第51話 戦いが残した傷跡
「チョゲチョゲチョゲ!」
俺の腕の中でタマゴから生まれたトゲピーは、浮遊する感覚が楽しいのか怖いもの知らずではしゃいでいる。
そんなトゲピーに岩が当たらないよう細心の注意を払いながら、何とか穴から脱出した。
リザードンは掴んでいる縄が完全に穴から出るまで上昇し、おもむろにロケット団が掴んでいる縄を落とす。
「「「ぶべっ!!!」」」
掴んでいた縄が急に放されたことでロケット団は顔面から地面に激突していった。
すまんな。
リザードンはカスミ達の傍に着陸し、俺もリザードンから降りる。
「サトシ!!」
「サトシ!話を聞く前に移動するぞ!ここも崩れる!」
「!」
辺りを見れば、ロケット団が仕掛けたダイナマイトで吹き飛んだのだろう岩が散乱しており、岩壁が崩れ始めていた。
ロケット団が地面に落ちた衝撃でも、岩が崩れていくほど脆くなっている。
「わかった!急ごう!」
リザードンにお礼を言ってモンスターボールに戻し、カスミとタケシと走り出す。
ロケット団も慌てて後を付いてくる。
「チョーゲチョーゲ。チョーゲプリィ」
走っている俺の腕に抱かれて、尚もトゲピーは楽しそうだ。
「グランパキャニオンにいた、他の人達はっ?」
「もう皆避難したわ!」
「地響きがすごくて、ここも崩れるってなって、軽いパニックに陥ったんだ!緊急で駆け付けたジュンサーさんが、避難誘導してくれてな!」
話しながらも、走るのは止めない。
後ろでガラガラガラと岩が崩れていく音がする。
グランパキャニオンを離れ、安全地帯と思われる場所でようやく足を止めた。
ロケット団は、いつの間にかいなくなっていた。
「ふ~~………ここなら――――」
大丈夫だなと言いかけたところで、何の前触れもなくカスミが抱き付いてきた。
もちろん、トゲピーは潰さないように。
「っと………カスミ?」
「………」
カスミは無言で俺の服をギュッと握る。
「カスミ?どうした?」
「……………ゕ……」
「ん?」
「馬鹿ッッ!!!!!」
突然の罵倒。
しかしバッと顔を上げて俺と目を合わせてきたカスミの目には、涙があとからあとから溢れてきていた。
「カ、カスミ……」
「馬鹿っ!バカバカバカバカ!!無茶っしないで、って………っ…あれほど、言ったのにっ!!!爆弾はっ、爆発、するわっ、……あんたの、すがた、はっ見えないわ…………地響き、すごいっ、し………地下、からっ……爆発音も、するしっ……もう!!!こんなに―――!!!」
しゃくりあげながら泣き縋っていたカスミは、ずるずるずると力が抜けたようにへたり込む。
慌てて俺もしゃがみ、トゲピーを抱いてる方の腕とは反対の腕でカスミを支える。
「こんなに、心配、かけて…………………ばかぁぁぁぁぁぁ!!」
ついには、再び俺に抱き付いて本格的に泣き出してしまった。
そんなに心配かけてたのか……。
前に経験していたことの繰り返しだと思って。
俺なら大丈夫だって心のどこかでずっと思ってた。
けど、前の俺にも今の俺にも。
心配してくれる仲間がいるんだ。
この世界で。
生きている。
俺も、一つの命。
「ごめん、カスミ……」
カスミの頭に手を置いて、そっと撫でる。
「心配かけて、ごめん」
俺の至らなさが招いた結果だ。
もう二度とこんなことは起こさない、とは言えないけれど。
「ピーカーチュ」
「悪かった」
できるだけ、気を付けていこう。
しゃくりあげながら何度も頷くカスミに安心して、タケシの方を見る。
タケシも、涙ぐんでいた。
「タケシも、悪かった」
「………まぁ、サトシはそういうところがあるからな。わかってたことだ。………無事だったから、今回はよしとしよう」
「サンキュー」
二人の優しさに、何度も救われている。
心配してくれるのは。
俺がこの世界で生きていてもいいって、証明になるから。
だから本当に――――。
「ありがとう、二人とも」
「ピーカピカチュウ…」
「ん」
カスミが落ち着くのを待ってから、何があったかを話すことにする。
落ち着いたカスミは泣いたことが恥ずかしいのか、それともまだ怒っているのか、顔を真っ赤にして体ごとそっぽを向いていた。
トゲピーにあげるミルクを作りながら、プテラが来る前までを話し、カブトプスをゲットしたことを話す。
そしてトゲピーにミルクをあげながら、プテラと死闘を繰り広げたことを話した。
皆で一丸となってかかり、最終的にリザードがリザードンに進化して倒せたこと。
ロケット団に勧められそのプテラをゲットしたこと。
ミルクを飲み終わったトゲピーにゲップを吐かせながら、オムナイトをゲットして進化したリザードンで脱出しようとして、上からタマゴが落ちてきてそのタマゴからトゲピーが生まれたことを話す。
ちなみに話している間、カスミは俺の方を見ようとしなかった。
真っ赤な顔を隠すように手で覆い、ぷるぷるしていた。
タケシは戦闘不能になった俺のニドキングの治療にあたってくれていた。
「そんなことが……色々あったんだな……」
「まぁな。皆がいなきゃ、本当にどうなっていたかわからない。俺はまた、こいつらに助けられたよ」
「ピ……チャ~~~~」
トゲピーを尻尾であやしてくれていたピカチュウの頭を撫でると、ピカチュウは気持ちよさそうにする。
「あれっ?ちょっと待って?」
それまでそっぽを向いて頑なに俺の顔を見ようとしなかったカスミが声を上げた。
「どうした、カスミ」
「ゲットしたプテラがオーキド研究所に転送されたなら、オーキド博士が危ないんじゃない?」
「あ」
カスミの言葉に、タケシがそういえばというような顔で青褪める。
「たぶん大丈夫だ。今オーキド研究所には、スイクンがいるからな。強者の気配を感じ取って、何とかしてくれてると思う」
「………あんたのスイクンへのその信頼は、やっぱり長年一緒にいるからこそなのかしらね…」
よくわかってるじゃん。
だってあのスイクンだぞ?
