[ブルーアーカイブ] トリニティのブドウ農園主   作:ancoracor08

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第3章 美食研究会 第5話:Tekeli-li!

 

 

トリニティ自治区の古風な繁華街。普段なら優雅なワルツの旋律や芳しい紅茶の香りが似合ったであろうその高潔な通りは、今やタイヤがアスファルトを悲鳴のように引っかく凄まじい破裂音と、鼻を刺すゴムの焼ける臭いによって完全に蹂躙されていた。

 

ゲヘナ学園給食部の古いワゴン車が、道路の上を曲芸のようによろめきながら猛烈に疾走していた。先頭には究極のブドウを積んで逃走中のフウカの荷物車、そしてその背後にはそれを食い殺さんばかりに追撃してくる漆黒のカイザー防弾SUVの群れ。彼らの距離は、すでに拳ひとつ分にも満たないほど危うく縮まっていた。巨大なエンジンが吐き出す暴力的な轟音が、トリニティの暖かな午後の空気を無慈悲に引き裂いた。

 

「ちょ、ちょっと! ハルナ! アカリ!」

 

激しく揺れる後部座席の床に転がっていたジュンコが、命綱のように固く抱きしめていた黒いハードケースを抱え込みながら、切迫した声で叫んだ。

 

「もうブドウをあいつらにポイって投げ渡して降参しちゃダメなの?! このままだと本当にみんなまとめて潰されて死にそうなんだけど!」

 

ジュンコの身に染みる訴えと、それなりに合理的な妥協案にもかかわらず、隣で乱れた金髪を悠々とかき上げていたアカリは、限りなく華やかでありながらぞっとするような笑みを浮かべて首を横に振った。

 

「あら、ジュンコちゃん。それはあまりにもナイーブで純真な考えですね。今追いかけてきているカイザーコンストラクションの車両の勢いを見てください。あの方々の頭の中に『ブドウ』なんて、もう眼中にもないと思いますよ? 私たちを何としてでも捕まえて、八つ裂きにしてやるという純粋な殺意しか残っていないように見えますけど」

 

アカリが長く細い指でリアガラスの向こうを指差した。

 

ガンッ――!!

 

アカリの言葉が終わるよりも前だった。重厚なカイザーSUVが速度をまったく落とさず、むしろアクセルをさらに深く踏み込みながら、ワゴン車のリアバンパーに荒々しく衝突した。鉄塊が無残にひしゃげる凄惨な摩擦音とともに車体が大きく揺れ、後部座席に乗っていた美食研究会の部員たちはポップコーンのように跳ね上がって悲鳴を上げた。

 

「ほら見てください。私の言った通りでしょう?☆」

 

「今そんなの当てて喜んでる場合?!」

 

ジュンコが呆れたように声を荒げて苛立ったが、彼女たちの真の危機は後ろではなく前に立ちはだかっていた。

 

「ま、前……前方車線が完全に塞がってる!!」

 

運転席のフウカが真っ青な顔で、裂けるような悲鳴を上げた。狂乱の逃走を追って、トリニティの大通りの果てにある交差点には、正義実現委員会の巨大な装甲車がすでに幾重にも車両バリケードを形成し、道を完全に塞いでいたのだ。さらには路面には、タイヤを一瞬で引き裂く恐ろしいスパイクストリップまで、鋭い鋼鉄の牙をぎらつかせていた。

 

後ろには殺意に狂った大企業の防弾車、前には重武装したトリニティの公権力。まさしく進退窮まる地獄だった。

 

「でしたら」

 

カチャリ。助手席の後ろから、優雅な装填音が聞こえた。

 

ターンッ――!!

