転生サトシの旅路   作:ナノブ

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32.どんな最後が待っていようと

第68話 トキワジム! 最後のバッジ

 

 

トキワの森を抜けて、何事もなくトキワシティに辿り着いた。

 

 

「トキワシティ、久しぶりね!あ!ポケモンセンター、復活してるわよ、サトシ!」

 

「ほんとだな」

 

 

カスミに答えながら、壊れた箇所が完全に修復されているポケモンセンターに入る。

 

 

「まぁ!サトシ君達!」

 

「お久しぶりです、ジョーイさん。俺のポケモン達、全員お願いできますか?」

 

「もちろんよ!任せて!」

 

 

ジョーイさんにポケモン達を預けると、タケシがナンパする前にジョーイさんは張り切って奥へと行ってしまった。

ポケモン達、特に肩に乗ったピカチュウがいなくなって、ようやく自分の指が震えていることに気付く。

緊張か、武者震いか。

両方だな。

 

しばらく待っていると、ジョーイさんが戻ってきた。

そして元気になったポケモン達を受け取っていく。

 

 

「ピカピ!」

 

「おかえり、ピカチュウ」

 

「ピッカ!」

 

「サトシ君はこれからジム戦?」

 

「はい。ここが最後のジムなんです」

 

「まぁそうなの!どうりで前会った時より、逞しくなっているはずだわ!」

 

「はは、そうですかね」

 

 

お世辞か励ましかわからなくて、頬をかいて苦笑する。

 

 

「自信持って?ジムバッジを七つ集めるだけでも大変なことなのよ?苦難を乗り越えてここまで辿り着いたサトシ君の実力を、おそらくサトシ君のポケモン達が一番よく知っているはず」

 

「ピカピッカ!」

 

 

ジョーイさんにまで俺の緊張が伝わってたのかな?

そうだったら、さすがに気負い過ぎだな。

俺は意識して肩の力を抜き、深呼吸した。

 

 

「はい、ありがとうございます。勝って、もう一度ここに戻ってきます」

 

「ふふふ、楽しみにしてるわ」

 

 

俺の緊張を解き、笑顔で見送ってくれたジョーイさんに感謝して、いよいよトキワジムに向かう。

前はシゲルに先を越されたが、今回は――――。

 

 

「おや、サートシ君じゃないか。今からジム戦かい?」

 

 

トキワジムの前に辿り着くと同時に、声がかかる。

見れば、シゲルが例の赤いオープンカーに乗ったまま、こちらを見ていた。

 

 

「シゲル………シゲルは今からマサラタウンに帰るのか?」

 

「あぁ、リフレッシュは終わりだ。マサラタウンに帰って、ポケモンリーグに向けて特訓と調整を始めなければね」

 

 

今回は記念にトキワジムに挑戦していく、といったことはないようだ。

既にポケモンリーグに出られるだけのジムバッジを持っているから、ポケモンリーグに出すポケモン達の調整を早くしたい、といったところか。

今回は記念でジムバッジを集めるほど、お気楽というか油断というか、慢心はしていないようだ。

あ、そうだ。

 

 

「シゲル。一つ、頼みがあって」

 

「何かな?僕のポケモンをジム戦で使いたいから貸してくれ、という頼みなら聞けないけど」

 

「そんなこと頼むかよ……」

 

 

シゲルの有り得ない返しに、いい意味で肩の力が抜ける。

 

 

「俺がトキワジムに入って、一時間経っても戻ってこなかったら。ジュンサーさんにトキワジムを捜索するよう、通報してほしいんだ」

 

「…………………は?」

 

「ちょ、ちょっとサトシ?」

 

「いきなり、何を……」

 

 

俺の頼みに、カスミとタケシも戸惑っている。

シゲルも俺の意図がわからないようで、真意を探ろうと俺の目を見つめてくる。

シゲルが先にトキワジムに入らないとしたら、まず間違いなくミュウツーが出てくる。

 

そして、万が一。

億が一俺が負けた場合、俺のポケモン達、主にスイクンと、カスミとタケシの身が危ない。

俺の命は何をおいても後にしたとして、それだけで守り切れる保証が、ない。

相手はマフィアだ。

何を仕掛けてくるかわからない。

最悪の場合、俺が時間を稼いでいる間に俺のポケモン達とカスミ達の身の安全を確保できる、最終手段が欲しい。

 

シゲルの目を、真っ直ぐ真摯に見つめ返した。

しばらく見つめ合って、折れてくれたのはシゲルだった。

よくわからない、という表情をしながらもため息を吐き、頭をぐしゃぐしゃとかく。

 

 

「わかったよ。君のことだ。理由もなくそんなことは言わないだろう。君がトキワジムに入って一時間経っても戻らなかったら、ジュンサーさんに通報しよう」

 

「サンキューな、シゲル」

 

「…………………無事に、戻ってこい」

 

「そうするつもりだ」

 

 

シゲルにお礼を言って、門番が立っているところへと歩き出す。

慌ててカスミとタケシもついてくる。

不安そうな視線をシゲルガールズから向けられているのを感じながら、門番の前に立った。

 

 

「俺はサトシ。マサラタウンのサトシだ。トキワジムのジムリーダーに、公式戦を申し込む!」

 

 

門番が持っているハルバードで地面を叩くと、門が開いていく。

サカキ様には名乗っていないのでこれで伝わることはないだろうが、もう逃げ場はない。

正々堂々勝負だ、サカキ様!

 

中に入っていくと、中世風の部屋にスタンダードなバトルフィールドがあった。

サカキ様は二階に位置する観客席のような場所で悠々と座っており、ペルシアンを撫でている。

こちらを見て、俺の顔を認識したらしいサカキ様が、ほう、と声を出して立ち上がった。

 

 

「まさかこうも早く次があるとはな。お前とはどうやら、因縁でもできたらしい」

 

 

サカキ様が声を発し前に出たことで、カスミとタケシも気付いたらしい。

 

 

「その声!ロケット団のボス!?」

 

「ロケット団がトキワジムのジムリーダーなのか!?」

 

 

驚きのままに声を上げるカスミ達に、何が面白いのかサカキ様は笑う。

 

 

「そうとも。私がトキワジムのジムリーダー、サカキだ。さて、次会った時は、全力で叩き潰してやろうと言ったはずだ。こちらの準備はすでにできている。バトルは六対六のフルバトル。レベル制限も時間制限もなしだ。それでよければ相手をしよう」

 

「なっ!?」

 

「そんな無茶苦茶な!ジムリーダーとして、挑戦者にあった形式で戦うのが筋だろう!」

 

「サトシ!ここは一旦―――」

 

「もっとも、逃げ帰ってもいいがな。その場合はグリーンバッジは手に入らないし、私達ロケット団も尻尾を掴まれるような間抜けな真似はせず、お前達が通報したところで無駄に終わる。お前は私の期待外れだったと、ただそれだけのことだ」

 

「「……………」」

 

 

今ジュンサーさんのところに駆け込んでも意味がないと言われてしまい、カスミ達は悔しそうにする。

大丈夫。

元より俺は――――。

 

 

「逃げるつもりはない」

 

「サトシ?」

 

「トキワジムのジムリーダー、サカキ!俺はマサラタウンのサトシ!俺とグリーンバッジをかけて勝負しろ!」

 

 

俺の言葉に驚きを顕わにしたのは、カスミとタケシのみ。

ピカチュウは既に、戦闘態勢に入って頬袋から電気を迸らせている。

そうだ。

このために、準備してきたのだから。

 

 

「サトシ……」

 

「サトシ…!」

 

「大丈夫だ。絶対勝つ」

 

 

不安そうにするタケシとカスミに、俺は背中で語ってみせた。

バトルフィールドのトレーナーエリアに入る。

 

 

「威勢のいいことだ。では始めるとしよう」

 

 

サカキ様は懐から出したモンスターボールを構え、ポケモンを繰り出した。

出てきたのはダグトリオ。

レベル56、覚えている技〝じわれ〟、〝あなをほる〟、〝ふいうち〟、〝いわなだれ〟。

〝ふいうち〟要警戒。

 

 

「太陽、君に決めた!」

 

「グワァァァァ!!!」

 

 

俺は初っ端から、メトロノーム持ちの太陽だ。

おそらく小手調べ要員であろうダグトリオ相手に、あまりダメージを負わず倒したい。

 

 

「太陽、〝えんまく〟だ!」

 

「グワゥ!」

 

 

俺の指示に、おそらく〝ふいうち〟を指示しようとしたのだろうサカキ様の動きが一瞬止まる。

 

 

「斜め下だ!〝かえんほうしゃ〟!」

 

 

視界が悪い状況で、見事ダグトリオに〝かえんほうしゃ〟を直撃させる。

 

 

「〝あなをほる〟」

 

 

俺が視界が悪い中でもポケモン達の居場所がわかると理解したらしいサカキ様が、すぐにダグトリオを地中に逃がす。

だが、それだけじゃ甘い!

 

 

「同じ位置の真下に穴がある!その穴に〝りゅうのいぶき〟!」

 

「グワァァァァ!!」

 

 

ダグトリオが作った穴に〝りゅうのいぶき〟を放ったことで、ダグトリオに直撃したらしい〝りゅうのいぶき〟がダグトリオを押し上げて地上に出てきた。

 

 

「なんだと?」

 

「今だ!〝エアスラッシュ〟!」

 

 

多少の驚きで動きが止まったサカキ様の隙を見逃さず、空中に放り投げられていたダグトリオに〝エアスラッシュ〟連打を決め、戦闘不能にまで持っていく。

太陽はダメージを一切喰らわず、元気な様子で降り立ち、咆哮を上げた。

 

 

「見込み通りだ。中々やる」

 

 

サカキ様は何もできず一体失ったというのに、余裕な表情でこちらを見下ろしている。

ダグトリオをボールに戻し、次に手に取ったサカキ様のボールから出てきたのは、ガルーラだった。

ガルーラを見て、綺麗な石が付いていることを確認する前に、ピンときた。

このポケモンは―――。

 

 

「私も言ったからには、少しは本気を出してみようか。貴様はもう知っているな?この力を」

 

 

サカキ様が、ガルーラをメガシンカさせてきた。

メガガルーラ、レベルは62、覚えている技は〝ねこだまし〟、〝グロウパンチ〟、〝ふいうち〟、〝ギガインパクト〟、〝かみなりパンチ〟、〝いわなだれ〟、〝じしん〟。

間違いなく強敵だ。

 

 

「戻ってくれ、太陽。コノヨザル、君に決めた!」

 

「ブヒ!」

 

 

俺の二番手は、たつじんのおび持ちのコノヨザル。

サカキ様が誰をメガシンカするのか考えた時、一番最初に浮かんだのがガルーラだった。

ゲームでも出していた印象があったからだ。

〝ふんどのこぶし〟は刺さらないが、向こうの威力が高いノーマルタイプの技を喰らわずに済む。

 

そしてこちらの格闘タイプの大技は刺さり、サカキ様がコノヨザルのことをよく知らないとくれば、対メガガルーラ用のポケモンとして、コノヨザルを選出しないわけがなかった。

さらに欲を言うなら、メガガルーラ戦で受けた攻撃分の威力が上がった〝ふんどのこぶし〟を、もう一体のメガシンカポケモンにぶつけたい。

 

 

「出てきたな………〝ねこだまし〟」

 

 

サカキ様にコノヨザルのタイプを覚らせなかったのが功を奏し、ノーマルタイプの〝ねこだまし〟で攻撃してきてくれた。

当然、ゴーストタイプを併せ持つコノヨザルには効果がない。

特性がきもったまならまた話は別だったが、メガシンカした今おやこあい一択なので、気にする必要がないのだ。

 

 

「〝インファイト〟!!!」

 

「ウッキャアアアアア!!!」

 

 

