・使命:【不明】
・設定:
PC1の上司、ロゼルタ・マスクウェルと同格の地位にいるCIAの重鎮候補。
本来はナチスドイツへの裏工作を行っていたはずだが、なぜか日本にいる。
目的はいったい何なのか……?
キャプテンステイツの使命は『不明』である。
秘密:〇 感情:〇 居所:△(メイン戦闘を挑むことはできない)
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■比良坂ナキメ
・使命:【正倉院内部のプライズを死守する】
・設定:
今回PC3とPC4に依頼を出した比良坂古神道の上忍。
事情が変わったらしく本人がこの暗闘に乗り出したらしいが……目的は不明のままだ
秘密:〇 感情:〇 居所:△(メイン戦闘を挑むことはできない)
「……おはようございます。不死さん」
「……あぁ、おはよう」
あの空間から帰ってきたジョンは、隣で心配そうな顔をしていた不死に挨拶をする。
事情をおおよそ知った今、彼にとって不死は欠かすことのできない友人であり護衛対象だ。
何としてでも守り抜かなくては……。
新たにした決意を胸に秘め、ジョンは立ち上がる。
「簪さんにもご迷惑をおかけしました」
「まったくだ。突然そのウミウシが光りだしたかと思うと、お前が倒れたからやっぱりコイツ敵なんだと思って拷問の準備をしていたところだったぞ」
「ほんと……あと数秒でも遅れてたら俺の命がなかったぜ」
よく見るとだらだらと冷や汗をかいている不死の横に、苦無で削られたらしいギザギザの岩と、積み上げやすいように板状になった無数の岩石がおかれている……。
(どうやら日本古式ゆかしい拷問の準備らしいが、いったいこれで何をするつもりだったんだろう……)
興味深いような、深く聞きたくないような……。
そんな葛藤をジョンが得た瞬間だった。
「YOU断大敵デース!」
ジョンと簪の間の空間に、赤と青にカラーリングされたやたら目立つ機械甲冑を着た老人が落下してくる。
「は!?」
おそらく超高高度からの空挺降下による奇襲。
気配に敏感なCIA職員のジョンも、超高度から爆速落下には反応できずもろに攻撃を受けてしまう!
視界の端では簪も吹き飛ばされており、突然の敵襲に目を見開いていた。
「ぐぁっ!」
「まったくとんでもないボーイだ。国からの任務を気分一つで放り投げようなんて、ロゼルタはいったいどんな教育をしているのカナァッ!」
「あ、なたは!」
吹き飛び木にたたきつけられ呼吸が一瞬止まったジョンをしり目に、ほぼ自由落下で地面に激突したことなどみじんも感じさせないまま、老人は悠々と不死に向かって歩き出す。
「キャプテンステイツ!」
「ほう、さすがに私の名を知っているか。そう、私こそがロゼルタと並ぶ未来のCIAをしょって立つ英雄であり、対ナチスドイツの作戦を指揮した諜報戦のスペシャリスト――キャプテェエエエエエエエン! ステイッツ!」
エリートスパイを自称しながら、スパイらしくない濃い自己主張と共に、何やら大仰なポーズを決め機械装甲に身を包んだ白髪の老人――キャプテンステイツはそう叫んだ。
「崇め敬うがいい、ボーイ!」
「あなたが何でここに……。ドイツを東西に分断する方針を固めるため、欧州で活動していたはず」
「ふふん。ふがいないロゼルタのために、私が作戦の進捗を確認しにきてやったのだよ。そして非常に残念だ……まさか対象に情を抱いて任務を放棄するとはな」
そういったキャプテンステイツは逃げようとした不死をわしづかみにし、見せつけるように持ち上げた。
「腑抜けの貴様の代わりに任務は私が引き継グ。せいぜいロゼルタに報告する、任務失敗のいいわけでも考えておくんダナ!」
「おい」
そしてそのまま帰ろうとしたとき、背後から声がかかり振り返ってしまった。
飛来したのは、簪の鉄拳だ。
「ぐぼうぇらっ!?」
