転生サトシの旅路   作:ナノブ

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7.トキワからニビへ

第11話 トキワの森へ ポケモン、ゲットだぜ!

 

 

ジュンサーさんが来てからは、ポケモンコレクターを引き渡した。

あのポケモンコレクター、どうやら銃器やナイフを隠し持っていたらしい。

捕らえられてから、押収されていた。

使うことを忘れていたのか、それほどまでにバトルが楽しくて使わなかったのか。

どちらにしろ、使ってこなかったのは本当にラッキーとしか言いようがない。

鍛えているのと波導の力で、リアルファイトでも自信があるとはいえ、カスミ達の方に矛先が向いたらどうなっていたかわからないからな。

 

引き渡した後は、ポケモンセンターに泊まらせてもらった。

ロビーはめちゃくちゃになってしまったが、前の時ほど木端微塵に壊れることはなかったので、宿泊部屋は無事だった。

俺のポケモンもカスミのポケモンも手当てしてもらってから、皆を出して部屋でぐっすり寝た。

疲れていたからか、眠りにつくのは早かった。

 

そして、ロケット団、ポケモンコレクターと立て続けに対決して、翌日。

俺はロコンの病室で、カスミに詰め寄られていた。

 

 

「なんであんたが、あんなポケモン持ってるのよ!しかもあんなレベルの高い相手と戦って、最後以外はほぼ無傷!使いこなしてるって、どういうわけよ!?色々と教えなさい!」

 

 

ロコンに配慮してか声量は小さく、しかし胸元辺りを掴まれてガクガクと揺さぶられる。

 

 

「コ~ン……」

 

「ピカ……」

 

「は、話す話す!できる範囲で話すから、放してくれ…!」

 

 

困り顔のロコンとピカチュウが、視界の中でガクガク揺れて気持ち悪くなる。

エーフィと太陽は病室なのを配慮してモンスターボールの中にいる。

俺の顔色が青白くなったのか、それとも落ち着いたのか、カスミは俺を揺さぶるのを止め手を放してくれた。

 

 

「何から話せばいいか……」

 

「最初からよ!」

 

 

というわけで、カスミにスイクンと出会った経緯、仲良くなり仲間になった経緯を洗いざらい話すことになった。

俺が転生者の記憶を持つことや、サトシとしての記憶を持つことは、勿論伏せて。

俺の夢を支えてくれている大切な存在なのだと話した。

 

 

「ふ~ん……ポケモンハンターが、スイクンを狙って………だから、ポケモンコレクターの登場にも比較的落ち着いてたのね」

 

「恐怖はあったけどな。それでも俺がしっかりしなきゃ、スイクンの足を引っ張っちゃうと思って。スイクンが強いことなんて誰もが百も承知なんだから、あとはトレーナーである俺がしっかりするだけだ」

 

「スイクンを使えば、楽にロケット団だって追い払えたし、この先も楽にバトルで勝てるのに……」

 

「お宝を求めている犯罪者の前に、わざわざお宝を見せてやることないだろ。それに、スイクンの強さに頼っていたら俺が成長できない。俺が目指すポケモンマスターは、スイクンがいなきゃ何もできない勝てないトレーナーってわけじゃないからな」

 

 

ロコンの包帯を替え、ブラッシングしながら話す。

カスミはふ~ん、と少し意外そうに呟いた。

 

 

「あんた、初心者のくせに色々考えてるのね」

 

「スイクンと一緒だったからな。強いポケモンに頼ることも戦術のうちだけど、それだけじゃ俺自身が成長できない。俺が成長するためにも、スイクンからも情報からも色々学んできたつもりだ。あとは場数を踏むだけ」

 

 

そう言ってロコンのケアをし終わると、心地よさそうに微睡んでいたロコンがカクリと首を揺らして目を覚ます。

微笑ましくて、優しく頭を撫でる。

ピカチュウが羨ましそうにしていたので、ピカチュウの頭も撫でる。

 

 

「チャア~~~」

 

「スイクンがあんたの手持ちにいる理由はわかったわ。それじゃ、あのピンク色の可愛くも凛々しいポケモンは何!?」

 

「ピンク色?エーフィのことか?」

 

「エーフィっていうの!見せて!」

 

「別にいいけど…」

 

 

カスミの勢いに押されて、エーフィをモンスターボールから出した。

 

 

「フィ!」

 

 

すぐさま俺の膝に乗り擦り寄ってくるエーフィの頭を撫でると、カスミが目を輝かせながら距離を詰めてくる。

 

 

「かーわいい!!!…じゃなくて!何でマサラタウンから旅立った初心者のあんたが、もうリザード以外のポケモンを持ってるわけ!?というか、何でもうヒトカゲから進化してるのよ!ピカチュウまでゲットしてるのはどういうわけよ!」

 

 

スイクンの疑問が解決して解放されるかと思いきや、他の疑問が矢継ぎ早に飛んできた。

全部話すまでは放してくれそうになかったので、仕方なく疑問に全て答えた。

エーフィとリザードの太陽も幼い頃から一緒だったこと。

オーキド博士に貰ったのは太陽ではなく、ピカチュウだったこと。

全てを話せば、ようやく疑問がすべて解消したようでカスミは落ち着いてくれた。

 