俺達が手こずったプテラだって、スイクンならばどうにかしてくれているだろう。
とはいえ、オーキド博士が心配ではあるので、急ぎポケモンセンターに向かうことにした。
「タケシ、ニドキングのことありがとな」
「どういたしまして。一通り治療はできたから、今から行くポケモンセンターで改めて体力を回復させれば、完全に回復すると思う」
「わかった。ニドキング、ありがとな」
「ニド」
頷いてくれたニドキングをモンスターボールに戻し、ポケモンセンターを目指して出発する。
トゲピーはカスミとタケシが抱っこしようとしたら泣いてしまったので、俺が抱っこすることになった。
まだモンスターボールには入れていない。
カスミが親にならなかったんだよなぁ。
どうしよう。
近くのポケモンセンターについて、ジョーイさんにピカチュウ含めた全モンスターボールを預け、テレビ電話に向かう。
オーキド博士に連絡を入れると、興奮しながらオムナイトを撫でくりまわしていた。
「おぉサトシ!連絡を待っておったぞ!」
「オ、オーキド博士。そのオムナイト……」
「うむ!サトシが送ってくれたオムナイトじゃ!いやぁ、化石ポケモンを直接手で触れる日がこようとは!長生きしてみるもんじゃのう!!」
興奮しているオーキド博士には悪いが、オムナイトがとてつもなく嫌がっているので一旦落ち着いてもらう。
「いやぁすまんすまん。つい興奮しての」
これにはカスミもタケシも呆れ顔である。
まぁ、オーキド博士の無事を確認出来てよかったとしよう。
「あの、俺が転送した一体である、プテラのことなんですけど……」
「あぁ、あのプテラ!ワシがボールから出したらものすごく興奮していてな。ワシも命の危険を感じたんじゃが、何ぞ強いオーラでも感じ取ったのかスイクンが颯爽と現れての。暴れ出そうとするプテラを〝ぜったいれいど〟で一瞬で氷漬けにして、どこかに運んで行ったぞ」
「運んで行った?」
「あぁ。後を追ってみると、スイクンがいつもいると思われる湖についた。そこでプテラが目覚めては、ボコボコにしておるようじゃぞ」
さすがスイクン。
やっぱり心配いらなかったな。
聞けば、〝ぜったいれいど〟を使わずともボコボコにしているらしく、さすがだ。
強い。
「サトシのために、プテラを落ち着かせようとしてるんじゃないかと思うぞ」
「本当に心配いらなかったわね」
「お互いをわかり合っている。サトシとスイクンの信頼関係はすごいな」
「へへ………博士、スイクンによろしくお伝えください」
「任せておけ」
俺の手元にプテラとスイクンを呼んで話し合い(物理)をしてもいいが、まずはスイクンに任せてみよう。
俺との決着は、ポケモン勝負でならすでに俺の勝ちでついてるからな。
まぁ、プテラが納得してるかどうかは別として。
俺とのタイマンをお望みなら、俺ももう少し鍛えなければ。
プテラをポケモンバトルに出せるようになるのは、まだかなり先になりそうだ。
あぁそれと、とオーキド博士が続けた言葉によれば、エーフィと太陽もプテラとの戦いに混ざり、ちゃっかりレベル上げに利用しているらしい。
最近ではあまり活躍の場をあげられなかったからな。
申し訳ないなと思いながら、その強かさに少し安心する。
ジョーイさんに呼ばれたのでオーキド博士にはまたすぐ連絡すると言って通話を終え、ポケモン達を受け取りに行く。
「ピッカァ!」
「お待たせしました。お預かりしたポケモン達は、皆元気になりましたよ」
「ありがとうございます、ジョーイさん」
ジョーイさんからピカチュウ達を受け取り、ポケモンセンターの裏庭を借りて強敵プテラと戦った後の様子を確認していく。
まずニドキング。
ピカチュウとリザードン以外では唯一戦闘不能にさせてしまったニドキングは、プテラリベンジに燃えていた。
こちらが心配するまでもなく、もっと強くなると意気込んでいる。
よかった。
次にオコリザル。
〝ふんどのこぶし〟を習得したからか、早く練度を上げて進化できるように頑張るのだと張り切っている。
怒りに我を忘れないように、とだけ言っておいた。
そしてウインディ。
強敵と初めて戦い、それもオヤブンプテラという野性味溢れるとんでもなく強い相手と戦って、自分だけ何もできずにモンスターボールに戻ったことを逃げだと捉え、落ち込んでいた。
そんなことはない、と慰めたがあまり効果はない。
ウインディは、もう逃げなくていいようにもっと強くなりたい、強敵と戦うプレッシャーに慣れるために次のジム戦で自分を出してほしいと言ってきた。
その想いに答え、次のジム戦で出すことを約束する。
