転生サトシの旅路   作:ナノブ

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18.俺はお前と一緒にいたいよ

第31話 ポケモン返り!?

 

 

仮眠をとったつもりが、普通に朝を迎えてしまった。

まぁ、コインを十万枚集めるために寝ていなかったので、しょうがないと言えばしょうがない。

カスミもタケシも、疲れているだろうからと起こさないでいてくれたらしい。

朝ご飯を食べながらイーブイとガーディの今後について話し、タケシから説教を食らい、改めてセキチクシティに向かうためにポケモンセンターを出た。

出たところで、再びエリカさんに遭遇する。

 

 

「サトシさん!タケシさんにカスミさん!」

 

「エリカさん」

 

「どうかしたんですか?」

 

「皆様が、このタマムシシティの裏にこびり付いていた悪を、一掃してくれたと聞きましたの。ぜひそのお礼をと思って」

 

 

律儀な人だ。

いや、ジムリーダーとしてはさすがにアクションを起こさないと、体制が保てないのか。

そういえば。

 

 

「本当に、本当にありがとうございました」

 

「どういたしまして。それよりも、耳に入れておいてほしい情報があって……」

 

「まぁ。何ですの?」

 

 

俺は悪の組織の最高幹部が、メガシンカを使ってくることを話した。

この分だとサカキも使ってくるだろう。

どこで手に入れたのか、いや奪ったのかはたまた裏ルートで手に入れたのか知らないが、厄介であることに変わりはない。

 

 

「そんな……」

 

「ジムリーダー全員で、共有しておいてもらえませんか?できることなら、ポケモンGメンの人達にも伝えておいてもらえると助かります」

 

「わかりましたわ。そちらは私にお任せくださいませ」

 

 

力強く頷いてくれたエリカさんに一先ず安心して、別れを告げる。

その際、ほんのお礼ですわ、と言われて頬に口付けされ、一悶着あったのは余談だ。

エリカさんは、それはいい顔で微笑んでいた。

 

さて、セキチクシティを目指して旅をしていると、ヨヨヨタウンという街に辿り着いた。

ポケモンセンターに寄れば、何やらポケモン達の元気がないのだとジョーイさんが困り顔をしていて、タケシが何とかすると安請け合いする。

 

 

「何とかするったって、どうするの?」

 

「サトシ、波導で調べてみてくれ!!!」

 

 

力強く言ったタケシの言葉に、カスミとピカチュウとズッコケる。

なんだ、結局は人頼りかいな。

 

 

「まぁいいけどさ」

 

 

元気がないカラカラ、ナゾノクサ、コイキング、ヒトカゲ、そしてコダックを順番に見ていくと、何やら体の波長がおかしな波長に狂わされているのがわかった。

 

 

「どうだ?」

 

「ん~~~。なんかこう、ポケモン達本来の波長が、乱されてる。何か別の、おかしな波長が何処からか流れてきてるんだ」

 

「波長?波導じゃなくて?」

 

「うん、波長。何らかの、電波みたいなものだな」

 

 

カスミの疑問に頷いて、一先ず一番危ないヒトカゲの体に俺の波導を流し込み、おかしな波長を追い出して元々の波長に正してやった。

 

 

「カゲ………?カゲッコォ!!!」

 

 

すると、あっという間にヒトカゲは元気になる。

 

 

「まぁ!すごい!」

 

「ぐ、ぐぬぬ…。俺も波導が使えていれば今頃ジョーイさんに有難がられてあんなことやこんなことを………」

 

「はいはい」

 

 

うるさいタケシをカスミがあしらっているのを横目に、カラカラ、ナゾノクサ、コイキングの波長も直してやる。

全員元気になったのを見計らい、ジョーイさんがコダックを差し出してくる。

 

 

「あとはこのコダックだけね」

 

「あぁ、そいつは正常ですよ」

 

「え?」

 

「正常?この状態で?」

 

「うん。コダックは、いつも頭痛に悩まされているポケモンなんだ」

 

 

ほら、とポケモン図鑑を向けてみせれば、説明が流れてその場にいる皆が納得する。

 

 

「そうだったの。あたしもジョーイとしてまだまだね」

 

「いえ、そんなことはありません!ジョーイさんはポケモン達のことを一番に想う優しい心を持って!だからこそこのコダックに気付かずに!このタケシが保証しま―――」

 

 

