名前:山口平次郎 年齢:26
性別:男 信念:忠 表の顔:軍人
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階級:中忍
流派:密蔵番(鞍馬神流)
背景:末裔、不忍
●特技
器術:絡繰術
体術:騎乗術、飛術
妖術:封術、異形化、千里眼の術
●忍法
接近戦攻撃、血断、羅盤(3)、八角鏡、怪厨子(対空千手砲)
瓦礫となった廃墟を歩く。
空襲の後だ……。いまだに焦げ臭いにおいが漂っている。
そんな街を行く人に男――山口平次郎は話しかけた。
「失礼。少しよろしいかな?」
「軍人さん?」
どこか気の抜けた様子で力なく歩いていた女が、平次郎の顔を見て眦を吊り上げる。
「あんた、どの面下げて帰ってきたんだい!」
「…………」
「あ、あたしの息子は玉砕覚悟で戦場に出て、お国のために死んだっていうのに! なんであんたは、あんたは生きて帰ってきたんだい! あんたみたいな非国民がいるから!」
「失礼、そこまでですよ」
平次郎につかみかかろうとした女性を止めるように、朱鷺が割って入る。
「この人は軍上層部の将校です。発言には気を付けたほうがいい」
「っ……」
敗戦したとはいえ、いまだに大日本帝国軍の威光は国民に有効らしい。
恨みがましい目を向けながら、女はそれ以上何も言わずに去っていく。
「……なぜ言われっぱなしなのですか」
「いやぁ、自分たちのせいで負けたのは事実ですし」
責めるような朱鷺の視線に、苦笑交じりに頭をかく。
「我々玄龍會がもっと頑張っていれば、あの戦は勝てていた。少なくとも玄龍會上層部の見解はそうです」
「平次郎さんもですか?」
「いや……自分は」
少し言葉を濁しかけ、嘘をついてもしょうがないかと言いたげに平次郎は語った。
「戦場に出ていた故肌感覚で分かります。兵の量・武器の量。そのすべてが合衆国に負けておりました。大日本帝国軍は勇猛果敢。一人で米兵10人ほどの実力があったと自負しておりますが……帝国軍の兵力の1万倍ほどの兵士をぶつけられてしまってはいかんともしがたかった」
「だったら、変に責任を負う必要は……」
「事実を認めるのと、責を負うのはまた別の話でしょう」
敗戦の事実は、負けた理由は次のためにしっかり現実を見据える。
だが負けた責は……戦を始めた責はみな強き者が背負うべきものなのだと、平次郎は内心独り言ちる。
玄龍會の師曰く――
『強い人間はなぜ強く生まれてくるのか。弱き人より多くのものを背負うためだ』
幼少のみぎり平次郎はその言葉に感銘を受け、今もそれを実演している。
「戦に負けたことを……。勝つと信じ送り出し失ったものを背負切れない人は大勢いる。政府はいま合衆国の相手で大わらわでそういった人たちを慰撫する余裕はない。なればこそ、自分くらいはそういった人たちの痛みを背負ってやりたいんだ」
「まったく、あなたという人は……昔から変わっていませんね」
何かを思い出したかのように、ナキメの口元が少し浮き上がった。
「私と出会ったときも、あなたはそんなことを言っていました」
「そうでしたかな?」
「えぇ。『忍法の一つも使えへん女は、背中刺されて死んだらええねん』といって私をいじめていた兄を殴り飛ばしながら」
そういえばそんなことをした気がすると。平次郎は当時のことを思い出す。
親類の玄龍會の忍と、比良坂古神道の忍が互いの流派の結びつきを強くするために結んだ婚約式。
その見学に来た時、庭でいじめられていた一人のくノ一を助けたことを。
「あぁ、ありましたなそんなこと。いやぁ、あの頃の自分はまだ若かった」
「……今千里眼使っていませんか?」
「まさかっ! そんなこと!」
若干うろ覚えだったので忍法を使って過去を鮮明に見つめつつ、平次郎は目をそらす。
そんなわかりやすい平次郎にため息をつきながら、朱鷺は小さくつぶやいた。
「私も……あなたくらい強ければ」
「何か申されましたか、朱鷺殿?」
「……いいえ、何でもありません」
そういうと朱鷺は前に出る。
「あの時の恩義もまだ返していません。この忍務、あなたの指示に従いますよ」
「なに、恩義など。先ほど助けていただいた分ですでに返してもらいました。自分こそ、さっきの助けてもらった借りを返さねばなりますまい」
「それ無限に続くことになりませんか?」
「朱鷺殿のような美しい方と無限に付き合えるなら些細なことですな」
「……まったく」
ほんの少しだけ朱鷺の頬が赤らんだ気がして、平次郎は内心ガッツポーズをするのだった。
…†…†…………†…†…
翌日。静かな森の中にて……。
「来ました……」
朱鷺と平次郎はとうとうジョンと簪の動向をつかんだ。
奈良に入るための街道をよけ、獣道を歩く彼らの頭上をうっそうと覆う木々。
その枝に潜んでいた朱鷺は、ジョンたちが眼下を通り過ぎると同時に合図を送る。