ニンフィア。
ニンフィアはプテラの戦意と殺意をまともに浴びて、恐慌状態一歩手前だと感じるほど怯えてしまっていた。
ポケモンセンターという危険の欠片もない安全な場所で、改めて恐怖がぶり返してしまったらしい。
泣き縋ってくるニンフィアを抱きしめて、俺の波導を流しながら落ち着かせる。
最終的に幼子のトゲピーの無邪気さにも助けられ、ニンフィアに多少の笑顔が戻った。
バトルが嫌になったのならそれでいい、無理はしなくていいと伝えたが、ニンフィアは首を横に振った。
いつまでも一緒にいたい。
そのために、この恐怖を乗り切って、強くなって、打ち勝つのだと。
涙ながらに置いて行かないで、捨てないでと縋られ、そんなことするはずないだろうと抱きしめた。
ニンフィアに関しては、療養が必要だな。
ニンフィアが望むならしばらくは俺の手元に置くか、オーキド研究所で休んでもらうか。
ニンフィアに聞いたら、俺の傍にいたいらしい。
俺の傍で、俺の波導を浴びていたいと。
しばらくの間は、ピカチュウと一緒に固定枠だ。
リザードン。
とてもクール。
プテラを倒した張本人だというのに、自分が出る前に皆が頑張っていたからだと謙虚で、進化できなかったら負けていたことを恥じるほどのストイックさ。
無邪気に太陽を兄貴分として慕っていた面影はほとんどなく、今や太陽をライバルとして見ている。
さらに強くなることを望み、オーキド研究所に行ってプテラとタイマンで戦ってきていいかと聞いてくるほど。
一先ず止めて、本当にありがとうとお礼を言っておいた。
前の反抗期はどこ行ったん?
最後にピカチュウ。
「ピッカァ!」
元気。
〝はねやすめ〟を削り切った功績を称え、ユキさん譲りのマッサージの刑に処す。
「ピ~~カ~~チュ~~~」
溶けた。
ピカチュウはいつも通りだ。
俺の相棒なら当然のことをしたまでだと、俺の肩の上で誇らしげな顔をしている。
本当に、よくやってくれた。
「ねぇ、この子………トゲピー、だっけ?どうするの?」
全てのポケモン達の様子を見終わったタイミングで、俺の膝の上でスヤスヤ寝ているトゲピーを差して、カスミが聞いてくる。
どうする、か。
どうするかなぁ。
「う~~~ん………」
「まだ正式なサトシのポケモンではないんでしょう?」
「あぁ、ゲットはまだだな。ゲットしていいのかわからなくて……」
「なら!あたしがゲットする!」
「へ?」
「だってか~わいんだもん!」
つんつん、とトゲピーの頬を突っついてカスミはニコニコだ。
「おいおい。寝ている時に突っつくと―――」
「チョ、ゲ…!」
タケシが懸念した通り、トゲピーがぐずり出す。
「あ、ご、ごめん!」
「まぁまぁ。大丈夫だ」
トゲピーを抱っこしてあやせば、すぐに目を覚まして笑顔を見せてくれた。
「チョーゲ!チョキチョキ!チョゲプリィィ!」
「可愛いぃぃぃ!!ねぇトゲピー!あたしと一緒に行かない?」
俺の腕の中ではしゃぐトゲピーに、カスミが顔をずいっと近付ける。
「チョキ?」
「あ~ん、可愛い~~。ほら、抱っこからたかいたかーい!」
俺からトゲピーを受け取って、カスミが高く掲げる。
キョトンとしていたトゲピーは、そのうちうるうると目に涙を溜め始めた。
「え」
「な」
「あ」
「ピ」
「ピィィィィィ!!!」
っと思う間もなく、大泣きし始めてしまう。
「ほ、ほ~らトゲピー?こわくなーい、こわくなーい。高いの嫌だったのかな~?」
慌ててカスミがあやすが、効果はなくさらにトゲピーの泣く声が大きくなる。
「サトシじゃなきゃダメなんじゃないかっ?」
「えぇ?」
タケシの言葉に俺が戸惑いながらトゲピーを受け取り、よしよしとあやすとあっという間に泣き止んだ。
「チョゲ!」
それどころか、涙で濡れた頬を俺の頬にくっつけて嬉しそうに擦り寄ってくる。
「そんなぁ~~~」
「サトシのことを親だと認識してるんだろう。ゲットするならサトシ以外考えられないんじゃないか?」
「俺が………」
いいのだろうか。
カスミのトゲピーを、俺がゲットしてしまって。
戸惑いが抜けず、ピカチュウを見たら笑顔で頷かれた。
トゲピーの方を見ると、よくわかっていなさそうな笑顔で首を傾げている。
ポケモンが望むのであれば。
ポケモンの意思が、第一優先。
俺の元に来て、幸せになれるのなら。
いや、俺が幸せにするのだ。
ポケモンが望むなら、願うなら。
全力でそれを叶える。
それが、今の俺だ。
「トゲピー。俺と一緒に、来るか?」
「チョゲ!」
一瞬の迷いもなくトゲピーは頷いた。
それなら決まりだ。
