禁忌混成傭兵団   作:甘めのコーヒー

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第11話

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第九章

 

《ラグナ断層宙域》

 

 

銀河外縁。

 

帝国航路から外れた、

死の宙域。

 

 

《ラグナ断層》

 

そこは。

 

ワープ嵐。

 

宙域海賊。

 

混沌勢力。

 

異常重力域。

 

あらゆる危険が渦巻く、

“銀河の墓場”だった。

 

 

その暗黒宙域を。

 

巨大戦艦

《レクイエム・オブ・アッシュ》が進む。

 

黒鉄の怪物。

 

無数の砲門。

 

血塗れの軍旗。

 

そして。

 

艦橋には、

笑う狂人達。

 

 

「敵反応捕捉」

 

オペレーターが告げる。

 

 

「混沌艦隊二十七隻」

 

「帝国難民船団へ接近中」

 

 

宙域モニターへ映る。

 

逃げ惑う民間船。

 

その後方から迫る、

巨大な混沌戦艦群。

 

船体は肉塊と融合し、

脈動していた。

 

まるで。

 

宇宙そのものが腐っている。

 

 

レオンが顔をしかめる。

 

 

「……またナーグル系か」

 

 

「いや」

 

セトラが静かに言う。

 

 

「違う」

 

 

その瞬間。

 

モニター中央。

 

最大級戦艦が、

ゆっくり姿を現す。

 

 

巨大。

 

異常。

 

船体全体が、

無数の顔で覆われている。

 

泣き。

 

笑い。

 

絶叫する顔。

 

永遠に苦しみ続ける魂。

 

 

艦橋の空気が変わった。

 

デーモン達ですら、

顔をしかめる。

 

 

リリスが低く呟く。

 

 

「……スラーネッシュか」

 

 

その時。

 

全通信回線へ、

ノイズ混じりの声が響いた。

 

 

『アァ……素晴らしい……』

 

男とも女ともつかない声。

 

粘つくような囁き。

 

 

『苦痛も、絶望も……』

 

『愛してあげよう……』

 

 

オーク達が顔をしかめる。

 

 

「キモチ悪ィ」

 

 

その瞬間。

 

敵艦隊全域から、

大量の戦闘艇が射出された。

 

 

「来るぞ!!」

 

 

第一節

 

混沌の歌声

 

宇宙戦が始まった。

 

 

《レクイエム・オブ・アッシュ》

全砲門展開。

 

超大型主砲が火を吹く。

 

 

ドゴォォォォォン!!!

 

 

混沌艦一隻が爆散。

 

だが敵も止まらない。

 

ワープを裂きながら、

異形戦闘艇が突撃してくる。

 

 

「右舷被弾!!」

 

「敵 boarding craft 接近!!」

 

「来たぞ!!」

 

 

艦内警報。

 

赤色灯。

 

通路隔壁閉鎖。

 

その瞬間。

 

 

ズガァァァァァン!!!

 

 

敵戦闘艇が、

船体へ突き刺さった。

 

壁が吹き飛ぶ。

 

そこから現れたのは。

 

 

異形兵。

 

スラーネッシュの狂信兵。

 

異常に細長い身体。

 

刃物のような腕。

 

快楽と狂気に歪んだ笑み。

 

 

『愛してあげる』

 

『痛みを感じよう?』

 

『美しく裂けろ』

 

 

「……やっぱキモい」

 

レオンが真顔で呟く。

 

 

次の瞬間。

 

 

ドガァァァン!!

 

 

巨大ハンマー。

 

グラッグが、

敵を壁ごと粉砕した。

 

 

「気色悪ィンダヨ!!」

 

 

オーク軍団突撃。

 

通路が地獄になる。

 

 

第二節

 

家族に手を出すな

 

艦内各所で、

白兵戦が始まる。

 

 

マリーン達がボルト弾を乱射。

 

デーモン達が狂笑しながら斬り裂く。

 

人間兵達が、

恐怖を押し殺して応戦する。

 

 

だが。

 

敵も異常だった。

 

死を快楽として笑いながら、

突撃してくる。

 

 

その中で。

 

若い通信兵の少女が、

敵兵に追い詰められていた。

 

 

『綺麗な悲鳴を聞かせて?』

 

刃が迫る。

 

少女が目を閉じた。

 

その瞬間。

 

 

ズガァァァァァン!!!

 

 

敵兵が吹き飛ぶ。

 

そこに立っていたのは。

 

 

マルケウス。

 

血塗れ。

 

笑っている。

 

 

「ウチのガキに触んな」

 

 

チェインソード起動。

 

敵兵をまとめて切断。

 

血飛沫。

 

絶叫。

 

 

少女は震えながら言った。

 

 

「……なんで助けるんですか」

 

 

マルケウスは、

少しだけ呆れた顔をした。

 

 

「馬鹿か」

 

 

敵の首を蹴り飛ばす。

 

 

「家族だからだろ」

 

 

第三節

 

化物達の突撃

 

艦橋。

 

ヴォルグラムは、

静かに敵旗艦を見ていた。

 

 

巨大混沌艦。

 

《歓喜の聖堂》。

 

数百万の魂を喰らった、

狂気の戦艦。

 

 

その奥にいる。

 

敵指揮官。

 

 

『来て……』

 

『もっと苦しんで……』

 

通信から、

甘ったるい声が響く。

 

 

ヴォルグラムは数秒黙り。

 

そして。

 

真顔で言った。

 

 

「……うるせぇな」

 

 

周囲が吹き出す。

 

 

「団長、それだけですか!?」

 

 

ヴォルグラムは、

巨大斧を肩に担ぐ。

 

 

「総員突撃準備」

 

 

「敵旗艦に乗り込む」

 

 

艦橋全員が笑った。

 

 

「また白兵戦かよ!!」

 

「最高じゃねぇか!!」

 

「酒前の運動だ!!」

 

 

ヴォルグラムは、

ニヤリと牙を見せた。

 

 

「テメェら」

 

 

義眼が赤く光る。

 

 

「家族に手ぇ出した奴ァ」

 

斧を握る。

 

 

「全員ぶっ殺すぞ」

 

 

歓声。

 

咆哮。

 

狂笑。

 

そして。

 

ネヴァーモーン最悪の boarding 作戦が、

始まろうとしていた。

 

 

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第九章 完

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