 

「なんというか………あんたって、規格外のトレーナーね……」

 

「そうかな?ただ運がよかっただけだよ」

 

 

話しながらピカチュウと太陽、エーフィのケアもしていく。

その手付きを見て慣れていることに目聡く気付いたカスミに、初めて褒められた。

 

 

「中々やるじゃない、サトシ!」

 

「ありがとう、カスミ」

 

 

俺のケア、マッサージを見ていたカスミはトサキントどヒトデマンを出して、その二体のケアの仕方を教えてくれた。

いつかする日が来るかもしれないからと。

知識と経験が増え、俺はもう一度カスミにお礼を言ったのだった。

 

さて、俺やスイクン、そしてピカチュウ達の傷は一晩寝たら癒えた。

あとはロコンの傷だが、後遺症も何も残らず数日経てば完全に治るだろうとジョーイさんに言われた。

ロコンが大丈夫だとわかれば、そろそろニビシティに向けて出発したい。

 

 

「ロコン、無事治るって、よかったな。俺達もう行くよ」

 

「コン!?」

 

「シゲル達に比べて、だいぶ出遅れちゃったから少し急がないとな。ニビシティに向けて、そろそろ出発したいんだ」

 

「コン!コーンコン!」

 

 

俺の言葉に驚いたロコンが、慌ててベッドから立ち上がり俺の近くに寄ってくる。

傍に来たロコンをそっと撫でた。

 

 

「大丈夫。ポケモンコレクターは捕まったし、ジョーイさんに頼めば安全なところまで連れて行ってくれると思う」

 

「コン!コーン!」

 

 

ロコンは違う、嫌だと首を横に振る。

そして俺の体に前足をかけ、必死にほりほりし始める。

 

 

「わっ!ロ、ロコン…?」

 

「コン!コーン!コンコン!」

 

 

必死になって何かを伝えようとしてくるロコン。

忘れていた波導の力を、ロコンに向けた。

感じ取れた思いは一つ。

 

ともにいきたい。

 

 

「…………ロコン、俺と一緒にくるか?」

 

「コン!」

 

 

聞いた瞬間、ロコンは動きを止め顔を輝かせて俺を見つめてきた。

ロコンの想いを確認して、モンスターボールを一つ取り出す。

 

 

「俺と行こうぜ、ロコン!」

 

「コーン!」

 

 

ロコンが自ら入っていったモンスターボールは、一度揺れただけですぐに止まった。

 

 

「よし!ロコン、ゲットだぜ!」

 

「ピッピカチュウ!」

 

「フィー!エフィ!」

 

「グォウォウ!」

 

 

ピカチュウとエーフィも俺の声に続いた傍らで、カスミは何故か驚愕の表情を浮かべていた。

 

 

「ポケモンが、自ら………しかも、一度揺れただけで……そんなゲットありぃ!?」

 

「なんでもありさ。ポケモンは自由だ。出てこい、ロコン!」

 

「コーン!」

 

 

まだ包帯が巻かれた、少し痛々しいロコンをモンスターボールから出す。

そしてそっと抱き上げた。

 

 

「これからよろしくな」

 

「コーン!」

 

「ピッカ!」

 

「フィー!」

 

「グォウ!」

 

 

こうして、新たな仲間を皆で祝ったのだった。

 

 

ロコンが仲間になったことをジョーイさんに報告し、祝われた後はニビシティを目指してトキワの森に足を進めていた。

ちなみにカスミも一緒だ。

ポケモンセンターを出たところで別れる流れになるかと思えば、昨日の騒動で入り口付近に停めていた自転車が見事に壊れていたのだ。

事情が事情故に仕方ないとカスミも割り切っていたものの、自転車なくトキワの森を抜けるのは骨が折れるのでボディーガードになれと頼まれた。

二つ返事で了解し、一緒にいるというわけだ。

 

昼間も暗い、トキワの森。

ピカチュウだけをモンスターボールの外に出し、歩くことしばらく。

 

 

「キャーーーーー!!」

 

 

カスミがキャタピーを見つけて、悲鳴を上げて俺の背に隠れた。

波導の力を使わなくてもわかる。

俺のキャタピーだ。

 

 

「ポケモンでも虫は嫌!虫は無視!サトシ、なんとかして!」

 

「言われるまでもない。行くぞ、ピカチュウ!ゲットする!」

 

「ピッピカチュウ!」

 

 

前の時よりも今の段階で懐いてくれたピカチュウが、俺の言葉に反応して飛び出していく。

ピカチュウが前に出たことで、キャタピーも戦闘態勢に入った。

〝いとをはく〟で動きを封じようとしてくる。

 

 

「かわせピカチュウ!〝でんきショック〟だ!」

 

「ピィカチュウウウウ!」

 

 

まだまだレベルが低いこともあり、吐かれた糸のスピードが速くなかったこともあって簡単に避け、〝でんきショック〟を直撃させる。

 