前と違う道を歩んでるなんて、もう今更だ。
「よろしくな、トゲピー。俺が君を、幸せにする」
「チョゲップリィィィ!」
空のモンスターボールを取り出してそう言うと、トゲピーは嬉しそうに自ら入っていった。
揺れもせずに収まったので、ポケモン図鑑の機能をいじってリザードンをオーキド研究所に送り、トゲピーを手元に残す。
トゲピーはまだ赤ちゃんだから、しばらくは手持ち固定だろう。
見ている感じ、タマゴから生まれた個体だとしてもリーフィア達よりも寂しがりやで泣き虫で甘えん坊な、赤ちゃんらしい赤ちゃんのような気がするし。
すぐにトゲピーを出して、抱きしめる。
「チョゲチョゲ~~~!」
喜ぶトゲピーに俺も癒されてフッと笑う。
「トゲピー、ゲットだぜ!」
「ピッピカチュウ!」
こうしてトゲピーは、俺のポケモンになったのだった。
ポケモン達のチェックが終わったところでもう一度オーキド博士に連絡を入れ、手持ちを調整する。
ゾロアとヒンバスが全快し元気になったとのことだったので、様子見がてらその二匹を送ってもらう。
ピカチュウ、トゲピー、ニンフィアは固定として、あと一匹。
ポリゴンと迷ったけどカラカラ、君に決めた。
手持ちを調整した後に、母さんにも連絡を入れる。
すると母さんは、パッと顔を明るくした。
「あらサトシ。いいところで連絡したわね!」
「いいところ?」
「たぶん、もうすぐそっちにつくと思うわ」
「つくって、何が?」
「香水のお礼よ!もう本当にいい香りで、とっても気に入っちゃった!選んでくれたっていうエリカさんにもよくお礼を伝えておいて?」
「それはもちろんだけど、何を送ってくれたの?」
「デパートで安売りしてたものを、まぁ色々と。旅に役立ててちょうだい」
何が送られてくるのか結局わからないが、まぁいいか。
「わかった。ありがとう、母さん」
「元気でやってるみたいで安心したわ。無茶はしてない?」
「シテナイヨー」
目をそらした先に、ジト目をしたカスミがいた。
再び目をそらす。
「あまりカスミちゃんやタケシ君に迷惑かけちゃダメよ?」
「うん、わかってる」
「ならよろしい!」
母さんは俺の返事に満足そうにして、しばらく近況を話した後通話を切った。
母さんがもうすぐつくと言うなら、少しこのポケモンセンターで待つかという話になり、久しぶりにソファで駄弁ってゆっくりする。
しばらくした後に、
「マサラタウンのサトシさん。お荷物が届いております」
と放送が入った。
受け取りに行くと、何やら段ボールを渡される。
邪魔にならない場所に移動して開けてみると、クリアチャーム、パンチグローブ、かいがらのすず、かえんだま、どくどくだま、くろいメガネ、ものしりメガネ、くろおび、ゴツゴツメット、じしゃく、シルクのスカーフ、しんかのきせき、しんぴのしずく、たつじんのおび、ちからのハチマキ、メトロノーム、プロテクターと、まさかのポケモンの持ち物がたくさん入っていた。
お幾ら万円かかったんだと身震いしたが、デパートで安売りしていたと言っていた。
ポケモンに持たせるという認識がない以上、これらは人間の物としてとても安く売られていた可能性が高い。
母さんもポケモンに持たせる物だとは思っていないだろうが、いいもの送ってくれたぜ。
荷物を整理してから、再び母さんに連絡を入れてお礼を言った。
旅立つ前に、ゾロアとヒンバスの様子を確認する。
あまり人の目がない場所に移動して、モンスターボールから二匹を出した。
「アン!」
「バッ!」
ゾロアは俺の姿を見て嬉しそうに尻尾を振り、カスミとタケシの姿を見て固まった。
ヒンバスも同じで、俺の姿を見た時は嬉しそうな顔をしたがカスミとタケシを視界に入れるとピシリと固まってしまった。
「まだ人馴れしてない、か……」
「しょうがないさ。今までずっと療養してたんだからな。これからだ」
「だけど、これだけ怯えられると罪悪感というか、こっちも傷付くというか……」
俺がしゃがんで手を差し出すと、すぐに二匹とも腕の中に飛び込んできてカスミとタケシの視線から隠れる。
二匹の境遇を思うと致し方ない反応だが、一緒に旅をするなら馴れていってもらわないとな。
そっと二匹を撫でてから、両腕で抱きしめてタケシとカスミの方に向き直る。
途端にピシーッと固まる二匹。
「ゾロア、ヒンバス。こっちはカスミとタケシ。俺の仲間なんだ。君達を傷付けるような人達じゃないよ。少しずつでも、馴れていってくれると嬉しい」
「…………アン?」
「…………バッバッ」
ゾロアとヒンバスが恐る恐る見上げてきたので、微笑んで頷く。