 

窓を半分ほど下ろし、上半身を斜めに外へ乗り出したハルナが、ためらいなく愛銃イデアルの引き金を引いた。

 

銃口を離れた精密な弾丸がアスファルトをかすめるように飛び、路面に敷かれていたスパイクストリップの側面の継ぎ目を正確に撃ち抜いた。カンッ! という鋭い金属音とともに、鎖のようにつながっていた鉄針パッドが横へ荒々しく押し流され、実に絶妙に、ワゴン車のタイヤひとつがぎりぎり通過できそうな隙間が生まれた。

 

「今です」

 

ハルナの叫びと同時に、フウカの両腕が古い給食部車両のハンドルを奇怪に切り始めた。ギアを荒々しく変速し、ブレーキとアクセルを拍子外れに踏みつける狂ったペダリング。

 

キギギギギギギギギッ――!!!!

 

タイヤがアスファルトを悲鳴のように引っかき、猛烈な白煙を吐き出した。給食部のワゴン車が遠心力に耐えきれず片側へ恐ろしく傾くと、やがて二つの側面車輪だけで危うくバランスを取りながら疾走するスキードライビングスタントを披露した。古いワゴン車の下部が地面を擦って猛烈な火花を散らしたが、車体は奇跡のように倒れることなく、ハルナが作り出した狭すぎる隙間を曲芸のようにすり抜けた。

 

しかし、前の車の奇行を予想できず、ただネズミどもを叩き潰すという殺意に目を曇らせてアクセルだけを踏み込んでいたカイザーの追撃車両たちは違った。

 

ドガガガンッ――!!!! ギギギギッ――!!

 

減速に完全に失敗したカイザーの漆黒SUV車両が、正義実現委員会の装甲車バリケードに正面から突っ込み、凄惨な連鎖衝突を引き起こした。破片が四方へ飛び散り、エンジンルームから青白い炎が噴き上がる阿鼻叫喚の現場。その破滅的な轟音を背に、ゲヘナの古い給食部車両が空中からドン、と音を立てて、辛うじて四輪で再び着地した。

 

「た、助かった!!」

 

安堵混じりの喜びの声が車内に響いた。

 

「あとは無事に戻って、エデンの果実を味わうだけですね」

 

ハルナが舞い乱れる髪をかき上げ、勝利を祝おうとした、まさにその瞬間だった。

 

ドンッ――!!!!

 

ワゴン車のボンネットの上へ、漆黒の影がひとつ、空から稲妻のように落下し、乱暴な握力で車体を掴み取った。

 

「キエエエエエエッ――!!!」

 

真っ赤な眼光を閃かせ、口が耳元まで裂けるほど奇怪で暴力的な哄笑を上げる少女。

 

舞い散る黒い翼の羽根。

 

正義実現委員会の委員長、ツルギだった。

 

彼女は分厚い鉄板をまるで紙切れのように素手で握り潰すと、ワゴン車のボンネットへ深々と指を突き立て、凄まじい握力だけで猛烈に疾走していたワゴン車を強引に停止させてしまった。

 

「な、何なの!」

 

突然前を塞いだ凄絶な恐怖に、フウカが悲鳴を上げながら反射的にギアをバックへ入れ、アクセルを踏み込んだ。

 

キィアアアアッ――!

 

タイヤが後ろ向きに空転し、猛烈な煙を噴き出したが、ツルギが掴んだ車体はその場に縛りつけられたようにぴくりとも動かなかった。

 

「こ、これって化け物なの、人間なの?!」

 

愕然とした部員たちが凍りついたその瞬間。イズミの頭の上に鎮座していたパンちゃんが、無味乾燥で冷ややかな声で口を開いた。

 

「ブドウを。ブドウをこちらへよこせ」

 

イズミ――いや、パンちゃんはイズミの腕を操り、後ろでぶるぶる震えていたジュンコの腕の中から黒いハードケースをひったくった。

 

カチャリ。ハードケースのロックが外れ、蓋が開いた瞬間、濃く立ち込める白いドライアイスの冷気の中で、短くも奇妙な騒動が起こった。

 