 

「行け、モンスターボール!」

 

 

すかさずモンスターボールを投げると、モンスターボールは数回揺れて止まった。

 

 

「よっしゃ!キャタピー、ゲットだぜ!」

 

「ピッピカチュウ!」

 

 

俺の真似をしてくれたピカチュウを褒め、労ってからモンスターボールを取り、キャタピーを出す。

 

 

「出てこい、キャタピー!痺れは大丈夫か?」

 

 

俺の言葉にコクコク頷くキャタピーは、視界の端にカスミの姿を捉えたようで目を輝かせ、突撃していった。

前と同じように、キャタピーに懐かれてカスミが悲鳴を上げている。

 

 

「ち、近寄らないでよ!もう、虫は無視って言ってるじゃない!」

 

「そんなこと言うなよ、カスミ。ポケモンに懐かれやすいのだって一種の才能だぜ?」

 

「虫は無視なのぉ!!」

 

 

カスミの不用意な発言でキャタピーが傷付く前に、キャタピーを抱き上げカスミから引き離した。

最初の頃は虫ポケモン嫌いがすごかったなぁ、と思いながら、キャタピーと目を合わせる。

 

 

「こんなに可愛いのになぁ。キャタピー、俺はサトシだ。よろしくな」

 

 

キャタピーは再びコクコクと頷く。

そのままキャタピーを肩に乗せて歩くことにすると、カスミはものすごい勢いで距離を取った。

 

 

「もう~~~。ボディーガードしてって言ったのにぃ。ボディーガードが敵を手懐けてどうすんのよぉ…」

 

 

距離を取ったまま後をついてくるカスミの弱音が聞こえる。

 

 

「まったく………水ポケモンが嫌われれば怒るくせに、虫ポケモンを嫌って傷付く発言をするのはいかがなものかね」

 

「うっ………」

 

 

思わず言い返すと、カスミは言葉に詰まった。

喧嘩をしたいわけではないのであまり強くは言わないが、キャタピーの心を傷付けていい理由はどこにもないので、俺が見逃す理由もどこにもない。

反省してくれるならそれでいい。

そう思っていると、カスミはさすがに思うところがあったのか俯きながら歩いていた。

 

 

「足元、気を付けろよ?」

 

「!わかってるわよ」

 

 

どこか元気をなくしてしまったカスミに注意して、歩き続ける。

すると開けた切り株の場所に出た。

 

 

「ここ、キャンプするのにちょうどいいけど……」

 

「まだ昼よぉ?」

 

 

そう、前寝泊まりした場所に、今回は早くついてしまったようだ。

今日はまだ先に進める。

だがここで一旦休んで、バトルの特訓をしたっていい。

そんなことを考えていると、一つの影が空から降下してきた。

 

 

「あれは!」

 

「ピ!」

 

 

ピジョン。

波導の力を使って調べると、無事にと言っていいのかわからないが俺のピジョンだった。

ピジョンは草むらに降り立ち、餌を食べている。

 

 

「よぉし!キャタピー、初バトルだ。行くぞ!」

 

「ちょ!!?」

 

「ピ!?」

 

 

肩に乗っていたキャタピーに声をかけると、自分よりも体の大きなピジョンに怖がって震え始めてしまったので、そっと地面に降ろす。

 

 

「何考えてんのよ!ポケモンには相性ってもんがあるでしょうよ!」

 

「相性はある。恐怖もある。それでも、俺はキャタピーでもピジョンに勝てるって、そう信じてる。なぁキャタピー。お前も、俺を信じてくれないか?」

 

 

涙目で見上げてきたキャタピーに、笑顔で返した。

しばらく俺の顔を見つめていたキャタピーは、もうどうにでもなれという感じで前に出る。

やってやらぁ、という気概を感じた。

 

 

「よし!ピジョン、バトルだ!」

 

「ピジョ!」

 

 

声をかけるとピジョンも戦闘態勢に入った。

さっそくとばかりに〝かぜおこし〟で攻めてくる。

 

 

「キャタピー、〝いとをはく〟で繭を作って、自分を守れ!」

 

 

スイクンとは違い、技名だけの指示ではわからないだろうから、細かく指示を出す。

キャタピーは自身を覆うように〝いとをはく〟で繭を作り、〝かぜおこし〟の風から自身の身を守った。

 

 

「でもそれじゃ動けないじゃない!」

 

 

カスミの言った通りだとばかりに、ピジョンが〝でんこうせっか〟で攻めてくる。

 

 

「尻尾でジャンプだ!」

 

 

キャタピーは繭の中でも尻尾を動かし、ぴょんとジャンプした。

ピジョンの〝でんこうせっか〟は空を切り、ピジョンは驚きで動きが止まる。

 

 

「今だ!斜め右下に〝いとをはく〟!」

 

 

繭から一本の〝いとをはく〟が飛び出し、ピジョンの翼に当たった。

 

 

「ピジョ!?」

 

「糸の先だ!糸を引っ張れ!〝たいあたり〟!」

 

 