うるさいタケシを放り、波導でおかしな波長が流れてくる方向を探る。

するととあるビルの天辺に建てられた、大きな屋敷から出ていることを突き止めた。

 

 

「ジョーイさん。俺達、流れている変な波長を調べてみます」

 

「本当!?ありがとう!」

 

 

ジョーイさんもタケシのことを軽くスルーして、俺達を笑顔で送り出してくれた。

落ち込むタケシを連れて、カスミ達とビルに向かっていると、ジュンサーさんに出くわした。

何でも、ここ数日で子ども達が行方不明になっているらしい。

ジュンサーさんから話を聞いていると、俺のことをハジメという子どもと勘違いした母親に抱きしめられ、慌てて誤解を解く。

 

 

「まぁ!!?ご、ごめんなさい。ハジメに似ていたから……」

 

「いえ、大丈夫です。ハジメ君も、行方不明に?」

 

「えぇ。実は……」

 

 

数日前から行方不明になっているのだと教えてくれた。

ジュンサーさんが必ず見つけてみせると意気込んでいるのを聞きながら、そういえばこんなことあったなとようやく思い出した。

ポケモンだいすきクラブの、スリーパーの〝さいみんじゅつ〟が原因だったはずだ。

人間用の波長にした、副作用だとか。

 

話を思い出せば、後は早い。

ジュンサーさんを連れてポケモンだいすきクラブの屋敷に行き、事情を説明。

ハンググライダーでやってきたロケット団をさくっと「「「やな感じーーーーー」」」にして、スリープを連れて都会の真ん中にある大きな大自然公園の中にいた、ポケモン返りしてしまった子ども達の波長を元に戻す。

ポケモンだいすきクラブの人達に、もうスリーパーの〝さいみんじゅつ〟を人間用にしないようお願いしてから、ポケモンセンターに戻った。

 

事件が全て解決すると、ジュンサーさんにも感謝され、感謝状を渡された。

照れくさいがこういうのもいいかと、大事に保管する。

改めてポケモンセンターでオーキド博士と母さんに連絡を取っていると、何やらカスミが大慌てでやってきて一つのモンスターボールを見せてくる。

 

 

「どうしたんだ?」

 

「どうしたも何も!いつの間にかコダックがこの中に!!」

 

 

あぁ!カスミのコダックだったのか!

 

 

「よかったじゃないか。ゲットだぜ!」

 

「うぅぅ……よかったけどぉ。もっとカッコいいポケモンを仲間にしたかったのよぉ…」

 

 

よよよ、と泣き崩れるカスミにピカチュウと笑い、一部始終を見守っていてくれた母さんも穏やかに笑った。

その後、カスミの手持ちが六匹を超えたので、スターミーをハナダジムに預けることになった。

最高戦力が必要になった時は、また手持ちに戻すらしい。

何はともあれ、全てが丸く収まったのだった。

 

 

 

 

 

第32話 ブリーダー対決

 

 

手持ちをピカチュウ、スイクン、イーブイ、ガーディ、ロコン、オコリザルにして、旅は続く。

ヨヨヨタウンを離れると、タケシが寄りたいところがあると言い、シザーストリートに寄ることになった。

別名ブリーダー通り。

ポケモンの美容院がたくさんあることで有名な町だ。

 

 

「ここには、腕の良いブリーダーや、ポケモン専門のメイクアップアーティストなんかがたくさんお店を出しているんだ」

 

「あーーー!」

 

 

タケシの説明を遮って、カスミがポスターに貼られていたドガースとアーボを見て可愛い可愛いとはしゃぎ始めた。

 

 

「ねぇねぇ!行ってみようよ!」

 

「え?あ、ちょっと、カスミ!」

 

 

カスミに腕を引かれ、問答無用でポスターの店まで連れて行かれる。

タケシが言う通り、豪華絢爛趣味悪し、って感じだ。

というかこれ、ロケット団じゃね?