目にも留まらぬ速さのパンちゃんの紫色の触手が、開いていた助手席のアイスボックスと黒いハードケースの間を稲妻のように往復した。

 

その刹那、ケースの中から異質な金属音が小さく鳴ったが、全員の視線はただ、イズミの指を操って『たった一粒のブドウ』をつまみ上げたパンちゃんだけに集中していた。

 

パンちゃんは、慎重につまみ上げた玲瓏たるブドウの粒を、自分の頭の上に貼りついている紫色のパンケーキの塊の間へ、ずぶりと突き刺した。口も、歯も、消化器官も存在しないパンケーキのような身体に、ただブドウの粒がぽつんと挟まっただけの奇怪な姿だった。

 

「……なるほど」

 

イズミの声帯を借りたパンちゃんが低く呟いた。

 

「やはり私には、味覚がもたらす恍惚は感じられないのだな。あるのは酷い虚無だけだ。ああ、私は美食というものを永遠に感じることができないというのか」

 

哲学的で悲しげな嘆息とともに、パンちゃんの紫色の触手がイズミの頭皮からするするとほどけていった。

 

「あ……あれ?! 何これ! なんで今昼なの?! 私、いつからここにいたの?!」

 

パンちゃんが離れ落ちるやいなや、イズミは元のぼんやりとして食い意地の張った四次元顔に戻り、目をぱちぱちさせた。しかしパンちゃんは、イズミに親切に説明する暇も、別れの挨拶を交わす暇も与えなかった。

 

「Tekeli-li! Tekeli-li!!」

 

形容しがたい奇声を上げながら、パンちゃんはまるで映画の中のフェイスハガーにでもなったかのように猛烈に跳躍し、ツルギの顔へ真正面から身を投げた。

 

「ギギャアアアアッ?! うぐぐぐぐっ!!」

 

視界を粘つく紫色の生地で完全に遮られたツルギが狼狽してボンネットから手を離し、自分の顔にヒルのようにへばりついたパンちゃんを引き剥がそうともがき始めた。狂気の化身である彼女でさえ、この未知の触手怪物の前では一瞬の隙を見せざるを得なかった。ツルギの恐るべき剛力が車体から解けた、その一秒の隙。フウカはもう一度歯を食いしばってアクセルを床まで踏み込み、暴れるツルギを背後に置き去りにして全速力で逃走した。

 

「はあ、はあ……ツ、ツルギを振り切った……!」

 

椅子の背もたれに身を預けたジュンコが、荒い息を吐きながら安堵の声を漏らした。

 

「パンちゃんの崇高な犠牲のおかげですね☆」

 

アカリも胸を撫で下ろし、固くなるほどハンドルを握りしめていたフウカの強張った表情にも、ようやく安堵の笑みが浮かぼうとしていた。

 

ワゴン車が次の交差点へ進入し、ゲヘナへ向けて方向を変えようとした刹那。

 

ブアアアンッ――!!

 

右側の道路から、重厚で暴力的なエンジン音が鼓膜を無慈悲に叩いた。迂回路を通り、側面の死角から不意に飛び出してきたカイザーの巨大な重装甲輸送車両だった。

 

「え……?」

 

フウカがブレーキを踏む暇もなく、巨大な鋼鉄の塊がワゴン車の側面へ猛烈に突っ込んだ。

 

ドガアアアンッ――!! キィイイイイイッ――!!