真正面から突っ込んできた親と子ども、二人にこちらも真正面から〝インファイト〟を決めた。

当然、吹っ飛ばされるメガガルーラ。

 

 

「なに?」

 

 

サカキ様は〝ねこだまし〟の怯み効果がなく動いたことに、何度目かの驚きを見せる。

だが今回は、すぐに切り替えて次の技を指示してきた。

 

 

「〝ギガインパクト〟」

 

 

コノヨザルの特性を、怯まないせいしんりょくだと推測したらしく、指示された技は再びノーマルタイプだ。

特性自体はあっているが、嬉しい誤算にもほどがある。

 

 

「もう一度〝インファイト〟!!!」

 

 

この隙を逃す手はない。

再び真っ向から来るメガガルーラの親子に、再び〝インファイト〟で吹っ飛ばす。

大ダメージを与えられる〝インファイト〟を、無傷で二回も当てることができた。

戦闘不能には持っていけなかったが、それでも与えられたダメージはかなり大きい。

 

 

「…………ゴーストタイプを持っているのか」

 

 

こちらにダメージを負った様子がないことがわかると、サカキ様は納得したようだった。

 

 

「なら〝じしん〟だ」

 

「ガルゥゥゥゥ!!!」

 

 

威力の高い〝じしん〟が、避けられないコノヨザルに刺さる。

〝インファイト〟で防御力が二段階下がっているのも響いていた。

 

 

「コノヨザル、〝メガトンキック〟!」

 

「ブヒ!」

 

「〝いわなだれ〟」

 

「ガルゥラァァァァ!!!」

 

 

〝メガトンキック〟を繰り出そうとして上から〝いわなだれ〟が降ってきたので、そのまま〝メガトンキック〟で岩を蹴り飛ばしていく。

その岩をメガガルーラに当てられればよかったのだが、そう上手くはいかなかった。

コノヨザルの攻撃技は、どうしても相手との距離を詰めなければならない。

サカキ様もそれがわかったのか、遠距離攻撃で近付けないような攻撃技を指示してくる。

ここは一旦引くが吉か。

 

 

「コノヨザル!〝とんぼがえり〟!」

 

「〝ふいうち〟」

 

 

なるべくダメージを与えてから戻したくて、欲張った〝とんぼがえり〟が当たる前に〝ふいうち〟が決まる。

コノヨザルは〝ふいうち〟してきた親の方のガルーラを掴み、逃げられないようにしてから〝とんぼがえり〟を当てて返ってきた。

防御力が二段階下がった状態で更なるダメージを負ってしまい、あまりよくない指示だったかもしれない。

いや、反省は後だ。

 

 

「太陽、もう一度頼む!」

 

「グワァァァァ!!!」

 

「〝いわなだれ〟」

 

 

すぐさま効果抜群の技を指示してくる。

だが太陽は特攻アタッカーなだけあり、俺のポケモン達の中でも飛行能力が随一である。

 

 

「飛んでかわせ!」

 

「グワゥ!」

 

 

〝いわなだれ〟の岩を飛んで軽々かわしていく。

飛んでいる利を活かして戦いたい。

 

 

「〝かえんほうしゃ〟!」

 

「〝ふいうち〟」

 

 

〝かえんほうしゃ〟を放とうとしたリザードンの顎が、跳ね上がる。

メガガルーラが〝ふいうち〟の技を利用して、空中にジャンプして上がってきていた。

そして特性おやこあいで二回目の〝ふいうち〟が、跳ね上がったリザードンの頭を下に殴りつける。

しまった、勝負を急ぎ過ぎた。

 

 

「続けて〝かみなりパンチ〟」

 

「!〝エアスラッシュ〟!」

 

 

体勢が崩れたまま無理やり放った〝エアスラッシュ〟はメガガルーラをかするだけで、大したダメージにはならなかった。

そのまま太陽に〝かみなりパンチ〟二連が決まり、効果抜群の技に太陽の顔が歪んだ。

 

 

「〝えんまく〟だ!」

 

 

苦し紛れに〝えんまく〟を放ち、地面に着地するメガガルーラから太陽の姿を隠す。

 

 

「フィールド全体に〝いわなだれ〟」

 

 

だがサカキ様には、二度も同じ撹乱は通じなかった。

視界が悪くともフィールド全体に〝いわなだれ〟を放つことで、太陽に避けさせメガガルーラに攻撃する隙を与えてくれない。

さらには〝いわなだれ〟の岩の勢いで、〝えんまく〟が晴れていく。

 

 

「〝グロウパンチ〟」

 

「!」

 

 

まずい。

攻撃力が上がるのは一番避けたい。

 

 

「近付けるな太陽!〝エアスラッシュ〟!」

 

「グワァァァァ!!」

 

 

メガガルーラに向かって〝エアスラッシュ〟を放つが、メガガルーラは怯むことなく〝エアスラッシュ〟を受けながら親が子を太陽の方に投げてきた。

 

 

「なっ!?」

 

 

子どもは空中にいる太陽に届く位置まで放られ、太陽に〝グロウパンチ〟を決めてくる。

当然子どものほうのパンチなので威力は低いが、攻撃力が上がってしまった。

空を飛ぶ敵相手に、親が子を投げて対処する。

そういう戦法を取っているようだ。

だが――――。

 

 

「掴め太陽!」

 

「ッ!!!」

 

 

空を飛ぶこちらにとって、空を自由に動けない子どもを逃す手はない。

 

 

「〝かえんほうしゃ〟!!」

 

「〝ふいうち〟」

 

 

掴んだ子どもに〝かえんほうしゃ〟を浴びせようとしたところ、親が〝ふいうち〟で遮ってきた。

さらには子どもも不意を突かれた太陽の手から抜け出し、太陽に〝ふいうち〟を決めてくる。

対処済みか、さすがジムリーダーのポケモンだなおい!

 

 

「負けるな太陽!〝エアスラッシュ〟!!」

 

「グワ…ッ!!」

 

 

空中にいるメガガルーラに、何とか〝エアスラッシュ〟を決める。

それでもメガガルーラは倒れない。

直撃〝インファイト〟を二回も喰らっているのに、さすがはジムリーダーのメガシンカポケモンか。

 

 

「〝グロウパンチ〟」

 

「ガルゥゥゥゥ!」

 

 

今度は親も一緒にジャンプして太陽のいる距離まで上がってきた。

なんて跳躍力だよおい。

 

 

「避けろ太陽!」

 

「グワゥ!」

 

 

だが飛んでいるこちらのほうが有利であることに変わりはない。

軽々避けて、返しの〝かえんほうしゃ〟をお見舞いしようと口を開ける。

 

 

「〝ふいうち〟」

 

 

〝かえんほうしゃ〟を放つ前に、四度目の〝ふいうち〟が太陽に決まった。

ゲームと違い、相手の技を見て〝ふいうち〟を指示できるので本当に厄介な技である。

特性おやこあいの二連〝ふいうち〟。

子どもの〝ふいうち〟が太陽の翼に当たり、空中で体勢を崩す。

 

 

「〝グロウパンチ〟」

 

 

その隙を逃すサカキ様ではなく、二連〝グロウパンチ〟が太陽に突き刺さる。

攻撃力が二段階上がり、合計で三段階上がってしまう。

 

 

「太陽!〝えんまく〟だ!」

 

 

再び苦し紛れの〝えんまく〟でメガガルーラの視界を悪くし、距離を取っていく。

サカキ様は余裕の表情で再び〝いわなだれ〟を指示し、〝えんまく〟を晴らしていく。

一応十分に距離を取ることができ仕切り直しになったが、メガガルーラの攻撃力が上がっていて危険な状態だ。

 

 

「〝ギガインパクト〟」

 

「ガルゥゥァァァァ!!!」

 

 

攻撃力が上がっているからか、真正面から攻撃を仕掛けてきた。

受けるわけには、いかない。

 

 

「押し返せ!〝かえんほうしゃ〟ぁぁぁ!!!」

 

「グワァァァァァァァァ!!!!」

 

 

渾身の〝かえんほうしゃ〟が、避ける気のないメガガルーラの〝ギガインパクト〟とぶつかる。

しかし多少勢いを落とすことができただけで、メガガルーラの〝ギガインパクト〟は〝かえんほうしゃ〟を突き破りながら進行し、太陽にまで届かせてきた。

〝ギガインパクト〟が太陽にぶつかり、爆発を起こす。

 

 

「太陽!!!!」

 

 

〝かえんほうしゃ〟で勢いが落ちていた分、火力もいくらか落ちていたようで太陽は墜落しなかった。

それでもかなりのダメージを負ってしまい、太陽の顔も苦しそうだ。

一旦戻そう、太陽の力はまだ必要だ。

 

 

「戻れ、太陽。エーフィ、君に決めた!」

 

「フィーー!」

 

「ほう……」

 

 

カントー地方では珍しいエーフィを出したからか、サカキ様が楽し気に笑う。

エーフィの持ち物はものしりメガネだ。

 

 

「エーフィ、〝あくび〟!」

 

「フィ~~」

 

 

先攻で〝あくび〟を仕掛け、眠気を誘っていく。

 

 

「〝ギガインパクト〟」

 

「ガルゥゥゥラァァァァァ!!!」

 

 

対するサカキ様は眠ってしまう前にエーフィを片付ける算段なのか、〝ギガインパクト〟を仕掛けてきた。

 

 

「〝サイコキネシス〟!」

 

「フィーーーーーーー!!!」

 

 

エーフィ渾身の〝サイコキネシス〟でガルーラの動きを止めようとするが、攻撃力が三段階上がった〝ギガインパクト〟の勢いはすさまじく、完全に止めることはできなかった。

それでも威力をかなり抑えることができ、エーフィに〝ギガインパクト〟が当たると同時にメガガルーラは眠ってしまう。

 

 

「〝ドレインキッス〟から〝サイコキネシス〟!」

 

「フィーーーーー!」

 

 

〝ドレインキッス〟で少しでも体力を回復してから〝サイコキネシス〟でメガガルーラの親子を持ち上げ、吹き飛ばして地面に叩き付けた。

本当はメガガルーラが眠っている間に〝めいそう〟を積む起点にしたかったのだが、メガガルーラを戻されて温存されても面倒なので、ここはメガガルーラを倒すことを優先する。

ガルーラのメガシンカ状態が解け、ガルーラの戦闘不能が確認された。

 

こちらはコノヨザルと太陽がかなりのダメージを負っていて、エーフィは〝ドレインキッス〟で体力を回復した分ほぼ無傷のようなもの。

サカキ様のポケモンを二体倒してこちらが一体も戦闘不能になっていないのは、メガガルーラを倒した今の時点では大金星だろう。

コノヨザルの初見殺しがいい具合に刺さってくれた。

 

 

「メガシンカポケモンを倒すか。アポロを倒すだけのことはある」

 

 

言葉ではそう言いながら、サカキ様は余裕の表情でガルーラを戻している。

まだメガシンカポケモンが一体残っていて、ミュウツーもいるのでは頷けるか。

最初からメガガルーラを温存しようなんて気はなかったのかもしれない。

 

サカキ様が三体目に出してきたのは、サイドンだった。

レベル59、覚えている技〝いわなだれ〟、〝つのドリル〟、〝じしん〟、〝アームハンマー〟、〝スマートホーン〟。

サイドンは攻撃力と防御力が高い代わりに、特攻と特防が低い。

エーフィで十分押していける!

 

 

「エーフィ、〝あくび〟!」

 

「〝いわなだれ〟」

 

 

エーフィとサイドンの間に〝いわなだれ〟の岩を降らせることで、〝あくび〟を遮ってくる。

これは隙ができるか近付かなければ、もう〝あくび〟は当てられないな。

 

 

「〝スマートホーン〟」

 

 

〝スマートホーン〟は必中技。

他の技なら〝でんこうせっか〟を駆使して避けたのだが、この技はそうもいかない。

 

 

「〝サイコキネシス〟!」

 

「フィーーーーー!!」

 

 

サイドンの〝スマートホーン〟の勢いを落とすのは、攻撃力が三段階上がったメガガルーラの〝ギガインパクト〟の勢いを落とすよりも簡単だ。

必中故に勢いを落としてもエーフィに当たってしまうが、威力は抑えられ―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「〝つのドリル〟」

 

 

 

 

 

 

 

「!!!?」

 

 

 

 

〝スマートホーン〟が当たる直前、技を〝つのドリル〟に切り替えてきた!?

