先生が誘拐された、あの騒動から、一週間後。
トリニティ自治区にある古聖堂には、大勢の生徒たちが集まっていた。
数多の生徒たちが同じ場所へ集まっている。
少し前までなら、到底考えられなかった光景だった。
聖堂の壇上には、三つの席が用意されている。
一つはゲヘナ学園。
一つはトリニティ総合学園。
そして最後の一つにはアリウス分校と書かれていた。
来賓席に座っていた先生は、その文字を見ながら感慨深そうに頷く。
「なんとかお願いを叶えられそうでよかったよ」
「えぇ、お陰でこの一週間は本当に大変でしたよ!」
隣に座るナギサが呆れたように答えた。
「いやぁごめんね、この一週間ほどナギサ達を呼んでおいてよかったと思わない日は無かったよ」
先生は爽やかに笑いながら壇上を見る。
ゲヘナ代表として座っているのは、不敵に笑っている羽沼マコト。
トリニティ代表は、若干疲れた顔をしている桐藤ナギサ。
そしてアリウス代表の席には、ニコニコ顔の秤アツコが座っていた。
「ところでさ、なんでアツコが代表なの?」
「え?」
先生は壇上の現地アツコを指差す。
「アリウスのリーダーってサオリじゃないの?」
そんな先生の素朴な疑問にアツコは少し得意げに胸を張った。
「私、ロイヤルブラッドだからね!」
「ロイヤル……?」
「そういうことだ」
水着サオリも頷く。
「よく分からないけど、なるほど」
「絶対分かってないでしょ」
「雰囲気は分かったよ!」
そんな小声の会話をしている間にも、式典は進んでいく。
壇上ではマコトが堂々と立ち上がった。
「ふはははは!」
「歴史的な条約の締結に、このゲヘナ学園議長たる羽沼マコトが――」
少し離れた場所から、余計なことは言わなくていいと言いたげなヒナの冷たい視線がマコトを貫いていた。
「で、では早速署名へ移ろうではないか!」
「随分とお早い口上でしたね」
そんな二人のやり取りを見ていた現地ナギサが苦笑する。
今回結ばれる条約。
その内容は、いたって簡潔だった。
ゲヘナ学園。
トリニティ総合学園。
アリウス分校。
この三校間における和平と相互協力。
文章にすればそれだけなのだが、その一文が持つ意味は大きい。
今後アリウスが外部から危険に晒された場合、ゲヘナとトリニティが後ろ盾となる。
一方で、長年対立してきたゲヘナとトリニティの間で問題が起きた場合。
どちらにも深く与しないアリウスが、両者の間へ立つことができる。
三校の中では、最も小さな勢力。
だが同時に、二校の間を繋ぐ重要な第三者でもあった。
現地ナギサが書類へ署名する。
次にマコト。
最後に現地アツコがペンを手に取った。
関係者席にいる現地サオリたちが、その姿を見守っている。
「姫ちゃん……!」
ヒヨリはすでに泣いていた。
「まだ署名しただけだよ」
ミサキが呆れたように言う。
「ですがぁ……!」
「私たちが、あんな立派な壇上に……!」
「ヒヨリ、静かにしろ」
現地サオリもそう注意しながら、壇上から目を逸らさなかった。
現地アツコが最後の署名を書き終える。
そして。
三校間のエデン条約が、正式に成立した。
聖堂内に大きな拍手が響き渡る。
その光景を見ながら、ナギサが呆然と呟いた。
「頭ではわかっていますが、エデン条約に……アリウスが参加しています……」
ミカは楽しそうに笑う。
「これはもう、私たちの知ってるエデン条約じゃないね☆」
セイアは壇上の三人を見つめる。
「だがこちらの方が、よほど“エデン”らしいのではないか?」
アツコも嬉しそうに目を細めた。
「こっちの方が、みんな幸せそうだね」
