リーガル・ハック─法務省直轄呪霊対策本部─   作:森野夜

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2006年11月〜12月 弁護士 作戦会議

 

二回試験の最終日、あの地下倉庫で日向と握手を交わしてから、数日が瞬く間に過ぎていった。司法修習は修了し俺の肩書きは修習生から「弁護士・日車寛見」へと変わった。しかし新米弁護士としての第一歩を踏み出した俺の日常は、奇妙な二重生活となっていた。

 

表向きは修習生時代に世話になった先輩の事務所に軒先を借りるノキ弁として、小さな民事や刑事を淡々とこなす日々。弁護士会費を支払うだけで手一杯の登録1年目の新人に、華やかな大型案件など舞い込むはずもない。昼間の俺の戦場はどこまでも泥臭く、そして理不尽な現実にあった。

 

「日車先生、相手方の準備書面が届きました。やっぱり、こちらの主張を全面的に否認しています」

 

夕方、共同事務所の狭いデスクで、事務員から手渡された書面を一読し俺は深く息を吐き出した。受任しているのは中小企業の不当解雇に関する労働審判だ。経営者の個人的な内輪揉めに巻き込まれ、身に覚えのない業務怠慢を理由に即日解雇されたという若い労働者の男。相談に訪れた際、男は顔を真っ赤にして涙を流し、「どうして真面目に働いてきた俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ。頼みます先生、助けてください」と、掠れた声で何度も繰り返していた。

 

だが相手方の代理人弁護士が提出してきた書面には、ありもしない素行不良の事実が、さも客観的な証拠であるかのように理路整然と並べられていた。タイムカードの改ざん、会社の顔色を窺う同僚たちの形ばかりの陳述書。現世の法廷であっても、悪意を持った人間が制度の盲点を突けばいくらでも手続きの正義は歪められる。

 

証拠集めのために昼間は一日中、都内の現場を歩き回った。防犯カメラの映像を保全するために管理組合と何時間も掛け合い、解雇された男の無実を証明するための微細なタイムラインを、1分1秒単位で手書きのノートに組み立てていく。どれだけ正論を叫ぼうとも客観的な物証が揃わなければ、裁判官の手は動かない。それが近代司法の冷徹な現実であり、俺が信じてきた適正手続きのルールだ。事務処理と現場検証に追われ、心身ともに限界まで摩耗する。それが俺の昼の現実だった。

 

 

 

ひとたび陽が落ちれば、俺の主戦場は別の場所へと移る。郊外の薄暗い大通りから外れた場所にある、元研究施設の地下倉庫。日向から渡された鍵で分厚い鉄扉を開け、俺は一人、コンクリート壁に囲まれた空間でPCの画面を凝視する。

 

ここなら特級術師・九十九由基がこの施設に施したという偽装結界が天元の広大な監視網を欺き、呪力と気配を世界から完全に遮断してくれる。在野の共同事務所のデスクでは他の弁護士や事務員の目が多すぎて、日向から共有してくる呪術界の内部資料を精査することなどセキュリティの観点から到底不可能だった。

しかし堅牢な拠点に籠もってなお、俺の脳裏には割り切れない焦燥感が渦巻いていた。

 

「……やはり、どう考えてもおかしい」

 

俺は痛むこめかみを指先で押さえ、深く息を吐き出した。記憶の底を浚えば、いつでもあの地獄のような戦場の光景に辿り着いてしまう。

 

 

死滅回游。

宿儺との決戦。

血の匂いと、反転術式すら追いつかない速度で自らの肉体が破壊されていく生々しい記憶の数々。

 

 

その膨大な情報を俺はどこか他人事のように、冷徹な法曹の頭脳で判例集を読み解くように分析していた。そうやってただの事件データとして事務的に処理しなければ、俺の精神が恐怖で狂ってしまいそうだった。

 

この記憶には連続した実感が致命的に欠落している。

 