必中技の〝スマートホーン〟を使って命中率が低い〝つのドリル〟を確実に当てる戦法か!

 

エーフィは避けること叶わず、一撃必殺故に戦闘不能になる。

完全に油断した。

俺のミスだ。

エーフィの本来の力を、発揮できぬまま戦闘不能にさせてしまった。

 

 

「ごめん、エーフィ。今はゆっくり休んでくれ…」

 

 

してやられたことが悔しい。

これがジムリーダーとしての、サカキ様の実力か。

サカキ様は俺を見てニヤニヤ笑っている。

どんなポケモンでも、今の戦法で戦闘不能にさせられるだろう。

…………仕方ない。

 

 

「ゲンガー、君に決めた!」

 

「ゲン!」

 

 

ふゆう個体の方のゲンガー。

持ち物はかいがらのすずだ。

 

 

「〝じしん〟」

 

「〝くろいまなざし〟!」

 

 

サカキ様がふゆう個体と知らずに〝じしん〟を指示してくれたので、その隙を突いて〝くろいまなざし〟で交代不可にする。

ゲンガーに〝じしん〟が効いていないことを確認したサカキ様が、片眉を上げた。

 

 

「面白いゲンガーを持っているな」

 

「〝のろい〟だ!」

 

 

サカキ様が感心している間にも、〝のろい〟を使用し確実に削っていく。

本当はもう一体のメガシンカポケモンか、可能ならミュウツーに決めたかった対策の一つだ。

まぁ、対策にしている技は、もう一つあるのだが。

ゲンガーに地面タイプの技は効かず、ノーマルタイプ、格闘タイプの技も効かないので、ゲンガーに効くサイドンの技は〝いわなだれ〟と〝スマートホーン〟のみ。

耐え切ってみせる!

 

 

「ゲンガー、〝ナイトヘッド〟だ!」

 

「ゲーン!!」

 

「〝いわなだれ〟」

 

 

〝ナイトヘッド〟は〝いわなだれ〟で防がれ、ゲンガーに当てるつもりの岩も降ってきたので、ゲンガーはぴょんぴょこ避ける。

 

 

「〝スマートホーン〟」

 

「〝ナイトヘッド〟!」

 

 

〝スマートホーン〟と〝ナイトヘッド〟が激突し合い、互いにダメージを受けた。

 

 

「〝いわなだれ〟」

 

「〝メガトンキック〟で打ち返せ!」

 

「ゲンゲン!」

 

 

至近距離で発動された〝いわなだれ〟を、〝メガトンキック〟でサイドンに打ち返していく。

自分が出した岩をぶつけられ、サイドンは怒ったようだった。

腕で飛んできた岩を払いのけ、咆哮を上げる。

 

 

「そうだ、サイドン。その怒りをぶつけてやれ」

 

「ドッサァァァァァァ!!!!」

 

 

全開にしていた波導が、サイドンが新たな技を覚えたことを確認した。

その名は、〝げきりん〟。

まずい!

 

 

「ゲンガー、〝ナイトヘッド〟!地面に当てるんだ!」

 

「ゲンゲン!」

 

 

咄嗟の機転で〝ナイトヘッド〟を地面に当て、土煙を上げてサイドンの視界を悪くさせた。

おかげで真っ直ぐに突っ込んできたサイドンの目を閉じさせることに成功し、ゲンガーは何とかサイドンの〝げきりん〟をかわす。

 

 

「〝メガトンキック〟!!」

 

「ゲン!」

 

 

空ぶってがら空きのサイドンの背中に、〝メガトンキック〟を決めて地面に沈めた。

効果はいま一つだが、今はそれでいいんだ。

〝のろい〟のダメージで、サイドンがそのまま戦闘不能になる。

ゲンガーはかいがらのすずで少しは回復できるからいいが、後のことを考えるとなるべくダメージは喰らわずに倒したかったので、この結果は上々だろう。

 

いつの間にか流れていた汗をぬぐい、ゲンガーにお礼を言ってモンスターボールに戻す。

ゲンガーの力はまだ必要だ。

ここは温存に限る。

 

 

「惜しいな、もう少しで相打ちにまで持っていけたんだが」

 

 

変わらず余裕の表情で、サカキ様はそんなことを言ってくる。

四体目にサカキ様が出したのは、ニドクイン。

レベル65、覚えている技〝じしん〟、〝かみなり〟、〝れいとうビーム〟、〝かえんほうしゃ〟、〝げきりん〟、〝シャドークロー〟、〝きあいだま〟、〝どくどく〟、〝ベノムショック〟、〝ちょうはつ〟。

メガシンカポケモンとミュウツーを除いた、サカキ様のエースといったところか。

 

 

「太陽、君に決めた!」

 

「グワァゥ!」

 

「〝どくどく〟」

 

 

太陽を出した瞬間〝どくどく〟が飛んできて、猛毒状態にされた。

 

 

「太陽、〝かえんほうしゃ〟だ!」

 

「〝ちょうはつ〟」

 

 

〝かえんほうしゃ〟を受けるのを躊躇わず、〝ちょうはつ〟で〝えんまく〟を封じてくる。

〝かえんほうしゃ〟の直撃を受けたニドクインは、ピンピンしていた。

さすがはサカキ様のエース。

 

 

「〝かみなり〟だ」

 

「飛べ、リザードン!」

 

 

天候が雨状態でなければ命中率が低い〝かみなり〟を、飛べる利点を活かしてかわしていく。

 

 

「〝りゅうのいぶき〟!」

 

「〝れいとうビーム〟」

 

 

フィールドの中央で技同士がぶつかり合い、派手な爆発が起こる。

ともにタイプ一致ではなかったので、威力は互角といったところか。

 

 

「〝ベノムショック〟だ」

 

「〝エアスラッシュ〟!!」

 

 

放たれた〝ベノムショック〟を〝エアスラッシュ〟で切り裂いていくが、すり抜けてきた〝ベノムショック〟が太陽に当たり、ダメージが入る。

直撃ではなかったはずなのに、猛毒状態なのでかなり痛い。

〝ベノムショック〟のダメージにより、空中で太陽の体勢が僅かに崩れた隙を、サカキ様は見逃さなかった。

 

 

「〝げきりん〟」

 

「!太陽、〝ねっぷう〟だ!!」

 

 

慌てて〝ねっぷう〟で迎撃するが、ニドクインは気にした様子なく距離を詰めてきて〝げきりん〟を直撃させてきた。

一回目の〝げきりん〟で、太陽が地に落ちる。

 

 

「戻れ太陽!」

 

 

二回目の〝げきりん〟が発動する前に、太陽をモンスターボールに戻した。

 

 

「コノヨザル、君に決めた!〝ふんどのこぶし〟で迎え撃て!」

 

「ブヒッ!!!」

 

 

コノヨザルを出したと同時に迫るニドクインの〝げきりん〟に、〝ふんどのこぶし〟で真正面からぶつかり合う。

押されたのは、コノヨザルの方だった。

直撃は免れたものの〝げきりん〟がコノヨザルにぶち込まれ、コノヨザルは膝を付く。

技の効果で混乱したニドクインをサカキ様は戻し、次いで五体目としてハガネールを繰り出してきた。

 

ハガネールか!

レベル60、覚えている技〝かみくだく〟、〝かみなりのキバ〟、〝ほのおのキバ〟、〝こおりのキバ〟、〝あなをほる〟、〝すなあらし〟、〝ちょうはつ〟、〝アイアンテール〟、〝いやなおと〟、〝しめつける〟。

確かに地面タイプも持っているポケモンだ。

ではこのポケモンが、二体目の――――。

 

 

「さて。果たして貴様は絶望に耐えられるかな?」

 

 

サカキ様は面白そうに笑い、ハガネールをメガシンカさせてくる。

 

 

「二回目のメガシンカですって!?」

 

「そうか!!ロケット団として持っていたキーストーンと、ジムリーダーとして渡されたキーストーンがあるんだ!」

 

「そんな!!!」

 

 

カスミとタケシが悲痛な声を上げるが、問題ない。

俺の中では、想定済みだ。

 

 

「戻れコノヨザル!ゲンガー、君に決めた!」

 

「〝ちょうはつ〟」

 

「ッ!?」

 

 

わかってはいたが、即座に〝ちょうはつ〟で変化技を封じられてしまう。

せめて〝のろい〟をかけたい。

ここはゲンガー続行だ。

 

 

「〝ナイトヘッド〟!」

 

「ゲンゲン!」

 

「〝かみくだく〟」

 

「ハンガァァァァァ!!!」

 

 

ゲンガーが放った〝ナイトヘッド〟ごとかみ砕いてきて、ゲンガーに〝かみくだく〟が決まる―――――――寸前に、なんとか判断が間に合ってモンスターボールに戻せた。

 

 

「ほう。よく戦況が見えているな」

 

「………」

 

 

今の攻撃がゲンガーに当たっていたら、確実にゲンガーは戦闘不能になっていた。

今ここでゲンガーを失うわけにはいかない。

 

 

「頼むぞ、ピカチュウ!」

 

「ピッカ!」

 

 

いつも通り、でんきだまを持ったピカチュウだ。

 

 

「〝すなあらし〟だ」

 

 

ハガネールが〝すなあらし〟を発動させて、特性のすなのちからが発動する。

天気が砂嵐状態の時に、岩、地面、鋼タイプの技の威力が1.3倍になる特性だ。

 

 

「ピカチュウで果たして何ができるかな?〝アイアンテール〟」

 

「こっちも〝アイアンテール〟だピカチュウ!!」

 

「ピカピッカ!!!」

 

 

リーフィアが覚えていた〝アイアンテール〟を見様見真似で覚えさせようとしていたら、技マシンで手に入れたのでピカチュウに覚えさせたのだ。

〝アイアンテール〟と〝アイアンテール〟がぶつかり合い、体格でも攻撃力でも劣っているはずのピカチュウは、一歩も引かずにハガネールと〝アイアンテール〟で打ち合っている。

 

 

「なに?」

 

 

信じられない現実の光景に、サカキ様が何度目かの驚きを露わにして隙ができる。

俺のピカチュウを舐めるな!