糸を自分の方に引っ張って勢いをつけ、そのままの勢いでピジョンに〝たいあたり〟を命中させる。

翼に糸が絡んでいたピジョンは上手く体勢を立て直せずに吹き飛んだ。

 

 

「ピジョーーーー!?」

 

「よし!もう一度〝たいあたり〟!」

 

 

吹き飛んだピジョンの翼に糸が付いたままだったこともあり、ヨーヨーの要領で勢いが付いた〝たいあたり〟が再びピジョンを襲う。

その後も反動が止まらず、〝たいあたり〟がペチペチとピジョンにダメージを与えた。

 

 

「嘘ぉ。低レベルのキャタピーがピジョンを押してる………」

 

 

唖然としているカスミの声を背に、モンスターボールを取り出す。

 

 

「行け、モンスターボール!」

 

 

止めの〝たいあたり〟で吹き飛んだ勢いで木にぶつかり、頭を抑えているピジョンにモンスターボールが当たった。

そのままモンスターボールは数回揺れ、止まる。

 

 

「よっしゃぁ!ピジョン、ゲットだぜ!」

 

「ピッピカチュウ!」

 

 

本日三匹目のゲットだ。

これほど嬉しいことはない。

ちなみに七匹目なので、モンスターボールはオーキド研究所に転送されていった。

勝ったことが信じられず、呆然としていたキャタピーに走り寄って抱き上げる。

 

 

「ありがとな、キャタピー!本当にすごいぞ!」

 

 

俺の言葉で我に返ったキャタピーは、笑顔を浮かべて喜び、抱き着いて来た。

途端、光り出すキャタピー。

自分よりも遥かにレベルの高いピジョンに勝利したことで、一気にレベルが上がったようだ。

キャタピーは、トランセルに進化した。

 

 

「すごいぞ、トランセル!やったな!」

 

「ピカピカチュウ!」

 

 

ピカチュウも一緒に喜んでくれる。

トランセルは前の時のように無口なようだったが、コクコクと頷いてくれた。

 

その後、キャンプできる場所に出たのでせっかくなら今日はここに泊まろうとカスミを説得し、手持ち皆を出してバトルの特訓をした。

ピカチュウはエーフィから〝でんこうせっか〟を教わろうとしている。

 

ロコンは技スロット六つの、〝ひのこ〟、〝しっぽをふる〟、〝かなしばり〟、〝でんこうせっか〟を覚えていたので、〝ひのこ〟の火力を上げ〝かえんほうしゃ〟にする特訓と、〝じんつうりき〟を覚える特訓を同時に行う。

 

トランセルは技スロット四つの、〝いとをはく〟、〝たいあたり〟、〝かたくなる〟を覚えていたので、一先ず〝いとをはく〟の糸を吐くスピードと糸の強度を上げる特訓。

ちなみにエーフィは〝サイコキネシス〟の習得を、太陽はスタミナと筋力の強化を目指して特訓している。

 

そういえば波導の力をカスミに説明していなかったが、ポケモン図鑑を向けながら特訓内容を決めたので、特に疑問は抱かなかったようだった。

とりあえず聞かれるまではいいかと、俺から話すこともない。

 

そんなこんなでカスミに見守られ、カスミを特訓の相手に引きずり込んで、夜。

皆が寝静まったころ、ピカチュウにそっと起こされた。

 

 

「ピカチュウ、どうした?」

 

「ピカ。ピカピ、ピカピカチュウ」

 

「話?」

 

「ピカ」

 

 

コクンと頷いて、ピカチュウは起き上がった俺の隣に腰掛ける。

なんだかよくわからないまま、俺も改めて寝袋の上に座り直した。

俺についていけなくなったから、野生に帰りたいとかだったらどうしよう。

 

 

「ピカ、ピカピカ。ピカピカチュウ」

 

 

そんなことを考えていると、ピカチュウが話し出した。

曰く、改めてスイクンの強さに驚いたと。

エーフィや太陽にも、今のままでは及ばないのにスイクンはもっと遥か彼方にいることを実感したと。

俺が目指すポケモンマスターヘの道は、あのポケモンコレクターのような、いやそれよりももっと強いトレーナーが立ち塞がるのに、今のままではダメだと痛感したと。

 

自分の今の実力の低さを目の当たりにして、ピカチュウは落ち込んでいるようだった。

伝わる気持ちは、“強くなりたい”、だ。

 

 

「ピカチュウ、話してくれてありがとな。でも、今はまだ気にする段階じゃないよ」

 

「ピ?」

 

「だってまだ、俺達の旅は始まったばかりだ。最初から最強のやつなんて、この世にはいないよ。皆、少しずつ強くなっていくんだ。負けを経験して、挫折を経験して、躓きながら、時には転んで、それでも這い上がったものが強くなれるんだ。ピカチュウ、君は、どうしたい?」

 

「ピ?」

 

「俺は、無理強いはしたくない。俺の夢は、前語った通りだ。ポケモンマスターを目指しながら、誰かの役に立てる、自分に合った職業を探す。スイクンは、そのために協力してくれてる。俺に力を、貸してくれてる。だけど君が、必ずしも俺に付き合う必要はないんだよ」