人を殴ったことすらない現在の俺の肉体と、頭の中に存在する完成された呪術師の俺の間には十余年という巨大な空白がある。俺はただ未来の自分が命を賭して獲得した戦闘の技術と、大局的な事実という結果だけを脳の構造を書き換えられる形で直接与えられただけだった。身体は普通の非術師のままだというのに、頭の中にだけ恐ろしい破壊の数式と、自分が無残に切り裂かれて死ぬ映像がこびりついている。この矛盾に俺は毎夜胃を炙られるような吐き気に襲われていた。

 

肉体への実害すら出始めていた。PCのキーボードを叩こうとした瞬間宿儺に両腕を落とされた未来の生々しい残像が脳裏をよぎり、存在しないはずの幻肢痛で指先が凍りついたように動かなくなる。脳内のイメージに従って呪力をほんの少し練ろうとしただけでまだ呪力に馴染んでいない現在の未熟な肉体が、過剰な出力に耐えきれず鼻血がデスクの上の書類にポタポタと滴り落ちた。激しい眩暈に襲われ俺はコンクリートの床に片膝を突き、荒い息を繰り返す。理解だけが先行し、器である肉体が追いついていない。俺は今、未来の強大すぎる自分という怪物を脳内に飼い慣らしながら、一人の脆弱な人間として恐怖と戦っていた。

 

さらに、法的なジレンマも俺の思考を縛っていた。

脳内には死滅回游を引き起こす黒幕――「羂索」という男の存在が記憶として残っている。だが現世の法規に照らし合わせたとき、まだ何も起こしていない現在の彼を一体何の罪名で拘束できるというのか。戸籍すら持たない存在の未来の罪を、現在の裁判官に立証することなど不可能だ。

 

昼間の労働審判と同じだ。どんなに相手の悪意が分かっていても、現行法の制度で扱える手続き上の証拠がなければ、近代法の手は一切動かせない。最悪の未来を知っていながら自分が信じる適正手続きを遵守しようとすれば先手が打てない。その理不尽な足枷に、俺は苛立っていた。

 

「一陣に五条悟。それが敗れた直後に鹿紫雲一が飛び出し、彼が散った後に、日車寛見、虎杖悠仁らが続く段階的な迎撃プラン、か」

 

画面横の真っ白なノートに、俺は万年筆で未来の作戦図を書き写し、それを法理の視点で切り刻むように×印をつけた。手の震えがどうしても止まらなかった。

脳裏を過る未来の知識。あまりにも杜撰で、凄惨な計画。俺の口から漏れたのは呻きに似た独白だった。

 

「どうして誰も止めなかった」

 

絞り出すような声が、冷たいコンクリートの壁に虚しく跳ね返る。

 

「なぜ、五条悟が勝つ前提で全員思考停止していた」

 

未来の呪術師たちは誰もがその状況に必死だったのだろう。だが実感を伴わないデータとしてあの決戦の布陣を俯瞰したとき、そこに透けて見えるのは最強への依存という名の、前時代的な思考停止だった。

 

世界最強の男一人にすべての命運を預け、彼が負けたら順番に死んでいく。味方を巻き込むからという理由で同時並行の次席の計画すら満足に用意せず、まるで神頼みのように個人を戦場に送り出す。それは組織の戦術ではない。ただの生贄の仕組みだ。

 

――いや、待て。

 

湧き上がりかけた結論の背後から、不気味なノイズが脳内を駆け抜けた。万年筆を握る手がピタリと止まる。

 

そんな単純な話じゃないはずだ。

 

法曹としてこのあまりにも歪な構造をもう一度解剖してみろ。五条悟が強すぎたから誰も彼に逆らえなかった?周囲の人間が恐怖し、あるいは崇拝し、だから制度を整備することすら諦めて思考停止に陥ったのか?