 

 

「〝かわらわり〟!!」

 

「ピッカ!」

 

 

〝アイアンテール〟で弾いた後にメガハガネールの頭に〝かわらわり〟をぶち込む。

効果は抜群だ。

ただしメガハガネールの抜きん出た防御力の前には、あまり大きなダメージにはなってくれないが。

それでも、ピカチュウでも戦える。

 

 

「本当に………貴様は面白いポケモンを持っている。ロケット団の物にするのが楽しみだ」

 

「……」

 

 

やっぱりその気か。

 

 

「俺達は絶対に負けない!」

 

「ピカピカチュウ!」

 

「ふっ………〝かみくだく〟」

 

 

サカキ様は意味深に笑う。

自分が絶対に負けることはないと、確信している笑み。

確実にミュウツーを使ってくる気だ。

 

 

「〝10まんボルト〟!目を眩ませろ!」

 

「ピカッチュウ!!」

 

 

効果はないが、〝10まんボルト〟の光でメガハガネールの目を眩ませ、〝かみくだく〟を避ける。

 

 

「〝でんこうせっか〟から〝かわらわり〟!」

 

「ピカピカピッカ!」

 

 

ピカチュウが〝でんこうせっか〟で飛び出していく。

その軌跡にはやはり、〝10まんボルト〟の名残であろう電気が迸っていた。

 

 

「受けてやれ。〝ほのおのキバ〟」

 

「ハンガァァァァァ!!」

 

 

迎え撃つつもりで指示したのだろう〝ほのおのキバ〟は、〝でんこうせっか〟の素早さについてこれず〝かわらわり〟を受けて距離を取ったピカチュウには当たらずに終わる。

ずっと使ってきたヒット&アウェイだ。

素早さの遅いメガハガネールがピカチュウに追い付けるわけがない。

 

 

「なら〝いやなおと〟だ」

 

 

〝いやなおと〟を、ピカチュウの足を止めさせるために使ってきた。

不快な音に、ピカチュウが耳を抑えて立ち止まってしまう。

 

 

「〝アイアンテール〟」

 

「ハンガァァァァァ!!!」

 

「〝でんこうせっか〟!!!!」

 

「ピ――――!」

 

 

〝でんこうせっか〟が発動される前に、メガハガネールが伸ばした長い尻尾でピカチュウが空中に打ち上げられる。

 

 

「ピカチュウ!!」

 

「〝しめつける〟」

 

 

そのまま長い尻尾に巻き付かれ、〝しめつける〟の攻撃をまともに喰らってしまう。

 

 

「ピィィィカァァァッ!!」

 

 

砂嵐の継続ダメージと、〝しめつける〟のダメージでピカチュウの体力が削られていく。

ピカチュウを戻そうにも、ボールに入れられなければサカキ様は許してくれないだろう。

 

 

「ピカチュウ、〝でんこうせっか〟!」

 

「ピ、ピィカァピィカァ……!!」

 

 

〝でんこうせっか〟を発動しようと体に力を入れているみたいだが、〝しめつける〟力が強すぎて抜け出せない。

 

 

「〝かみくだく〟」

 

「ハンガァァァァァ!!!」

 

 

〝しめつける〟の状態で避けることができず、〝かみくだく〟がピカチュウに直撃する。

 

 

「ピカチュウ!!思いっ切り、〝10まんボルト〟だ!!!」

 

「ピィィィカァァァチュウウウウウウウ!!!!」

 

「はっ」

 

 

サカキ様が馬鹿にしたように笑うが、いいのだ。

効果がなくたっていい。

抜け出すきっかけを掴めれば―――。

 

 

「ピィィィィカァァァァァッ、ピィィィィカァァァァァッ、チュウウウウウウウ!!!!」

 

 

ピカチュウの渾身の〝10まんボルト〟が、ピカチュウが発動しようとしていた〝でんこうせっか〟と合わさり、新たな技となる。

新しい技の名前に、思わず目を瞬いて二ッと笑う。

 

 

「〝ばちばちアクセル〟!!!」

 

「ピィィィィカァァァァァッッッ!!!」

 

 

全力の〝ばちばちアクセル〟で、ハガネールの〝しめつける〟から飛び出した。

 

 

「ほう………〝あなをほる〟」

 

「〝でんじふゆう〟!」

 

「なに?」

 

 

地面技には対抗する絶対の術を持っている。

 

 

「戻れ、ピカチュウ!」

 

「ピッカ!」

 

 

しかしここは、ピカチュウを一旦戻すことにした。

もう肩で息をしているピカチュウに、これ以上の無理はさせられない。

ちょうど〝すなあらし〟の効果も切れた。

 

 

「太陽!君に決めた!」

 

「グワァゥ!」

 

 

猛毒状態の太陽を長く場に出しておくことはできないので、できる限り全力で削りたい。

 

 

「〝かえんほうしゃ〟!」

 

「〝アイアンテール〟」

 

 

効果抜群のはずの〝かえんほうしゃ〟を、〝アイアンテール〟で切り裂かれ受けられる。

ダメージにはなったが、威力は落ちていた。

 

 

「〝すなあらし〟」

 

「〝ねっぷう〟!!」

 

 

〝すなあらし〟で巻き上げられた砂を、〝ねっぷう〟で全てハガネールにぶつけ、多少なりともダメージにしていく。

効果抜群の技を受けて、メガハガネールの顔がやっと歪んだ。

 

 

「もう一度〝ねっぷう〟!」

 

「〝いやなおと〟」

 

 

〝ねっぷう〟とまさかの〝いやなおと〟がぶつかり、音の波に〝ねっぷう〟が阻まれる。

さっきから技の使い方が上手いな。

 

 

「〝かみなりのキバ〟」

 

「ハンガァァァァァ!!!」

 

「かわせ!〝かえんほうしゃ〟!!!」

 

「グワゥ!」

 

 

飛び上がって〝かみなりのキバ〟を当ててこようとしたメガハガネールをかわし、お返しに〝かえんほうしゃ〟をぶち込む。

 

 

「尻尾を使え。〝アイアンテール〟」

 

「ハングアァ!!」

 

 

サカキ様の指示で伸ばした尻尾を使い、〝アイアンテール〟を太陽にぶち込んできた。

残り体力の少ない太陽に不意の一撃は思わぬダメージになり、体勢が崩れる。

 

 

「太陽!!!!」

 

「やれ。〝かみなりのキバ〟」

 

「ハンガァァァァァ!!!!!」

 

 

体勢を崩した太陽に、メガハガネールが〝かみなりのキバ〟で喰らい付き、大ダメージを与えてきた。

地面に落ちた太陽は、砂嵐の継続ダメージと猛毒状態の継続ダメージで、もうほぼ虫の息だ。

戻すしかない。

戻してどうする。

今の俺にできることは。

何がある。

間違えるな。

 

 

「グワァァァァァァァァ!!!!!!!!」

 

「!!」

 

 

一瞬判断を迷ってしまった俺に一喝するように、太陽は咆哮を上げた。

ボロボロの体で。

それでも立ち上がり。

最後の技を放とうと、足に力を入れる。

 

 

「太陽……!」

 

 

ピカチュウと同じように。

太陽の新たな技スロットに、新たな技が浮かび上がる。

 

 

「思いっきり!!!行け!!!!!!〝ブラストバーン〟ッッッッ!!!!!」

 

「グワァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

「〝アイアンテール〟」

 

「ハンガァァァァァ!!!」

 

 

太陽の渾身の〝ブラストバーン〟は、〝アイアンテール〟で防がれることなくメガハガネールを呑み込んだ。

サカキ様が甘えて〝アイアンテール〟を指示してくれてよかった。

〝あなをほる〟で避けられていたら、完全に無駄になっていた。

 

メガハガネールは戦闘不能になることはなかったが、かなりのダメージを入れられた。

その証拠に、ものすごく辛そうに肩で息をしている(ハガネールに肩があるかはわからないが雰囲気)。

戦闘不能になった太陽を、モンスターボールに戻す。

 

 

「ありがとう、太陽。本当に……」

 

 

足元にいるピカチュウを見れば、太陽の想いを受けて頬袋から電気を迸らせていた。

 

 

「頼むぞ、ピカチュウ!」

 

「ピカピッカ!」

 

 

俺の最初のポケモン達であるエーフィ、太陽を最初に失って。

もっと不安な気持ちが湧いてくるかとも思ったが、そんなことはなかった。

今俺は、誇らしい気持ちと俺の仲間全員で戦っている心強さでいっぱいだ。

さぁ、勝つぞ!

 

 

「〝でんこうせっか〟から〝かわらわり〟!」

 

「ピッカ!」

 

「〝いやなおと〟」

 

「ハンッ、ガッ……!」

 

 

〝ばちばちアクセル〟でもよかったが、ダメージを入れられる〝でんこうせっか〟を選択した。

体を動かし辛そうなメガハガネールに、〝でんこうせっか〟で〝いやなおと〟を避けながら〝かわらわり〟でチクチクダメージを与えていく。

その間にも〝すなあらし〟の効果が切れた。

 

 

「捕えろ。〝しめつける〟」

 

「ハンッ、ガァァァァァ!!!」

 

 

チクチクしたダメージに苛立ったメガハガネールが、ピカチュウを捕らえようと体をくねらせて〝しめつける〟攻撃をしようとする。

 

 

「〝ばちばちアクセル〟!」

 

「ピカピッカ!」

 

 

〝でんこうせっか〟よりも速い〝ばちばちアクセル〟で、メガハガネールの遅い攻撃を確実に避けていく。

もう捕まるわけにはいかない。

そして〝かわらわり〟で確実にダメージを稼いでいき、メガハガネールの体を地面に叩き付けた。

 

 

「〝あなをほる〟」

 

「〝でんじふゆう〟だ!」

 

「ピッカ!」

 

 

何の意図があるのかメガハガネールを地中に潜らせたので、〝でんじふゆう〟で回避する。

波導で常にメガハガネールの位置を確認しながら、出方を窺う。

 

 

「やれ。〝かみくだく〟」

 

「ハンガァァァァァ!!!!」

 

「!!しまっ―――!!」

 

 

地中からすごい勢いで飛び出してきたメガハガネールは、そのままの勢いでピカチュウに〝かみくだく〟を仕掛けてきた。

対するピカチュウは〝でんじふゆう〟で空中にいるので、足の踏み場がなく〝でんこうせっか〟も〝ばちばちアクセル〟も使えない。

これを狙っていたのか!

 

 

「〝ほのおのキバ〟から〝こおりのキバ〟」

 

 

避ける術なく〝かみくだく〟にピカチュウが捕まり、続けて〝ほのおのキバ〟に〝こおりのキバ〟と、次々技をぶち込まれる。

 

 

「ピィィカッ……!!」

 

「ピカチュウ!〝ばちばちアクセル〟だ!」

 

「ピカッチュウ……!」

 

 

メガハガネールに噛み付かれて思うような力が出せず、抜け出せないピカチュウ。

 

 

「〝あなをほる〟に引きずり込め」

 

「!?」

 

 

メガハガネールはピカチュウに噛み付いたまま〝あなをほる〟を発動し、地中にまでピカチュウを連れて行ってしまった。

 

 

「ピカチュウ!!!!」

 

 

声は、聞こえてこなかった。

しばらく経ってメガハガネールが地上に出てきて、ペッと口から吐き出したピカチュウは、目を回していた。

なんて戦い方だよ、ちくしょう。

走ってピカチュウの元に向かい、ピカチュウを抱き上げてトレーナーエリアに戻る。

 

 

「ピ、ピカピ…………」

 

「ピカチュウ、ありがとな。頑張ってくれて。ここから先は任せとけ」

 

 

ピカチュウをトレーナーエリア内に寝かせ、改めてメガハガネールと向き合う。

なんて強さだよ、本当に。

それでも俺達は、絶対に超えていく!