 

「ピカピ………」

 

 

そんなことを言われると思わなかったのか、ピカチュウは驚きで目を丸くする。

 

 

「君の命だからな。君は自由だ。好きに生きていいんだ。俺はできれば君と一緒がいいけど、君が選んだ道が俺と違う道なら、涙を流しながら見送るよ。ピカチュウ、どうしたい?」

 

「ピカ……」

 

 

考える間を取ったのは、一瞬。

ピカチュウはすぐに俺の腕の中に飛び込んできた。

 

 

「ピカピ!」

 

「おっと…………俺と一緒に、来てくれるのか?」

 

「ピカ!」

 

 

笑顔で、頷いてくれる。

涙がこぼれそうになって、必死に堪えた。

 

 

「ありがとう、ピカチュウ」

 

 

ピカチュウを優しく抱きしめると、嬉しそうに抱き返してくれた。

 

 

「じゃあ、俺と一緒に、ポケモンマスターを目指そうぜ。どこまでも一緒に行こう。誰よりも一番強くなろう。一緒に、行けるところまで突っ走ろう!」

 

「ピカピカチュウ!」

 

 

小声でピカチュウと誓いを立て、笑い合った。

この日は、忘れられない夜になった。

 

ピカチュウが本当の相棒になってから、翌日。

出発の準備をしていると、何のひねりもなくロケット団が現れた。

 

 

「見つけたわよ、ジャリボーイ!」

 

「ジャリボーイ?何それ?」

 

「なんだかんだと聞かれたら」

 

「答えてあげるが世の情け」

 

「世界の破壊を防ぐため」

 

「世界の平和を守るため」

 

「愛と真実の悪を貫く」

 

「ラブリーチャーミーな敵役」

 

「ムサシ」

 

「コジロウ」

 

「銀河を駆けるロケット団の二人には」

 

「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ」

 

「ニャーんてニャ」

 

 

名乗りと同時にポーズをとるロケット団。

相変わらずだ。

 

 

「何か用か?」

 

「用も何も!」

 

「お前が持つポケモンは、どうやらよほど強いらしい!」

 

「昨日あの後、世界的に指名手配されてる強力なポケモンコレクターを捕らえたと聞いたニャ。そんな強いやつを返り討ちにするおみゃーのポケモン、見逃すニャー達ではニャース!」

 

「自分達も返り討ちにされるとは思わないのかしら」

 

 

ロケット団の言い分に、半目になりながらカスミが呟く。

その呟きはロケット団まで届かなかったようで、ムサシとコジロウはモンスターボールを取り出した。

 

 

「初心者相手にも容赦はしない」

 

「大人しく渡せば見逃してやるが、そんなに聞き分けのいい存在だとも思っていない。とくりゃここは当然」

 

「ポケモン勝負!行け、アーボ!」

 

「ドガース!」

 

 

ムサシとコジロウはアーボとドガースを繰り出した。

ニャースも含め、ポケモンセンターで戦った時と同じく三体三である。

 

 

「ピカチュウ、ロコン、トランセル、君達に決めた!」

 

「ピッカ!」

 

「コーン!」

 

「……」

 

 

俺が三体を場に送り出すと、ロケット団の目が輝いた。

 

 

「ニャー!色違いのロコンニャ!」

 

「「持ってるじゃん持ってるじゃん!珍しいポケモン持ってるじゃん!」」

 

「お前らにはやらないぞ?」

 

 

ウキウキで踊り出すロケット団に思わず突っ込んだ。

 

 

「それでけっこう。奪うのみ!アーボ、行きなさい!」

 

「ドガース、お前もだ!」

 

「シャー!」

 

「ドガース」

 

 

というわけでロケット団との戦いが始まったが、エーフィと太陽を出さなかったことで察してほしい。

ロコンの、エーフィを真似たヒット&アウェイの戦法で錯乱し、トランセルの〝いとをはく〟で動きを鈍らせ、レベルの上がったピカチュウの〝でんきショック〟であっさり勝利した。

ポケモンセンターで戦った時は疲れていたから後れを取ったが、元気な時に襲ってこられれば撃退は容易い。

最後にピカチュウにもう一度〝でんきショック〟を指示して、ロケット団を吹き飛ばした。

 

そしてエーフィだけでなくロコンの〝でんこうせっか〟も見たことで、コツを掴んだのかピカチュウが〝でんこうせっか〟を覚えた。

いい感じである。

 

 

 

 

 

第12話 サムライ少年の挑戦 トキワからニビへ

 

 

バトルの特訓をしながらトキワの森を抜けようと歩いていると、途中で一匹のニドラン♂を見かけた。

体が通常の個体よりも一回り大きく、がっしりしている。

波導で調べてみたところ、隠れ特性でもありこの辺の主かもしれなかった。

 

思い出すのは、あのポケモンコレクターだ。

強かった。

スイクンじゃなきゃ確実に負けていた。

あの強さに俺は追い付かなきゃ、先に進めない。

絶対今より強くなってやる。

 