 

いや、違う。そんなレベルじゃない。

もしそれが諦めによる思考停止なら、彼が敗北した瞬間に残された者たちは一斉に瓦解して逃げ出していたはずだ。だが未来の記憶の彼らはボロボロになりながらも、まるで最初からそう命令されていたかのように、正確に順番に死地へと身を投じていった。

それは前時代的な因習などという言葉で片付けられるものではない。もっと根深く、もっと強制力の強い、巨大な何かが呪術界の仕組みそのものに組み込まれている。個人がどれだけ足掻こうとも最後にはそのレールの上に載せられてしまうような、おぞましい手続きの空白。

それを突き止めなければ、俺たちは未来の二の舞になる。

 

あの未来の俺は五条悟が敗北した直後に突入し、宿儺を領域へ巻き込んで裁判を行った。結果は呪具没収という最悪の脱法行為による敗北。

 

「手順が逆だ……」

 

万年筆の先がノートの紙を強く穿つ。

 

なぜ五条悟が戦う前に俺の領域で宿儺の術式を没収し、限界まで弱体化させた状態でぶつけなかった?

 

俺の扱い方としてはあまりにも稚拙で、あまりにも非効率だ。だが当時の呪術界は羂索によって上層部を完全に掌握され、まともな組織の管理ができる人間など一人もいなかった。個の暴力で解決する因習の中に、彼らは最初から閉じ込められていたんだ。

 

椅子に深く身体を預け、天井の闇を見つめる。脳裏を過るのは未来の決戦において、最前線で激しく刀を振るっていた一人の男――日下部篤也の姿だ。あの地獄で俺が処刑人の剣を握って突撃した際、彼は自ら俺の前に立ちふがり、宿儺の猛烈な攻撃をその刀で弾き、身を挺して盾になってくれた。その戦術の残像が彼という人間の輪郭を強烈に俺の脳裏に刻みつけていた。あれほど他人のために命を張れる人間すら、無策のまま限界まで使い潰さなければならなかった。その事実そのものが、未来の戦場がいかに無策で追い詰められていたかを如実に物語っていた。

 

強烈な孤独感が深夜の地下倉庫で俺の輪郭を侵食していく。手元にある六法全書をどれだけ捲ろうとも、現世の条文には特級呪詛師の脱法行為を差し止める処分など一行も書かれていない。俺が信じてきた適正手続きの檻は、この怪物の前ではあまりにも脆い紙の鳥籠に過ぎないのではないか。

 

その時だった。

デスクの上に置いていた携帯電話が、ブー、ブー、と短いバイブ音を鳴らした。画面を見れば不慣れな名前――『日向』から、一通の仕様書の草案が添付された暗号化メッセージが届いていた。

 

【法務省直轄施設安全臨時監査室・外部弁護士派遣要領案】

 

俺は眩暈を堪えながらその法的な骨組みを追った。

 

『法曹資格取得後1年未満の弁護士であり、かつ直近の最高裁判所司法研修所における刑事裁判起案および検察起案の成績がいずれも「A」判定であり……』

 

業務内容:『既存の法制度の適用が想定されていない特殊施設における、行政不服審査法に基づく適正手続きに関する悉皆調査』

 

手元の分厚い行政法の解説書を捲り、日向が組み立てた条文のロジックを脳内で咀嚼していく。通常省庁がこの手の重要な外部弁護士を登用する際は、実務経験10年以上のベテランを条件にするのが官僚機構の厳格な慣例だ。だが彼女は、あえて「新任の育成枠」という名目を隠れ蓑にすることでその大前提をひっくり返し、さらに司法研修所の最高機密である二回試験の首席クラスの成績をピンポイントで条件に組み込んでいる。この日本で、現在の俺しか絶対に該当しない仕様書だ。

 

さらに国家行政組織法と行政不服審査法の隙間を縫うようにして、宗教法人や私立学校という隠れ蓑を剥ぎ取り、国側が合法的に「監査」をねじ込める法的な動線を完璧に開拓していた。一見するとどこまでも実務的で無味乾燥な公文書の形式をとりながら、その実呪術界の治外法権を正面から殴り倒すための、現行法を逆手に取った容赦のない布石の数々。