 

 

「あたし並ぼうかなー?」

 

「えっ」

 

「あったーーーーーー!!!」

 

 

今度はカスミの声を遮って、タケシが一つのお店を指差した。

ポケモンサロン ロコン、という店らしい。

 

 

「ぃやったぁ!!ついに、ついに見つけたぞぉ!」

 

「見たかったお店ってここぉ?」

 

 

何故かガチガチに緊張しているタケシに代わり、ドアを開けて中に入ってみる。

すると一人の綺麗な女性が、ラッキーを施術しているところだった。

見るからに肌の潤いがつるぷるで、健康状態がいいことが一目でわかる。

 

 

「おぉぉ……」

 

 

思わず感嘆の声が漏れる。

ユキ、と呼ばれた女性がラッキーの施術を終え、持ち主に返すと次は俺達の番だとこちらを向いてくる。

 

 

「あ、あの、俺達実は―――」

 

「ねぇねぇ!ロコンがいるよ!」

 

 

今度は俺の言葉を遮って、カスミがはしゃいだ声を出す。

俺の目から見ても、綺麗なロコンが奥の椅子で丸くなっていた。

思い出した。

このロコン、一時的にタケシが預かることになるあのロコンか。

 

 

「ロコン!あれはあなたのポケモンですか?」

 

「えぇ。私が面倒を見ているの」

 

「俺も、今ちょうどロコンが手持ちにいるんです。よかったら、出して挨拶してもいいですか?」

 

「えぇ、ぜひ!」

 

 

ユキさんの許可を取り、俺も自分のロコンをモンスターボールから出す。

 

 

「まぁ!!」

 

 

ユキさんから感嘆の声が漏れ、色違いのロコンが誇らしげに地面に着地した。

 

 

「ロコン、ユキさんのロコンに挨拶するか?」

 

「コン!」

 

 

ロコンも賛同して、寝ているユキさんのロコンの傍に寄る。

目を開けたロコンは、少し驚いたように目を見開いて、上半身を起こした。

 

 

「コン!コンコーン!」

 

「コン………コーン」

 

 

元気よく挨拶する俺のロコンに押され、ユキさんのロコンも挨拶する。

ロコン同士で相性も良かったらしく、仲良くなるのは早かった。

ロコンとロコンが頭を擦り付け合い、微笑ましい光景に皆で和んでいると、ユキさんが俺の隣にやってくる。

 

 

「あなたのロコン、すごく綺麗ね。いつもきちんとお手入れがなされているのがわかるわ」

 

「ありがとうございます。プロにそう言っていただけると、自信が持てます」

 

「ユ、ユ、ユキさんっっ!!」

 

 

またしても俺の言葉を遮って、直立しているタケシが声を上げた。

 

 

「はい」

 

「は、はじめまして!自分、タ、タタ、タケシっていいます!ユキさんみたいなブリーダーになるのが、夢なんです!」

 

「あら。よろしくね、タケシ君。私が目標だなんて嬉しいわ」

 

「自分、今すげー感動しています。あのロコンも、こんなに近くで見れたし!やっぱ決めました!ユキさん、自分を弟子にしてください!」

 

「えっ!!?」

 

「えぇ!!?」

 

 

ユキさんとカスミの驚きの声が被る。

 

 

「俺の道は、やっぱりこれしかない!ユキさん、お願いします!」

 

「そんな!私はまだまだ、人に教えるなんてことは…」

 

「ユキさんってそんなにすごい人なの?」

 

「むっ!」

 

 

カスミの言葉を聞き咎めたタケシは、それからユキさんがいかにすごい人なのか力説してくれた。

俺はもう知っているから、あまり驚かない。

場を取り成すように、ユキさんがお茶をいれてくれて、皆でご馳走になる。

 

旅の途中ここに立ち寄ったことや、ポケモン達の食事はタケシがオリジナルで作ってくれていることなんかを話していると、ユキさんのロコンがポケモンフーズを食べているピカチュウの元にやってきた。

そのままピカチュウから手渡されたポケモンフーズを食べ、次々にお皿に乗っているポケモンフーズを食べる姿に、ユキさんが驚いている。

 

 

「他の人が用意した食事を、このロコンが食べたのは初めてよ!」

 

「ロコンに認めてもらったんだな」

 

「あ、ああ、ありがとうございます!」

 

 

タケシが頭を下げた拍子にテーブルに頭をぶつけ、痛がっている。

そんな和やかな空気も、カスミが最近の流行りを聞いたことで少しだけ曇る。

どうやらロケット団が運営している店ができてから、どれだけ派手に魅せるかが流行り始めたらしい。

 

 

「ブリーダーは、ポケモンの魅力をどれだけ引き出せるかにかかっているのに。今のブームは、逆に魅力を隠している気がする」

 

 