決意を新たにしていると、ニドラン♂がこちらに気付き、勝負を仕掛けてきた。

バトルに出たがった太陽で相手をし、〝えんまく〟の目くらましに俺の波導の力を使った位置当てで〝かえんほうしゃ〟を決めた。

ニドラン♂のレベルが低いのですぐに戦闘不能になるかと思いきや、なんと立ち上がってきた。

これには太陽も驚いたようで、一瞬動きが止まったところを〝たいあたり〟で攻撃されかけ、慌てて回避させる。

 

 

「太陽、相手をよく見るんだ。決着がつくまでは、気を抜いちゃだめだ」

 

「グォウ!」

 

 

自分のレベルの高さに自信があったからこその油断を、ここで払拭していく。

ニドラン♂はというと、気合でHP1残しで耐えていたようで、ふらふらと足取りが覚束なかった。

あまりにもふらふらしていて見ていられなかったので、バトルを中止しニドラン♂の手当てをする。

まさか手当てされるとは思っていなかったらしいニドラン♂は、驚きで固まっていた。

可愛かった。

 

 

「どうせなら、ゲットしちゃえばいいのに」

 

「そんなに急いで手持ちを増やすことないからな。それに、こいつはこの辺の主かもしれない。むやみやたらにゲットするもんじゃないよ」

 

 

手当てする俺の手付きを覗き込んでくるカスミにそう返して、手当てを終えた。

 

 

「じゃあな、ニドラン!」

 

「ピカッチュウ!」

 

 

呆然としているニドラン♂に手を振って別れ、先に進む。

すると突然、横の草むらから鉄兜を被った少年が現れた。

 

 

「お主、マサラタウンから来たポケモントレーナーか?」

 

「そうだけど」

 

 

素直に答えると、「見つけたぞ」と言いながら玩具の刀を抜いて振りかぶった。

 

 

「は」

 

「でやぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

 

慌てたカスミが驚いた声を出すも、俺は玩具だとわかっているから止めなかった。

刀の切っ先が目の前でピタリと止まる。

 

 

「な、何なのよ!」

 

「拙者はサムライ。この森でポケモントレーナーの修行をしている。拙者と、ポケモン勝負をするでござる」

 

「売られたバトルは買うのが礼儀!その勝負、受けて立つ!」

 

 

バトルの経験値が貰えるのは嬉しいので二つ返事で承諾して、距離を取る。

 

 

「いざ、尋常に!行けぇ!カイロス!」

 

「トランセル、君に決めた!」

 

「えぇ!?」

 

 

相手のカイロスに対してトランセルを出すと、カスミが驚いた声を上げる。

大方、あまり動けないトランセルを何故出したのかといったところだろう。

 

 

「トランセル、油断はしないでござる!カイロス、〝はさむ〟攻撃!」

 

「〝かたくなる〟!」

 

 

角で挟まれたが、〝かたくなる〟で防御する。

 

 

「そのまま〝いとをはく〟だ!」

 

 

角に挟まれながら吐かれた〝いとをはく〟は、カイロスの自慢の角二つを縛り上げていく。

 

 

「なに!?カイロス、そんな糸千切るでござる!」

 

 

慌ててサムライがそう指示するが、糸の強度を上げる特訓をしていたおかげで、そう簡単には千切れない。

 

 

「行け、ジャンプして〝たいあたり〟!」

 

 

仲間になってからずっと一緒に特訓していたからか、俺の意図を正確に汲んでくれた。

動かせない角の間、カイロスの頭を踏み台にジャンプし、反動をつけて頭に〝たいあたり〟を決める。

 

 

「それなら、角を使わなければいいだけでござる!カイロス、〝ちきゅうなげ〟だ!」

 

「木に〝いとをはく〟!」

 

 

角の間に居るのならと、〝ちきゅうなげ〟のモーションに入った瞬間、トランセルは近くの木に〝いとをはく〟の糸を張り付け、糸を手繰り寄せるように移動して角の間から脱出する。

 

 

「速い!?」

 

「〝いとをはく〟から〝たいあたり〟!」

 

 

木に着地したトランセルは再びカイロスに糸を吐き、糸を引っ張って体勢を崩したところを〝たいあたり〟で仕留めた。

 

 

「よし!」

 

「くっ!中々やるでござるな。戻れ、カイロス!」

 

 

サムライがカイロスをモンスターボールに戻すと、勝った余韻に浸っていたトランセルが光り出した。

 

 

「これは!」

 

 

徐々に姿を変え、飛び立っていく。

 

 

「フリ~フリ~」

 

「バタフリー!」

 

「もう進化するなんて!」

 

 

カスミが驚きの声を上げるが、俺も正直驚いている。

前の時より特訓を多めにしているとはいえ、ここまで早く進化するとは。

 

 

「ほう、お主もバタフリーを」

 

「お主も、ってことは……」

 

「行けぇ!バタフリー!」

 

 

サムライは二番目のポケモンとして、バタフリーを繰り出してきた。

前はまだトランセルだったような気がするが、シゲル達とのバトルで進化したのか。

 