それでも不安そうにする二匹は、カスミとタケシに向き合えずにいる。
「ゾロア、ヒンバス。あたしカスミ。よろしくね?」
「俺はタケシだ。これからよろしくな」
みかねてカスミ達の方から一歩を踏み出した。
微笑んで挨拶して、ゾロア達の反応を根気強く待つ。
挨拶する際物理的にも一歩踏み出したことで、距離が近付きゾロア達はぷるぷる震えている。
それでも悪い人ではないとわかってくれたのか、二匹はコクリと小さく頷いた。
「これから、ね」
「あぁ、これからだ」
「焦る必要はないからな、ゾロア、ヒンバス。ゆっくりでいい。二人のペースで、仲良くなっていこう!」
「………アン!」
「バッ!」
二人とも頷いてくれたので、よしとする。
今はあまりストレスや負担をかけるのはよくないだろう。
時間はたっぷりあるのだ。
ゆっくり向き合っていこう。
この様子だとバトルは無理かと思ったが、二人とも何故かバトルには乗り気だった。
自分達は戦い方を知らず、野生のポケモン達の群れにやられっぱなしになるしかなかったので、強くなって自分達と同じ境遇のポケモンを守れるようになりたい、という想いが強かったのだ。
進化もする気満々だった。
そのためヒンバスに、美しさを上げるポロックを作り、食べてもらうことにする。
ポロックキットは旅立つ前にナナミさんのお下がりを貰っているので、抜かりはない。
虹色ポロックやすごいポロックなんかができれば、儲けものだ。
カスミとタケシは、ヒンバスの進化に何故ポロックが必要になるのかわからないようで、首を傾げていた。
ふふふ。
進化する時まで内緒だ。
ちなみにカラカラは元気だった。
幼いながらも特訓に励んでいたようで、だいぶ強くなっていた。
ポケモン達の調子も見れたし。
さぁ、旅を再開させよう!
第52話 ラッキーのカルテ
旅を続けてとある町に辿り着き、公園に立ち寄るとたくさんのリンゴが生っていた。
ピカチュウが嬉しそうに木を駆けあがって、何個か取ってきてくれる。
皆で軽食タイムだ。
「よく噛んでゆっくり食べろよ」
「ピカ!」
「チョゲ!」
「フィ~ア!」
「アン!」
「バッ!」
「カラ!」
皮をむいて小さく切ってあげると、嬉しそうに食べ始める。
しばらく休んだ後、さぁ出発だと歩き出したが人間の病院の前を通りかかると、何やら救急車の列ができていた。
「どうしたのかしら?」
「事故でもあったのか?」
不思議に思って様子を見ていると、病院から医者と思われる男性が出てくる。
「せっかくのホリデーだっていうのに。とてもじゃないが、この数を一人では……ん?」
医者が俺達に気付き、にこやかな笑顔で近付いてきた。
「やぁ君達。ちょっと手伝ってくれないか?」
「手伝うって……何があったんですか?」
聞けば、ポケモンを運んでいたトラックが交通事故に巻き込まれたらしい。
怪我をしたポケモンの数が多く、近くのポケモンセンターだけでは手が回らないと。
たくさんの怪我したポケモンが運び込まれてくるので、人間の救急病院で応急処置だけでもしてほしいとのことだった。
つまり、ポケモン達が危ない。
「手伝います!ポケモン達の治療なら、多少はできますから!」
「OK。話が早くて助かるよ」
ドク、と名乗ったドクターから渡された白衣に着替え、ドクの指示に従いながらポケモン達の応急処置に当たっていく。
泣き喚くカラカラをニンフィアの波動で落ち着かせ、レントゲンを撮って治療方針を決め。
尻尾が絡まったロケット団のアーボックを麻酔で落ち着かせて解き。
首が絡まってしまったドードリオに俺の波導を流して落ち着かせ、解き。
ピカチュウ、ニンフィア、ゾロア、カラカラにも手伝ってもらいながら、運び込まれてくるポケモン達の応急処置をしていく。
もう少しで終わる、というところで本性を現したロケット団だが、アーボックとマタドガスが助けられた恩故に戦うことを拒否していたので、さくっと「「「やな感じーーーーー」」」にする。
無事治療が終わり、白衣をドクに返せば一件落着だ。
ドクは自分でメスを持たせれば世界一のドクターと言うだけあって、腕がよかった。
女性に軽薄な部分があったのには苦笑いしたがな。
「君達なら、きっといい医者になれる。どうだい?この病院で勉強する気はないかい?」
全てが終わった後に、ドクがそう言ってくれた。
医者、医者か。
ポケモンドクターじゃなくても、人間の医者の知識はあって困るものではない。
なってもいいかもしれない。
だがそう焦って自分の道を決めることもないだろう。
俺達はまだ、旅の途中だ。
