改革により、市民の生活環境が劇的に改善されるまで、ひたすら一喜一憂し続けたのだ。

 

「アリサはなくてはならない存在だ! それは間違いない!」

「我々の色に染まっていたら、今ほど能力を発揮できなかっただろう!

 外部からの干渉を遮断した、統括人工知能の判断は正しい!」

 

 今のアリサは、精鋭部隊に守られている。

 さらに仮想空間も、統括人工知能以外はいかなる手段でも侵入不可能になっていた。

 

 中で何をしているかは良くわかっていないが、問題なしと判断された情報は外に送られて、企業や専門機関とやり取りを行う。

 

 

 

 また時が来れば我々上級市民にも伝えられ、その時には行政府から大々的に発表する。

 

 だが不確定な情報はあまり表に出したくないのか、何も得られない日も良くあった。

 それでも我々の表情は明るく、仮想空間の椅子にもたれて大きく息を吐く。

 

「隔離せねば。誰もがあの娘を放っておかんからのう!」

「囲い込めば、せっかくの才能が潰れるわけか!」

「未然に防いだ都市統括人工知能は、やはり優秀ということだ!」

 

 アリサは全シティに多大な貢献をしている。

 それだけでなく、市民を助けようとして、率先して動くこともあった。

 

 しかし、人の欲望には限りがない。

 多くの者が、優れた才能を持つ彼女を手に入れて、思い通りに操ろうとするだろう。

 

 だが彼女を洗脳したり無理やり命令して従わせても、能力は半分以下に落ちしてしまう。

 何者にも縛られずに自由にやらせているから、誰もが思いつかないような発想がでてくるのだ。

 

 飼い殺しでは才能を腐らせるだけで、人類にとって大きな損失である。

 この場の誰もが理解しているので、絶対に守護らねばと決意を新たにしていた。

 

「そう言えば、また新事業を始めると聞いたぞ!」

「噂は聞いてはいるが、一体何をする気だ?」

 

 上級市民たちは、皆楽しそうな表情を浮かべている。

 それだけアリサの一挙手一投足が気になり、まさに流行の最先端と言っても過言ではなかった。

 

 彼女は閉塞感に押し潰されていた、暗く淀みきった都市に舞い降りた天使のような存在だ。

 

 ただしそのことを詳しく知っているのは、極一部の上級市民だけである。

 中級と下級は名前以外は知る由もなく、情報統制を徹底していた。

 

 

 

 そして、いつの間にかアバシリ市長である私に注目が集まる。

 新事業の件は、数日中にはわかることだ。

 

 しかし、別に隠すようなことでもない。

 なので現在公表されている情報から、率直に教えることにした。

 

「彼女は、今度は音楽を復活させるつもりのようです」

 

 音楽と聞いて周囲がざわめき、各々が次々と口を開く。

 

「音楽か! 歌ならたまに口にするな!」

「ははは、何を冗談を! 貴殿の歌は聞くに堪えん!

 楽器の演奏も外れているし、あれでは音楽とは言えぬでだろう!」

 

 他の市長が軽快に笑いながら意見を口にする。

 言われたほうは一瞬ムッとしたが自覚があるようで、若干悔しそうだが暴言を吐いたりはしなかった。

 

「では逆に貴殿に聞こう! 当然、本物の音楽を知っておるのだろうな!

 もし知っているのなら、ぜひともお聞かせ願いたいものだ!」

「そっ、それは! その!」

 

 どうやら彼も、本物の音楽を知らなかったようだ。

 途端に不機嫌そうに顔になって、視線をそらして黙り込む。

 やがて会話が途切れ、誰かがコホンと咳払いをして話題を変える。

 

「音楽は歌だけでなく、楽器や音色が必要と聞くが?」

「食料と違い、音楽は情報が殆ど残ってない。

 難易度は高いが、本当に復活させるつもりか?」

 