 

 

「コノヨザル、君に決めた!」

 

「ウッキャ!」

 

「〝あなをほる〟」

 

 

真正面のぶつかり合いは消耗が激しいメガハガネールの方が不利だと判断したのか、サカキ様は地中に逃がしてきた。

だがそれは悪手だ。

 

 

「地面に思い切り〝ふんどのこぶし〟!」

 

「ウッキャ!!」

 

 

地面に威力の上がった〝ふんどのこぶし〟を当てることにより、疑似〝じしん〟を作り出して地中にいるメガハガネールを襲う。

たまらずメガハガネールは地中から出てきた。

 

 

「〝インファイト〟だ!」

 

「ウッキャァァァァァ!!!」

 

 

その隙を見逃さず、〝インファイト〟を叩き込む。

 

 

「ちっ。〝いやなおと〟で引き剥がせ」

 

「ハ、ガッ…!!」

 

 

メガハガネールは指示通りコノヨザルに〝いやなおと〟をぶつけ、不快な音に動きが止まったコノヨザルからズルズルと距離を取る。

 

 

「〝アイアンテール〟だ」

 

「〝シャドーパンチ〟!!」

 

 

〝アイアンテール〟と〝シャドーパンチ〟がぶつかるが、〝アイアンテール〟の方が威力が高いこともあり〝シャドーパンチ〟の方が押されてしまい、コノヨザルは必死に踏ん張って耐えていた。

 

 

「いつまで持つかな?」

 

「こっちの台詞だ!〝インファイト〟!!!」

 

「ウ、キャッ!!!!!」

 

 

コノヨザルは足を地面に突き刺す勢いで足場を整えて踏ん張りを効かせ、〝シャドーパンチ〟から〝インファイト〟に切り替えてメガハガネールを殴り飛ばす。

 

 

「ハ、ン……ガッ……!」

 

 

起き上がろうとしたメガハガネールは起き上がれず、そのままメガシンカ状態が解けて戦闘不能になった。

太陽の〝ねっぷう〟、〝かえんほうしゃ〟、〝ブラストバーン〟で大ダメージを与えられていたのと、いくら防御力が高いとはいえ〝かわらわり〟を何発も当てられ、さらに〝インファイト〟直撃二回は耐えられなかったのだろう。

残すはニドクインと、ミュウツーのみ。

 

 

「戻れ、ハガネール。読み違えたよ。まさかあそこから〝インファイト〟に切り替えてくるとはな。コノヨザルの方が押されていたのに、よく判断できたものだ」

 

 

サカキ様が言うように、相手に押されている状態で技を切り替えるのは、下手をすればこちらの隙に繋がりかねない。

カツラさんとの戦いで、ウインディがブーバーにやった時と同じことをやったのだ。

コノヨザルを信頼している。

こいつならできる、と。

俺も一度、コノヨザルをモンスターボールに戻す。

防御力がかなり下がっているからな。

 

 

「頼むぞ、ゲンガー!」

 

「ゲンゲン!」

 

 

サカキ様はニドクインを出してくる。

 

 

「〝くろいまなざし〟!」

 

「〝ちょうはつ〟」

 

 

〝ちょうはつ〟される前に何とか〝くろいまなざし〟を当てられた。

ニドクインはここで確実に倒し切る。

〝ちょうはつ〟の効果が切れた瞬間が勝負だ。

 

 

「〝ナイトヘッド〟!」

 

「〝シャドークロー〟」

 

 

ニドクインに向けて放った〝ナイトヘッド〟は、〝シャドークロー〟で簡単にかき消されてしまう。

 

 

「〝かみなり〟だ」

 

「かわせ!」

 

「ゲン!ゲン!」

 

 

〝10まんボルト〟ではなく命中率が低い〝かみなり〟なのが救いか。

ゲンガーは特性ふゆうを遺憾なく発揮し、空中を泳ぐように移動して〝かみなり〟を簡単に避ける。

 

 

「なら〝れいとうビーム〟」

 

「〝ナイトヘッド〟!」

 

 

迂闊に近付けば〝げきりん〟される恐れがあるため、ゲンガーの攻撃技は特殊技の〝ナイトヘッド〟しかない。

〝ちょうはつ〟さえなければ、もっと簡単だったんだがな。

〝れいとうビーム〟と〝ナイトヘッド〟がぶつかり合った瞬間、ゲンガーは次に選択する技がわかっているかのように〝ナイトヘッド〟の発動を自らキャンセルする。

 

 

「なに?」

 

 

思いがけないゲンガーの行動に、何度目かわからないサカキ様の驚きの声が聞こえた。

 

 

「〝ほろびのうた〟!!!!」

 

「ゲ~~~~~~ン~~~~~~~」

 

 

〝ナイトヘッド〟によって多少の軌道がずれた〝れいとうビーム〟がゲンガーにかするのと、〝ほろびのうた〟が発動したのは同時だった。

逃がさない。

ニドクインは。

サカキ様のエースは、ここで倒していく。

 

本当はミュウツーに使いたかったが、サカキ様のエースであるニドクインを倒せなければ、ミュウツーにはたどり着けない。

一つ一つ。

一歩一歩。

確実に前へと進んでから、最強のポケモンに辿り着いてやる!

 

 

「なるほどな。ゲンガーを温存したのはそのためか。〝れいとうビーム〟に当たる覚悟で、私に覚られないように………考えたな」

 

「……………」

 

 

そうこうしている間にも、〝ほろびのうた〟のカウントは減っていく。

サカキ様はそれでも余裕の表情を崩さず、ニドクインの負けを受け入れたかのように何も指示を出さなかった。

ニドクインも動かない。

それでは俺達も下手に動けない。

 

静かな時間が流れ、結局は滅びのカウントが0になるまで、動きはなかった。

ニドクインとゲンガー。

どちらも同時に倒れ、戦闘不能になる。

 

 

「ありがとう、ゲンガー。お前には、本当に助けられてる。後は、任せとけ」

 

 

二体ものポケモンを持っていく働きをしてくれたゲンガーにお礼を言って、モンスターボールに戻す。

サカキ様もニドクインをボールに戻したところだった。

ふと、サカキ様が拍手する。

 

 

「本気の私をここまで追い詰めるとはな。期待以上だよ、サトシ」

 

 

追い詰めている実感はない。

本気で潰すと口で言った割にはずっと余裕の表情だし、サカキ様の戦い方にずっと後手に回されて、なんとか対処してきたのだ。

ここまでこれたのは、初見殺しであるコノヨザルが上手く刺さってくれたからだろう。

あとは、皆がそれぞれ活躍してくれたから。

エーフィだって、無駄死にじゃなかった。

そういう戦法を取ってくるとわかったから、惜しまずゲンガーを出して封じることができたのだから。

 

 

「旅立ったばかりのトレーナーとは思えないぐらい、ポケモン達のレベルもトレーナーとしてのレベルも高い。どうかね。その能力を、我がロケット団で生かすつもりはないか?」

 

「は………」

 

 

サカキ様から、まさかの勧誘された。

 

 

「ふざけないで!サトシがロケット団なんかに入るわけないじゃない!」

 

「そうだ!サトシは誰よりも優しい人間だ!マフィアなんかに入るか!」

 

 

カスミとタケシが思わずといった様子で、口を挟んでくれた。

 

 

「貴様らには聞いていない。どうだ、サトシ」

 

「悪いが、俺は悪党になるつもりはない。人間も、ポケモンも、誰かを自分達の欲で傷付ける奴は大っ嫌いだ」

 

「そうか、残念だ。そうなると貴様の力を、我がロケット団を邪魔するのに使われるのは、私としても困ってしまう。だから―――――」

 

 

サカキ様は全然残念に思っていない表情で、不意に凶悪な笑みを浮かべる。

そして、パチン、と指を鳴らした。

 

 

「絶対の力によって、貴様を再起不能になるまで叩き潰しておくことにしよう」

 

 

サカキ様がいる観客席の下、俺達の目の前の壁が上がり、中から機械の拘束具を付けたポケモンが姿を現す。

 

 

「お遊びの時間はここまでだ。中々に楽しめたよ、サトシ。私からの礼だ。本当の恐怖を味わえ」

 

「…………」

 

 

拘束具を付けたポケモン―――――――ミュウツーが、ゆっくり歩いて前に出てきた。

レベル70、覚えている技――――――いくつ、覚えているんだ………。

技スロットがめちゃくちゃある。

 

なんてプレッシャーだよ。

コノヨザルを出して様子見するか?

いや、コノヨザルにエスパータイプの技は効果抜群。

体力も少なくなっている今、作戦もなく下手に出しても意味がないだろう。

ここは、やっぱり―――――。

 

 

「………………」

 

 

しんぴのしずく持ちのスイクンのモンスターボールを手に取れば、いつでもいけるぞ、という想いが波導で伝わってきた。

本当に、頼もしい。

いつもいつでも、俺はお前に救われている。

スイクン頼りにならないトレーナーを目指しているが、どうしようもならない時だけは手を取り合うことを、許してくれ。

俺はまだ、まだまだ弱いな。

 

こうして本格的なトレーナー戦をするのは、久しぶりだな。

いや、サカキ様がミュウツーに指示を出すような感じはないから、本格的なトレーナー戦と言えるかわからないけど。

まぁいい。

 

久しぶりのスイクンとの全力バトルだ。

俺は今、緊張しているがそれ以上に―――――。

 

 

「ワクワクしてるなんて、どうかしてるぜ………」

 

 

小さく呟いて、スイクンのモンスターボールを握り直す。

 

 

「行くぞ」

 

 

カタリ、とモンスターボールが揺れた。

 

 

「君に決めた!!!!」

 

「…………!!!!?」

 

 

出てきた色違いのスイクンに、サカキ様の目が大きく見開かれた。

 

 

「何だと!!?」

 

 

サカキ様の驚きの声を意に介さず、ミュウツーはさっそく〝サイコキネシス〟でスイクンを浮かしてきた。

 

 

「〝アクアリング〟!」

 

 

一先ずは戦える場を整えていく。

〝アクアリング〟を自分の周りに展開し、〝サイコキネシス〟の拘束を解こうとしたがミュウツーの方が力が強く、そう簡単には解けなかった。

 

 

「〝めいそう〟だ!」

 

 

〝めいそう〟を一段階積むと同時に、〝サイコキネシス〟で拘束されたまま地面に叩き付けられそうになるが、スイクンは意地で両足で着地し、そのまままた浮かされそうになるのを力を入れて耐えていた。

 

 

「〝みずのはどう〟!!」

 

 

スイクンは器用にも体が浮かないように体に力を入れたまま〝みずのはどう〟を放つ。

ミュウツーは放たれた〝みずのはどう〟の方に〝サイコキネシス〟を向けて、〝みずのはどう〟を返してくる。

体の拘束が解かれ自由になったスイクンは、軽く跳んで返された〝みずのはどう〟をかわした。

 

 

「〝めいそう〟!」

 

 

隙があれば、積ませてもらう。

できることなら六段階まで積みたい。

ミュウツーは再び〝サイコキネシス〟でスイクンを浮かせようとしてくるが、〝めいそう〟で特防が上がったことで耐えやすくなっている。

 

 

「さらに〝めいそう〟!」

 

「ミュウツー、〝ちょうはつ〟をしろ。それからこちらも〝めいそう〟か〝わるだくみ〟だ」

 

 

このままでは押し負けると感じたのか、まさかのサカキ様が指示を出してきた。

ミュウツーは素直にそれに従い、〝ちょうはつ〟をしてきて〝わるだくみ〟を発動している。

 

 

「〝ねっとう〟だ!」

 

 

〝わるだくみ〟を発動している間に〝ねっとう〟で攻撃したが、〝わるだくみ〟を積み終わる方が早く、〝サイコキネシス〟で軌道を曲げられた。

それなら!

 

 

「〝エアスラッシュ〟連打!」

 

 

風の刃である〝エアスラッシュ〟連打でミュウツーに襲い掛かる。

ミュウツーは〝サイコキネシス〟を壁状に展開して〝エアスラッシュ〟を防いでいるが、防ぎ切れなかった〝エアスラッシュ〟が機械の拘束具に傷を付けた。

 

 

「〝なみのり〟だ!!」

 

 

〝めいそう〟で特攻が三段階上がったことで、巨大な大波を起こしてミュウツーに突撃して行く。

しかしミュウツーは焦ることなく〝サイコキネシス〟で大波を割ってみせ、スイクンを波の上から引きずり下ろした。

 

 

「〝みずのはどう〟!!」

 

 

割れた大波からジャンプして放った〝みずのはどう〟は、〝ひかりのかべ〟で防がれる。

隙がねぇな!