「それもいいかなって気はするんですが、俺はまずは、ポケモンマスターへの道を極めます。それから改めて考えることにします」
「自分は、世界一のポケモンブリーダーを目指しているので」
「あたしもお医者もいいかなって思うけど、とりあえず水ポケモンを極めてからね」
「うん。君達ならきっとなれるよ。Good luck!」
ドクに見送られ、俺達は旅への道に戻る。
多くのポケモン達を救えてよかったぜ。
第53話 ガーディとコジロウ
とある町の入り口に差し掛かると、一つの看板を見つけた。
「ん?何だこれ?」
「たずね人?」
「この子…」
「もしかして…」
「「コジロウ!?」」
カスミとタケシの声を聞いて思い出した。
コジロウのご両親がコジロウを連れ戻すために罠を張り、コジロウのフィアンセであるルミカさんがとんでもない性格をしていたことがわかった話だ。
できればかかわりたくない一件である。
そう思ったところで、後ろから長いリムジンが現れる。
「コジロウ様を、ご存じで!?」
「ロケット団のコジロウなら…」
「知ってますけど……」
「あぁ!神様ありがとうー!!ではさっそくお屋敷へ!」
俺が止める間もなくカスミとタケシが答えたことにより、執事さんは感涙して俺達を問答無用でリムジンに乗せて発車した。
行きたくないよう。
門を通ってからも随分と走り、辿り着いたものすごく大きく立派なお屋敷。
コジロウの愛ポケ、ガーちゃんの犬小屋だという屋敷ですら立派だ。
そういえば、コジロウのガーディがこの犬小屋から出たがっていたはずなので、あとで出してあげよう。
「さ、どうぞ中へ」
「はぁ…」
執事の案内に従い、中に入っていく。
中には花に囲まれた棺桶が二つ、並んでいた。
「こ、これって、もしかしてお葬式!?」
「コジロウ様は、我がご主人様のたった一人のご子息。そしてこの屋敷は我がご主人様のお屋敷なのです」
「「えぇぇぇ!!?」」
「ってことは、コジロウの実家はこのお屋敷ってこと!?」
タケシとカスミの驚き声を聞きながら、波導で辺りを探ると天井裏にロケット団がいるのを発見した。
コジロウ、今回はご愁傷様だぜほんと。
執事の人がコジロウのご両親がぽっくりと亡くなってしまったこと、そしてご両親が亡くなられて二十四時間以内に許嫁の方と結婚しないと、全ての財産は寄付されるとの遺言で、コジロウの捜索は急ぎなのだと伝えられた。
執事さんの話を聞き終え、一旦外に出て腰掛ける。
「どうする?」
「どうするも何も、なぁ……」
「俺達にできることといえば、コジロウを見つけて、せめてご両親のお葬式にだけでも出させやることぐらいだな」
カスミとタケシと話していると、上からロケット団が降ってきた。
ムサシとニャースは、遺産目当てにコジロウを許嫁と結婚させたいみたいだが、コジロウは記憶喪失のフリまでして全力で拒絶している。
ルミカさんの性格を思えば、まぁ納得だ。
そういえばと思い、犬小屋だという屋敷の扉を力任せに開けてあげ、ガーちゃんを解放する。
ガーちゃんは外に出られたことに大喜びしながら、コジロウの腕の中に飛び込んでいった。
「ガーちゃん!!!」
「ワゥワゥ!」
驚きと喜びで戸惑いながら、コジロウはガーちゃんを抱きしめる。
「ジャリボーイ、どうして……」
「幾ら屋敷が広いとはいえ、閉じ込めておくのは虐待だ。誰のポケモンだろうが辛い思いはさせられないよ」
「ジャリボーイ…………あ、ありがとうぅぅ」
コジロウは泣きながら再びガーちゃんを抱きしめ、ガーちゃんも嬉しそうにコジロウの涙を舐めている。
これでこの屋敷から逃げれば、と思ったが、そう上手くはいかなかった。
大きく騒いでしまったからか執事が顔を出してしまい、遺産に目がくらんだままのムサシとニャースがコジロウを引っ張っていったのだ。
俺達は取り残され、どうするかと顔を見合わせる。
まぁ、ガーちゃんは自由にしたんだ。
あとはどうにでもなるだろう、ロケット団だし。
結局俺達は厄介なことに巻き込まれまいと、その場を後にした。
次ロケット団と会う時は、コジロウの手持ちにガーちゃんが増えていることを期待して、旅は続く。
第54話 カモネギのカモ
旅の途中、石に腰掛け一休みしていた時。
「そういえばこの辺りで、珍しいポケモンのカモネギを見かけたっていう噂があるんだ」
「カモネギ?」
カスミが不思議そうにしていたので、ポケモン図鑑で見せてやる。
「へぇぇ。ネギみたいなの持って、何だか面白そうね」
そういえば前、珍しいカモネギを使って悪さをしていたトレーナーがいたような?