 

「バタフリーか……だったらこっちは!」

 

「ピカピ!」

 

 

バタフリーをモンスターボールに戻し、ロコンのモンスターボールを取り出そうとした俺に、ピカチュウの待ったが入った。

 

 

「!ピカチュウ………よし、ピカチュウ、君に決めた!」

 

「ピッカー!」

 

 

ピカチュウが元気よく飛び出していく。

 

 

「負けないでござる!バタフリー、〝ねんりき〟!」

 

「木を使うんだ!〝でんこうせっか〟!」

 

「ピ!」

 

 

〝でんこうせっか〟で木から木へと飛び移り、標的を絞らせず〝ねんりき〟をすかした。

 

 

「くっ、ここが森じゃなければ…!」

 

「〝でんきショック〟だ!」

 

 

歯噛みしているサムライの隙を突いて、〝でんきショック〟を直撃させる。

 

 

「バタフリー負けるな!〝ねんりき〟でござる!」

 

「〝でんこうせっか〟!捉えさせるな!」

 

「ピカ!」

 

 

目に見えない攻撃の〝ねんりき〟を避けるため、再び木々の間をピカチュウは飛び回る。

素早いピカチュウの動きを、バタフリーは捉えられない。

 

 

「それなら!バタフリー、〝ふきとばし〟!」

 

「フリ!」

 

 

〝ふきとばし〟で木々が揺らされ、さすがにピカチュウの足が止まり、両足を踏ん張って〝ふきとばし〟の風に耐える。

 

 

「あそこでござる!〝ねんりき〟!」

 

 

それが隙となり、ついにバタフリーの〝ねんりき〟に捉えられた。

 

 

「思い切り〝でんきショック〟!地面に当てろ!」

 

「ピカァァァァチュウウウ!!」

 

 

〝ねんりき〟に捉えられ宙に浮きながらも、指示通り〝でんきショック〟が地面に当たり土埃が舞い上がる。

その土埃は見事バタフリーの視界を遮り、〝ねんりき〟を解除させるのに成功した。

 

 

「なにぃ!?」

 

「行け、一時の方向!〝でんきショック〟だ!」

 

 

俺達は波導で位置がわかるので、土埃で視界が悪い中でも攻撃を当てられる。

見事〝でんきショック〟がバタフリーに当たり、バタフリーは目を回した。

 

 

「よし!やったぜピカチュウ!」

 

「ピカピカチュウ!」

 

「拙者のバタフリーが………こうも手も足も出ずに負けるとは……」

 

 

勝って腕の中に飛び込んできたピカチュウを抱き留めながら、負けて呆然としているサムライの元に向かう。

見守ってくれていたカスミも傍にやって来た。

 

 

「サムライ」

 

「………拙者の負けでござる。お主は強かった。下手をすれば、他のマサラタウンのトレーナー達よりも強かったでござる」

 

「俺はまだまだだよ。でも、ありがとう」

 

 

実力を認めてくれたサムライと握手をする。

そしてニビシティに抜ける道を教えてくれるというので、後をついていくことになった。

カスミが心からありがたがっていた。

 

そういえば、前はここでスピアー騒動があったが、ビードルを捕まえようとしなかったことで起こらなかったな。

まぁ、あんな騒動起こらないに越したことはないが。

あ、ロケット団はサムライの道案内中に襲ってきたので、サクッと「「「やな感じーーーーー」」」にさせた。

 

 

「この道を行けばニビシティでござる」

 

「ありがとう、本当にありがとう!」

 

 

カスミが涙を流して喜ぶので、思わず苦笑する。

 

 

「ありがとう。さよなら、サムライ」

 

「ばいばーい!」

 

「ピカチュウ!」

 

「…………さらば」

 

 

こうしてサムライと別れ、ニビシティへの道を歩いていると―――。

 

 

「ん?」

 

「どうしたの?」

 

「いや、なんか……」

 

 

後ろから、すごく元気な波導がものすごい勢いで近付いてくる。

足を止めて波導の持ち主を探る。

この波導は……。

 

 

「ニドラン?」

 

「え?」

 

「ニドーーーーー!!!」

 

 

思った通り、サムライに出会う前に戦ったニドラン♂が、俺の目の前でキュキューッとブレーキをかけて止まった。

 

 

「どうしたんだ?」

 

「ニド!ニドニド!」

 

 

何やら伝えたいことがあるらしく、波導の力を向けてみると、どうやらついて来たがっているようだった。

 

 

「俺に………ついて来たいのか?」

 

「ニド!」

 

「…………えぇぇぇぇぇぇ!!!?」

 

 

元気よく頷いたニドラン♂に、数拍置いてカスミの驚きの声が響き渡る。

俺も驚きだ。

まさか、ここまでニドラン♂に懐かれることになろうとは。

しかしそうと決まれば、来るもの拒まずだ。

 

 

「わかった!一緒に行こうぜ、ニドラン!」

 

「ニド!」

 

 