ユキさんの言葉に、俺も確かにと頷く。

しかしカスミは、ポケモン達もたまにはお洒落したいのではないかと言い出し、外見を美しく魅せることも大切だと言ってコダックを連れてロケット団のお店に行こうとしたので、慌てて止める。

 

 

「何で止めるのよ!」

 

「あれはたぶん、ロケット団の店なんだ」

 

「えっ!?」

 

「何だって!?」

 

 

カスミとタケシが驚き、ユキさんはロケット団を知らないようで首を傾げていた。

アーボとドガースがロケット団のポケモンだったと言えば、納得したようにカスミもコダックをモンスターボールにしまう。

 

 

「だとしたら、あいつらぼろ儲けしてるってことになるぞ」

 

「この流行りを作り出したのもロケット団って考えれば、ろくなことを考えてないわよ」

 

「あの店、なんとかして潰すことはできないか?」

 

 

タケシとカスミが話し合ってくれているが、俺は手っ取り早くユキさんのやり方を広めた方が、客が寄ってくるのではないかと思う。

しかし肝心のユキさんは、小さくため息を吐いた。

 

 

「外見と中身か。あのお店がブームになってから、あたしちょっと、自分のやり方に自信なくなっちゃったのよね」

 

 

まさかの発言に、タケシが立ち上がって強く拳を握った。

 

 

「そんなの、ダメです!ユキさん!自分の信じた道を進みましょうよ!」

 

「そうですよ。ユキさんのやり方は、何も間違ってなんかいません。ユキさんに俺のロコンを褒められて、本当にすっごく嬉しかったです。俺達も協力します。皆に、ポケモンの本当の魅力を知ってもらいましょう!」

 

「タケシ君、サトシ君………ありがとう!でも、どうやって?」

 

「向こうが見た目の豪華さでくるなら、こっちは、内面で勝負です!」

 

 

ということで、前回と同じくポケモンお手入れ講座を開くことになった。

施術ポケモンはピカチュウだが、今回は魅せポケとして俺のロコンもおり、通常のロコンと色違いのロコンが並んでいる美しい光景に、客の入りは前回よりもいい。

 

ユキさんとタケシがポケモンブリーダーとは何たるかを説き、実際に俺がピカチュウをユキさんの見様見真似で施術することにより、客の目を覚まさせていく。

客達がロケット団によりアートにされたポケモン達を元に戻し始めたところで、なんとそのロケット団本人達が乗り込んできた。

 

 

「あたし達は美の追求をしていただけだっていうのに、客を奪ってくれちゃって!」

 

「美の追求!?それこそ人間の勝手な思い込みよ!ポケモンにはポケモンの魅力がある。それがわからないの!?」

 

 

ムサシの言葉に、ユキさんが怒りを顕わにする。

たじろいだムサシとコジロウの顔をニャースが引っ掻き、トレーナーから金を稼ぎ出す等、計画を赤裸々に語ってくれて客達も怒り出す。

ここは前と違ってユキさんのお店なので、ロケット団の行動でユキさんのお店が壊れる前に、ピカチュウと俺のロコン、ユキさんのロコンでさくっと「「「やな感じーーーーー」」」にした。

トレーナー達は吹き飛ばされたロケット団を追い掛けて出て行ってしまった。

 

 

「よくやったわね、ロコン。それに皆、本当にありがとう。皆のおかげで、自信が持てたわ」

 

 

そう言って穏やかに微笑んだユキさんに、俺達も安心して笑みを返す。

ユキさんは自分がまだまだ勉強不足だと感じたらしく、修行の旅に出ると言った。

タケシとはライバル関係でいたいらしい。

そして前と同じように、ロコンはタケシに預けていく、と。

 

 

「あの!自分、ポケフォンを持っているんです!よ、よかったら、連絡先を交換しませんか!!!」

 

「あら、いいわね、そうしましょう。サトシ君、よかったらあなたの連絡先も聞かせて?」

 

「え、俺も?」

 

「ピィカ?」

 

 

まさかのご指名に、首を傾げる。

 

 

「サトシ君のロコンもピカチュウも、とても毛艶がいいんだもの。ちょっぴり嫉妬しちゃうくらい。サトシ君が目指しているものが、例えブリーダーじゃなかったとしても、サトシ君なら立派なブリーダーになれる。そんな気がするの。だから、サトシ君の意見も色々と聞きたいのよ」

 

「ユキさん………」

 

 

ユキさんにそう言われてしまえば、断れない。

せっかくだからと、何故か少しムッとしているカスミもユキさんと連絡先を交換し、タケシは涙を流しながらロコンを仲間に加えた。

手を振ってユキさんと別れ、旅を再開する。

 

 

 

 

 

第33話 格闘ポケモン大バトル!