思い出そうとしていると、難しい顔をしていたのかカスミが顔を覗き込んでくる。
「どうしたの、サトシ。眉間にしわ寄せちゃって」
「ん?うん………そのカモネギの噂には、気を付けた方がいいような……」
「気を付ける?どうして?」
「カモネギの珍しさを囮にして、悪さを働くトレーナーがいる、っていう噂もあるんだ。珍しいポケモンだからといって、ホイホイついていくのはよくないんじゃないかなって」
断定する形にはできず、適当に濁す。
カスミは半信半疑のようで、ふーん、と頷いていた。
「まぁともかく、この近くには美味しい湧き水があるから、汲んでこよう」
タケシが話題を変えてくれたので、ありがたく俺も立ち上がる。
「あたしのもお願い。疲れちゃって……」
「しょうがないなぁ」
カスミの水筒を受け取り、タケシと一緒に汲みに行く。
帰ってくると、カスミがいなくなっていた。
カスミの荷物もない。
「カスミー?」
「おーい、カスミー。どこ行ったんだー?」
タケシと一緒に探していると、カスミが戻ってくる。
「あ………えへへ。カモネギをゲットしようとしたんだけどぉ、逃げられちゃったぁ」
「なっ!?まさか抜け駆けしようとしたのか!?」
「え、っと…!」
あははは、と照れ笑いするカスミにタケシの鋭い指摘が刺さり、カスミがギクリと身を強張らせる。
「と、とにかく!ネギみたいなのをバトン代わりにして、もうむちゃくちゃ面白いポケモンなんだから!」
「へぇ、俺も会ってみたかったな」
慌てて話を逸らしたカスミに乗ってやって、ほら、と水筒を手渡す。
「ありがとう~……………って、あぁ!!?」
水筒をしまおうとバッグを開いたカスミが突然大声を上げる。
何だと思ったら、バッグの中身が石ころを包んだ紙になっていた。
バッグごとすり替えられたようだ。
「サトシが言ってた噂のトレーナーか!?」
「あいつのことだったのぉ!?どうしよう、あたしのポケモン達!!」
うわーん、と泣き始めてしまったカスミを宥めながら波導を全開にする。
ポケモンを悪さに使う悪質なトレーナーを、見逃すわけにはいかない。
波導でカモネギを探り、そこからトレーナーの居場所を探り当てる。
「見つけた!行こう!」
「うぅ…サトシィ……」
「大丈夫だ。行こう、カスミ」
涙目で座り込むカスミに手を貸して立たせ、見つけた場所へと急ぐ。
テントが張ってあるその場所で、犯人の少年はご飯を食べていた。
「見つけたわよ!さっきの!」
「ッ!なんでここが!?」
「あたしのバッグと、ポケモン達を返しなさい!」
「ピーカピーカ!」
「チョゲップリィィィ!」
「やべっ!」
慌てて逃げようとする少年の進路を、すでに回り込んでいたタケシが塞ぐ。
「観念するんだな!」
「ぐっ…!」
「口から出まかせ言って、人のポケモンを取り上げるのはよくないぜ?ポケモンってのは、愛情を持って育てて、それで正々堂々ポケモン勝負で強くしていくものだぞ?」
「うっ…!」
俺がそう言うと、少年は情けない顔になる。
「まずは、ポケモン勝負の厳しさを教えてやる必要があるな」
「えぇっ!?」
「ピーカ!」
タケシの言葉に、やる気満々でピカチュウが前に出る。
いやいや、ピカチュウじゃ弱いものいじめになっちゃうから。
それはダメだから。
「ま、待ってくれよ!カモネギは弱いんだよ!仕方がなかったんだよ!」
「そんなことないさ。ポケモンは育て方次第でどうにでもなる」
「でもカモネギは――!」
「キャモッ!カモッ!」
「えっ?カモネギ………戦うのか?」
「キャモッ!」
「カモネギのポケモントレーナーであるお前が、まず一番にする必要があること、何かわかるか?」
「えっ………カ、カモネギを、悪さに使わない………?」
「それは倫理的に大前提の、人としてのモラルだ。それもあるけど、カモネギのトレーナーとしてまずやること。それはカモネギを信じることだ」
「……………信じる……」
「ポケモントレーナーが自分のポケモンを信じなくてどうする。そんなんだから、詐欺だの窃盗だのに走ることになるんだ」
「うっ、うぅぅ……」
少年が苦悶の表情でカモネギの背中を見つめる。
カモネギは、俺とバトルする気のようで前に出てネギを構えていた。
「よし。カラカラ、君に決めた!」
「カラ!」
カモネギがバトルに慣れていないこともあり、バトルはあっという間に決着がついた。
〝はらだいこ〟で攻撃力を最大まで上げてからの〝ずつき〟連打で終わり。
怯みを引いたのか、カモネギは何もできず戦闘不能になった。
トレーナーが指示を出せない状態だから、野生のポケモンを相手するようなものだった。
「カ、カモネギ…!!!」
慌てて少年が目を回しているカモネギを抱き上げている姿に、少しだけ罪悪感が湧く。
だがそれを押し込んで、やったよー!、と腕の中に飛び込んできたカラカラの頭を撫でた。
「よしよし。よくやったぞ、カラカラ」
「カラ!カラッ!」
「サトシのカラカラは、まだ幼い部類に入る。それこそカモネギよりもな。それも、ゲットしてからサトシと一緒にバトルするのはこれが初。それでもお前達を圧倒した。この違い、何かわかるか?」