「さっき吹っ飛んだのは分身だご老体。で、一応CIAの同僚らしかったから手加減したが、殺さなくてよかったのかコイツ?」
奇声とともに吹き飛んだキャプテンステイツ。
当然彼は不死を手放し、放物線を描いて宙を舞った不死を今度は簪がつかみ取った。
「いえ。助かりました。何のつもりで任務を妨害しに来たのか、聞かないといけませんでしたから」
なぜ自分が裏切ったことを知っている? そもそもドイツが主戦場の彼がなぜ日本にいる。
謎はあまりに多かった。殺してしまってはそれがわからなくなる。
何とか生け捕りにして尋問せねば。
そうジョンが考えた瞬間だった。
「とうっ!」
これまたテンション高めにキャプテンステイツが飛ぶ。
どういう理屈か背中から火を噴きながら滞空した彼は、忌々しげにジョンたちを見下ろし吐き捨てた。
「ふん! 相棒に恵まれたな、ジョン・カーター! 今回は引いてやる!だが、CIAは裏切りを許さん。私がトップになった暁には、貴様の席はCIAにはないと思え!」
それだけ言い捨てると、キャプテンステイツは飛び去って行く。
「いったい何だったんだあの絡繰り兵器は……」
そんな彼の濃過ぎるキャラクターにやや閉口した様子を見せながら、簪がつぶやいている。
彼女を横目に見ながら、ジョンはため息をついて立ち上がった。
「カグヤさん……。どうやらこの暗闘……まだまだ一筋縄ではいかないようです」
…†…†…………†…†…
「おぉ、目覚められたか!」
「……平次郎さん」
朱鷺が目を覚ますと、眼前にいたのは安堵したように息をつく平次郎だった。
「正倉院に入られたとたん倒れられたので驚きましたぞ。体調が悪いのか?」
「いえ。大丈夫です。ご心配おかけいたしました」
カグヤの七千余年の歴史を追体験したためか、やや体に倦怠感がある。
この世界において忍とは戦闘時に光の速さまで加速する怪物ではあるが、さすがに七千年を超える記憶の濃縮解凍は堪えたらしかった。
立ち上がろうとしてややふらつく朱鷺を支え、慌てた様子で平次郎が寝かしつける。
「朱鷺殿! あなたは倒れかけたのだぞ。もっと自愛せよ!」
「うっ……。すいません」
「ともかく今日一日は休まれるがよかろう。私は食事を作ってくるゆえ!」
それだけ言うと「まったく休みが下手なのは朱鷺殿の悪いところだ」と肩を怒らせながら去っていく。
そんな平次郎の見慣れない姿に、ほんの少しだけ温かいものを感じながら、朱鷺が布団をかぶった時だった。
『朱鷺……』
「っ!」
頭上から声が聞こえる。
自分たちに依頼を出した比良坂ナキメの声だった。
『私が何を言いたいのかは、わかりますね?』
「…………」
(すべて、お見通しですか)
そのことに内心朱鷺が歯噛みする中、ナキメは告げる。
『あなたの気持ち。一応理解はしているつもりです』
「……では」
『ですが私たちは忍です。主のために生き、主のために死ぬ。それこそが本懐』
期待の言葉をつぶやきかける前に、帰ってきたのは冷たい拒絶だった。
『今ならあなたの叛意を見逃します。思い直してください、厳島 朱鷺』
「できません」
だが、それならばこちらの答えも決まっている。
「私の忠誠は、いつでもあの人のためにあります。比良坂古神道にいたのは、そのほうがあの人を守ることができたからです」
『……まったく、強情なのは誰に似たんでしょうね』
少しだけ……苦笑が漏れたような声がした。
布団越しにゆっくりと誰かが頭をなでていく。
『朱鷺、私の愛弟子……。その道を応援してはあげられない。私は今からあなたの敵になる。でも』
やがて手は名残惜しそうに離れ、
『頑張りなさい』
それだけ言って声の主の気配は消えた。
「……ありがとうございます。ナキメ様」
その言葉は、布団の中に染み入り消えた。
やがてゆっくりとした寝息が、布団の中から聞こえてくる。
新たな戦いに備えて……朱鷺は夢の中で休むことにしたのだった。