《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第九章
《ラグナ断層宙域》
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銀河外縁。
帝国航路から外れた、
死の宙域。
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《ラグナ断層》
そこは。
ワープ嵐。
宙域海賊。
混沌勢力。
異常重力域。
あらゆる危険が渦巻く、
“銀河の墓場”だった。
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その暗黒宙域を。
巨大戦艦
《レクイエム・オブ・アッシュ》が進む。
黒鉄の怪物。
無数の砲門。
血塗れの軍旗。
そして。
艦橋には、
笑う狂人達。
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「敵反応捕捉」
オペレーターが告げる。
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「混沌艦隊二十七隻」
「帝国難民船団へ接近中」
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宙域モニターへ映る。
逃げ惑う民間船。
その後方から迫る、
巨大な混沌戦艦群。
船体は肉塊と融合し、
脈動していた。
まるで。
宇宙そのものが腐っている。
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レオンが顔をしかめる。
「……またナーグル系か」
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「いや」
セトラが静かに言う。
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「違う」
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その瞬間。
モニター中央。
最大級戦艦が、
ゆっくり姿を現す。
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巨大。
異常。
船体全体が、
無数の顔で覆われている。
泣き。
笑い。
絶叫する顔。
永遠に苦しみ続ける魂。
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艦橋の空気が変わった。
デーモン達ですら、
顔をしかめる。
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リリスが低く呟く。
「……スラーネッシュか」
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その時。
全通信回線へ、
ノイズ混じりの声が響いた。
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『アァ……素晴らしい……』
男とも女ともつかない声。
粘つくような囁き。
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『苦痛も、絶望も……』
『愛してあげよう……』
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オーク達が顔をしかめる。
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「キモチ悪ィ」
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その瞬間。
敵艦隊全域から、
大量の戦闘艇が射出された。
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「来るぞ!!」
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第一節
混沌の歌声
宇宙戦が始まった。
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《レクイエム・オブ・アッシュ》
全砲門展開。
超大型主砲が火を吹く。
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ドゴォォォォォン!!!
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混沌艦一隻が爆散。
だが敵も止まらない。
ワープを裂きながら、
異形戦闘艇が突撃してくる。
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「右舷被弾!!」
「敵 boarding craft 接近!!」
「来たぞ!!」
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艦内警報。
赤色灯。
通路隔壁閉鎖。
その瞬間。
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ズガァァァァァン!!!
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敵戦闘艇が、
船体へ突き刺さった。
壁が吹き飛ぶ。
そこから現れたのは。
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異形兵。
スラーネッシュの狂信兵。
異常に細長い身体。
刃物のような腕。
快楽と狂気に歪んだ笑み。
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『愛してあげる』
『痛みを感じよう?』
『美しく裂けろ』
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「……やっぱキモい」
レオンが真顔で呟く。
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次の瞬間。
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ドガァァァン!!
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巨大ハンマー。
グラッグが、
敵を壁ごと粉砕した。
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「気色悪ィンダヨ!!」
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オーク軍団突撃。
通路が地獄になる。
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第二節
家族に手を出すな
艦内各所で、
白兵戦が始まる。
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マリーン達がボルト弾を乱射。
デーモン達が狂笑しながら斬り裂く。
人間兵達が、
恐怖を押し殺して応戦する。
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だが。
敵も異常だった。
死を快楽として笑いながら、
突撃してくる。
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その中で。
若い通信兵の少女が、
敵兵に追い詰められていた。
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『綺麗な悲鳴を聞かせて?』
刃が迫る。
少女が目を閉じた。
その瞬間。
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ズガァァァァァン!!!
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敵兵が吹き飛ぶ。
そこに立っていたのは。
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マルケウス。
血塗れ。
笑っている。
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「ウチのガキに触んな」
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チェインソード起動。
敵兵をまとめて切断。
血飛沫。
絶叫。
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少女は震えながら言った。
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「……なんで助けるんですか」
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マルケウスは、
少しだけ呆れた顔をした。
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「馬鹿か」
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敵の首を蹴り飛ばす。
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「家族だからだろ」
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第三節
化物達の突撃
艦橋。
ヴォルグラムは、
静かに敵旗艦を見ていた。
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巨大混沌艦。
《歓喜の聖堂》。
数百万の魂を喰らった、
狂気の戦艦。
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その奥にいる。
敵指揮官。
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『来て……』
『もっと苦しんで……』
通信から、
甘ったるい声が響く。
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ヴォルグラムは数秒黙り。
そして。
真顔で言った。
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「……うるせぇな」
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周囲が吹き出す。
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「団長、それだけですか!?」
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ヴォルグラムは、
巨大斧を肩に担ぐ。
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「総員突撃準備」
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「敵旗艦に乗り込む」
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艦橋全員が笑った。
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「また白兵戦かよ!!」
「最高じゃねぇか!!」
「酒前の運動だ!!」
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ヴォルグラムは、
ニヤリと牙を見せた。
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「テメェら」
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義眼が赤く光る。
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「家族に手ぇ出した奴ァ」
斧を握る。
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「全員ぶっ殺すぞ」
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歓声。
咆哮。
狂笑。
そして。
ネヴァーモーン最悪の boarding 作戦が、
始まろうとしていた。
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第九章 完