 

 

「くくく………いくら伝説のポケモンといえど、ミュウツーには敵うまい」

 

 

サカキ様は色違いのスイクンも後々ロケット団の物にできると思っているからか、ものすごく機嫌がいい。

サカキ様の言葉には俺のスイクンを舐めるなと異議を唱えたいが、レベルが違い過ぎるのもあって何も言えない。

どうにか俺が、スイクンの足を引っ張らないように力を活かせる戦法で、ミュウツーに挑まなければ。

 

 

「〝エアスラッシュ〟!」

 

 

再び放った〝エアスラッシュ〟連打は、〝ひかりのかべ〟もあって今度は〝サイコキネシス〟で完全に防がれる。

ミュウツーは俺達の戦法を真似たのか、〝シャドーボール〟連打で反撃してきた。

 

 

「〝なみのり〟で呑み込め!」

 

 

再び大きな大きな波を発生させ、放たれてきた〝シャドーボール〟を全て呑み込んでいく。

そのまま突撃しようとしたが、再び〝サイコキネシス〟で割られてしまう。

 

 

「〝しんそく〟!」

 

 

後々のためにあまり使いたくはない〝しんそく〟を大波から飛び降りる際に発動させ、ミュウツーの意識外から一気に距離を詰めた。

 

 

『っ!』

 

 

さすがに多少驚いた様子のミュウツーだったが、咄嗟に〝サイコキネシス〟を発動させたことでミュウツーの目の前でスイクンの動きが止まってしまった。

〝サイコキネシス〟に拘束されたのだ。

吹き飛ばされる――――――

 

 

「〝みずのはどう〟!!!!」

 

 

前に、至近距離から渾身の〝みずのはどう〟が直撃した。

〝ひかりのかべ〟で威力は弱まったが、全身の拘束具が壊れ、ミュウツー本来の姿が露わになる。

 

 

「ほう、さすがに伝説のポケモン。多少はやるか」

 

 

拘束具が壊れ、自由になったミュウツーがどうするのか。

それは俺にも予想が付かない。

ミュウツーに攻撃が当たると思っていなかったのか、拘束具が壊されると思っていなかったのか。

その両方か、予想外の出来事にサカキ様も多少の焦りを滲ませた表情で観客席から身を乗り出してくる。

 

ミュウツーが負ったダメージは軽微。

〝じこさいせい〟を使うまでもないほどだ。

その証拠に、ミュウツーは全く意に介していない。

自由になったはずのミュウツーは、俺達と戦うことを止めようとはしなかった。

むしろ自分に攻撃を当てられたことで、多少本気になったようにすら感じる。

 

サカキ様も俺達と戦う気満々のミュウツーに、一先ず安堵したようだった。

ここからが本番だな。

ミュウツーは止まっていたスイクンに何度目かの〝サイコキネシス〟を仕掛け、宙に浮かしてくる。

 

 

「〝めいそう〟!!」

 

 

〝ちょうはつ〟の効果は既に切れている。

四回目の〝めいそう〟を積み特攻と特防を上げていくが、ミュウツーの拘束具が壊れたことが影響しているのか、先ほどよりも力が強くなっていた。

スイクンが苦い顔をする。

 

 

「頑張れスイクン!〝めいそう〟!」

 

 

ここは一先ず積み切ってしまおうと、〝めいそう〟をあと二回積んでいく。

それでもミュウツーの拘束は解けず、さらに激しくスイクンを苦しめていく。

 

 

「スイクン、〝ほえる〟だ!」

 

 

効果はなくとも、凄まじい咆哮にミュウツーが半歩下がる。

その結果〝サイコキネシス〟の拘束が多少緩んだ隙を見逃さず、スイクンは脱出できた。

 

 

『……』

 

 

ミュウツーは自分よりもレベルの低いスイクンの咆哮に、半歩でも下がってしまったことが信じられないようで、自分の手を見つめている。

 

 

「〝ねっとう〟!」

 

 

そこを隙と捉え攻撃したが、片手で発動させた〝サイコキネシス〟で簡単に防がれてしまう。

〝ひかりのかべ〟の効果は、当に切れているはずなのに。

よく確認すれば、ミュウツーの特攻も六段階上がっている。

いつの間にか〝わるだくみ〟を最大まで積んでいたらしい。

拘束具が壊れて一度間が空いた時か?

それとも〝サイコキネシス〟でスイクンを拘束している間に積んだとか?

そうだとしたら、ものすごい最強種だな。

 

とりあえず特攻と特防は六段階上げられた。

ミュウツーの特性プレッシャーで、残り使える〝しんそく〟はあと二回。

最後の一回は必要になるので、実質あと一回。

つまり、ミュウツーの拘束具を壊せたあの戦法は、あと一回しか使えない。

さぁ、どうするか。

 

 

「スイクン、地面に〝エアスラッシュ〟だ!」

 

 

〝いわなだれ〟の岩が散乱し、〝あなをほる〟で穴ぼこだらけになった地面に〝エアスラッシュ〟を当て、砂埃を起こす。

ミュウツーは〝サイコキネシス〟を使って一瞬でその砂埃を払ってきたが、一瞬あれば十分だ。

 

 

「〝れいとうビーム〟!!!」

 

 

一直線に放たれた〝れいとうビーム〟はミュウツーの左腕に直撃し、運のいいことに凍り付いていく。

 

 

『ふんっ!』

 

 

〝れいとうビーム〟を〝サイコキネシス〟で振り払い、さらに〝サイコキネシス〟で無理やり凍り付いた部分の氷を払うミュウツー。

だが、まだこちらのターンだ。

 

 

「〝かみくだく〟!」

 

 

ミュウツーが自分の腕に〝サイコキネシス〟をかけた時点で、スイクンは肉薄していた。

ミュウツーがハッとした時には、左腕に〝かみくだく〟で噛み付くスイクン。

初めてまともにダメージを入れられた。

 

 

『っ!』

 

 

それもすぐに〝サイコキネシス〟でスイクンの体を引き剥がされ、吹っ飛ばされる。

地面を抉りながら戻ってきたスイクンは、咆哮を上げた。

いや、これは―――――。

 

 

「新しい技………〝バークアウト〟!」

 

 

ブラッキー辺りから学んでいたのかもしれない。

〝サイコキネシス〟をスイクンを吹っ飛ばすのに使用していたミュウツーは、〝バークアウト〟の直撃を受ける。

追加効果で特攻が一段階下がった。

 

 

「……………何を遊んでいる、ミュウツー。最強のポケモンであるお前が、あまり無様を晒すな」

 

 

ミュウツーがダメージを受け始めて、サカキ様が余裕の表情を崩し始める。

 

 

『私と同じ、強いとされている伝説に部類するポケモンなのだろう。そんなポケモンと戦う機会は初めてだ。多少の遊びは許せ』

 

 

初めてミュウツーが、テレパシーで喋った。

〝じこさいせい〟で回復しながら〝めいそう〟を積む、ということを簡単にやりながらのことだった。

 

 

「!?〝バークアウト〟!」

 

 

再び放った〝バークアウト〟は、〝ひかりのかべ〟で威力を半減させられる。

それでも効果抜群の技、特攻を六段階上げていたおかげでダメージは入った。

だが〝めいそう〟を積まれるとなると、特防も上がっていくので徐々に入らなくなっていく。

すぐさまミュウツーは〝サイコキネシス〟でこちらの動きを封じてきた。

 

 

「〝ほえる〟!!!」

 

 

スイクンの凄まじい咆哮に、二度も押されてくれるミュウツーじゃなかった。

まるでそよ風でも受けているかのような表情で、スイクンを壁にぶん投げてきたので慌てて走って間に入り、スイクンを受け止める。

 

 

『!』

 

「大丈夫か、スイクン!?」

 

 

俺の声に、スイクンは呆れたような顔をしながら頷いてくれた。

次いで水晶で頭を小突いてくる。

大方、自分で着地できる、といったところだろう。

 

 

「悪い。体が動いちゃって」

 

 

俺の言い分に、スイクンは尚呆れたようにため息を吐きながら、それでも優しい表情でフィールドに戻っていく。

その様子を見ていたらしいミュウツーは、じっと俺達を見たまま固まっていた。

よくわからないけど、好機!

 

 

「地面に〝エアスラッシュ〟!」

 

 

再び地面に〝エアスラッシュ〟を当てることで砂埃を起こす。

ミュウツーは今度は〝サイコキネシス〟を使わず、浮かんで砂埃の範囲から空へ離脱した。

 

 

「二度も同じ手は通じんぞ」

 

 

サカキ様は余裕な表情に戻り、ニヤニヤ笑いながらこちらを見ている。

 

 

「展開!」

 

 

言葉一つで十分。

それだけで、スイクンには伝わる。

砂埃の中に、スイクンを中心として地上に何発もの〝エアスラッシュ〟が展開された。

そして下を見たミュウツーに、一気に放たれる。

ミュウツーは無言で〝サイコキネシス〟を壁状に展開し、全てを防いでいく。

 

だがそれでいいのだ。

技と技の衝突により爆発が起こり、上がった煙がミュウツーを隠す。

一瞬でも技を使ってくれれば、それはこちらにとってはありがたい隙なのだから。

 

 

「〝かみくだく〟!!!」

 

 

跳躍して爆発により生じた煙を突破し、ミュウツーの右腕に〝かみくだく〟で噛み付いた。

先ほどと同じ展開。

だがミュウツーは、先ほどのように〝サイコキネシス〟で引き剥がすのではなく、左腕に〝かみなりパンチ〟を発動させた。

攻撃力は上がっていない物理技だが、効果抜群。

 

 

「〝アクアリング〟!!!!」

 

 

咄嗟に指示した技の使い方を、スイクンは何も言わずともわかってくれた。

ミュウツーの右腕に噛み付いたまま〝アクアリング〟を発動させ、その水のリングで〝かみなりパンチ〟を展開させている左腕を弾いた。

技ではなく、腕を弾く。

空ぶったミュウツーは、少し驚いたような表情をする。

 

〝ぜったいれいど〟の使い時か!?

いや、たぶんまだだ!

 

 

「〝バークアウト〟ォ!!!」

 

 

渾身の〝バークアウト〟が、超至近距離でミュウツーに炸裂した。

技を受けた反動で、ミュウツーが地面に墜落する。

ものすごい土埃が上がった。

スイクンも俺の前に着地する。

伝説の意地でやせ我慢してはいるが、息が上がっていた。

それは俺もだが。

 

徐々に土埃が晴れていくと、〝じこさいせい〟で回復が終わったミュウツーの姿が。

まったく。

特攻と特防が上がっているおかげでやりあえてはいるが、こちらに〝ちょうはつ〟がない以上状況は絶望的だ。

二度も同じ戦法が通じない以上、技を当てることすら至難の業なのに、〝じこさいせい〟まであるとか無敵にもほどがある。

 

だけど、なんでだろうな。

どうして、俺は――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………何故、笑っている?』

 

 

 

 

 

 

こんなにも、ワクワクしているのだろう。

 

 

 

こんなにも、楽しいのだろう。

 

 

 

スイクンと一緒に戦える機会がとんとなかったからか。

 

 

 

心を通じ合わせて戦えるバトルが、楽しくてたまらない。

 

 

 

あぁ、それと――――――。

 

 

 

「何でだろうな。俺にもはっきりとは説明できないけど、たぶん―――――」

 

 

 

俺はきっと。

 

 

 

「お前のことをよく知って、お前と友達になる機会が与えられたから、かな」

 

 

『………………?』

 

 

 

ミュウツーは、俺のことを珍獣でも見るかのような目で見てきた。

 

 

 

『ともだち、……………とは、何だ?』

 

 

「友達っていうのは、一緒に笑ったり、遊んだり、泣いたり、怒ったり、時には喧嘩したり。他人よりも少しだけ親しい間柄になって、お互いの楽しいや嬉しいや悲しいを共有する存在のこと、かな……?」

 

 

『………………』

 

 

俺の説明に、ミュウツーはますますわけがわからない、という顔をする。

 

 

『お前達は私に致命的なダメージを与えられない。つまり、お前達に私は倒せない。ただ、私に倒されるだけの存在だ。それなのに、友達になる機会が与えられた?何を言っている』

 

 