 

「なるほど。国家機関による事実上の専行、か。本当にやってのけるとはな」

 

思わず乾いた笑いが口元から溢れた。彼女は俺が在野の弁護士の身分のまま、合法的にこの狂った呪術界へ介入するための法的な足場を現世の法規を組み合わせて強引に作り出してみせたのだ。

――だがこれだけで現場に飛び出すほど、俺の脳は安くできていない。

 

 

 

翌日の夜。俺たちはこの地下倉庫の片隅に長机を並べ、薄暗い灯りの下で対峙していた。俺はホワイトボードに脳内から辛うじて引き出した、未来の断片的な事実を書き出していく。

 

「俺の術式開花から死滅回游への参入、そしてあの決戦。……これが俺の持つデータのすべてだ。それ以前の出来事やなぜ世界がそこまで追い詰められたのかという具体的な経緯は、驚くほど抜け落ちている」

 

日向は腕を組み、ホワイトボードに引かれた短い時系列をじっと見つめていた。その表情にはいつもの余裕の笑みはなく、どこか張り詰めた色が混じっている。

 

「実感を伴わないデータだからこそ、手探りで手続きの不備を洗い出す必要があるわけだ。私たちがやろうとしているのは、国家権力を盾にした呪術界の掌握だ。だけど……」

 

日向はそこで言葉を言い淀み、ふっと視線をホワイトボードの空白へと落とした。ほんの一瞬の重い沈黙。

 

千年の歴史がある闇を相手に、ただの紙の法律で挑もうとしている現実。彼女の横顔に過った微かな影を俺は見逃さなかった。法律家としての彼女の知性は疑っていないが、呪術師としての彼女が何をどこまで抱え込んでいるのか、俺にはまだ何も見えていない。その不透明な距離感が俺の警戒を解くことを許さなかった。

 

「俺は毎晩吐き気に襲われている。まだ犯していない未来の罪を現在の法でどう裁けばいいのか、その答えすら出ていない」

 

俺はホワイトボードの前に立ち、ペンを手に取った。

 

「例えば未来の黒幕である羂索だ。彼を今すぐ内閣転覆を狙う内乱陰謀罪、あるいは殺人予備罪で電撃起訴し、君の『公訴執行』で強制拘束することはできないか、一日中考えていた」

 

日向が即座に首を振る。

 

「無理だ。公訴事実を特定するための客観的な物証が今のこの世界には何一つ存在しない。そんな不確定な未来の予知だけで無理に起訴に踏み切れば、私の術式が『虚偽告訴』の重い縛りに触れて、その場で即死してしまう」

 

「そうか。現世の法手続きを破れば、俺たちの側が制度の縛りで自滅させられるわけか。やはりまずは合法的な証拠を積み上げる以外に道はない」

 

俺はペンをホワイトボードの一点――現在の時間軸へ強く押し当てた。

 

「黒幕への直接介入が不可能な以上、どこから手をつけるか。俺は、今の呪術高等専門学校を最初の足場にすべきだと考えている」

 

「待ってくれ」

 

日向が遮るように手を挙げ、鋭い視線を投げかけてきた。

 

「そこは納得できないな。高専には『現代最強』の五条悟がいる。君のデータによれば彼は呪術界の最大の抑止力であり、最終的には羂索の最大の障害になる男なのだろう?最も触れてはいけない地雷原だ。なぜわざわざ、初期の段階でそんな危険な場所に首を突っ込む必要がある?」

 

彼女らしい、合理的で手堅い反論だった。俺はホワイトボードの下部に脳内から拾い上げた未成年の術師たちの名前と、当時の年齢を書き連ねていった。

 

「その五条悟という存在こそがこの仕組みの最大の欠陥だからだ」

 