 

「きゃあああああっ!!」

 

耳を裂く悲鳴とともに、古い給食部のワゴン車は凄惨な摩擦音を立てながら空中で独楽のように回転し、アスファルトの上に九十度完全に横倒しとなって転覆してしまった。火花を四方へ散らしながら道路を長く削っていった車体は、無惨にひしゃげたまま辛うじて停止した。

 

「うっ……くっ……皆さん、無事ですか?」

 

ハルナが割れた窓の隙間から咳き込みながら、辛うじて上半身を起こした。車内はあちこちで絡まり合った部員たちと、潰れたドアでめちゃくちゃだった。

 

その時、ひしゃげたカイザー輸送車両の重い扉が開き、土埃と冷却水を浴びたカイザーコンストラクションの理事が歩いて出てきた。彼は怒りに震える手で、そばにいたSOF隊員のアサルトライフルを荒々しく奪い取ると、転覆したワゴン車へ大股で近づいていった。そのぎらつく機械義眼からは、真っ黒な殺意だけが滴り落ちていた。

 

「この虫けらみたいなネズミどもが……よくも俺のビジネスを台無しにしてくれたな? 今日ここで、お前らの息の根を確実に止めてやる」

 

理事が容赦なく銃口を向けようとした、まさにその瞬間だった。

 

「そこまでです。カイザーコンストラクション」

 

冷ややかで圧倒的な声が、煙たい交差点の空気を裂いて響き渡った。カイザー理事がびくりと肩を震わせて振り向いた先には、いつの間にか正義実現委員会の装甲車と、十字砲火を向けた戦車、そして数十名の重武装兵力が、彼を半円状に取り囲んでいた。

 

「ホテル爆破テロおよびトリニティ自治区内での危険運転、ならびに器物損壊の容疑により、全員に武装解除を命じます。抵抗すれば即時発砲します」

 

数十の赤いレーザーポインターが、理事の眉間と心臓を刺すように狙った。無数の銃口を突きつけられた理事は歯をぎりりと食いしばり、怒りに満ちた目で転覆したワゴン車を一度睨みつけた。

 

「運がよかったな、このゴミども……今すぐ蜂の巣にして殺してやりたいところだったが、命根性だけは汚らしくしぶといらしい」

 

彼は神経質に持っていたライフルを地面へ投げ捨てた。両手を上げて降伏のジェスチャーを取ろうとした彼の目に、転覆したワゴン車の割れた窓の外へ転がり落ちた『黒いハードケース』がはっきりと映った。理事は、憎たらしい小娘どもを殺せなかった未練の代わりに、あの中に入っている『プリミティエ・エデン』だけでも回収してやろうと考え、腰を屈めてケースの持ち手を掴んだ。

 

タァァンッ――!!

 

彼の靴先のすぐ前で、アスファルトが無残に砕け、破片が跳ね上がった。

 

「その手に持った『不審なケース』を地面に置きなさい。今すぐ」

 

車両の上から巨大な狙撃銃を揺るぎなく構えた正義実現委員会の副委員長、ハスミの鋭く殺気立った警告だった。爆弾テロの現場で黒い荷物ケースを確保しようとする者をテロ犯と疑うのは、治安組織としてあまりにも当然の手順だった。しかし理事は呆れたように乾いた笑いを漏らし、鼻で笑った。

 

「はっ! 被害者である俺をテロ犯扱いするだけでは飽き足らず、今度は言いがかりか! よく見ろ。こいつの中に入っているのは、ただの高価なブドウだけだ!」

 

カイザーコンストラクションの理事は、証明するかのようにハードケースを荒々しく足で蹴り、ハスミの足元へ転がした。

 

ハスミが近づき、ケースのロックを外して蓋を開け放った。

 

しかし、白いドライアイスの煙がするりと晴れて現れたのは、玲瓏たる紫色のブドウの房ではなかった。

 

蓋が開いた途端、カチリ、と微細な安全ピンが外れる音。それは、パンちゃんがブドウを給食部車両内のアイスボックスへ移したあと、代わりに手榴弾を入れておいた、巧妙かつ悪意に満ちたブービートラップだった。

 

ドガンッ――!