瞬間、風を切り裂き何かが飛来する音が山に響き渡った。
「っ! この音は!?」
「ぼさっとするな! ジョン!」
驚くジョンを簪が蹴り飛ばすが、攻撃は広範囲に連続着弾した。
回避困難な面制圧爆撃忍法――
後方からの援護を任された平次郎の得意技だ。
「くっ、油断はしていないつもりだったが。ジョン! そっちは大丈夫か!」
「えぇ、何とか。というよりこれ当てるつもりが……」
陽動だということが早々にばれ始めた。
時間は自分の敵だ。
それを察した、朱鷺は瞬時に樹上から身をひるがえし、急降下でジョンの肩に乗った不死を握り奪い取る。
「なぁッ!?」
「申し訳ございません、不死さん」
突然の襲撃に悲鳴を上げる不死の口をふさぎながら、朱鷺は風のように森の中を駆け抜ける。
「っ! フシさん!」
「よそ見をするなジョン! 二発目が来るぞ!」
陽動の仕事は充分に果たしてくれた。
内心で平次郎に礼を言いながら、朱鷺はしばらく森を駆ける。
やがて、大きな滝のある川のほとりへたどり着いたのち、不死を川岸に置き平伏した。
「申し訳ございません。手荒な真似をしてしまい」
「……朱鷺か」
襲撃者の正体に気づいたからか、不死の言葉には先ほどの焦りはなくただ申し訳なさそうな色が宿っていた。
「……はい。お迎えに上がりました。なぜあのような者たちと一緒にいるのかはわかりませんが、帰りましょう不死様」
祈るように。懇願するように。
ジョンたちといたのが何かの冗談だったといってくれと願いながら、朱鷺は願う。
元居た場所に帰ろうと。
だがフシは首を横に振った。
「それは、悪い……。できねぇ」
「……っ! カグヤ様はこのことをご存じなのですか!?」
「当たり前だ!」
不死の言葉に、朱鷺は歯噛みをする。
いったいなぜ……なぜ
「あなたたちはなぜ、私たちの――私のもとから」
「朱鷺、落ち着いて聞いてくれ……。これには深い事情が」
「いいえ、結構! 話していただかずとも!」
CIAに同行していたのだ。
ほんのわずかな可能性だが、奴らの汚い手にかかり洗脳された疑惑もある。
ならば、やることは一つだ。
「私の手で、すべてを明らかにします!」
宣言と同時に、朱鷺の瞳が黄金に輝く。
同時に、時には不死の内面がすべて読み取れた。
不死の内面にあったのは七千九百余年、一つの国の情報を記録し続けたような莫大な情報の海。
その中から必要な情報のみを抜き取り、朱鷺はのけぞった。
「――っ! はぁっ、はぁ……!」
「朱鷺! おいあんま無茶すんな! 大丈夫か朱鷺!」
心配したような不死の声が響くが、、不死の内面という神聖な領域に無遠慮に入り込んだ朱鷺は大きな負荷を脳に受けてしまっていた。
脂汗がにじみだし、まともに立っているのも難しくなる。
そのままばたりと倒れ込みかけた時――
『朱鷺ちゃん!』
慌てたような声と共に、黄金の髪が宙を舞った気がした。
…†…†…………†…†…
「朱鷺殿! 朱鷺殿!」
「……平次郎、さん」
目を覚ますと、そこには自分を心配したように見つめる平次郎の姿があった。
「無事でしたか。いったい何が……? 朱鷺殿ほどの御仁を倒す者がいるとは」
「……いいえ」
身を起こすと、そこは不死の秘密を見た川辺だった。
ひどく疲れているが傷一つない。
不死は意識を失った時をその場に置き、ジョンたちのもとに帰ったのだろう。
(私のもとには、残ってはくれなかったのですね……)
そのことをひどく悔しく思いながら、朱鷺は立ち上がる。
「平次郎さん。正倉院に戻りましょう」
「良いのか? ここらで食い止めるために本格的にたたいたほうがいいと思うが」
「申し訳ありません。それよりも前に」
じっと、自分たちの拠点があるほうを見つめる。
「話を聞きたい人ができました」
■山口平次郎 推奨:男 玄龍會(鞍馬神流)
・使命:【正倉院内部のプライズを死守する】
・導入:
比良坂古神道より要請を受け出向してきた玄龍會の忍。
厳島朱鷺の友人であり今回の任務の連携を期待され玄龍會より召集を受けた。
そして敗戦の折、武闘派として敗戦の責任を深く感じていた玄龍會よりあなたは以下の指令が下されている。
「此度の敗戦は、我々の力が及ばなかったゆえのものだ。これ以上恥の上塗りはできない」
「どんな手段を使ってでもCIAの工作員の目論見を阻止せよ。忍は――玄龍會はいまだ健在であると諸外国へ見せつけるのだ」
山口平次郎の使命は『正倉院内部のプライズを死守する』ことだ。
【追加HO】
■カグヤ 推奨:NPC
・設定:
不死を通して会話ができる地球外生命体である。
人格的には女性であるらしく、ハイテンションで甘え上手な口調でお願いをしてくる。
カグヤの使命は『正倉院から外に出る』ことだ。
秘密:〇 感情:〇 居所:×