「バトルでの勝敗に、友達になれるなれないは関係ないよ。勝ったからといって、負けたからといって、相手を認めない理由にも友達にならない理由にもならない。バトルは、自分と自分のポケモン、そして相手について深く知るための機会なんだ。バトルを通じて、深くわかり合える存在がいる」

 

 

俺の言葉に同意するようにスイクンは鳴き声を上げるが、ミュウツーの顔は解せないままだ。

 

 

「ミュウツー。俺は、このバトルが終わったら、お前と友達になりたいんだ」

 

『!』

 

 

ミュウツーの目が、大きく見開かれた。

 

 

「はっはっはっはっは!これはいい!勝てぬから、死にたくないからお友達になろうと持ちかけるとはな。トレーナーとしての腕もセンスも超一流なのに、精神はまだまだお子様だったわけだ。はっはっはっは!」

 

 

サカキ様は何が面白いのか大爆笑している。

そんなサカキ様に怒りを顕わにしたのが、スイクンだった。

前触れもなく〝れいとうビーム〟を放ち、サカキ様の傍に控えていたペルシアンを凍り漬けにさせてしまう。

 

 

「!おっと、怒らせたか?お子様の思想を笑うのは、確かにいい大人としてはよくない行為だったな。すまない。謝るよ」

 

「………………」

 

 

俺はサカキ様を無視して、ミュウツーを見つめ続ける。

 

 

『…………なぜ、私と、ともだちになりたい?私達は、今さっき出会ったばかりだ。それも、敵同士。私と友達になって、何の価値がある。何の理由がある。何の意味がある。お前は、何を考えている?』

 

 

「俺は今、夢を追っている真っ最中でな」

 

 

『夢………?』

 

 

何の話だと、ミュウツーが眉をひそめる。

 

 

「俺の夢はポケモンマスター。全てのポケモンと友達になること。だから、お前とも友達になりたい。ただそれだけだよ」

 

 

『敵でもか?お前達を殺そうとしている相手にも、お前はそれを言うのか?』

 

 

「言うよ。どんな相手でも、どんなポケモンでも、悪党に心酔しているポケモンで、改心できないところまでいってしまったポケモンでもない限り。俺は、世界中のポケモン達と友達になりたいんだ。俺の夢だから。意味も理由も、価値もそれだけ。そういうのは、後付けでいい。きっと後からついてくる。最初はただ、バトルが終わった後に、笑顔で握手したいんだ」

 

 

ミュウツーは俺の真意を探るように、ただじっと俺の目を見つめていた。

不意にミュウツーの視線がスイクンにずれる。

 

 

『スイクンといったな。お前は何故、その人間と一緒にいる。…………友達だから、か?』

 

 

それもある、とスイクンは頷いた。

 

 

『も?他にも理由があるのか?」

 

 

スイクンは、こう答えた。

 

 

 

-この人間を、支えたいと思った-

 

 

-この人間の、夢が叶う瞬間を傍で見たいと思った-

 

 

-この人間に、運命を感じた-

 

 

 

『………………なんだ、それは』

 

 

 

 

ミュウツーは、理解不能といった顔をする。

 

 

「最強のポケモンであるミュウツー。お前には、関係のない戯言だ。聞く価値すらない」

 

 

サカキ様が嘲笑ってくるが、ミュウツーは呆然としていた。

 

 

『人間の夢のために、ポケモンが手を貸す………?伝説に部類するポケモンでも、それが普通なのか?』

 

 

「普通のことではない、な。スイクンが、優しいから………俺のことを、認めてくれたから、成立した関係だな」

 

 

『みとめる……………?スイクンは、何故お前を認めた?お前は何だ?特別な存在なのか?』

 

 

「いや、違う。まったく以て特別なんかじゃない。どこにでもいる普通の人間だよ」

 

 

『なら、何故………』

 

 

 

-ただ、この人間の傍が心地好かったから-

 

 

 

-世界で初めて、心休める場所に出会えて-

 

 

 

-この人間の隣で、魂がここがいいと叫んだだけだ-

 

 

 

-死ぬまで、ここに居たいと-

 

 

 

-そう思っただけだ-

 

 

 

 

『?、?………???』

 

 

 

ミュウツーはまだわからないようで、理解不能という表情で困惑している。

 

 

 

『ポケモン側が人間のために傍にいることは理解した。ではスイクンは、お前という人間に使われているのか?お前とスイクンの関係が、お前の言う友達の関係か?』

 

 

「ちょっと違うな。俺とスイクンは友達だけど、ポケモンとポケモントレーナーという関係でもある」

 

 

『どう違う?』

 

 

「友達は種族を超えて、誰とでもなれる。対してポケモンとポケモントレーナーの関係は、ポケモントレーナーの仲間になったポケモン達とポケモントレーナーのみが築ける信頼関係だ」

 

 

『しん、らい………』

 

 

「それも最強のポケモンであるミュウツーには、不要な代物だな」

 

 

サカキ様がニヤニヤしながら言ってくるが、これも無視だ。

 

 

「俺とスイクンは、友達であり、仲間であり、俺にとっての恩師で、同志で、ポケモンとポケモントレーナーの関係もある。一言では言い表せない関係だ」

 

 

 

-サトシに使われているのではない-

 

 

 

-ともに戦っているのだ-

 

 

 

-サトシと一緒なら-

 

 

 

-どんなことでも-

 

 

 

-どんな相手でも-

 

 

 

-乗り越えられる-

 

 

 

-そう、確信できるから-

 

 

 

『使われているのでは、ない…………………?私にも勝てると思っているのか?この、世界で最強のポケモンとして作られた私にも勝てると。本気でそう思っているのか?』

 

 

勿論だと、スイクンは何の躊躇いもなく頷く。

それに怒ることなく、ミュウツーは俺のほうに視線を向けてきた。

 

 

『お前も、そう思っているのか?』

 

 

「当然だ。俺達は、どんな相手にも勝つ。勝って超えていく。どんな最後が待っていようと、もうスイクンとは一蓮托生だ。手は、もう繋いである」

 

 

スイクンの咆哮が響く。

同意するように。

俺と繋ぎ合った心を示すように。

 

全開にしていた波導が。

ミュウツーの心の中に、新たな感情が生まれたことを確認した。

感情の名は、羨望。

何に羨望したのかは、わからないが。

 

 

 

『私に、勝つ…………?』

 

 

「そんなことはあり得ないな。ミュウツーは、この世で一番強いポケモンとして作られた兵器だ。そんな存在に勝てると、本気で思っているのか?」

 

 

「………………」

 

 

 

いやらしい笑みを浮かべて言ってくるサカキ様のことはやっぱり無視。

俺は今、ミュウツーと話しているのだ。

 

 

 

『私に勝って、どうする?』

 

 

「友達になる」

 

 

『??、?。??』

 

 

 

俺の主張は、ずっと変わらない。

 

 

 

『わからない。お前は、スイクンという伝説に部類するポケモンの力を手に入れて、私と友達になるという。戦い以外、何もしないのか?』

 

 

「一緒に夢を追い掛けてもらってるぜ?今もこうして、一緒にバトルで戦って―――」

 

 

『違う。この星で、誰もがやってきたことだと聞いた。戦いと破壊と、略奪を』

 

 

「……………」

 

 

それは、戦いがバトルのことを指したものではないなら、誰もがやってきたことじゃない。

 

 

『私は目覚めてすぐに、島を丸々一つ、焼き尽くしたことがある。私は、力を制御しなければ、野放しにすれば世界が滅びるだけだと言われた。だから私の力を使えば、世界が我々のものになると』

 

 

ミュウツーは、おそらくサカキ様に言われたであろうことを話し出す。

 

 

『強いものが勝つと言われた。私の最強の力を使って、戦い、破壊し、略奪する。それが最強のポケモンとして作られた私の価値だと』

 

 

「それは、違う……………違うよ、ミュウツー……」

 

 

「何も違わない。ポケモンは人間のために使われ、人間のために生きるのだ」

 

 

「……………違う」

 

 

怒りと悲しみで、握った拳が震える。

 

 

「違う!!!!!!」

 

 

『!』

 

 

「ミュウツーはそんなことのために、生まれてきたんじゃない!!!!」

 

 

『っ!!!?』

 

 

ミュウツーは、酷く驚いた顔をする。

 

 

「ミュウツーの価値は、破壊にあるんじゃない!略奪にあるんじゃない!戦いだけに、あるわけじゃない!!!」

 

 

『……………………何故、お前が怒る………』

 

 

ミュウツーは、俺がミュウツーのことで怒りを顕わにしたのが信じられないようだった。

 

 

「ミュウツー!お前は、親しい存在の死に、涙を流して悲しめる、心優しい存在だ!!!」

 

 

『!?』

 

 

俺の言葉に目を丸くするミュウツーの優しさを、俺はちゃんと知っている。

 

覚えている。

 

初めて、友達になった存在達の死に。

 

涙を流して悲しんだミュウツーの心を。

 

ミュウツーを作り出した研究員たちのせいで、忘れ去られることになってしまった、大切な記憶を。

 

俺は!

 

まだ!

 

覚えている!

 

ミュウツーが、生みの親だからと言って、人間達の手助けを密かにしていた優しさを。

 

ロケット団が攻めてきても、自分達からは手を出そうとしなかった優しさを。

 

俺は、ちゃんと知っている!

 

 

「だから、優しいお前が、悪党に騙されて兵器として使われているのは、俺としては許せないんだ!!お前は生きている!優しい心がある!それなのに、心無い兵器として扱われる理由も、破壊と略奪と戦いだけを価値にしなければいけない理由も、まったくない!!!!!」

 

 

俺の訴えに、サカキ様はただ笑う。

 

 

「理由?そんなものは簡単だ。ミュウツーの力を野放しにすれば、いずれ世界は滅ぼされる。他ならぬミュウツーの力によってな。最強のポケモンであるミュウツーの力は、誰かが制御しなければ暴発するだろう」

 

「他ならないお前が!世界を滅ぼすために利用しているじゃないか!」

 

「そうよ!言っていることが矛盾してるわ!」

 

 

我慢ならなかったらしいタケシとカスミも、会話に混ざってきた。

 

 

「力は使わねば勿体ない。だから私が使ってやっているのさ。最強のポケモンを制御することができるのは、一握りの人間だけだ。最強のポケモンは、最強の組織にこそ相応しい」

 

「ふざけるな!!結局ミュウツーの力を使いたいだけじゃないか!!」

 

「当然だろう。最強の力は野放しにしておけば脅威だが、自分が使えるのならこれほど頼りになる力はない。これは私の、最強の力だ」

 

「~~~~~っ!ミュウツー!!お前はどうなんだ!!?」

 

 

サカキ様の言い分に腹が立って、思わず感情のまま、ミュウツーに問いかけた。

 

 

『っ!わたし、は…………』

 

 

「お前はどうしたい!何がしたい!この世界に生まれて、本当にサカキの思いのままに扱われていていいのか!?」

 

 

『…………………私は、何のために、生きている…………』

 

 

「それはお前が決めていいんだ!誰かに依存して決めるものじゃない!」

 

 

『私は、何のために戦っている…………』

 

 

「お前は仲間のために戦える心を持っている!誰かのためじゃなくて、自分のためにも戦えるんだ!」

 

 

『…………私の価値は、なんだ…………』

 

 

「生きながら見つけていくんだ!それが、この世界に生きるってことだ!生きていくってことなんだ!ミュウツー!お前は生きている!!」

 

 

『…………………………………私は、誰だ……………』

 

 

「お前はミュウツー!!!ただの……………この世界に生きている、ポケモンだ!!!!」

 

 

『………………』

 

 

ミュウツーは、自分の中に生まれたサカキ様への疑念と人間に抱く恨みが混ざった複雑な感情と、どうすればいいのかわからない葛藤で悩んでいる。

 

 

「ふん………お喋りは終わりだ。ミュウツーが最強のポケモンである限り、この力は我々の物だ。お前達の敗北は覆らないし、そのスイクンも我々の物になる。それが絶対の力を持つということ」

 

『…………………………私、は………』

 

「ミュウツー!世界を滅ぼしたくなければ、私に従え!そして戦え!戯言ばかり吠える甘ちゃん精神のお子様達には、やはりこの舞台はまだ早すぎる」

 

『…………たた、かう………力こそが、私の、証明………』

 

「そうだ!最強の力を証明してこそ、お前が存在する意味がある!さぁミュウツー!その最強の力を使って、蹂躙を再開し―――」

 

「そうか、わかったぞ」

 

 

サカキ様の言葉で、俺はようやく気付いた。

 

 

「?何が、わかったと?」

 

「最強」

 

 

その単語が、何回出てきたことか。

 

 

「?」

 

「その言葉が、呪縛になっているんだな」

 

 

ミュウツーすら、自分を縛っているのか。

 

 

「最強の存在という価値で、縛り付けられているのか。自らを、縛っているのか」

 

 

それだけしか価値がない、と?