「ち、違い………え、えっと……」
「サトシとカラカラは、お互いトレーナーを信じ、ポケモンを信じ、強くなるために努力したんだ。サトシはカラカラのためにトレーナーとしての腕を磨き、カラカラはサトシのためにレベルを上げ強くなる努力をした。これが、ポケモンとポケモントレーナーの在り方だ。カモネギは弱いからと決めつけてカモネギのことを信じず、楽な方に逃げたお前は、はっきり言ってカモネギのトレーナー失格だ!」
「お、俺は…………………う、うぅぅぅぅ」
カラカラが喜んでいるのを背に、タケシが少年に説教する。
随分と効いたようで、少年はカモネギを抱きしめたままずるずると座り込んでしまう。
「これに懲りたら、もう詐欺や窃盗は止めるんだ」
「は、はい……!」
泣きながら何度も頷く少年に、一先ずカスミと顔を見合わせて苦笑で済ました。
だが犯罪ではあるので、とりあえずジュンサーさんのところには行かないとな、と思っていると、ロケット団が気球に乗って現れる。
「見ーつけた!」
「もう逃がさないぞ!この盗人!」
「君、ロケット団のポケモンまで盗んでたのか……」
「ご、ごめんなさい……」
少年の図太さにも、ロケット団の騙されやすさにも、さすがに少し呆れた。
「俺達のポケモンを返せーーーー!」
「あたし達からポケモンを盗むなんて、いい度胸じゃないの!」
「ご、ごめんなさい!悪気はなかったんです!この通り、ポケモン達はお返ししますので!」
ペコペコ頭を下げながら、少年がテントに入ってロケット団のモンスターボールを取ってくる。
「あまーい!」
「返せばいいってもんじゃないのよ!」
怒り狂っているロケット団は、自分達のモンスターボールが返ってきてもその怒りを収めようとしない。
全面的に少年が悪いが、さてどうしたもんか。
「そのへんにしといたら?あんた達だって、いつもあたし達のポケモンを盗もうとしてるじゃない」
「あーーー!ジャリボーイ達!!」
カスミの声で、ようやく俺達に気付いたようだ。
「今はあんた達に用はないのよ!」
「ニャー達を止めようって言うなら、おみゃーらのポケモンも全部奪ってやるニャ!」
そう言って何故かロケット団の矛先が俺達に向く。
そうしてくれるなら話は早い。
「ピカチュウ、〝でんこうせっか〟!カラカラ、〝ずつき〟!」
「ピッカ!」
「カッラ!」
何故かポケモンを出さずに向かってきたムサシとコジロウとニャースを、気球まで吹っ飛ばす。
「キャモ!キャーモッ!!」
目を覚ましていたらしいカモネギが、ネギをブーメランのように投げて気球に穴を開け、止めを刺した。
「「「やな感じーーーーー」」」と飛ばされるロケット団は、今回は少しだけ不憫だな。
「カモネギ………お前……」
「そのカモネギは、強くなる意志があるみたいだな。バトルにも出たがってたし」
「…………カモネギ……」
「反省してるなら、ちゃんと一からポケモントレーナーとして学び直すんだな」
「はい、そうします!」
俺の言葉に頷いた少年は、嬉しそうにカモネギに抱き付きに行った。
改心してくれたなら、一件落着かな?
その後、ジュンサーさんの元まで出頭した少年は、ポケモンを返すだけで許されていた。
優しい世界だなおい。
「もう二度と、悪いことはしません。カモネギを、もっともっと強くする旅に出ます」
「ポケモンは、育てる人によってどんな風にも育つからな」
「うん、ありがとう!じゃ!」
少年がカモネギと去って行く背を見送り、俺達も旅に戻るのであった。
スイクン(色違い) Lv.49→50
エーフィ♀ Lv.51→52
リザードン♂ Lv.52→53 -太陽-
ピカチュウ♂ Lv.55
キュウコン♂(色違い) Lv.46
バタフリー♂ Lv.47
ピジョット♂ Lv.48
ニドキング Lv.50
フシギダネ♂ Lv.46
リザードン♂ Lv.53
カメール♂ Lv.45
キングラー♂ Lv.44
ニンフィア♀ Lv.49
ゲンガー♂ Lv.53
バタフリー♀(桃色の色違い) Lv.20 -モルガナ-
ゲンガー♂ Lv.46
オコリザル♂ Lv.51
ブラッキー♂(色違い) Lv.41
ウインディ♂(ヒスイの姿) Lv.49
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ベトベトン♂ Lv.45
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ケンタロス♂ Lv.36
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サイホーン♂ Lv.34
バサギリ♂(色違い) Lv.34
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カラカラ♂ Lv.30→32
ポリゴン Lv.30
カブトプス♂ Lv.40
プテラ♂ Lv.60
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