水着サオリはしばらく何も言わなかった。
壇上の現地アツコ。
涙を流しているヒヨリ。
静かに見守るミサキ。
そして、どこか信じられないものを見るような顔をしている現地サオリ。
自分たちの世界にはなかった光景だった。
「……そうだな」
水着サオリは小さく笑う。
「こんな未来も、あったんだな…」
セイアも穏やかに目を細める。
「私たちの居た世界では、エデン条約自体色々あって無くなったと知ったら彼女たちはどんな顔をするだろうね?」
「うっ!」
「ははは、冗談さ。私も態々水を差すような野暮なことをする気はないよ」
「相変わらずセイアちゃんは性格悪いね☆」
先生はそんな五人を見ながら首を傾げていたが、特に追及しなかった。
◆
無事に調印式が終わり。
古聖堂前の広場の一角では、別の戦いが始まっていた。
「肉、切り終わったよぉ~」
「エビの下処理、終わった」
「こっちの野菜も切り終わりました」
「串が足りないんですけど、どこにあるか知ってません?」
「そこらへんのダンボールに入っているぞ」
「コーラってここで大丈夫かな?」
大量の食材。
大量の飲み物。
大量の炭。
大量の鉄板。
そして、忙しなく働く六人。
臨戦ホシノ。
シロコテラー。
臨戦トキ。
ケイ。
元理事。
先生。
「うへぇ……」
臨戦ホシノは大量の肉を切り分けながら苦笑する。
「アリウスの子って、こんなにいたんだねぇ」
「人数を考えれば、この程度の食材量は当然では?」
ケイは野菜を串に刺しながら答える。
「むしろ先生は、よくこの量を用意できましたね」
「元理事が買い出しを手伝ってくれたから」
先生は大きな箱を運びながら答えた。
「私はいきなり、大量の食材の発注とそれを運ばされるとは思わなかったがな!!」
元理事は遠い目をしている。
「ありがとう、本当に助かってます」
「ハァ……もう慣れたからいい…」
「あはは……」
少し離れた場所では、臨戦トキとシロコテラーが鉄板の前へ立っていた。
「ん。焼き加減は完璧」
「では先生へ最も美味しく焼けた一本を――」
「それ、アリウスのみんなに配る分だよ」
「……そうでした」
臨戦トキは少しだけ残念そうに皿へ肉を移した。
「次は先生用を焼きます」
「まずみんなに配ろうね?」
そんなやり取りをしながら、準備は着々と進んでいく。
やがて、香ばしい匂いが広場中へ漂い始めた。
「できたよ!」
先生が声を上げる。
「みんな、順番に取りに来てね!」
その瞬間。
「うおおおおおおお!!」
アリウス生たちが一斉に動き出した。
「肉!」
「エビ!」
「ホタテ!」
「コーラ!」
「順番! 順番だからね!」
先生と元理事が、次々と焼き上がった食材を皿へ乗せていく。
ヒヨリは肉を受け取った瞬間、目を輝かせた。
「本当に好きなだけ食べていいんですか!?」
「いいよ、約束だからね」
「では遠慮なくいただきます!」
ヒヨリは勢いよく肉へかぶりついた。
「おいしいですぅぅぅ!! 生きていて良かったですぅぅ!!」
「毎回大げさ」
ミサキはそう言いながら、ホタテを一つ取る。
一口食べる。
「……!」
もう一つ取る。
「ミサキさんも気に入ってます?」
「そう?」
「だって三個目ですよ?」
「……普通でしょ」
現地アツコはかき氷の器を両手で持ち、嬉しそうに眺めていた。
「冷たくておいしいね」
「かき氷だからな」
現地サオリが答える。
「甘い」
「そうだな」
「サッちゃんも食べる?」
「私は後でいい」
現地アツコは少し考える。
それから、自分のスプーンでかき氷をすくい、現地サオリへ差し出した。