ふざけるな。

ミュウツーは、確かに最強のポケモンとして作られたのかもしれない。

けど、ミュウツーの存在価値はそれだけじゃない。

 

 

「それが、わからないなら――――」

 

 

スイクンが、身構えた。

 

 

「俺達が!!最強を超えて!!!」

 

 

スイクンが、吠えた。

 

 

「俺達が!!その呪縛を解いてやる!!!!」

 

 

帽子のつばを掴んで、後ろに回す。

 

ただ、グリーンバッジを手に入れるために、ミュウツーと戦う必要があった。

怯えていた。

怖かった。

 

けど今、明確な理由ができた。

倒す理由が、できた。

頭は冷静なのに、心が熱く燃えている。

もう、恐怖はない。

あるのは、最強を超えていくという、確かな想い。

 

 

「はっ!急に強くなれるわけがないのに、お前達に何ができる。ミュウツー!やれ!」

 

『っ!』

 

 

ミュウツーが心の中で迷ったまま、ぐちゃぐちゃな表情でスイクンに〝サイコキネシス〟を仕掛けてくる。

何故か、〝サイコキネシス〟を受けたスイクンの痛みが伝わってきた。

波導を通して。

スイクンの心と、シンクロしていく。

 

 

「俺達は!!!」

 

 

-ともに!!!-

 

 

「最強を!!!」

 

 

-超えていく!!!-

 

 

 

体中に力が湧いてくる。

スイクンの視界と、リンクする。

特攻が四段階上がったミュウツーの〝サイコキネシス〟の、力が働いている中でも弱い部分を見破って。

力で振りほどいて、ミュウツーに肉薄した。

 

 

『!?』

 

 

驚いている顔のミュウツーが、間近に見える。

俺の急所を見通せる目が、スイクンにも見えているようで。

 

 

「〝かみくだく〟!!!」

 

 

何も言わずとも、そこに〝かみくだく〟をぶち込んだ。

ミュウツーの顔が、苦痛に歪む。

 

 

「〝みずのはどう〟!!」

 

 

噛み付いたまま放った〝みずのはどう〟は、咄嗟の〝ひかりのかべ〟で防がれる。

しかし運よく、混乱状態にさせることができた。

 

 

『っ!』

 

「なっ!?ミュウツー!しっかりしろ!」

 

「〝バークアウト〟!!!」

 

 

超至近距離で、渾身の〝バークアウト〟をぶち込んで、離れる。

これで終わりではないぞ。

 

 

「〝なみのり〟!」

 

 

ミュウツーが何とか〝じこさいせい〟しているのは、俺の目にもリンクしているスイクンの目にも見えている。

その隙をついて大波を発生させ、ミュウツーを呑み込んだ。

 

 

『くっ!』

 

 

呑み込まれ、ダメージが入ってからミュウツーが大波から飛び出してくる。

 

 

「〝れいとうビーム〟!」

 

 

そこを狙って放った〝れいとうビーム〟は、ミュウツーの素早さによりかする程度になったが、〝なみのり〟を諸に受けたミュウツーは全身ずぶ濡れだ。

かすったところから、徐々に凍り始めていく。

 

 

『っ!?』

 

 

〝なみのり〟の波に当たって物理的に頭が冷え、混乱が解けたらしいミュウツーは再び〝サイコキネシス〟で凍り始めている部分の氷を割る。

 

 

「〝かみくだく〟!」

 

 

その隙を突いて、〝かみくだく〟を再び急所に入れる。

嚙み付いたまま〝バークアウト〟までぶち込んで、ミュウツーを地面に墜落させた。

 

 

「ミュウツー!何をしている!」

 

 

俺達の止まらぬ猛攻に、サカキ様が焦ったように叫ぶ。

 

 

『……私は………最強の――!!』

 

「その最強を!俺達で!!」

 

-打ち破る!!-

 

『っ!』

 

 

目で見えるほどのダメージを負い始めたミュウツーは、焦りながらも〝じこさいせい〟で何とか全快まで持っていっている。

 

それがどうした。

 

さぁ、舞台は整えた。

 

チャンスは一瞬。

 

絶対逃すな!

 

 

「〝しんそく〟!!」

 

 

やりたい動きが、言葉にせずともリンクしている心で伝わる。

地面に立っていたミュウツーが、慌てて浮かび上がり自分の周りに〝サイコキネシス〟を展開した。

ミュウツーの死角から飛びかかっていたスイクンは、その〝サイコキネシス〟に阻まれて動きが止まる。

 

 

「図に乗るな小僧ども!!!!」

 

『っ!』

 

 

動きを止めたスイクンに、〝かみなりパンチ〟が突き刺さり吹っ飛ばされる。

 

 

「ぐっ!!」

 

 

スイクンと同じ痛みが伝わってきて、思わずお腹を押さえる。

大丈夫か、とスイクンがこちらを気にする心が伝わってきたので、ニッと笑ってやった。

この痛みはスイクンも受けていると思えば、俺が耐えられない理由はない。

 

 

「全然大丈夫だ。スイクン!全力で行くぞ!!!」

 

 

スイクンが、力強く鳴く。

 

 

「調子に乗るなよ、ガキが!ミュウツー!とっととやってしまえ!!」

 

『っ!』

 

 

ミュウツーは浮かびながら、〝シャドーボール〟を連発してくる。

 

 

「〝なみのり〟!!」

 

 

大波を発生させて、全ての〝シャドーボール〟を呑み込んだ。

ミュウツーは〝サイコキネシス〟で波を割るのではなく、自分の周りに〝ひかりのかべ〟と〝サイコキネシス〟の壁を球状に作って、〝なみのり〟を防いでくる。

 

 

「〝れいとうビーム〟!!!」

 

 

放った〝れいとうビーム〟も同様に防ぎ、弾いてきた。

 

 

「同じ伝説でも!ミュウツーとスイクンでは格が違うのだ!諦めろ!!」

 

 

いつの間にか、サカキ様も熱くなっている。

 

 

「例え格が違くても。スイクンには俺がいる!」

 

「ただのガキが!何の役に立つ!」

 

 

サカキ様の言葉に、スイクンが咆哮を上げて反発する。

 

 

『ともに………戦う、存在……………仲間…………それが、私との違い……』

 

 

ミュウツーは葛藤したままだ。

 

 

「それがなんだと言うのだ!個として最強であるミュウツーには、何の関係もない!ミュウツー!引導を渡してやれ!」

 

『………っ!』

 

 

覚悟を決めたように、ミュウツーは最高スピードでスイクンに突っ込んできた。

ミュウツーのあまりのスピードに、一瞬反応が遅れる。

その隙を突いて再び〝かみなりパンチ〟が叩き込まれ、吹っ飛ばされた。

いつの間にか〝ビルドアップ〟を積んでいたようで、先ほどよりも威力が高い。

 

 

「ぐぅっ!!?」

 

 

地面を抉ってきたスイクンは俺の前でようやく止まり、キッと前を見据える。

 

 

「貴様の旅は!貴様の命は!ここで終わりだ!やれ!ミュウツー!」

 

『ふっ!』

 

 

反応する前に〝サイコキネシス〟で拘束され、力を入れて抵抗する間もなく浮かされたかと思えば、地面に思い切り叩き付けられる。

 

 

「ガ、ハッ…!!」

 

 

あまりの痛みに、片膝を付く。

その隙を見逃してくれず、ミュウツーはスイクンとの距離を詰めて〝かみなりパンチ〟を振りかぶった。

もう、これを受け切るだけの体力は、ない。

 

 

「〝しんそく〟!!!!!!!」

 

 

瞬時に〝しんそく〟を発動―――――

 

 

 

 

 

したのに。

 

 

〝かみなりパンチ〟を右腕に発動したまま、左腕で発動した〝サイコキネシス〟で捕まってしまい、動きを封じられた。

逃がさないようにか、ミュウツーの左腕で直に喉を掴まれ、持ち上げられる。

 

 

 

 

 

「これで終わりだ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

条件は、揃った。

 

 

 

幾度もの〝なみのり〟で空気中に水分を多くばら撒いた。

 

 

 

〝れいとうビーム〟で冷気を振りまき、覚られないようにした。

 

 

 

こちらのバトルフィールドの温度を徐々に下げて、フィールドの準備を整えた。

 

 

 

ミュウツーが、準備を整えたこちら側のバトルフィールドにいる。

 

 

 

ミュウツーが、技を同時に使用していて防ぎようがない状況。

 

 

 

ミュウツーに、触れているほど超至近距離。

 

 

 

絶対外さない。

 

 

 

絶対防がせない。

 

 

 

そう。

 

 

 

これで、終わりだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「〝ぜったいれいど〟ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにっ!?」

 

 

 

 

サカキ様の驚く声すら、すぐに聞こえなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白い冷気が、空気を呑み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ミュウツーを吞み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

全てを呑み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

辺り一面、真っ白。

 

 

 

 

 

 

 

 

悪意も、戦意も、価値も、呪縛も、何もかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

全部、白に塗り潰されていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

さいしょからはじめるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

一から始めるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

零に塗り替えていく――――――。

 

 







次回、決着。





スイクン(色違い) Lv.53→55

エーフィ♀  Lv.56→57

リザードン♂ Lv.57→59 -太陽-

ピカチュウ♂ Lv.58→59

キュウコン♂(色違い) Lv.48

バタフリー♂ Lv.50

ピジョット♂ Lv.50

ニドキング  Lv.51

フシギダネ♂ Lv.50

リザードン♂ Lv.53

カメール♂  Lv.50

キングラー♂ Lv.49

ニンフィア♀ Lv.50

ゲンガー♂  Lv.55

バタフリー♀(桃色の色違い) Lv.20 -モルガナ-

ゲンガー♂  Lv.48→54

コノヨザル♂ Lv.55→57

ブラッキー♂(色違い) Lv.48

ウインディ♂(ヒスイの姿) Lv.50

リーフィア♂ Lv.40

ベトベトン♂ Lv.47

ジバコイル(色違い) Lv.45

ケンタロス♂ Lv.36

ガルーラ♀  Lv.34

ニョロゾ♂  Lv.36

ドサイドン♂ Lv.43

バサギリ♂(色違い) Lv.34

ゾロア♀(色違い) Lv.31

ヒンバス♂(色違い) Lv.30

ラッキー♀  Lv.32

カラカラ♂  Lv.36

ポリゴン2  Lv.35

カブトプス♂ Lv.43

プテラ♂   Lv.60

オムナイト♂ Lv.30

トゲピー♀  Lv.15→16

フシギソウ♀ Lv.30

ちょっとアンケート。 長くていいからバトル中区切らないでいるか、長いと読みにくい等あるから区切るか。 読者の意見が知りたいのでお願いします。

  • 翌日の投稿でいいからバトル中に区切る。
  • 長くていいからまとめて。
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