 

大きな交差点を吹き飛ばすほどの巨大な爆発ではなかった。だが、濃い煙幕とともに鋭い破裂音を立てて炸裂したその小型爆薬は、『無害であることを証明するために渡した箱』から爆弾が爆発したという事実そのものだけで、現場の緊張感を臨界点の向こうへ爆発させるには十分だった。

 

「……!」

 

カイザー理事の赤い機械義眼が一瞬停止し、完全に思考停止に陥った。彼の口は金魚のようにぱくぱくと動いたが、悔しさを訴えるどんな弁明も出てこなかった。

 

「爆発物です! 全員制圧!!」

 

ハスミの怒りに満ちた咆哮とともに、正義実現委員会の兵力が、テロリストとして完全に確定されたカイザー一行へ飢えた狼の群れのように飛びかかった。

 

ドガアアアアアンッ――!!!!

 

催涙弾と閃光弾が起爆し、巨大な煙が噴き上がった。交差点はまさに、カイザーのSOFと正義実現委員会が入り乱れ、血みどろに殴り合う阿修羅場の肉弾戦の舞台へと変貌した。弁明する暇もなく警棒とゴム弾が飛んでくる混乱の中で、カイザー理事はなすすべもなく地面に踏みつけられていた。

 

そして、誰もが大型テロ犯(?)の制圧に気を取られていた、その完璧な混乱の隙間で。

 

ドンッ――!

 

美食研究会の部員たちの必死の協力によって、九十度横倒しになっていた給食部のワゴン車が、けたたましい金属音を立てながら、再び四輪でしっかりと立て直された。

 

「フウカさん! ドライブの続きを楽しみましょうか?☆」

 

「私、あんたたちのこと本当にいつか給食室の大鍋に入れて、まとめて煮込んでやるからね!!」

 

涙と土埃でぐちゃぐちゃになったフウカが、ひしゃげたハンドルを意地で握りしめてアクセルを踏んだ。テロ犯となったカイザー理事が理不尽に制圧される凄惨な悲鳴と、正義実現委員会の巨大な包囲網を背後に置き去りにし、助手席の食材用アイスボックスに大切に収められた究極の美食を載せた古い給食部のワゴン車は、ゲヘナへ向けて悠々と、そして猛烈に逃走し始めた。

 

フウカは、ただ生きてゲヘナへ戻るという一念だけで、ルームミラーを見る余裕もなく、前方だけをじっと見据えて運転に集中した。

 

一方、後部座席の雰囲気はだいぶ違っていた。

 

ハルナが後ろを振り返り、遠ざかっていくトリニティの交差点を見つめると、非常に悲壮な表情で両腕を交差させ、胸の前へ持ち上げてX字を作った。究極の美食のために、喜んでツルギの顔へ身を投げた崇高なる紫色のパンケーキ戦士『パンちゃん』をヴァルハラへ導き、永遠に記憶するという敬虔な敬礼だった。

 

「覚えておきます、パンちゃん」

 

アカリはハルナの姿を見てにっこり笑うと、同じように両腕でX字を作った。

 

その隣で、めちゃくちゃになった制服を払い落としていたジュンコが、呆れたように尋ねた。

 

「な、何なの? 急にそのポーズ、なんでやってるの?!」

 

だが口ではそう噛みつきながらも、ジュンコもまた、なぜか自分だけやらなければ空気から外れてしまいそうな嫌な気分になり、こっそり両腕を上げ、様子をうかがいながらX字を真似して作った。

 

最後に、当のパンちゃんの宿主(?)だったイズミは、つい先ほどまで自分の頭の上でどんな崇高な犠牲があったのかも把握できないまま、ただ皆がやっているからという理由で、無邪気な顔をしてすぐさま両腕をぴしりと交差させた。

 

「……気が散るから、ちゃんと座ってて」

 

フウカの小言に、美食研究会一同は再び座席へ腰を下ろした。

 

鼻を刺す排気ガスを吐き出しながら、ゲヘナへ向かって疾走する狂乱の古い荷物車の中。

 

前方だけを見据え、安全運転中の不幸な運転手の後ろで、美食研究会の騒動は幕を閉じた。

 

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