「……」
現地サオリは周囲を見る。
誰も気にしていない。
「一口だけだぞ」
差し出されたかき氷を食べる。
「……冷たいな」
現地アツコは楽しそうに笑った。
◆
そんな大盛り上がりのバーベキューを、少し離れた場所から眺めている四人組がいた。
「何か、とても良い匂いがしますわね」
黒舘ハルナ。
赤司ジュンコ。
鰐渕アカリ。
獅子堂イズミ。
美食研究会の四人だった。
彼女たちは、ただ調印式を見物しに来ただけだった。
「式典の屋台かしら?」
ジュンコが首を傾げる。
「ちょうどお腹も空きましたし、一ついただきませんか?」
アカリが笑顔で提案する。
「賛成!」
イズミが元気よく手を上げた。
四人は何の警戒もなく、バーベキュー会場へ近づいていく。
「すみません」
ハルナが近くにいたアリウス生へ声をかける。
「こちらにも一ついただけますか?」
「……」
アリウス生の動きが止まった。
その隣にいた生徒も振り返る。
「ゲヘナ……」
「私たちの食事を……?」
ざわざわと空気が変わる。
アリウス生たちの手が、無意識に武器へ伸びる。
美食研究会の四人は、それに気づいていない。
「お肉と海鮮、両方いただけると嬉しいですわ」
「私はお肉多めで!」
「私は全部でお願いします」
「アカリは少し遠慮しなさいよ!」
アリウス生の緊張が高まり始めた、その時。
「お前達、武器から手を離せ」
現地サオリの声が飛ぶ。
アリウス生たちが振り返る。
「今日は和平条約を結んだ日だ。余計な争いを起こすな」
「ですが……」
「私たちの分がなくなったら……」
「大丈夫だよ!」
先生も鉄板の向こうから声をかけた。
「まだまだいっぱいあるよ」
「足りなくなったら追加で買ってくるから」
「だから心配しなくていいよ」
「……」
アリウス生たちは、しばらく顔を見合わせた。
そして、ゆっくりと武器から手を離す。
「……分かった」
「一人一皿なら」
「ありがとうございますわ」
ハルナは何事もなかったかのように皿を受け取る。
肉を一口。
「……!」
目が輝いた。
「素晴らしいですわ!」
「この焼き加減! 香ばしさ! そして肉汁!」
「海鮮も美味しいですよ~」
アカリはすでに二皿目へ手を伸ばしている。
「うまっ!」
ジュンコも勢いよく食べ始めた。
「このコーラ、お肉に合う!」
イズミも満面の笑みだ。
アリウス生たちは、四人を不思議そうに見ていた。
ゲヘナ生。
自分たちが長年、敵だと教えられてきた相手。
だが、目の前の四人は。
アリウスだからと警戒することもない。
敵意を向けることもない。
ただ肉と海鮮を食べて喜んでいる。
「……私たちがアリウスでも、気にしないのか?」
一人の生徒が、おそるおそる尋ねた。
ジュンコが首を傾げる。
「え?」
「だって、これ美味しいじゃない」
「それがこの料理の味に何の関係がありますの?」
ハルナも当然のように答える。
「美味しい料理を前に、学園の違いなど些細な問題ですわ」
「……」
美食研究会が楽しそうに食べている姿は、自然と周囲の目を引いた。
「うちの子達が申し訳ないわね」
ヒナも近づいてくる。
その後ろから、ゲヘナの生徒たちも少しずつ集まり始める。
「ヒナも食べる?」
先生が尋ねる。
「……いいの?」
「もちろん」
「じゃあ、少しだけ」
ヒナが肉の載った皿を受け取る。
その様子を見たゲヘナ生たちも、
「私たちもいいの?」
「まだある?」
と集まり始める。
そこへ。
「ふははははは!」
聞き覚えのある高笑いが響いた。