 

 

長い道のりを歩んでいると、前からロードワーク中のエビワラーを見かけた。

シュッシュッシュッと、パンチを繰り出しているのを見て唐突に蘇る記憶。

オコリザルと、バイバイする話だ。

 

 

「サトシ?」

 

「どうした?」

 

「あ、いや…」

 

 

俺が突然立ち止まったからか、タケシとカスミが顔を覗き込んでくる。

俺が視線を向けていた先を見て、野生のエビワラーかと勘違いして歓声を上げる二人。

 

 

「なぁんだ。エビワラーを見つけてゲットしたくなっちゃったのね」

 

「………残念ながら、あのエビワラーは野生じゃないよ」

 

「えっ。そうなの?」

 

「トレーナーがいるはずだ」

 

 

俺の言葉通り、エビワラーの後ろからトレーナーらしきおじさんがやってきて、エビワラーの調子を確かめていた。

すると木の影から何やら女性が走り寄ってきて、おじさんに家に帰るよう説得し始める。

 

 

「P-1グランプリに優勝するまで、家には帰らん」

 

「父さん!!」

 

「私は、誰の挑戦でも受ける。少年少女の諸君!リングで待っているぞ!」

 

 

それだけ言って、おじさんはエビワラーと走り去ってしまう。

思わずポカンとしていると、女性に話しかけられる。

綺麗な女性に、鼻の下を伸ばしたタケシが進んで事情を聞くことになり、闘魂ジムに案内された。

マナミと名乗った女性から、P-1グランプリのことや、山に籠った父の目を覚まさせてほしいと、頼まれる。

 

 

「あなた達をポケモントレーナーと見込んで、お願いがあります」

 

「もう何でも言ってください。お願いバンバン聞いちゃいますから!」

 

「父を……いえ、あのエビワラーを倒してほしいんです!」

 

「お任せ下さい!」

 

 

間髪入れず、タケシはマナミさんの手を取って安請け合いする。

 

 

「けど、タケシは格闘ポケモンを持っていないだろう?」

 

「サトシ!お前に全て任せたぞ!!!」

 

 

ズコッと一斉にズッコケる。

またしても俺任せなわけね。

 

 

「まぁいいけど」

 

 

オコリザルをモンスターボールから出す。

 

 

「やるか、オコリザル!」

 

「ウキャ!」

 

 

というわけで、前のようにオコリザルでP-1グランプリに出場することになった。

選手入場の際、二人羽織のようなことをしているムサシとコジロウを見つけ、そう言えばロケット団が何やら妨害しようと企んでいるのだと知識から思い出す。

そのためピカチュウを肩に乗せたまま、リングに上がることにした。

 

一回戦のワンリキー、二回戦のカイリキーを楽に倒し、決勝に駒を進める。

肝心のアノキというマナミさんの父親は、やはりロケット団の妨害によりなすすべなくやられてしまっていたが、家族仲は戻ったようで一件落着だ。

 

家族団欒の空気をぶち壊したのは、自ら変装を解いたロケット団だった。

アットホームな空気をパッと葬り去るだとか宣って、いつもの口上を名乗る。

そして早く決勝戦を始めようとリングに上がったので、俺達も続いた。

 

 

「オコリザル、あの足の長いリーチに気を付けろ!」

 

「ウキャ」

 

「隙を見逃さず、一気に叩くんだ。攻める気持ちを忘れるな!」

 

「ウキャァ!」

 

 

オコリザルと心を一つに、決勝戦に挑む。

その際裏でピカチュウに、リングの下に何か仕掛けがされていないか確かめてもらうことにした。

 

試合は順調に始まる。

向こうの長いリーチを腕で防御し、大技は避け、チャンスを見極める。

ジリジリと距離を詰め、あと少しで射程に入るというところで〝メガトンキック〟を指示し、足払いをかけた。

一瞬の不意を突いたことでサワムラーは反応に遅れ、倒れたところを〝みだれひっかき〟から〝あばれる〟に繋げ、最終的に〝ちきゅうなげ〟でフィニッシュする。

倒れたサワムラーに、試合終了のゴングが鳴り響く。

 