空のモンスターボールを取り出し、宙に向かって投げるとニドラン♂は自らモンスターボールに入っていった。

数回揺れて止まる。

 

 

「ニドラン、ゲットだぜ!」

 

「ピッピカチュウ!」

 

 

こうして新たな仲間をたくさん迎え、トキワの森を抜けたのだった。

ちなみにニドラン♂は八匹目なので、ピジョンのようにオーキド研究所に転送されている。

早いとこポケモンセンターに行って、手持ちを交換させたいところだ。

 

しばらく歩いていると、ニビシティが見える丘に辿り着いた。

大きな石がゴロゴロ見える。

 

 

「ニビは灰色、石の色じゃ」

 

 

そういえばここで誰かに会ったような、と思っていると、丘の下から声が聞こえた。

 

 

「ん?」

 

「わしはムノー。ここで石を売っているんじゃ。お前さんのピカチュウが腰掛けている石は、ウチの商品なんじゃ」

 

「あ!すみません!」

 

「チャ~~」

 

 

慌ててピカチュウを抱き上げる。

ピカチュウは疲れたように腕の中でぐで~っと全身の力を抜いた。

 

 

「ふむ。お前のポケモン、だいぶ疲れておるようじゃのう。ついてこい。ポケモンセンターに案内してやるよ」

 

 

そう言って歩き出したムノーの背を見つめ、一度カスミと顔を見合わせてからついて行った。

案内されたポケモンセンターで、ムノーに礼を言って別れ、ジョーイさんにピカチュウ達を預ける。

トキワシティのジョーイさんの、お姉さんのジョーイさんだった。

 

 

「お願いします」

 

「はい、お預かりします。聞いていますよ、サトシ君。トキワシティのポケモンセンターを守ってくれて、ありがとうございました」

 

「いや~。俺じゃなくて、俺のポケモン達がすごかっただけです。俺も救われましたよ」

 

「ふふ、謙虚なんですね」

 

 

微笑ましそうに笑ってジョーイさんは治療しに行ってくれた。

ポケモン達を預けている間、カスミとご飯を食べる。

 

 

「ニビシティの公認ジムリーダーに挑むつもり?」

 

「当ったり前だろ!ポケモンリーグに出るためには、バッジを集めなきゃ」

 

「ふ~ん。もしかしたら、あんたなら勝てるかもしれないわね」

 

 

前の時とは違い、今の俺の実力を知ってくれているからか、カスミはそう言ってくれた。

しかしそこに、ここまで案内してくれたムノーのおじさんがやってきて、ジムに挑戦するという話をすると笑って再び何処かに行ってしまった。

さすがに何だかやな感じー、である。

 

ご飯を食べ終わるとピカチュウ達の回復が終わったので、受け取りに行き、その足で母さんとオーキド博士に連絡を入れる。

オーキド博士にはエーフィとピジョンを、リザードの太陽とニドラン♂を交換して貰った。

この二匹は幼い頃から一緒なので、手持ちの中でもレベルが高く特訓の仕方もわかっており、今は新しい仲間の育成方針を決めたいと話したら、二つ返事で了解してくれた。

優しい子達である。

それに伴い、今回のジム戦もエーフィと太陽以外で挑むつもりだ。

 

さて、すぐにジムに挑戦といってもいいが、まずは準備だ。

ニビシティの外れで、スイクン以外のポケモン達を全員出す。

ピカチュウ、ロコン、バタフリー、ピジョン、ニドラン♂。

この五匹にスイクンを加えた六匹が、今の俺の手持ちである。

前と随分違う。

しかし岩・地面タイプのイシツブテ、イワークと相性のいいポケモンはまだいない。

それでも特訓次第で勝てると思っているので、さっそく特訓を開始する。

 

ピジョンは技スロット五つの〝でんこうせっか〟、〝かぜおこし〟、〝すなかけ〟、〝たいあたり〟を覚えていたので、飛行技術だけでなく爪で掴む力の強化を行い、〝ふきとばし〟を習得するための特訓を始めた。

 

ニドラン♂は前にも言ったが隠れ特性のはりきりで、攻撃力が高い。

技スロット五つの〝どくばり〟、〝つつく〟、〝きあいだめ〟、〝つのでつく〟を覚えていたので、〝にどげり〟の習得に向けて特訓を開始する。

ニドラン♂は技のデパートと呼ばれるニドキングに進化できるので、ぜひ技スロットを増やして色々な技を覚えてほしいところだ。

 

見に来たカスミと模擬バトルをしてもらい、一通り調整してから夜前に特訓を切り上げた。

その後は明日に疲れを残さないように、マッサージ等のケアも忘れない。

そして翌日。

いよいよジムに挑戦である。

 

 









スイクン(色違い) Lv.45

エーフィ♀  Lv.18→20

リザード♂  Lv.19→21 -太陽-

ピカチュウ♂ Lv.12→17

ロコン♂(色違い) Lv.12→15 NEW!

キャタピー→トランセル→バタフリー♂ Lv.3→14 NEW!

ピジョン♂  Lv.18→19 NEW!

ニドラン♂  Lv.10→15 NEW!

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