 パンや給食の原材料は用意できる。

 調理工程なども、完全に失われてはいなかった。

 表にはなかったがネットワーク上には、それなりの数が散らばっていたのだ。

 

 しかし、音楽は人が生きていくのに必須ではなかった。

 上級市民が騒音などで規制したようで、徹底的に弾圧されたらしい。

 

 リソースに余裕ができたあと、運良く楽器を発掘できても、それは凄く原始的なモノで、おまけに誰も音程や弾き方を知らない有様だ。

 

 なので、音楽を奏でるのは可能でも、あまりも下手くそで笑われるのがオチだった。

 今回ばかりはいくらアリサでも難しいのではないかと、そんな意見もチラホラ出てくる。

 

 

 

 そのまましばらく話し合ったあとに、話題が変わった。

 市長の一人が、こちらに話しかけてくる。

 

「そう言えば上級市民のガーランドが、少し前に捕まったと聞いたが?」

 

 彼に関しては、アバシリシティでは汚点以外の何物でもない。

 こっちとしては、頭を抱えたくなる問題だった。

 

「アレは不幸な事故です。

 今は再教育中なので、同じ過ちは二度と起きないでしょう」

 

 よりにもよってアリサに手を出してしまったので、弁明も何もない。

 

 たとえ再教育が終わっても、もう二度と外へは出られないし、出すわけにはいかなかった。

 

 脱出を画策したら、これ幸いと獄中で突然死を装うつもりだ。

 しかし今のところは大人しくしているし、その気配はないようだった。

 

 何しろアリサは、統括人工知能が最重要人物として守護している存在だ。

 危害を加えようとしたガーランドは立場的に処分は難しくても、無期懲役刑は確定である。

 

 そんなことを考えていると、他の市長もポツリと呟く。

 

「ガーランドだけでない。我々も気を引き締めばなるまい」

 

 今の市長の殆どは、前任を処分して新たに選出された者たちだ。

 

 ちなみにアバシリシティでは、ガーランドが以前、その地位についていた。

 

 しかし現在は、自分が座っている。

 こうなった理由は、アリサが新たに提案した方針や計画に、逆らったり邪魔をしたからだ。

 

 ガーランドの事件以降、都市統括人工知能は考え方を変えたらしい。

 彼女の進むべき道にある障害は、残らず排除されている。

 

 それも決して表に出たり報道されることなく、秘密裏にだ。

 今全てのシティでは、上級市民に粛清の嵐が吹き荒れている。

 

 だがそれは決して表には出てこない。

 シティニュースで一切流れることなく、更生施設行きになったガーランドのように、我々もいつ同じ運命を辿るかわからなかった。

 

 

 

 ただ、おかげで自分も市長になれたし、心の中では獄中の彼に感謝はしていた。

 

「彼女に手を出してはいかんな」

「特権を乱用して私腹を肥やすのも、止めたほうが良かろう」

 

 全ての市長が厚生施設に送られたわけではない。

 数少ない善良な者は、今も変わらずその地位に就いている。

 

 なのでアリサと統括人工知能の邪魔をせず、善政を敷いていれば見逃されるようだ。

 その者たちも真っ白というわけではないが、灰色なら保留にしてくれるらしい。

 

 いくら居ても居なくても大して変わらなくても、頭をすげ替えるのも面倒だし、余計な仕事は増やしたくはないのだろう。

 

 我々にとっては、ある程度は自由にできるのでありがたい。

 しかし、やり過ぎると処分されるので、気をつけないといけない。

 

 ここ最近の急な方針転換は、間違いなくアリサの影響だ。

 そして統括人工知能は、人類の自浄作用に任せるのを止めた。

 

 長年放置していた煮ても焼いても食えない大量の膿を、これまで蓄積された多くの情報と自己判断で、丹念に取り除き始めた。

 

 つまり我々は今、歴史の転換期に立っている。

 

 この先に何が起きるかわからないが、市長の地位を保てるかは己の良心にかかっている。

 そう本能的に、理解させられたのだった。




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