「ゲヘナの生徒たるもの、他校から一方的に振る舞われてばかりでは面目が立たん!」
マコトが大量の箱を引き連れて現れる。
「今回の一件に関する詫びも兼ねて、ゲヘナ学園から、最高級の肉を提供してやろう!」
「本当!? 助かるよ!」
「ふははは! もっと褒めるがいい!」
「マコト」
ヒナが呼ぶ。
「何だ?」
「ちゃんと万魔殿の予算から正式に出したもの?」
「……」
「マコト?」
「も、もちろんだとも!」
「後で確認するから」
マコトの笑顔が引きつった。
その一方で、ゲヘナ側だけが食材を提供していることに気づいた現地ナギサもすぐに動いた。
「では、トリニティからも食材を提供しましょう」
「ナギちゃん?」
現地ミカが首を傾げる。
「ゲヘナ側だけに負担させるわけにはいきません」
「海産物を追加で用意させます」
「張り合ってない?」
「そんなことはありません!」
しばらくして、今度は大量の海鮮が運び込まれてきた。
「海鮮追加だ!」
「ありがとう!!」
アリウス生たちから歓声が上がる。
現地サオリはその様子を見て、額を押さえた。
「なぜ張り合っているんだ……」
だが結果として、食材は一気に豪華になった。
ゲヘナ生が加わる。
現地ティーパーティーの三人も加わる。
「せっかくだから食べようよ、ナギちゃん!」
「私は少しだけですよ!」
「セイアちゃんも!」
「私は静かに食べたいのだがね」
その姿を見た補習授業部も加わった。
「アズサちゃん、あちらに焼き上がったお肉がありますよ!」
「ああ。行こう」
「わ、私は別にお腹すいてないし――」
「コハルちゃん?」
「わかったわよ! 行けばいいんでしょ!?」
ハナコは楽しそうに笑った。
さらに周囲のトリニティ生まで少しずつ輪へ加わっていく。
気づけば、先生がアリウス生へ約束しただけだったはずのバーベキューは、三校合同の巨大なバーベキューパーティーへ変わっていた。
「……先生」
元理事が鉄板の前から呟く。
「うん?」
「人数、増えすぎではないか?」
「まぁ増えちゃったね…」
「食材は?」
「ゲヘナとトリニティが追加してくれたから大丈夫だと思いたい!」
「このペースだとまったく足りないが…」
「……」
「……」
二人は山積みになった肉と海鮮とみんなの食べるペースを見る。
「私が焼き続けるよ…」
「私は買い出しに行ってくる…」
◆
少し離れた場所では、便利屋68の四人がその光景を眺めていた。
「……」
アルは腕を組み、難しい顔をしている。
目の前では、肉や海鮮が次々と焼き上がっている。
香ばしい匂いが、容赦なく鼻を刺激していた。
「アルちゃん、食べないの?」
ムツキが楽しそうに尋ねる。
「た、食べないわよ!」
アルは勢いよく答える。
「私たちは先生からのお願いを辞退したのよ?」
「それなのに、バーベキューだけ食べるなんて、便利屋68の社長として示しがつかないでしょう!」
「別にこれは救出の報酬じゃないと思うけど」
カヨコが呆れ気味に答える。
「先生がアリウスの生徒たちと約束していた食事会に、みんなが混ざってるだけでしょ」
「そ、それでもよ!」
アルは必死に視線を逸らす。
その瞬間。
ぐぅぅぅぅぅ……。
盛大な音が辺りに響いた。
近くにいたアリウス生。ゲヘナ生。トリニティ生。
そして、肉を焼いていた先生まで振り返った。
アルの顔が、一瞬で真っ赤になる。
「ち、違うのよ!?」
「今のは私じゃ――」
「社長…」
カヨコが静かに言う。
「もう諦めた方がいいよ」
「すっごい音だったね、アルちゃん!」
ムツキは腹を抱えて笑い始めた。