 

「ちょっとニャース!どうなってるのよ!」

 

「ニャー。おかしいニャー……」

 

 

そんな声が聞こえ、ムサシがサワムラーをモンスターボールに戻した瞬間、ロケット団が電撃に包まれ次いで爆発が起こる。

「「「やな感じーーーーー」」」と飛ばされるムサシの手に、サワムラーのモンスターボールがしっかり握られていた。

 

 

「しまった!サワムラーが…!」

 

 

俺がそう声を上げても、カスミもタケシもあれが盗まれたポケモンだと知らないので、キョトンとしている。

しょうがない。

確かトイレかどこかに閉じ込められているジャイアントを解放して、サワムラーについてきちんと話しておこう。

無事優勝ベルトをオコリザルに付けてやり、観客の皆に自慢していると、アノキがやってくる。

 

 

「このオコリザルは、格闘の天才かもしれんぞ」

 

「ウキャウキャ!」

 

「こいつを私に預けてみないか?必ずやP-1チャンプとして、大きく育ててみせる」

 

「………………オコリザル、どうする?」

 

「ウキャ?」

 

 

俺は正直、今度は一緒に旅をしたい。

前は預けた後、会うこともなくなってしまったから、正直寂しかった。

できることなら。

 

 

「俺は、まだ、お前と一緒にいたいよ」

 

「ウキャ………」

 

 

オコリザルがびっくりしたように目を見開く。

 

 

「けど、お前の歩む道だからな。お前自身が決めるんだ。お前の歩みたい道を、俺は尊重するよ」

 

「ウキャキャ……」

 

 

オコリザルがウルウルと目を潤ませ、しまいには泣きながら抱き付いてきた。

 

 

「おっと。…………オコリザル?」

 

「ウキャ!ウキャウキャ!ウッキャァァ!!」

 

「………俺と一緒に、ポケモンマスターを目指してくれるのか?」

 

「ウッキャア!」

 

 

泣きながら頷くオコリザルに、俺の涙腺も少し緩む。

ほっとして、少しだけ流れた涙を拭ってから顔を上げた。

 

 

「そういうことなので、すみません。オコリザルは、俺と一緒に行きます」

 

「そうか。まぁ、それも一つの道だ!そのオコリザルが極めたい道は、P-1チャンプではなくポケモンマスターへの道ということだろう。それなら納得だ。少年よ、そのオコリザルを強く育てるのだぞ?」

 

「はい!」

 

 

アノキさんに挨拶して、P-1グランプリの会場を後にする。

前のちょっとした後悔を拾い、今回はまた新しい道を歩むことになった。

オコリザルと一緒に、ポケモンマスターへの道は続く。

 

 

ちなみにサワムラーの元の持ち主は、だいぶポケモンを乱暴に扱う人のようで、サワムラーがロケット団の手に渡ったのはむしろ良かったのかもしれない。

あいつら、自分のポケモン達に対しては確かな愛情を持って育てているからな。

 

 







・ナツメやエリカとは、毎晩連絡を取っている。
主にサトシの近況報告だが、後々エスパータイプと草タイプの育成方法も聞ければいいと思っている。
ユキさんも連絡仲間に加わるが、二人ほど頻度は高くない。

・※イシツブテは格闘ポケモンではありません。

・オコリザルとさよならしなかった。
オコリザルが、自分のことを一番に考えてくれるサトシに心からついて行きたいと思ったことで、チャンプの道ではなくポケモンマスターへの道を歩むことを決意した。





スイクン(色違い) Lv.46

エーフィ♀  Lv.48

リザードン♂ Lv.48 -太陽-

ピカチュウ♂ Lv.46→47

ロコン♂(色違い) Lv.32→37

バタフリー♂ Lv.30→34

ピジョン♂  Lv.35→36

ニドキング  Lv.32→34

フシギダネ♂ Lv.27→35

ヒトカゲ♂  Lv.28→36

ゼニガメ♂  Lv.28→30

クラブ♂   Lv.27→30

ニンフィア♀ Lv.30→32

ゲンガー♂  Lv.52

バタフリー♀(桃色の色違い) Lv.15 -モルガナ-

ゲンガー♂  Lv.30→32

オコリザル♂ Lv.40→45

イーブイ♂(色違い) Lv.5→25

ガーディ♂(ヒスイの姿) Lv.20→30

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