「欠陥?」

 

日向が眉をひそめる。

 

「ああ。あの地獄のような戦場において、すべての前線指揮と戦術が『五条悟という個人』の安否に100%依存していた。彼が敗北した瞬間に、後続の術師たちが無策のまま順番に死地へ放り出されるような仕組みを俺は未来の記憶で見た。最強の個人にすべてを丸投げし、周囲の大人たちはまともな組織の危機管理も手続きの整備もしてこなかった。その結果が破滅だ」

 

俺は、書き並べた子供たちの名前にペンで太い線を引いた。

 

「そしてもう一つ見過ごせない事実がある。あの最前線で命を削っていた術者の大半が、まだ高校生に過ぎない未成年の子供たちだったという点だ。虎杖悠仁、伏黒恵、乙骨憂太など……彼らは皆、15歳や17歳の子供だった。昼間の俺の事務所なら児童福祉法や労働基準法で、周囲の大人が文字通り血眼になって保護しなければならない対象だ。あの未来の戦場では肉体を損壊させ、血反吐を吐きながら防波堤にされていた」

 

日向の目が冷徹な検察官のそれへと細められた。しかしその奥には割り切れない、激しい怒りが静かに滲み出している。

 

「未成年の防波堤利用……。保護責任者は一体どうなっているんだ?高校生だろう」

 

彼女は低い声で呟き、組み替えた指先に白くなるほどの力を込めた。

 

「彼らはそれを『呪術師の才能は10代で完成するから効率的だ』とでも言い張るつもりなのかな。吐き気がする。最強の個人にすべてを丸投げして子供を前線に放置する仕組みが、なぜ当たり前の顔をして維持されているのか。その原因と彼らを取り巻く現在の『環境』がどうなっているのか、私たちの目で直接確かめる必要がある。法治国家において大人が子供の命を都合よく搾取する制度なんて、私は絶対に認めない」

 

日向はそう言って顔を上げ、値踏みするような冷徹な瞳で俺を見つめた。

 

「……でも、日車くん、いいのか。高専に行くということは、その歪んだ合理性の渦中に飛び込むということだ。君が未来の記憶の通りに優秀な術師だとしても、法廷の外の暴力に君のその精神が耐えられるかどうか、私はまだ確信が持てない」

 

「それはこちらのセリフだ」

 

俺はホワイトボードから視線を外し、彼女の目を真っ直ぐに見返した。

 

「君の『公訴執行』がどれほどのものか、俺もまだ見ていない。だが高専という組織の手続きの空白を突くには、現実に近づくしかない。五条悟を単なる兵器として孤立させず、子供たちを私刑の防波堤にさせないための法的な檻を作る。お互いの術式が実戦で使い物になるかどうかは、その現場で嫌でも証明されるはずだ」

 

俺の突き放したような言葉に日向は一瞬だけ驚いたように目を見張り、それからいつもの不敵で、どこか挑戦的な笑みを取り戻した。

 

「手厳しいね。いいよ、お互いに最初の現場でボロを出さないようにしよう。君が法廷の外で立ち往生しないかしっかり見ておこうか」

 

「ああ。まずはその目で、現在の高専の現実を確かめに行こう」

 

日向夏の術式『公訴執行』と俺の『誅伏賜死』。

二つの国家の天秤がどう噛み合うか、ロードマップは定まった。俺はPCを閉じ、ペンを胸ポケットに差した。脳内で暴走しかけている不完全な呪力の奔流を、俺は法律家としての強固な意志で静かに押さえ込む。

 

「二度とあんな無策な地獄は繰り返させない。まずは、その目で現実を確かめに行こう」

 

俺たちは最初の標的――東京都立呪術高等専門学校への潜入視察を開始する。そこには世界の中心にいるはずの五条悟という男と、生存戦略のために真面目を擬態している同い年の男が待っているはずだった。

 

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