「くふふっ! 社長としての威厳が、お腹の音で全部吹き飛んじゃった!」
「うるさぁぁぁい!!」
ハルカは本気で心配していた。
「アル様……!」
「そんなにお腹が空いていたんですか……!?」
「すぐに食料を確保してきます!」
「普通にもらえばいいでしょう」
その時、先生が声をかけた。
「よかったら、アルたちも食べていきなよ」
「えっ?」
「まだまだいっぱいあるし」
「今日くらいは、みんなで食べようよ」
アルは周囲を見る。
ムツキはニヤニヤとした顔でこちらを見ていて、カヨコも仕方ないというように笑っている。
ハルカだけは今にも泣きそうな顔で自分を心配していた。
「……」
アルはしばらく黙る。
そして、顔を真っ赤にしたまま先生の前へ歩いていった。
「わ、分かったわよ!」
「そこまで言うなら食べてあげるわ!」
「便利屋68の社長として、食材を余らせるわけにはいかないもの!」
「アルちゃん、さっきまで食べないって言ってたのに~!」
「うるさぁぁぁい!!」
アルはやけくそ気味に肉へかぶりつく。
「……おいしい」
「声、小さっ!」
ムツキがまた大笑いする。
カヨコも呆れながら肉を一つ受け取った。
「まあ、せっかくだしね」
ハルカはアルの隣へ座る。
「アル様が楽しそうで……良かったです」
「べ、別に楽しんでるわけじゃないわよ!」
そう言いながら、アルは二枚目の肉へ手を伸ばしていた。
◆
夕方だった空は、いつの間にか暗くなっていた。
古聖堂前の広場には、いくつもの照明が灯されている。
あちこちから笑い声が聞こえていた。
アリウス生とゲヘナ生が同じ鉄板を囲む。
トリニティ生がアリウス生と楽しそうに会話している。
美食研究会が勝手に新しい焼き方を研究し始める。
マコトが声高に騒ぎ出そうとして、ヒナに止められている。
現地ミカとゲヘナ生が最後のエビを巡って揉め、それを現地ナギサが止める。
ヒヨリは両手に肉を持ち、幸せそうに食べ続けていた。
「おいしいです!」
「マダムを裏切って本当に良かったです!」
「その言い方はやめろ!」
誰かの怒鳴り声も、今ではどこか楽しそうだった。
少し離れた場所で、現地サオリは広場全体を眺めていた。
アリウス生が外にいる。
武器を構えるためではなく。
誰かを襲うためでもなく。
ただ、他校の生徒と同じように火を囲み。
好きなものを食べて笑っている。
少し前の自分には、想像すらできなかった光景だった。
「サオリ」
先生が隣へ来る。
「お願いは叶えられたかな?」
「……」
現地サオリは、すぐには答えなかった。
ヒヨリが美食研究会に肉を取られて騒いでいる。
ミサキは呆れながらも、トリニティ生と一緒にホタテを焼いている。
現地アツコは串焼きを食べながら、未来のアツコと楽しそうに話をしていた。
昨日までなら、同じ場所にいるだけで銃撃戦になっていたかもしれない三校の生徒たち。
「……ああ、申し分ない」
現地サオリが小さく答えた。
「そっか」
先生も笑う。
「先生」
「ん?」
「……ありがとう」
先生は少し驚いた。
だが、すぐにいつもの笑顔へ戻る。
「どういたしまして」
その時。
「サオリ姉さぁぁぁん!!」
遠くからヒヨリの声が響いた。
「早くしないとお肉無くなっちゃいますよ~!!」
「何だと!?」
現地サオリが反射的に振り返る。
「私の分は残しておけ!」
そのままヒヨリのもとへ走っていく。
先生はその後ろ姿を見て、小さく笑った。
この日の古聖堂前の広場では、夜が更けても。
ゲヘナ、トリニティ、アリウス。
三校の生徒たちの楽しげな笑い声が、途切れることはなかった。